あらすじ
第1巻
吉竹高校に通う上妻圭右は、「学園の爆笑王」を自認し、毎日の昼休みに校内放送をしていた。学校内で笑いを取る事に命をかける圭右にとって、毎日の校内放送はまさにライフワークであり、校内でも彼の放送を楽しみにしているファンも少なくなかった。サッカー部の玉木春馬や校長は、人気者である圭右に対して苦々しく思っていたが、それすらも笑いに変えながら、圭右は笑いへのこだわりを貫いていく。そんな圭右の前に、辻本潤という男が関西から転校して来る。自然な関西弁をあやつる潤は、実は高校生でありながら芸人としてデビューしていた実績があった。潤を自身の校内放送に参加させた圭右は、潤の持つお笑いのセンスに対して激しい対抗心を燃やす。
第2巻
上妻圭右の体を張った笑いへの姿勢に何かを感じた辻本潤は、世話になっている芸人「デジタルきんぎょ」の金本と圭右を引き合わせようとする。そんなある日、圭右は潤の事を探しに来たという鳥谷静代という女性と出会う。静代の事を潤の元彼女だと誤解した圭右は、潤に内緒で静代と会わせる機会を作ろうと考え、「デジタルきんぎょ」の金本と会う日に静代も誘い出す。しかし、その場で静代が潤のかつての相方だった事を知った圭右は、金本から潤の事情を聞かされる。笑いに妥協できない潤は、相方である静代の事を好きになってしまい、好きな相手とは漫才をする事ができないと考えていたのだ。改めて静代にコンビの解散を告げる潤だったが、静代は決してあきらめないと答える。
第3巻
鳥谷静代との件で、上妻圭右は辻本潤の漫才にかける熱意を思い知る事となった。そんな中、圭右達の通う高校では文化祭を目前に控えていた。今年の文化祭にはお笑い芸人の「ロッテンマイヤーズ」がゲストとして参加する事が決まり、同時に学生によるお笑いコンテストも予定されていた。圭右は潤とコンビを組んで出場したいと考えていたが、潤の持つ漫才への熱意を考えると、どうしても気後れして一歩を踏み出す事ができない。さらに、芸人嫌いである父親の上妻潔の事も気になっていた。圭右の実家は「きそば上妻」という蕎麦屋であり、かつては多くの売れない芸人達が常連として通う店だった。しかし、「ねずみ花火」という芸人が「きそば上妻」の事を笑いのネタにした直後から客足が遠のき、圭右の母親は家計を助けるために外に出て働き始める。そして、無理がたたった圭右の母親は過労で亡くなってしまい、潔はそれが芸人達の責任だと思っていたのだ。しかし、圭右は思い悩んだ末に潤とコンビを結成する事を決意し、潔にも文化祭を見に来るように伝える。そして文化祭の日、圭右と潤のコンビ「きそばAT」は玉木春馬にネタを盗まれるというアクシデントに見舞われつつも、アドリブで舞台を盛り上げる。この舞台で、圭右は潤と共にお笑い芸人を目指す事を誓うのだった。
第4巻
文化祭での舞台が大成功に終わり、本格的にお笑い芸人を目指す事を決意した上妻圭右は、辻本潤を相方にして漫才日本一を決める大会「ニッポン漫才クラシック」に出場する。しかし1回戦で圭右と潤のコンビ「きそばAT」はまったく笑いを取る事ができず、圭右は途中で舞台を降りてしまう。ウケなかったのは客のせいだと思った圭右は、劇場ですれ違った芸人「るのあーる」の梵健太に八つ当たりをし、潤ともケンカをしてしまう。潤は普段から世話になっている先輩芸人の金本に、ニッポン漫才クラシックの結果を報告し、まったく笑いを取る事ができなかった理由が、圭右の増長にある事を理解する。圭右もまた、蕎麦屋を営む父親の上妻潔がかつて言った「客にこちらが何かを求めてはいけない」という言葉を思い出し、舞台を途中で降りた事を潤に謝る。潤は金本から預かったというDVDを圭右に渡し、なぜ金本がそこまで圭右にしてくれるのかという意味を考えろと告げる。圭右が見たDVDには、若き日の金本と相方の藤川則夫が、自分達と同じようにまったくウケずに舞台を途中で降りていく姿が映っていた。人気芸人の「デジタルきんぎょ」でもかつてはこんな有様だった事を知った圭右は、自分達も現在の「デジタルきんぎょ」を超える芸人になれると再び意気込むのだった。
第5巻
卒業を控え、上妻圭右達は進路を決める時期に来ていた。圭右と同じ高校に通う子安蒼太は、密かな楽しみとして「デジタルきんぎょ」のラジオにハガキを投稿し、多数採用された人だけに与えられる「ゴールドストラップ」を入手していた。それを知った玉木春馬は、蒼太にお笑いの台本を書いてほしいと願い出る。これまで昼の放送で学校中の話題を独占していた圭右に嫉妬していた玉木は、蒼太の台本で昼の放送で多数の笑いを取る。蒼太は構成作家になりたいという目標があり、今回の放送でそれを証明できた事と、圭右にもその目標を後押しされた事から、卒業後はお笑い芸人養成所の作家コースに入る事を決意する。そんな折、圭右が辻本潤と組んで出場して、1回戦で敗退したニッポン漫才クラシックでは、3回戦がスタートしていた。金本と藤川則夫の「デジタルきんぎょ」も順調に勝ち進んでいたが、最近になって金本は心境の変化があった事を潤に告げる。金本は藤川としばらく仲が悪い状態が続いていたが、圭右達との出会いで変わってきたのだという。
