あらすじ
第1巻
ある日、大学生の雨宮夕日が目を覚ますと、そこには喋るトカゲ、ノイ=クレザンドがいた。ノイは夕日に、魔法使いから地球を守るために契約し、力を貸してほしいと告げる。混乱する夕日だが、持ち前のマイペースさでノイを翻弄し、やる気を見せない。そこに魔法使いが使役する泥人形が現れ、夕日に襲い掛かる。逃げる夕日だったが、となりの家に住む少女の朝日奈さみだれが現れ、泥人形を倒す。さみだれからビスケットハンマーと呼ばれる泥人形の存在を聞き、ビスケットハンマーを破壊したあとには、自身が地球を破壊するというさみだれの言葉に心が動き、夕日は彼女に忠誠を誓う。掌握領域の特訓を行いながらも、夕日とさみだれは2体目の泥人形を倒す。ある日、夕日は育ての親である祖父のもとに帰省する。祖父から虐待を受けて育ったため、夕日は祖父に恐怖を感じていたが、病気で気が弱くなり、これまでの仕打ちを謝る祖父に対して夕日は怒りをあらわにする。しかし、祖父を憎みきれない夕日は、契約の対価である願いで祖父の快復を願って契約を結ぶ。その夜、夕日の前に3体目の泥人形が現れるが、夕日は単独で泥人形を撃破する。後日、夕日達の前に犬の騎士、東雲半月が現れる。
第2巻
東雲半月が、朝日奈さみだれの目論む地球破壊の邪魔になるのではないかと懸念を抱く雨宮夕日に、4体目の泥人形が襲い掛かる。逃げる夕日のもとに半月が現れて泥人形を倒すが、騎士として圧倒的な力を持つ半月を、夕日は危険視する。反発心から頑なに半月の稽古を拒む夕日だが、半月から大人としての器の大きさを感じ、心を許していく。後日、夕日達は現れた5体目の泥人形を倒すため戦いに赴くが、泥人形を取り逃がしてしまう。捜索のため、夕日と半月はさみだれと別行動をする。強くなった夕日と戦う夢を見たという半月は、夕日は強くなれると話し、夕日もその言葉を素直に受け止めるのだった。夕日達は泥人形を見つけて戦闘を再開するが、夕日をかばって半月が致命傷を負い、最期に契約の願いをルド=シュバリエに伝えて命を落とす。呆然と立ち尽くす夕日だったが、さみだれが駆けつけて泥人形を撃破する。半月の死に責任を感じる夕日の前に、半月の弟でカラスの騎士、東雲三日月が現れ、戦いを申し込まれる。夕日を倒す事で兄を超えるという三日月に対し、夕日は一方的に殴られるが、そこに現れたさみだれが、半月の技で三日月を倒す。そして、修行は無駄ではなかったと涙を流すのだった。
第3巻
雨宮夕日は、東雲三日月が朝日奈さみだれに一目惚れした事で焦燥感を募らせるが、三日月は夕日に対して友人のように接してくる。そんな三人の前に馬の騎士、南雲宗一朗が現れ、既に半数の騎士達の所在が明らかになっている事を明かし、獣の騎士団の結成を高らかに告げる。後日、別々の場所に2体同時に現れた泥人形のもとに急ぐ南雲だったが、南雲との戦いを求める三日月が邪魔に入る。その頃、1体の泥人形はさみだれによって撃破され、もう1体のもとには夕日が辿りついていた。だが、
東雲半月の死のトラウマで体が動かず、夕日はピンチに陥るが、ヘビの騎士、白道八宵によって救われる。戦いを恐れる夕日だったが、半月の残した言葉と、ノイ=クレザンドの願いに奮起し、恐怖を克服する。泥人形との戦いの中で夕日は、死に際に半月が願った事が「半月の技を夕日に託す」だった事に気づく。泥人形を撃破した夕日は初めて半月のために涙を流す。後日、夕日らは道端で泥人形の死骸を見つけ、そこから魔法使い、アニムスが現れる。その後、騎士が揃って決起集会を行い、夕日は最後には騎士達を倒すため、役割を演じ切る事を決意する。
第4巻
