概要・あらすじ
ヤマザキマリの夫はイタリア人だったが、物静かで大騒ぎが大嫌い。そのジェントルマンな物腰はまるで英国紳士のよう。しかし、彼の実家のメンバーは皆、強烈な個性の持ち主だった。姑のマルゲリータは激しくも逞しい自由気ままなイタリア女。舅のアントニオは発明大好きなエンジニア。さらに、夫の妹で美大生のローザ、マルゲリータの母アンナとアントニオの母エリザベッタまで、一つ屋根の下で暮らす大家族。
マリは異国の空のもと、波乱万丈の日常生活へと踏み出すのだった。
登場人物・キャラクター
ヤマザキマリ
個性的な夫の家族に翻弄されながらも、仕事や子育てを頑張っている女性。かつてイタリアのフィレンツェで絵の勉強をしていたことがあり、ベッピーノとはその縁で出会った。作者である、ヤマザキマリがモデル。
ベッピーノ
ヤマザキマリの夫。大学で文学を研究しており、自国の文化、歴史にも詳しい。高貴な家出身のエリザベッタが、孫をジェントルマンにするべく幼い頃から厳しく躾けたため、イタリア人らしからぬ物静かで紳士的な男性に育った。常識人で妻子に優しい良き夫。
マルゲリータ
ベッピーノの母。自由奔放で傍若無人なイタリア・ママ。本来は知的でスマートな女性なのだが、その内面の印象から『モーレツ! イタリア家族』中ではモコモコ頭のイタリアおっかさん風になっている。庭で飼われているニワトリとアヒルはいずれ食べられてしまうにも関わらず、世話をしてくれるマルゲリータに懐いている。娘達の里帰りに便乗し、日本行きを企てる。 その際、友人知人を誘い、同行者がマルゲリータを入れて9人になってしまう。
アントニオ
ベッピーノの父。フリーのエンジニア。かつてはフェラーリ社に勤めていたが、今は独立してオートバイに似た乗り物を製作している。発明好きで、寒さ対策のために迷路のようになっている犬小屋や、壁と一体化していてワンプッシュで飛び出してくる靴箱など、家の中には彼の発明品が多い。弟子が何人もいて、アントニオのラボラトリーにはいつも若い弟子達が集っている。
デルス
ヤマザキマリの息子で11歳。イタリアの小学校は5年生までなので、この時点では中学1年生。日々、モテる努力を欠かさず、学校ではいつも女の子達に囲まれている。将来タイムマシンを製造して古代ギリシアを訪れるという夢を持っている。
ローザ
ベッピーノの妹。美大に通う、抜群のスタイルを誇るセクシーな女性。ローザが街に出るとどの男達も必ず立ち止まって振り返るほどだが、非常に気が強く、しつこく迫るナンパ男は張り倒して撃退する。
アンナ
マルゲリータの母で95歳。若いころは村一番の美女で、自由で自然体な彼女の美しさに村の男共はメロメロだった。村一番のダンディーな男、マルコに見初められ結婚するも、夫の浮気が原因で別れてしまう。その後、3人の子供達を女手一つで育て上げた肝っ玉母さん。マルゲリータの母だけあって、アンナもかなりの自己中心型。 見栄っ張りなところもあり、エリザベッタとは時々若さ勝負で張り合っている。
エリザベッタ
アントニオの母で90歳。高貴な家のお嬢様で、子供の頃は厳しく躾けられた。大人になるとモーレツな教育ママゴンになり、大学生の息子に対して門限を午後5時に設定していたほど。孫のベッピーノに対しても、幼い頃からジェントルマンのノウハウを一から覚えこませ、今は自分色に染めた孫を溺愛している。
マルコ
マルゲリータの父。陶芸家。自身の浮気が原因で妻のアンナとは離婚したが、86歳で人生をまっとうするまでアンナの至近距離に住み続けた。ヤマザキマリは中学生時代にマルコに会ったことがあり、彼女がイタリアで絵画の勉強をするきっかけとなった人物。