第6巻
かつて「デジタルきんぎょ」は、金本ばかりが売れ、相方の藤川則夫は仕事がない状態が続いていた。金本の一番のファンを公言する藤川は、そんな状態でもいいと思っていたが、藤川の妻はこの状態を決して快く思っていなかった。そんな中、金本にアメリカロケの話が持ち上がる。日本に残された藤川は一人で舞台に立ち続け、少しずつだが人気も出始める。自信をつけた藤川とアメリカから戻った金本とは、再び「デジタルきんぎょ」として活動するが、やがて二人のあいだには溝が生じ始める。さらに、藤川が自身の妻を笑いに変えるスタイルだった事もあり、藤川は息子から距離を置かれるようになっていた。そんな金本と藤川の状態に変化が出てきたのは、夏に上妻圭右と出会った事がきっかけだったという。圭右は辻本潤と彼のかつての相方である鳥谷静代に対して、自分が楽しまなければ漫才も楽しくないという言葉を投げ掛けていたが、その言葉は金本と藤川の心にも届いていた。ニッポン漫才クラシックの準決勝、金本と藤川は自分達の持てる力を出し切り、ついに決勝へと進出する。しかし、その知らせを受けた直後に藤川は帰らぬ人となってしまう。
第7巻
ニッポン漫才クラシックの決勝進出の知らせを受けた「デジタルきんぎょ」の藤川則夫は、喜びのあまり酒に酔った勢いで裸になり、そのまま雪の降る公園で凍死した。相方が死んだ事を受け入れられない金本は、自分達のレギュラー番組であるラジオの生放送に上妻圭右を伴って出演する。芸人としての立場を貫こうとする金本だったが、藤川がもうこの世にはいない事を実感して慟哭するのだった。そんな金本の姿に圭右は改めてコンビとは何かと考えさせられる。
年が明け、圭右達は本格的に進路を決める時期となった。圭右達の友人である子安蒼太は、構成作家になりたいという夢を抱き、お笑い芸人養成所であるヨシムラコミックアカデミーへの受験を考え始める。また、圭右も相方の辻本潤と共にヨシムラコミックアカデミーに入ろうと考えていたが、芸人の事を嫌っている父親の上妻潔の事が気になっていた。文化祭でのライブをきっかけとして潔は考えを改めつつあったが、それでも自身の妻が死ぬきっかけを作った「ねずみ花火」という芸人に対してはわだかまりがあった。そんな中、圭右は姉の上妻しのぶが「ねずみ花火」の根津と付き合っているという事実を知る。その事を潤に相談するが、潤は根津があまり女性関係でいい噂を聞かないと答える。
第8巻
上妻圭右の母親は、芸人「ねずみ花火」のネタが原因で亡くなった。そう考える事で心のバランスを取っていた圭右の父親、上妻潔は、再び芸人達と向き合う決意をする。その「ねずみ花火」の一人、根津は現在は所属していた事務所を離れたうえ、圭右の姉、しのぶと密かに付き合っており、根津の相方の花田は「DJフラワー」というピン芸人として芸能活動を続けていた。再び「ねずみ花火」を復活させたいと思っていた事務所の社長は根津の行方を探しており、それを知る圭右に接触する。圭右によって社長と引き合わされた根津はそこで花田とも再会。根津は、花田に潔のもとへ謝りに行こうと提案するが、花田はそれを断る。しかし、花田もまた根津とは違った形で責任を感じていたのだ。圭右の母親の墓参りに来た根津と花田は、そこに居合わせた潔に改めて謝罪するが、潔はまともに話を聞こうとしない。だがそれは、かつての妻が死ぬ原因となったネタの事ではなく、娘と根津が付き合っているという事に対する複雑な感情の裏返しだった。すでに根津と花田の事を許していた潔は、二人に不器用な笑顔を見せる。
第9巻
DJフラワーこと花田の単独ライブに訪れた根津は、共に訪れていた潔に芸人をやめる決意を告げる。それに対して潔は、根津に対して改めて娘のしのぶとの結婚を認めつつ、そば屋を継ぐように告げる。芸人になりたいという目標を持っていた上妻圭右は、高校の卒業後はお笑い芸人養成所ヨシムラコミックアカデミーに進みたいと思っていた。この事を知った潔は、根津を婿に迎えつつ圭右には家を出るように告げる。芸人になる事は認めたが、コンビ名として「きそば」の名前は名乗らせないという父親の「意地」を知った圭右もまた、一人で芸人を目指す決意を固める。その頃、圭右や辻本潤と同じ高校に通う子安蒼太は、大学の受験勉強の傍らヨシムラコミックアカデミーの作家コースへの出願を考えていた。蒼太の母親はヨシムラコミックアカデミーへの出願には反対していたが、父親の勧めもあり、大学に通いながらヨシムラコミックアカデミーにも通ってみる事を考え始める。蒼太にとってネックとなっていたのが、ヨシムラコミックアカデミーの学費だったが、圭右から学費免除バトルというイベントがある事を知らされる。これは芸人コースで通う生徒を対象としたイベントで、優勝すると文字通りヨシムラコミックアカデミーの学費が無料になるという。蒼太のネタ作りの才能を認めていた圭右は、潤と蒼太の三人で「べしゃり暮らし」というトリオを結成しようと持ちかける、それを受けて蒼太は作家コースではなく芸人コースで出願する事を決意する。そんな頃、再び東京にやって来たかつての潤の相方である鳥谷静代は、新たな相方の江草はるかと共に潤の家を訪ねる。