雨宮夕日、東雲三日月、ネズミの騎士、日下部太朗は、親交を深めていく。太朗は、隣家に住む宙野花子に好意を寄せていた。ネズミの騎士、ランス=リュミエールが現れた際にも混乱し、契約を結ぶ事に否定的であったが、花子が騎士として契約を結んだ事、花子が契約の願いで犯罪者の死を願った事、願いで他人を殺めた場合、契約者の死亡率が高まる事を知った太朗は契約を結び、契約の願いも花子のために使用した。黒猫の騎士、風巻豹は夢の中でアニムスに誘われ、彼との世間話に興じていた。仲間に勧誘してくるアニムスに対し、風巻は掌握領域を応用して泥人形を生み出し、仲間にならない事を宣言する。だが、フクロウの騎士、茜太陽が現れアニムスに味方する。特訓のため穴掘りをしていた夕日は、既に戦死しているカジキマグロの騎士、秋谷稲近の手紙を掘り起こす。全知の力を持っていた秋谷は、未来のために亀の騎士、月代雪待と鶏の騎士、星川昴を弟子にしたという。夕日が手紙を見つける事も知っていた秋谷は夕日に対し、「アニマは夕日に賭けている」というメッセージを残していた。
第5巻
獣の騎士団は特訓のため海へと赴いた。深夜、白道八宵が散歩をしていると、雨宮夕日と朝日奈さみだれが「さみだれの手による地球破壊」の話をしているのを耳にするが、夕日を信頼している八宵は、この事を胸にしまうのだった。特訓中の獣の騎士団に新たな泥人形が襲い掛かる。アニムスも現れて夕日とさみだれが連れ去られ、獣の騎士団は苦戦を強いられる。アニムスはさみだれを妹、アニマと呼び、ビスケットハンマーを使用するには獣の騎士団を倒さなければならない事を明かす。その頃、獣の騎士団は各々の特技を活かして泥人形を撃破する。力を求める夕日は、風巻豹の作る泥人形を相手に特訓し、東雲半月の掌握領域、方天戟を体得する。ある日、医者として忙しくする母親や不器用な姉と喧嘩し家出するさみだれだったが、夕日の説得によって家族と仲直りする。さみだれの心境の変化から、彼女の中で眠っていた姫、アニマが目を覚ます。アニマは獣の騎士団を集め、馬の騎士、ダンス=ダークを幻獣の騎士、霊馬(ユニコーン)にパワーアップさせる。
第6巻
フクロウの騎士、ロキ=ヘリオスの勧めに従い、世界の滅亡を望む茜太陽は、アニムスの側につく事を決めた。そんな中、小型の泥人形を多数あやつる泥人形、ポエドロミオンの襲撃を受けた獣の騎士団は、分断されてしまう。日下部太朗は自身が囮となる事を提案するが、願いの代償として死亡率が高まっていた宙野花子をかばい、花子と共に重傷を負う。太朗がかけていた契約の願い「花子が致命傷を受けたら回復させる」によって助かった花子だが、太朗は花子に好意を伝えて命を落とす。ポエドロミオンを退散させる事に成功するが、太朗の死に獣の騎士団は悲しみに暮れる。雨宮夕日と白道八宵は、アニマの提案によって幻獣の騎士となる権利を賭けて戦い、八宵は黒龍(インビジブル)の力を手に入れる。そこへ新たな泥人形、マイマクテリオンが、太朗の姿を模して花子の前に現れ、花子を混乱させようとするが、花子は姿は同じでも太朗とはまったく違うと断言する。ポエドロミオンが再び現れると、花子は一対一での戦いに挑み、太朗の名を冠した技、勇者の剣(クサカベ)で撃破する。
第7巻
茜太陽はマイマクテリオンに本を提供し、知識を与えていた。アニムスを探す獣の騎士団の前に泥人形、ピュアノプシオンが出現する。1体1体は弱いが群体であり、分裂によって数の減らないピュアノプシオンに苦戦する獣の騎士団だったが、撃破に成功する。後日、雨宮夕日、月代雪待、太陽の三人は偶然ラーメン屋で出会う。契約の願いの使い道に悩む太陽に、雪待は星川昴のために「昴が幸せになるように」と願いを使った事を話す。後日、マイマクテリオンに新しい本を渡しに行った太陽は、生きていたピュアノプシオンを目撃する。すべて倒さないと増殖し、倒すたびに強くなるピュアノプシオンに、獣の騎士団は苦戦する。同時に現れたマイマクテリオンも相手にし、絶望からおとなしく死んだ方が楽だという太陽だったが、生きていっしょにラーメンを食べようと言う雪待の言葉に、仲間と共に生きたいという気持ちに気づく。急ぎ自宅に向かった太陽は、ピュアノプシオンの最初で最後の1体を見つける。太陽がピュアノプシオンを撃破すると、現れたアニマから褒美として幻獣の騎士、神鳥(フレスベルグ)の力を与えられる。
