あらすじ
第1巻
高校生の少女、大宮忍の通う学校のクラスにイギリスからの転校生、アリス・カータレットがやって来た。アリスは忍が中学生の頃、ホームステイ先で仲よくなった少女だった。しかも中学生の頃は喋れなかった日本語まで喋れるようになっていたアリスは、学校にいる時は忍と行動を共にする。そんなアリスは、忍が担任の烏丸さくらにあこがれている事を知り、やきもちを妬いてしまう。(第1話)
自分が同年代の子と比べても背が低い事を気にしていたアリスは、クラスメイトの小路綾や猪熊陽子に相談したものの、役立つ回答を得る事はできなかった。アリスは胸が小さい事も気にしており、身長が低いから胸も小さいのかと思い悩む。そんなアリスに対し、陽子は背が高いのに胸の小さい綾を例に出して励ますのだった。ところが、胸が小さい事がコンプレックスだった綾は、その話を聞いて怒り出してしまう。(第2話)
忍、アリス、綾、陽子の四人は休日にいっしょに遊ぶ事になった。しかし、綾以外の三人は集合時間に遅れてしまう。綾は集合時間の10分後に来た陽子を叱るが、それ以上に遅れた忍とアリスに対しては心配し始める。それを見た陽子は、自分と二人の扱いの差が、だんだん気になり始める。(第3話)
アリスが日本に来てから数週間、ようやく馴染めたところで、学校に進路調査票を提出する事となった。忍は進路調査票に通訳者になりたいと書くが、周囲からはその夢を無謀だと一笑に付されてしまう。そこで忍は日々の勉強の成果を見せようと、英語をしゃべるアリスの通訳を買って出る。(第4話)
アリスは学校で聞いた難しい日本語や、忘れてはいけない事などをメモするようにしていた。しかし学校に持って来るのを忘れないようにメモしていた、体育で使うジャージを家に忘れてきてしまう。そんなアリスに陽子はいつもジャージ姿の教師、さくらからジャージを借りてはどうかと提案する。(第5話)
誕生日を迎えた忍は、姉の大宮勇から若さが足りないと指摘を受けてしまう。それを気にした忍はクラスメイトに相談を持ち掛ける。綾から敬語でしゃべっているから年上に見られがちなのではないかと言われ、忍はくだけたしゃべり方をしようとするものの、うまく話す事ができない。続いて、姉の勇がファッションモデルなのだから、忍にもその才能があれば、モデルのような立ち振る舞いをしてみんなから若く見られるようになるのではないか、という指摘を陽子から受けた。早速、忍にモデルの才能があるかのかどうかを確かめるべく、写真を1枚撮ってみる事にする。(第6話)
ある日の放課後、忍は忍の母から夕飯の買い出しを頼まれていた。そんな忍と共にスーパーへ向かう途中、アリスは顔見知りのおばさんに声を掛けられるものの人見知りをしてしまう。それを見た陽子はアリスには経験が足りていないと語り、今日の夕飯の買い出しをアリスに任せる事を提案。こうしてアリスは、初めての日本のスーパーに緊張しつつも、夕飯の買い出しを始める。(第7話)
イギリスから日本にやって来たアリスは、ホームシックにかかっていた。忍はそんなアリスを心配し、アリスの母や飼い犬のボビーの真似をして元気づけようとする。一方の綾は、イギリス気分を味わわせてアリスを慰めようと、まともにあやつれない英語でアリスに語りかける。(第8話)
最近周囲でよく外国人を見掛けるようになったと忍達が話していたところ、陽子がこの辺りで金髪少女に会ったと言い出した。その少女はアリスの友人、九条カレンで、アリスが日本に行ったという話を聞き、追いかけるように同じ学校に転校して来たのだった。忍は新たに登場した金髪少女のカレンに夢中になるが、そんな忍に対してアリスはやきもちを妬いてしまう。(第9話)
イギリスから新たに転校して来たカレンは、クラスのみんなと打ち解けられないでいた。そこでカレンは、転校経験者の綾や、話しかけやすい性格の忍に、どうすれば周囲と打ち解けられるのか相談を持ち掛ける。二人にアドバイスをもらったカレンは、クラスのホームルームでみんなと仲よくしたいという自分の気持ちを正直に話すのだった。(第10話)
忍が風邪をひいて学校を休んだ日、陽子はラブレターを受け取り、妙な様子を見せていた。あとでこっそりラブレターを読むつもりでいた陽子だったが、綾はその内容が気になって仕方がない。そんな綾に陽子は、今は恋愛よりも友達と遊ぶ方が楽しいからと、ラブレターを断る気でいる事を伝える。それを聞いて安心する綾と共に、陽子はラブレターの中身を確認してみる事にする。(第11話)