第10巻
辻本潤の家を訪れた鳥谷静代は、潤の自分に対する気持ちを知るが、同時にそれが理由で潤は自分とコンビを解消した事実に気づく。そんな静代の現在の相方である江草はるかは、上妻圭右と子安蒼太に、静代もまた潤の事が好きだと教えるが、静代は潤と違って好きな人だからこそコンビを組みたいと思っている事を伝える。
お笑い芸人養成所、ヨシムラコミックアカデミーの入学面接の日、潤や子安蒼太と共に面接に参加した圭右は、そこで岩隈将大と内川修一の「げんこつロデオ」というコンビと出会う。大阪出身の彼らは、「関西で売れてから東京進出」というこれまでの関西芸人のセオリーを無視し、いきなり東京でデビューする事を目論んでいた。4月になって面接に合格した圭右達はヨシムラコミックアカデミーに入学、そしてその中にははるかと共に「ニップレス」というコンビを結成した静代の姿もあった。「げんこつロデオ」「ニップレス」も、ヨシムラコミックアカデミーの学費免除バトルへの出場を目指している事を知った圭右達「べしゃり暮らし」は、蒼太の書いたネタの練習を始める。そんな中、圭右と潤は蒼太のネタ作りの才能を改めて実感、学費免除バトルまでの暫定的トリオではなく、このまま三人でいっしょに「べしゃり暮らし」としてやっていこうと提案する。
第11巻
子安蒼太は、お笑い芸人養成所、ヨシムラコミックアカデミーの授業のネタ見せで手応えをつかみ、芸人になるという目標を持つ。しかし、蒼太はヨシムラコミックアカデミーで同じクラスの北川千尋が友人達とトリオを組んだものの、うまく嚙み合っていない現実を目の当たりにする。北川の姿に自分を重ねた蒼太は、北川に芸人の相方というのは運命の糸でつながっているのだと力説する。だが、そんな蒼太は上妻圭右と辻本潤のトークに自分がついていけない事に気づき、二人とのあいだに大きな差がある事も自覚していた。悩んだ末に蒼太は「べしゃり暮らし」からの脱退を持ちかけ、学費免除バトルのエントリーもキャンセルしようと言い出す。
その頃、鳥谷静代と江草はるかの「ニップレス」は、学費免除バトルに繰り上げで出場が決定する。実ははるかは人気芸人にしてヨシムラコミックアカデミーのスタッフでもある「るのあーる」の上原裕也と付き合っており、そのコネで繰り上げ出場が決まったのだという。その事実を知った静代は、はるかとのコンビを解消する事を告げて姿を消してしまう。
第12巻
学費免除バトルを目前に、相方の鳥谷静代とケンカしてしまった江草はるかは、付き合っている「るのあーる」の上原裕也に相談しようとするが、そっけない態度を取られてしまう。仕方なくはるかはその足で上妻圭右の下宿を訪れ、結局自分の相方は静代だけだという事を再確認する。そんな中、学費免除バトルがスタート。一人で会場へとやって来たはるかは、静代が来る事を信じて待ち続ける。学費免除バトルの司会として相方の梵と共に会場にいた上原は、はるかの姿を見つけるとそのままトイレへと連れ込み、強姦まがいの行動に出る。その光景を目撃した「げんこつロデオ」の岩隈将大は上原を殴ってはるかを助け出す。しかし、岩隈の暴力行為はすぐにヨシムラコミックアカデミーの上層部の知るところとなる。岩隈の相方である内川修一は岩隈と共にヨシムラコミックアカデミーを辞める決意を固め、二人は会場から姿を消すのだった。岩隈と内川に入れ替わるように静代が会場へ到着、はるかと共にコンビとして舞台へと立つ決意を固める。一方、学費免除バトルへのエントリーをキャンセルしていた圭右達「べしゃり暮らし」は、司会の上原が負傷したためその代役として舞台に立つように指示を受ける。出番を前にして圭右と辻本潤は、子安蒼太に対して三人で舞台に立つのはこれで最後とし、親友だが相方にはなれない事を告げて「べしゃり暮らし」は舞台へと出る。
第13巻
江草はるかは「るのあーる」の上原裕也から受けた暴行によって深く傷ついていた。その上原達の代役として、学費免除バトルの舞台に立った上妻圭右達「べしゃり暮らし」は、その持ち前のトークで見事に観客からの笑いを取る。「べしゃり暮らし」として最初で最後の舞台に立った子安蒼太の事を思いながらネタを続ける圭右と辻本潤は、改めて「べしゃり暮らし」の名前を大きくしていく事を誓うのだった。学費免除バトルは鳥谷静代とはるかのコンビ「ニップレス」の優勝で終了するが、会場に来ていた観客が上原がはるかに暴行していた事を目撃していた。はるかを助けるために上原を殴った岩隈は、ヨシムラコミックアカデミーを退学となった。この決定に納得できない静代だったが、そんな中、テレビの人気バラエティ番組「ゴッデス」のオーディションへの参加が伝えられる。学費免除バトルで優勝した静代とはるかの「ニップレス」が評価されたのだという。「ゴッデス」には上原達のコンビ「るのあーる」もレギュラーとして出演していた。アドリブが中心のネタを得意とする圭右は予定調和の取れた笑いの「ゴッデス」には出演するメリットを感じていなかったが、それでもテレビ出演ができる「ニップレス」に対してうらやましく思っていた。そこで圭右は、「ゴッデス」の収録を見学して来てはどうか、とヨシムラコミックアカデミーのスタッフから提案される。