第8巻
風巻豹は強い泥人形が作れずにスランプに陥っていた。そんな彼の前にマイマクテリオンが現れ、宣戦布告する。その頃、雨宮夕日のもとに祖父が交通事故で亡くなったという報せが届く。葬儀を終えた夕日の前にアニムスが現れ、ルール変更によりすべての泥人形が倒された時点でビスケットハンマーが起動できる事を告げる。その夜、不思議な夢に呼ばれた夕日は、そこで東雲半月と再会する。以前半月から告げられた夢と同じように夕日は半月との戦い、掌握領域、天の庭(バビロン)を発動して彼を倒し、自分がピンチになっても助けないでほしいと半月に伝え、別れを告げる。夕日が先へと進むと、アニマと朝日奈さみだれが待っており、ある兵器の存在を示唆する。後日、獣の騎士団の前にマイマクテリオンが現れ、激しい戦いが始まる。特訓によってスランプを克服した風巻の掌握領域、地母神(キュベレイ)によってマイマクテリオンを撃破する。そして夕日は仲間達に、絶望を知ってなお希望を見失わなかった者だけが視認できる、対ビスケットハンマー用兵器であるブルース・ドライブ・モンスターの存在を伝える。
第9巻
獣の騎士団は最終決戦に向けて必殺技の特訓を行なっていた。その頃、アニマはすべての始まりを思い出していた。サイキックだったアニマとアニムスは、アニムスがシャトル事故を起こした事から施設に保護されていた。そこでの担当医の言葉によって、アニムスは自分を神だと考えるようになり、暴走を始めたのだった。ビスケットハンマーで地球を破壊すると過去に遡る事を発見したアニムスは、宇宙の始まりを見るために何度も地球を破壊し過去に遡る。アニムスを止めるためにアニマは、彼の提案した「獣の騎士団とアニムスが戦うゲーム」を行い、戦いを重ね過去に遡った結果、子供の頃の朝日奈さみだれと出会う。病気を患っていたさみだれは、アニマに契約の願いを聞かれても何も望まなかったが、散歩に行った際、雨宮夕日と出会いを果たす。そしてさみだれは、契約の願いとして夕日との再会を望むのだった。そんな中、最後の泥人形との戦いが始まるが、獣の騎士団は全員の力を合わせた必殺技で撃破。さらにアニムスが発動させたビスケットハンマーも、ブルース・ドライブ・モンスターとさみだれによって破壊され、スキを突いたアニマの攻撃でアニムスも倒れるのだった。
第10巻
ついにアニムスを倒した獣の騎士団だったが、喜びに浸る間もなく朝日奈さみだれが自身の手による地球破壊を宣言する。突然の事に混乱しながらもさみだれを止めようとする獣の騎士団だが、その前にさみだれに忠誠を誓う雨宮夕日が立ちふさがる。幻獣の騎士二人を相手に圧倒する夕日だったが、愛するさみだれを止めるのは自分でありたいと語り、自身の手で彼女を止めるため、一人さみだれに立ち向かうのだった。獣の騎士団との交流の中で、夕日が最後には自分を止めようとすると確信していたさみだれは、黒龍(インビジブル)の力を手に入れた夕日と激しい戦いを繰り広げる。黒龍の力をもってしても止められないさみだれの力を前に、満身創痍となる夕日だったが、力を振り絞り、獣の騎士団の力も借りて、孤独に怯えるさみだれに向かって自身の思いを伝えるのだった。夕日の想いを受け止めたさみだれは地球よりも夕日が好きだと告げ、地球の破壊をあきらめる。そして、すべての戦いが終えた獣の騎士団には、パートナーとの別れの時が近づいていた。各々パートナーとの別れを惜しむ獣の騎士団だったが、夕日と東雲三日月は最後の喧嘩を始めるのだった。