勇は小さな頃から、ボンヤリしている妹、忍の事をいつも心配していたが、現在は妹が金髪少女のアリスとカレンに夢中になり過ぎている事を案じていた。そんなある日、勇は家で勉強会をするためにやって来た忍の友人達と顔を合わせる。アリスやカレンの金髪少女達、そして忍の友人である綾や陽子らと挨拶を交わした勇は、新たな妹ができたようだと喜ぶのだった。(第12話)
ある日、忍はアリスから明日が何の日か覚えているかと尋ねられた。その日は、忍が中学生の時、アリスの家へホームステイに来た日で、アリスはその記念日のためにプレゼントを用意していた。しかし、忍には心当たりがないと答えられたため、渡すタイミングを逃してしまう。(第13話)
第2巻
アリス・カータレットは学校の学園祭を前にはしゃいでいた。そんな中、クラスの出し物を何にするかで議論が白熱し、アリスは甘味処、大宮忍はメイド喫茶を主張して意見が対立してしまう。だが、そんな二つの意見を猪熊陽子がうまく調整。かくして学園祭当日、和洋の要素が混ざったカフェ処「和洋折衷」がオープンする事となった。(第1話)
小路綾の両親が旅行に行っているあいだ、綾は一人で留守番する事になった。その心細さを陽子達に相談したところ、みんなで綾の家に泊まる事が決定する。その後、みんなで食事を作る最中、九条カレンが頭で卵を割っている人を見たと言い出し、アリスといっしょに真似を始める。それが失敗して生卵まみれになったカレンとアリスは、綾の家のお風呂を借りる事になる。(第2話)
お昼休みにカレンがとなりのクラスから遊びにやって来た。いつも来るのが遅いカレンに、陽子がその理由を尋ねると、カレンはいつもクラスメイト達から果物やお菓子などをもらっているためだと語る。その話を聞いたアリスは、カレンは少し太ったのではないかと指摘。これを気にしたカレンは、みんなにダイエットの方法を聞いて回る。(第3話)
高校の英語教師をしている烏丸さくらは、時に授業をするはずの教室を間違ったりするおっちょこちょいだが、そんな事はまったく気にしていなかった。ある時、さくらは担当するクラスのアリス達から、飼っているうさぎの名前を尋ねられたが、結局その名を教える事はなかった。うさぎの名前には、とある秘密があったのである。(第4話)
ある日、忍は陽子がアフリカ大陸に行って二度と会えなくなってしまう夢を見る。寂しさの余り、忍は学校で見かけた陽子に思わず抱きついてしまう。陽子は忍はもちろん、周囲のいろいろな人達から頼られる存在であった。そんな事実に気づいたカレンは、陽子を一日中観察し、陽子を分析した「ヨーコグラフ」なる表を作成する。(第5話)
学校に登校する前、アリスはテレビの星座占いで、自分が最下位であった事にショックを受ける。一方、忍の星座は運勢が一番よかったため、アリスは幸運な忍とできるだけいっしょにいようと考える。そんな中、忍に数々の不幸が襲い来る。不運な自分が近くにいるせいだとアリスは動揺するが、ポジティブな忍はいっさい気にしない。そんな忍の前向きさに、アリスは大いにあこがれる。(第6話)
朝の挨拶として、カレンがわざと片言でしゃべっていた「オハヨウゴジャイマス」が、クラスメイトのあいだで流行していた。日本が大好きなアリスは、カレンの言葉がよくない事だと注意するが、自分もついそれに引っ張られて片言で挨拶をするようになってしまう。これを反省したアリスは、いつも以上に規律正しい日本語を使おうと心がけ始める。(第7話)
忍達は、夏休みを利用してみんなで遊びに行く予定を立てていた。そんな中、海に行きたい陽子と、山に行きたいカレンで意見が対立する。さらには、あいだを取って家で過ごすのはどうかと、インドア派の綾が提案。議論が紛糾する中、カレンはトランプで勝負して勝った人の言う事を聞こうと言い出す。こうして陽子とカレンが勝負する事となり、見事陽子が勝利をおさめるものの、負けたカレンが泣き出してしまう。結局、陽子がカレンの意見を優先する事に決め、みんなは夏休みに山へと行く事を決めるのだった。(第8話)
街を歩いていたカレンとアリスは、道行く人達に姉妹だと間違われていた。それを受けてカレンとアリスは、どちらが姉に見られているのかと議論を戦わせ始める。言い争いには決着がつかず、二人は陽子達に意見を求めるが、誰もがカレンの方が姉に見えると答える。この事態に、アリスは大きなショックを受けてしまう。(第9話)