第14巻
アドリブで笑いを取る芸風の上妻圭右達「べしゃり暮らし」は、「ゴッデス」には合わないと思いつつも、圭右と相方の辻本潤はバラエティ番組「ゴッデス」の見学に訪れる。そこで「ゴッデス」のプロデューサー、落合に会った圭右は、なぜ「べしゃり暮らし」をオーディションに呼ばなかったのかを聞かされる。「ゴッデス」には「ゴッデス」の形があり、「べしゃり暮らし」はそれにそぐわないのだと落合は語る。それでも彼は、「べしゃり暮らし」のものも一つの笑いの形だと語り、圭右は複雑な感情を見せるのだった。
後日、ヨシムラコミックアカデミーの授業の合間に、圭右は潤や子安蒼太と共にお笑い界の大御所、榎本兆治の舞台を見に行き、中田匡という男性と出会う。かつて匡は弟の有と組んだ「プリンス」というコンビで、上方漫才アワードの高校生部門で優勝したという実績を持っていた。実は匡と有は、榎本兆治の師匠であり、天才と呼ばれたお笑い芸人の中田喜八の息子達だった。上方漫才アワードの高校生部門には、潤が鳥谷静代と組んで出場していたが、この部門は中田喜八の息子達を優勝させるために、その年だけ作られたものだった。出来レースで優勝した事に後ろめたさを感じていた匡は、潤に対しても申し訳ない気持ちがあったが、そんな匡の前に弟の有が現れる。有の目標は、漫才日本一を決める大会、ニッポン漫才クラシックで匡と組んで優勝する事。いよいよニッポン漫才クラシックが近づいてきた事を知った圭右と潤は、新たなライバルの登場に決意を新たにする。
第15巻
漫才日本一を決める大会、ニッポン漫才クラシックが始まった。上妻圭右と辻本潤のコンビ「べしゃり暮らし」は1回戦を通過する。彼らのネタは台本として作り上げたものではなく、圭右のアドリブとそれに対応する潤のツッコミで成立するというものだった。潤は圭右のアドリブに対してつねに不安を抱いていたが、別のコンビがアドリブで失敗する場面を目の当たりにした事で、さらに不安が大きくなっていく。同じ頃、鳥谷静代と江草はるかの「ニップレス」は、テレビのバラエティ番組「ゴッデス」に出演し、番組発のアイドル的な人気を集めていた。だが、二人はアイドルとして人気を得るのではなく、あくまでもお笑い芸人として勝負したいと願っていた。「ゴッデス」の司会を務める稲尾潤三は、そんな「ニップレス」の願望を受け入れるが、プロデューサーの落合は「ニップレス」に求めるのはお笑いではなく、アイドル的要素だと告げる。圭右と潤の「べしゃり暮らし」もまた「ゴッデス」へのオーディションを受けるが、そこで圭右はかつて潤の父親が失踪して家族の前から姿を消していた事を知る。さらに、その裏には「ゴッデス」の司会である潤三が関係している可能性もあった。
第16巻
鳥谷静代と江草はるかの「ニップレス」は、漫才日本一を決めるニッポン漫才クラシックの1回戦に臨むが、勝ち残る事はできなかった。「ニップレス」の分も活躍しようと意気込む上妻圭右と辻本潤の「べしゃり暮らし」は2回戦に出場。しかし、観客の一人にペースを乱された潤は、圭右のアドリブについていく事ができず、時間切れとなってしまう。結果的に3回戦に残ったものの、潤は圭右に対してうまくツッコミを入れる事ができないスランプに陥っていた。続く3回戦では、圭右はアドリブを封印して潤の書いた台本通りのネタを披露する。だがそれは潤に対して圭右が気を遣っているという事であり、同時にアドリブを得意とする「べしゃり暮らし」の芸風を殺してしまう事でもあった。3回戦の結果、「べしゃり暮らし」は勝ち残る事ができず、準決勝進出を逃してしまう。自分のせいで負けたと謝る圭右だったが、潤はそれを否定して圭右の前から姿を消す。そんな中、圭右はヨシムラコミックアカデミーに入学したいと言っていた中西富美男と出会うが、道路に飛び出した富美男を助けようとして車にはねられてしまう。
第17巻
車にはねられた上妻圭右は、病院に収容される事となった。目立った外傷もなく、目を覚ました圭右だったが、相方の辻本潤や家族、友人達の事はもとより、自分が誰かすらもわからない記憶喪失に陥っていた。折しも圭右と潤のコンビ「べしゃり暮らし」は、すでに敗退したニッポン漫才クラシックで、準決勝へ繰り上げ進出される事が決まっていた。準決勝の舞台の舞台に立つため、潤は圭右の記憶を取り戻そうとするが、一向に快復の気配を見せない。そんな中、圭右と同じく事故に遭った中西富美男が圭右と同室になる。自分を助けてくれた圭右に礼を言いたいという富美男は、圭右が芸人だったという事を知り、自分もかつて芸人を目指していたという過去を語り始める。同じ頃、潤は圭右の事を相談するために普段世話になっている芸人の金本のもとを訪れる。そして、潤もまた偶然そこに居合わせた稲尾潤三の相方である杉浦から、潤三の付き人をしていた富美男の話を聞かされる。実は富美男こそが潤の失踪していた父親だったが、潤は父親が潤三の付き人をしていた過去をまったく知らなかった。圭右と潤はそれぞれ別の場所で、潤にかかわる過去の出来事を知る事となる。