テレビアニメ
2022年1月24日に、同年夏のテレビアニメ化が発表。7月8日からMBS、TBS他にて放送開始。監督は中西伸彰。雨宮夕日を榎木淳弥、朝日奈さみだれを大空直美、朝日奈氷雨を田所あずさ、ノイ=クレザントを津田健次郎が演じる。
登場人物・キャラクター
雨宮 夕日 (あまみや ゆうひ)
大学生。普段は無愛想で、合理主義的な人間。あまり感情に左右されないようにしている。ある日朝比奈さみだれに出会い、彼女に自分を捧げるためにトカゲの形をしたノイ=クレザントと契約。魔法使いと戦うための指輪の騎士になる。かつて祖父から虐待を受けており、人間不信だった。 東雲半月から託された古武術を習得し、日々訓練を重ねながら、自分が得た能力をいかに使うか探求しはじめる。感情を押し殺していた彼も、騎士たちと共に戦い、さみだれとすごすことで、感情を強く持つようになる。特殊能力である掌握領域は「掌握空域 天の庭(バビロン)」。小さな領域を広げたり、足場にしたりと、考えて使うための補助的な領域。
朝日奈 さみだれ (あさひな さみだれ)
世界を心から愛する姫であり、愛しすぎたがゆえに世界を破壊したいと願う魔王。動物に選ばれた12人の騎士たちが守る存在。魔法使いアニムスの作る泥人形を素手で殴り壊すほどの剛力を持っている。雨宮夕日と出会った時、地球破壊の大胆な計画を彼に堂々と語る。これを聞いて、彼は騎士としてさみだれの思惑についていくことを決意した。 細かいことをほとんど気にしない、かなり大雑把な性格。本来は重病患者だったが、精霊のアニマと契約したことで元気な生活を送っている。ものすごい大食いで、関西弁でしゃべる。
朝日奈 氷雨 (あさひな ひさめ)
朝日奈さみだれの姉。雨宮夕日と東雲三日月の通っている大学で助教授を務める女性。東雲半月からは、出会った瞬間にプロポーズされたが、冗談だと受け取っていた。その後も交流を深め、デートの約束もしていたが、直前の戦いで半月が戦死したため、約束は叶わなかった。半月の死に対しては自身でも驚くほどの悲しみに襲われており、自身でも気づかぬ内に半月に好意を持っていた様子。実はアニムス、アニマのいた未来においては兄妹の先祖にあたり、その未来においては半月と添い遂げていた。
東雲 半月 (しののめ はんげつ)
28歳の青年。何でも屋を営んでおり、正義感あふれた人間でヒーロー願望があり、一人で暴力団を壊滅させたこともある。古武術の達人で、相手の攻撃を受け流して相手にダメージを与えるのを得意としている。犬のルド=シュバリエと契約した騎士。雨宮夕日に戦闘術と騎士のあり方を教えようとしていた。 さみだれの姉、朝比奈氷雨に一目惚れし、アプローチを繰り返した。特殊能力である掌握領域は「方天戟(ほうてんげき)」。槍の如く敵に打ち込み、泥人形を削る。
東雲 三日月 (しののめ みかづき)
東雲半月の弟。ケンカが大好きな戦闘狂で、暴走族つぶしの闘鬼・三日月と呼ばれていたこともある。特に兄と関わりのあった雨宮夕日に対しては、ライバルとしてなんども戦闘を仕掛けている。カラスのムーと契約をした騎士。特殊能力である掌握領域は「掌握結界 封天陣(ほうてんじん)」。 四方八方に掌握領域を配置し、変幻自在に移動・攻撃をする。朝比奈さみだれに惚れている。普段は明るく元気なムードメーカー。自由奔放な性格だが、特に年下組への面倒見はいい。
南雲 宗一朗 (なぐも そういちろう)
