愛人形

愛人形

時代が求める本当のアイドルを探すために独立した敏腕マネージャーと、彼に見初められた少女が、芸能界でトップになるべく奔走する姿をシリアスに描いたサクセスストーリー。「別冊漫画ゴラク」2007年550号から557号にかけて連載された作品。

正式名称
愛人形
ふりがな
あいどーる
作者
原作
ジャンル
アイドル
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概要・あらすじ

タレント事務所でマネージャーとして働く影山仁は、情熱をもってアイドルを売り出していた。しかし、昨今ではアイドルは供給過多になっており、いつしか影山はつまらないアイドルを量産する仕事に疲れを覚えるようになっていた。そこで彼は、時代が求めている本物のアイドルを探すべく、事務所を辞めて自分で新しい芸能事務所を立ち上げることを決意。

スカウトのため日本各地を周っていたところ、佐賀のキャバクラで出会った小田切愛梨に、アイドルの原石ともいえる素質を見出す。こうして影山と小田切はコンビを組み、芸能界でトップアイドルになるために努力を重ね、試練を乗り越えていく。

登場人物・キャラクター

影山 仁 (かげやま じん)

芸能プロダクション「エアライズ」で働く36歳の男性。敏腕マネージャー兼プロデューサーとして知られ、スカウトした女性をグラビアに載せ、その後にアイドルとしてデビューさせるという成功パターンを築き上げた人物。しかし、その手法が各社にも取り入れられたため、アイドル全体の質の低下を招き、仕事への情熱を失ってしまう。「エアライズ」の代表である野口誠一と方針の違いから大喧嘩をした後、独立を決意。 時代が本当に求めているアイドルを探すべく日本各地を巡り、佐賀県で出会った小田切愛梨をトップアイドルにするべく奔走する。

小田切 愛梨 (おだぎり あいり)

佐賀県出身の17歳の美少女。病気がちな母親の小田切弘子と二人暮らし。生活費や治療費を稼ぐために、メイドキャバクラでアルバイトをしている。かわいらしい容姿と素直で優しい性格のため、店ではアイドル級の高い人気を誇っており、店全体の売上げの7~8割を稼いでいた。東京からやって来た影山仁の目に留まり、本物のアイドルとしてデビューすることになる。

三田村 順子 (みたむら じゅんこ)

10代の美少女。清純派美少女コンテストでグランプリを獲得している。小田切愛梨のライバル。影山仁には「この手のタイプは時代遅れ」と酷評されている。幹本康志が考案するアイドルグループのユニットに参加することになる。

池上 京美 (いけがみ きょうみ)

元アイドルの女性。7年前に清純派美少女コンテストでグランプリを取ったが、売れずにそのまま引退することになった。現在は銀座のバーにひっそりと勤務している。アイドルになったことで人生が狂いはしたものの、自分で選んだ道だからと後悔はしていない。影山仁とはアイドル時代からの付き合いがあり、上京して来た小田切愛梨の世話を焼くなど、陰から影山を助ける。

坂本 英二 (さかもと えいじ)

大手出版社のグラビア雑誌の編集者を務める青年。影山仁の大学時代の後輩。影山の新しいアイドル探しに興味を持ち、いろいろと質問を投げかけている。いつか自分の雑誌に小田切愛梨のグラビアを掲載したいと考えている。しかし、野口誠一や芸能プロダクション「エアライズ」からの圧力もあり、なかなか影山の力になれずにいる。 池上京美が働いているバーの常連でもある。

野口 誠一 (のぐち せいいち)

大手芸能プロダクション「エアライズ」の代表を務めている男性。芸能界で絶対的な権力を誇っている。影山仁の腕を見込んで気に入っていた。しかし、アイドルを量産していく方法を否定する彼との間に確執が生じ、結果として影山が独立の道を選んだことを快く思っていない。三田村順子がグランプリを獲得した清純派美少女コンテストの主催者でもある。

幹本 康志 (みきもと こうし)

伝説として語り継がれるアイドルプロデューサーの男性。1980年代に「ニャンニャンCLUB」を筆頭に人気アイドルグループを生み出し、いずれも大成功を収めている。アイドルプロデューサーだけでなく、イベントプロデューサー・作詞家・コラムニストとしても活動する多彩な人物。影山仁とは銀座の飲み仲間であり、頼もしい理解者でもある。

窪田 ミツル (くぼた みつる)

アキバ系オタクの青年。素人ではあるもののプロ級のカメラの腕を持ち、オタク界隈からは「投稿キング」と呼ばれている。かわいい女の子を撮影するのが趣味で、アイドル撮影会にも度々参加していたため、影山仁とも顔見知り。小田切愛梨をトップアイドルにする計画に協力する。

小田切 弘子 (おだぎり ひろこ)

小田切愛梨の母親。愛梨と二人暮らし。現在は末期がんを患っている。本来ならば入院して治療すべき状態だが、金銭面の問題から自宅療養している。娘が芸能界に入るのは反対していたが、愛梨と影山仁の熱意を受け、最終的に許すこととなる。実は小田切弘子自身も芸能プロダクション「エアライズ」所属の元アイドルであった。 当時、立ち上げたばかりの「エアライズ」には力がなく、言われるがままに枕営業をさせられ、最終的にはAV女優にされた過去がある。そのため、「エアライズ」に深い恨みを抱いていた。

集団・組織

エアライズ

野口誠一が代表を務める芸能プロダクション。影山仁がマネージャー兼プロデューサーとして勤務していた。一流プロダクションであるため芸能界で幅を利かせており、影響力も大きい。特に代表の野口は芸能界で絶対的な権力を持っている。在籍時の影山が主流にしたグラビアからアイドル化する方法を採用し、今でも次々とデビューさせている。 しかし、結果的に中身のないアイドルが量産される事態を招き、やりがいを失った影山が退社するきっかけになった。以前、小田切愛梨の母親である小田切弘子もアイドルとして所属していたことがあり、最終的にはAV女優として売り出されたという過去がある。

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