第18巻
引きこもりの生活を続けていた中西富美男は、テレビで潤三の芸を見て衝撃を受け、半ば押しかける形で付き人となった。しかし、生来不器用な富美男は失敗ばかりを繰り返していた。辻本潤の母親の辻本仁美と出会ったのもその頃であり、潤三にあこがれて素人お笑い番組に出演した仁美の事を気に入った富美男は、強引に仁美と付き合うようになり、やがて潤が生まれた。その矢先、潤三は相方の杉浦とのあいだで軋轢を生じさせ、ヤケになって富美男を相方にすると宣言する。しかし、芸人としてはまるで素人の富美男は、潤三と組んで出た舞台で大失敗をし、付き人もクビになってしまう。さらに運悪く潤三の家に放火しようとした女性を止めようとして、逆に放火犯として逮捕されてしまい、潤三のためを思った富美男はそのまま服役する事となる。こうして富美男は出所したあとも家族の前から姿を消し、現在に至ったのだという。これを知った潤は、父親に天才の相方は天才でなければならないと告げ、母親の仁美にも父親と会った事を明かすのだった。
第19巻
交通事故のため記憶が戻らないまま、上妻圭右は退院の日を迎える。自分はこれからどうしたらいいのかわからない圭右だったが、ライバルの岩隈将大達の励ましもあり、再び前を向いて生きる決意を固める。相方の辻本潤の書いたネタを読んだ圭右は、そのネタを完璧に覚えたものの、そのかわりにアドリブがまったくできず、「べしゃり暮らし」の持ち味は発揮できない。悩む潤に対して圭右は、完璧に覚えるから、面白いネタを作るように潤に求める。圭右から「天才だろ」と言われた潤は、父親の中西富美男が言っていた「努力できる才能を持っている事こそが天才」という言葉を思い出し、渾身のネタを書き上げる。そして迎えたニッポン漫才クラシックの準決勝、「げんこつロデオ」や「るのあーる」らライバル達の舞台を袖で見ていた圭右は、突如としてこれまでの記憶を取り戻す。突然の環境の変化に戸惑う圭右だったが、潤の「自分を信じろ」という言葉を胸に、ニッポン漫才クラシックの準決勝の舞台に立つ。
テレビドラマ
登場人物・キャラクター
上妻 圭右 (あがつま けいすけ)
吉竹高等学校の男子生徒。放送部に所属。学園の爆笑王を目指しており、笑いに命を賭けている。大きく広がった髪型を大事にしていたが、笑いを取るため一度スキンヘッドにし、再度生え揃ってからは短めに揃えている。実家はそば屋。転校生の辻本潤(中西潤)とコンビ「きそばAT」を結成。 辻本潤の影響で芸人を志すようになり、高校卒業後芸能専門学校のYCAお笑いコースに入る。YCAに入ってすぐ子安蒼太を加えトリオ「べしゃり暮らし」を結成するが、直に子安蒼太が抜けたため、辻本潤と2人で「べしゃり暮らし」を続けることになる。 基本的にはボケ担当で天然。普段は標準語だが笑わせようとすると関西弁になる、という癖があったが、辻本潤や周囲の助言で改める。アドリブが持ち味で、決まったネタを演じていても自然に脱線してしまう。
中西 潤 (なかにし じゅん)
吉竹高等学校の男子生徒で、大阪出身の転校生。関西弁。本名は父方の姓の中西だが、お笑いの仕事にかまけて失踪した父を憎んでいるため、母方の姓である辻本で生活している。大阪時代に鳥谷静代とコンビ「SHIZU-JUN」を組んでいたが行き詰まりを感じ、引っ越しを機に解散。 転校後に上妻圭右と知り合いコンビ「きそばAT」を結成、文化祭祭のお笑いコンテストで喝采を得る。高校卒業後、芸能専門学校のYCAお笑いコースに入る。YCAに入ってすぐ子安蒼太を加えトリオ「べしゃり暮らし」を結成するが、直に子安蒼太が抜けたため、上妻圭右と2人で「べしゃり暮らし」を続けることになる。 基本的にはツッコミ担当で、上妻圭右のアドリブや天然ボケに会わせられる回転の速さが持ち味。またネタ製作担当でもある。
金本 (かねもと)
お笑い芸人の男性。相方の藤川則夫と共にデジタルきんぎょというコンビで活動している。無愛想で周囲の人を寄せ付けない雰囲気を持っているが、実際には面倒見がよく、辻本潤をはじめ金本を慕う後輩芸人も多い。上妻圭右の才能を認め、潤にもさまざまなアドバイスを送る。
藤川 則夫 (ふじかわ のりお)
お笑い芸人の男性。相方の金本と共にデジタルきんぎょというコンビで活動している。芸人としての金本の才能を認め、自分は金本の一番のファンである事を自認していた。しかし、その事を妻や子供に理解されないばかりか、仕事面でも金本と差がつき始めて悩んでいる。上妻圭右達との出会いで、漫才はまずは自分が楽しまなければならない事に気づき、改めて金本と向き合うようになる。