42歳、無職。元は正義感の強い刑事で馬のダンス=ダークと契約した騎士となったことで辞職した。妻と息子が別居している。最年長ということで、年齢の若い騎士たちを戦場で守ろうという思いが強く、実質リーダーとして全員に指示を出してまとめている。手榴弾を入手したり、お金をそこそこ持っていたりと謎が多い。 特殊能力である掌握領域は「傾天平面(たかまがはら)」。平面状になっており、相手の拘束や防御に使うことが出来る。また泥人形と戦うための体術として「百裂脚」「ドリルキック仮」を駆使する。
白道 八宵 (はくどう やよい)
優しい容貌で、温和な性格のロングヘアの女性。かつてから剣術を学んでおり、木刀を武器として使う。今も浮浪者のような容貌の剣術家、神余(かなまり)から指導を受け、日々研鑽を重ねている。生死に関しては独自の考え方を持っており、契約したヘビのシア=ムーンを驚かせている。 特殊能力である掌握領域は「炎状刃(フランベルジュ)」。攻撃力を高めつつ、自在に武器を動かす能力がある。隠れオタクで、コスプレが趣味。
風巻 豹 (しまき ひょう)
ぽっちゃり体型で温和な見た目の男性。アニムスからは魔法使いに近い人間と言われている。飄々としているが、鋭く皆の行動を見抜いており、特に茜太陽には時々牽制することがある。猫のクー=リッターと契約した騎士。夢の中で幾度もアニムスに出会っており、一度はアニムスから仲間になる誘いを受けている。 特殊能力である掌握領域は「創造領域 地母神(キュベレイ)」。アニムス同様に泥人形を生み出し、戦う事ができる。
星川 昴 (ほしかわ すばる)
中学1年生。ショートカットで、きりっとした外見の賢い少女。運動能力は低く気は弱いが、思慮深く行動できる少女。月代雪待とは幼なじみ。鶏のリー=ソレイユと契約した騎士。一人では戦えず、特殊能力である掌握領域は雪待と生み出す「無敵の盾」と「最強の矛」。泥人形の攻撃を防ぎながら、盾を相手にぶつけることで攻撃する。
月代 雪待 (つきしろ ゆきまち)
中学1年生。ツインテールで、おっとりした外見の糸目の少女。空手を習っており、見た目に反し気は強く勇敢。星川昴とは幼なじみ。亀のロン=ユエと契約した騎士。一人では戦えず、特殊能力である掌握領域は昴と生み出す「無敵の盾」と「最強の矛」。泥人形の攻撃を防ぎながら、盾を相手にぶつけることで攻撃する。
日下部 太朗 (くさかべ たろう)
高校生。宙野花子の幼なじみで、部屋を屋根づたいで行き来する仲。料理が趣味。いつも虚勢をはって強気で居るが、非常に小心者。花子に想いを寄せており、彼女が騎士になる際の願いが本人の生存率を下げるものだと知ったことで、彼もネズミのランス=リュミエールと契約し、花子を守るために騎士になる。 特殊能力である掌握領域は物体を細かく切り刻むもので、料理にも使用できる。応用して高温を発生させ着火する「荒神(あらがみ)」を完成させる。
宙野 花子 (そらの はなこ)
高校生。日下部太朗の幼なじみで、部屋を屋根づたいで行き来する仲。三つ編みにメガネの優等生。常に笑顔だが、喜怒哀楽や生への感覚が希薄。カマキリのキル=ゾンネと契約する際に、殺人犯の死を願ったため、業を背負って死亡率があがってしまう。特殊能力である掌握領域は、分子をつまんで瞬時に凍らせる「勇者の剣(クサカベ)」。
茜 太陽 (あかね たいよう)
12歳の少年。地球を守る方と壊す方、どちらかにつく選択を迫られていた。アニムスに従った後は「神の騎士」と呼ばれていた。しかしその事実を知っているのは風巻豹のみで、時折牽制されている。家庭環境が複雑で、ほとんど話すことがない。最初、力はアニムスに借りたものだったが、最終的にフクロウのロキ=ヘリオスとの契約で騎士となり、力の返還を拒否、アニムスと対立することになる。 特殊能力である掌握領域は「因果乱流(パンドラ)」。時間をかき回すことができる。ラーメンが好き。