玉木 春馬 (たまき はるま)
上妻圭右達と同じ高校に通っていた男性で、高校卒業後は圭右達と同じくヨシムラコミックアカデミーに入学する。高校時代はサッカー部に所属し、女子生徒達からの人気も高かったものの、高校内での圭右の人気に嫉妬し自身もお笑い芸人を目指すようになった。しかし、お笑い芸人としての才能はまったくないうえに、他人の足を引っ張る姑息な性格のため周囲からは嫌われている。
梵 健太 (そよぎ けんた)
お笑い芸人の男性。上原裕也と共にるのあーるというコンビで活動している。上妻圭右とはニッポン漫才クラシックの舞台で殴られた事から確執があったが、圭右の笑いに対する情熱は認めていた。両親を事故で亡くし、幼い妹と暮らしている。根がまじめな性格で、不正などを見過ごす事ができないため周囲から疎ましく思われる事も多い。
上原 裕也 (うえはら ゆうや)
お笑い芸人の男性。梵健太と共にるのあーるというコンビで活動している。まじめな性格の梵とは対照的に多くの女性と関係を持っており、江草はるかから思いを寄せられている事を知りつつ、遊びで付き合っていた。一定のファン層は獲得しているものの、相方の梵とは性格の不一致から衝突が絶えない。
鳥谷 静代 (とりたに しずよ)
女性で、辻本潤(中西潤)が大阪に住んでいた頃にコンビ「SHIZU-JUN」を組んでいたが、辻本潤が東京に引っ越すにあたり解散。諦めきれず、東京に辻本潤を訪ねてくる。高校卒業後は友人の江草はるかを誘って上京、芸能専門学校のYCA東京校に入る。 辻本潤とのコンビ復活を諦めてはいないが、江草はるかとコンビ「ニップレス」を結成。学費免除バトルに優勝する。関西弁。美人でスタイルもいいが、本来の持ち味はしゃべり芸で、それに拘泥してチャンスを逃す場面もあった。
江草 はるか (えぐさ はるか)
女性で鳥谷静代の高校時代からの友人。大阪出身。芸能人になりたいと考えており、鳥谷静代が芸人を目指して芸能専門学校のYCA東京校に入る際に、相方として誘われ、共に上京しお笑いコンビ「ニップレス」を結成した。関西弁。ウェーブの掛かったロングヘアの美人でスタイルもいいが、外見のみならず鳥谷静代のレベルの高い漫才に合わせられる才能も持っている。 男性お笑いコンビ「るのあーる」の上原裕也と交際していたが、レイプされそうになったところを岩隈将大に助けてもらった。
子安 蒼太 (こやす そうた)
吉竹高等学校の男子生徒で上妻圭右の友人。放送部に所属。小柄で童顔。人を笑わせる文章を書くのが好き。お笑いコンビデジタルきんぎょのラジオにネタを投稿している有名なハガキ職人で、ペンネームははにかみ工場長。芸人を目指す上妻圭右の影響で構成作家を志すようになり、高校卒業後に大学と掛け持ちで芸能専門学校のYCAに入る。 親に金銭的負担を掛けたくないため、最初お笑いコースで入学、学費免除バトルに優勝しての学費免除を目指そうとし、上妻圭右・辻本潤(中西潤)とトリオ「べしゃり暮らし」を結成する。だが自分の作り込んだネタが上妻圭右の持ち味のアドリブを殺してしまうこと、舞台上で上妻圭右のアドリブについて行けないことなどを理由に「べしゃり暮らし」から抜け、構成作家コースに転科した。
北川 千尋 (きたがわ ちひろ)
お笑い芸人の男性。ヨシムラコミックアカデミーで上妻圭右達と出会う。子安蒼太とは大学が同じため、大学内で蒼太と会う事も多い。家が金持ちのため、相方の分もヨシムラコミックアカデミーの学費を出している。口でさまざまな擬音を出す事を特技としており、その特技を活かしたネタを披露する。気弱で恥ずかしがり屋な性格だったが、覆面をかぶる事で恥ずかしい気持ちも和らぐ事に気づき、それからは基本的に覆面をかぶるようになる。
土屋 奈々 (つちや なな)
吉竹高等学校の女子生徒で上妻圭右の友人。放送部部長。昼の放送で上妻圭右にトークを任せていたが、下ネタなどは厳しくセーブしていた。高校卒業後は大学に進学。芸人を志して芸能専門学校のYCAに行った上妻圭右と、同じラーメン屋でバイトをするようになる。 また上妻圭右の家事の面倒を見る事もある。上妻圭右とは幼少の頃から家族のような付き合いで、淡い恋心を抱いているが、上妻圭右には届いていない。
上妻 潔 (あがつま きよし)
上妻圭右の父親。江戸時代から続く「きそば上妻」の三代目であり、蕎麦に対するこだわりを持った職人気質の男性。多くの売れないお笑い芸人に対して食事を無料で提供するなど、売れない芸人達を応援していた。だが、かつて世話をしていた芸人コンビ・ねずみ花火が「きそば上妻」を悪し様に表現したネタのせいで店の客足が遠のき、家計を助けるためにいくつもの仕事を掛け持ちしていた妻が過労死した事から、お笑い芸人を憎悪している。
上妻 しのぶ (あがつま しのぶ)
上妻圭右の姉。母親を亡くしてからは圭右の母親代わりとなり、家業の蕎麦屋「きそば上妻」を営む上妻家の台所を守ってきた。その事もあり、圭右には世界で一番幸せになってほしいと願われている。「きそば上妻」の看板娘として客からの人気も高い。
根津 (ねづ)
お笑い芸人の男性。相方の花田と共にねずみ花火というコンビで活動していたが、世話になっていた「きそば上妻」のネタがきっかけで上妻潔の妻を死なせてしまった事に責任を感じている。そのために所属していた事務所を辞め、芸人としての活動を自粛していた。のちに潔の娘の上妻しのぶと付き合うようになる。
花田 (はなだ)
お笑い芸人の男性。相方の根津と共にねずみ花火というコンビだったが、根津が事務所を辞めたためにピン芸人「DJフラワー」として活動していた。「きそば上妻」のネタがきっかけで上妻潔の妻を死なせてしまった事に責任を感じ、自身のネタでも食事に関するネタを封印していた。
本家 爆笑王 (ほんけ ばくしょうおう)
丸刈りに眼鏡、口ひげに小太りの男性で、実績のある構成作家。お笑いコンビデジタルきんぎょのラジオの構成作家を務めている関係で上妻圭右・辻本潤(中西潤)と知り合う。また芸能専門学校のYCAでは講師を務めており、入学した上妻圭右・辻本潤の武器は「べしゃり」であると看破。 彼らを贔屓はしていないが暖かく見守っている。
岩隈 将大 (いわくま まさひろ)
お笑い芸人の男性。内川修一と共にげんこつロデオというコンビでヨシムラコミックアカデミーに入学する。上妻圭右とは何かと張り合うライバル同士だが、互いの笑いの才能も認め合う関係。江草はるかの事が好きで、はるかが上原裕也に暴行された際には上原を殴ってはるかを助けた。この件がきっかけでヨシムラコミックアカデミーを退学するが、フリーの立場となりニッポン漫才クラシックに出場する。
内川 修一 (うちかわ しゅういち)
お笑い芸人の男性。岩隈将大と共にげんこつロデオというコンビでヨシムラコミックアカデミーに入学する。相方の岩隈とは小学生時代からの知り合いだが、その関係は友人ではなくビジネスパートナーと考えるなどドライな性格。しかし、岩隈に対しては人間的に深い信頼を寄せており、岩隈がヨシムラコミックアカデミーを退学する際にはそれに付き合う形で退学した。
稲尾 潤三 (いなお じゅんぞう)
お笑い芸人の男性。テレビのバラエティ番組「ゴッデス」の司会を務めているが、つねに無愛想で機嫌が悪いため周囲からも恐れられている。かつて辻本潤の父親である中西富美男を付き人としていた時期があったが富美男の失敗からクビにした経緯があり、その事から潤の母親である辻本仁美から恨まれていた。
中西 富美男 (なかにし ふみお)
辻本潤の父親。稲尾潤三にあこがれ潤三の付き人として働いており、潤の母親である辻本仁美とはその頃に知り合った。潤三が一時的に中西富美男を相方として舞台に立った際に大失敗をしてしまい付き人をクビになる。さらに放火未遂の冤罪で服役していた。
辻本 仁美 (つじもと ひとみ)
辻本潤の母親。かつて高校時代に稲尾潤三にあこがれ、素人のネタ見せ番組に出演した事がきっかけで当時潤三の付き人をしていた中西富美男と出会う。富美男とのあいだに潤が生まれるが、それからほどなくして富美男が服役した事から、その後は一人で潤を育てていた。富美男が服役する要因を作った潤三を恨み、息子の潤には潤三を見返してくれる事を望んでいる。
集団・組織
デジタルきんぎょ
『べしゃり暮らし』に登場する男性お笑いコンビ。メンバーはやせ形の金本と小太りの藤川則夫。後輩の面倒見は良く、辻本潤(中西潤)が大阪に住んでいた頃組んでいたコンビ「SHIZU-JUN」には目を掛けていた。コンビだが、笑いの才能がある金本の方が先にピンでの仕事が入るようになる。 藤川則夫は努力でそれに追いついたが、ネタを崩すアドリブを行うようになり、お互いを認めつつも関係は悪化。仕事以外では直接話さないほどになる。だが上妻圭右の言葉に触発されて本心をさらけ出し、関係を改善。金本はそれに恩義を感じ、挫折しかけた上妻圭右に助言を与える。藤川則夫は酒に酔うと全裸になる癖がある。 お笑いコンテストのNMCで優勝するが、祝杯を挙げた藤川則夫は雪の降る公園のベンチで全裸で寝てしまい死亡した。
るのあーる
『べしゃり暮らし』に登場する男性お笑いコンビ。メンバーは梵健太と上原裕也。梵健太のあるあるボケに上原裕也がつっこんだ後、「あるあるあーるのるのあーる♪」というブリッジで落とす、というネタを得意とする。人気は上昇中だが笑いのレベルは低いと評価されている。芸能専門学校のYCA出身で、2009年度はスタッフを務める。 梵健太は両親を火事で失い、幼い妹、真保を自分の手で育てている。上原裕也は「最高の女を抱く」のが夢で芸人となった男で、多くの女性に手を出している。YCAの生徒、江草はるかと二股状態で交際していたが、彼女をレイプしかけたところをYCAの生徒、岩隈将大に殴られる。 これが元で岩隈将大はYCAを辞めることとなった。