秋谷 稲近 (あきたに いなちか)
カジキマグロのザン=アマルと契約した騎士。500年以上生き続けた超能力・神通力者で、アカシックレコードとコンタクトした全知者。様々な弟子をとりながらも、500年後にビスケットハンマーが来ることを予知していた。次第に力が少しずつ減り、未来視と念動力しか仕えなくなる。 最後の弟子が昴と雪待。
アニムス
世界を滅ぼす力を持った魔法使い。いつもだらしないパジャマの格好で、冴えない男性の姿をしている。しかし惑星も時空間も破壊できる超能力者。地球を破壊するビスケットハンマーを作った創造主で、茜太陽を騎士として率いていた。アニマは双子の妹。
アニマ
朝比奈さみだれと契約を結び、彼女を姫にした精霊。アニムスの双子の妹。アニマの能力は眠っているため、さみだれが自分の意志で振るっている状態になっている。さみだれや騎士の前に姿を表した際は奇妙な衣装をまとった少女の姿をしており、皆の意志を無視して呼び出すなど、唐突な行動が多い。
ノイ=クレザンド
アニマによって生み出されたトカゲの騎士。雨宮夕日と契約するために彼の前に現れた。まじめな性格のためマイペースなアニマや夕日、朝日奈さみだれ達には振り回される事が多い。また、地球を守るという使命を大事にしており、さみだれ達の地球破壊には反対している。また、夕日が自身の秘密を守るために一般人の殺害を企てた際には激怒していた。しかし、基本的には夕日と友好的なパートナー関係を築いており、固い信頼で結ばれている。夕日との別れの際には、夕日と出会えた事が自分の永遠の誇りであると語っている。
マイマクテリオン
アニムスに生み出された泥人形の1体。11個の眼を持つ。変身能力を有しており、普段は普段は少年の姿をとっているが、獣の騎士団を混乱させるために日下部太朗の姿で現れた事もある。ほかの泥人形と違って高い知能を有しており、茜太陽から与えられた本を呼んで人間の世界の事を学んでいた。太陽とは、彼がアニムスの側にいた事もあり、多くの時間を共に過ごし、人間の生活の興味を持った際には彼と1日間入れ替わった事もある。何かしらの情があったためか、最期の時には太陽にだけ別れの挨拶をした。
その他キーワード
掌握領域 (しょうあくけっかい)
『惑星のさみだれ』で使われる能力。従者の獣に選ばれた「指輪の騎士」が手に入れることができる、泥人形と戦うための特殊な念動力。攻撃や防御型から、時間転移までさまざまな特性がある。体力と連動しているため、身体を鍛えることで強化できる。
泥人形 (どろにんぎょう)
『惑星のさみだれ』に出てくる用語。魔法使いがつくることのできる、大地から生み出した意思のない人形。非常に攻撃的で、パンチの一撃で並みの人間なら内臓破裂を起こして死んでしまうほどの威力を持っている。超大型なものから、非常に小さく分裂するものまで多様な種類がある。作ることができるのはアニムスと風巻豹の二人のみ。普通の人間には見えないが、乳幼児には見えることがある。
ビスケットハンマー
『惑星のさみだれ』のに出てくる用語。魔法使いアニムスが作った、最大の泥人形。宇宙空間を漂い、惑星を砕くことができる。指輪の騎士以外には基本見えないが、見えている人間もいる様子。ある条件を満たすと発動できる。
ブルース・ドライブ・モンスター
アニマがビスケットハンマーを破壊するために作ったカウンター小天体兵器。ビスケットハンマーに劣らないほど巨大なサイズで、ビスケットハンマーと共に宇宙にそびえ立っていたが、ビスケットハンマーという絶望を知ってなお、希望を見出せたもののみが視認する事ができるため、獣の騎士団も当初は存在を知らなかった。