ねずみ花火 (ねずみはなび)
『べしゃり暮らし』に登場する男性お笑いコンビ。メンバーは鼻の大きな根津と出っ歯の花田。毒舌ネタを得意とする。かつて上妻圭右の実家のそば屋でそばをおごってもらうなど世話になっていた。だがねずみ花火がそのそば屋を貶めるネタをテレビで演じ客足が遠のいてしまう。上妻圭右の母は店を維持するため外に働きに出て過労で死亡。 責任を感じたねずみ花火はコンビ仲がこじれ、解散してしまった。その後花田は毒舌ラップネタを演じるピン芸人MCフラワーとして、人気は今ひとつながらも活動を継続。根津は芸人を引退、上妻圭右の父、潔に謝罪し、上妻圭右の姉、しのぶと結婚することになる。
げんこつロデオ
『べしゃり暮らし』に登場する男性お笑いコンビ。メンバーはひねた表情でボケ役の内川修一と、坊主頭でひげを生やし体格の大きいツッコミの岩隈将大。京都出身で関西弁。高校時代に上方漫才アワード高校生部門で「シュウちゃんとマーくん」というコンビ名で奨励賞を取った実力者。芸能専門学校のYCA東京校に入学、芸人を目指す。 内川修一はクールな性格。岩隈将大は粗暴ですぐに暴力を振るう。岩隈将大はYCAの同期である江草はるかに気があり、彼女がお笑いコンビ「るのあーる」の上原裕也にレイプされそうになった際、上原裕也を殴ってしまう。これを機に岩隈将大はYCAを退学。 「げんこつロデオ」の二人は互いに「相方はビジネスパートナー、足を引っ張るぐらいなら切り捨てる」と公言していたが、コンビを維持するため連れだってYCAを辞めた。
見切り発車 (みきりはっしゃ)
『べしゃり暮らし』に登場する男性お笑いトリオ。メンバーは中肉中背でネタ製作担当の堀内泰示、筋骨隆々の成瀬智也、小柄で内気な北川千尋。堀内泰示と北川千尋は高校時代からの知人で、堀内泰示が北川千尋を誘い、芸能専門学校のYCAに入った。北川千尋は堀内泰示の学費を立て替えている。 当初北川千尋の性格が災いしてネタが上手く演じられず、殴り合いをするほど仲が険悪になった。だが北川千尋の得意な機械音のモノマネをいかす方向でネタを組み直したことから事態は好転。学費免除バトルの優勝候補と目されるほどになった。また同期ではいち早くテレビ出演も達成している。北川千尋はネタの際プロレスのマスクを被ることで気弱さを克服した。 なお北川千尋は子安蒼太と同じ大学にも掛け持ちで通っている。
ヨシムラコミックアカデミー
『べしゃり暮らし』に登場する芸能専門学校。お笑いコース、構成作家コース、俳優コースがあり、また東京校以外に大阪校もある。講師は構成作家本家爆笑王など。男性お笑いコンビ「るのあーる」など卒業生がスタッフとして働くこともある。
イベント・出来事
ニッポン漫才クラシック (にっぽんまんざいくらしっく)
『べしゃり暮らし』に登場する、一年に一回行われる漫才日本一を決める大会。優勝賞金は一千万円。参加資格は素人、あるいは結成十年以内のプロ。2008年大会には、上妻圭右と辻本潤(中西潤)のコンビ「きそばAT」が出場したが、予選敗退。優勝は「デジタルきんぎょ」であった。十年目を迎え、役割は果たしたとして2009年大会を最後とする予定。
書誌情報
べしゃり暮らし 全20巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2007-05-18発行、 978-4088772745)
第2巻
(2007-06-19発行、 978-4088772844)
第3巻
(2007-07-19発行、 978-4088772905)
第4巻
(2007-08-17発行、 978-4088773070)
第5巻
(2008-01-18発行、 978-4088773841)
第6巻
(2008-06-19発行、 978-4088774664)
第7巻
(2008-11-19発行、 978-4088775432)
第8巻
(2009-04-17発行、 978-4088776293)
第9巻
(2009-11-19発行、 978-4088777597)
第10巻
(2010-05-19発行、 978-4088778556)
第11巻
(2010-11-19発行、 978-4088790619)
第12巻
(2011-05-19発行、 978-4088791432)
第13巻
(2011-11-18発行、 978-4088792262)
第14巻
(2012-07-19発行、 978-4088793320)
第15巻
(2013-03-19発行、 978-4088795362)
第16巻
(2013-10-18発行、 978-4088796673)
第17巻
(2014-07-18発行、 978-4088798684)
第18巻
(2015-03-19発行、 978-4088901336)
第19巻
(2015-07-17発行、 978-4088902234)
第20巻
(2019-09-19発行、 978-4088913698)