テストを来週に控える中、忍はそれを他人事のように考えていた。だが、以前からテストの成績が悪い忍は、その態度を綾に叱られてしまう。それでもお気楽に構えていた忍だったが、英語教師のさくらに、このままでは通訳者になる事は絶望的だと告げられ、ようやく真剣に考え始める。こうして忍は、アリスに勉強を教えてもらう事となる。(第10話)
日曜日、忍とアリスはゆっくりとした休日を過ごし、カレンは行動的に外へと出かけていた。そんな中、まじめに宿題と予習を終わらせた綾は、陽子と出かけようと彼女に電話をかける。しかし、恥ずかしがり屋の綾は、電話をかけるにも緊張し、おぼつかない様子を見せる。(第11話)
マンガを読んで主人公に影響を受けたカレンは、コスプレをして登校した。そんなカレンに対し、アリスは物語に影響される気持ちに共感し、自分は辞書で調べながら古典を読んでいるため、肩が凝ってしまうと悩みを打ち明ける。その話を聞いた忍は、自分が物語の読み聞かせをしたらアリスの肩も凝らずに済むのではないかと考え、自ら古典を読み始める。しかし、難しい話がどうしても忍には受け付けない。そんな様子を見ていた綾は、創作のストーリーを読み聞かせてはどうかと提案する。(第12話)
クリスマスはみんなで集まり、大宮家でパーティーを開く事になった。そんな中、アリスはイギリスと比較し、日本のクリスマスの独特さに疑問を覚える。だが、忍から諭された結果、アリスはクリスマスを忍と過ごす日と決める。そして迎えたクリスマス当日、アリスはみんなとの日本流クリスマスパーティを楽しむのだった。(第13話)
第3巻
とある雪の日、アリス・カータレットは日本で初めての雪を見てはしゃぐが、その一方で寒いのが苦手な大宮忍や大宮勇は、青ざめた表情で雪景色を見つめていた。しかし、感動した気持ちを誰かと共有したいアリスは猪熊陽子や小路綾、九条カレンを家に呼んで雪合戦をしたいと言い出す。綾は雪が積もっていないから無理だと断るものの、アリスは気分だけでも味わいたいのだと「エア雪合戦」を提案する。(第1話)
綾は自分の素直でない性格について悩み、憂鬱な表情を浮かべていた。そしてカレンの無邪気さにあこがれを抱いた綾は、彼女の弟子になりたいと言い出す。カレンは綾が弟子になる事を受け入れ、綾に自分のようになるためのアドバイスを送り始める。(第2話)
ある日、アリスが英語しかしゃべらなくなってしまう。それを見たカレンは、まるで自分の見た夢のようだと語る。カレンの見た夢では、アリスが記憶喪失になって日本語を忘れてしまっていたのだ。そんなアリスに対し忍は、彼女の言葉を理解しようと、辞書を片手に話を聞こうとする。(第3話)
学校の放課後、カレンがかくれんぼをしたいと言い出した。日本に来たら一度はやってみたかったとの事で、カレンの提案にみんなは賛成する。最初に鬼になった陽子は、近くに隠れていたカレンを見つけ出し、カレンといっしょに隠れているみんなを探し始めた。一方、図書室に隠れていた綾は、小学生の頃、かくれんぼをしている最中にみんなが帰ってしまった苦い記憶を思い出してしまう。(第4話)
陽子は幼い頃から、ぼんやりしている忍をいつも見守ってきた。しかし、そんな忍も今ではしっかりした姿を見せる事もあった。それに気づいた陽子は、忍の成長を感じる一方で、どこか切ない気持ちを覚える。(第5話)
新学期を迎えて2年生になったアリスは、新しい生活を前に気分が高揚していた。しかし、2年生のクラス分けで忍と違うクラスになってしまい、意気消沈する。一方の忍は、アリスとクラスが分かれたにもかかわらず寂しそうに見えない。その理由を尋ねられた忍は、アリスがイギリスにいた頃と比べれば寂しい事などないと答えるのだった。その前向きな考え方にアリスは共感し、晴れやかな気分で新学期を過ごそうと考えを改める。(第6話)
ホームルームでの自己紹介が終わったあと、カレンはショックを受けていた。新たに担任となった久世橋朱里にホームルームでの態度を叱られてしまったからだ。カレンはこれ以上怒られないように、朱里を尾行して弱みを握ろうと目論む。一方の朱里は、生徒がかわいすぎるあまり注視してしまう癖があり、それを睨んでいると勘違いされてしまう事を気に病んでいた。笑顔の練習をする朱里の姿をこっそり見ていたカレンは、彼女が怖いだけの先生でない事を知り、親近感を覚える。(第7話)
綾は中学生に間違われた事を気に病み、大人っぽく振る舞う練習をしていた。それを知ったアリスは、いっしょに不良にならないかと綾を誘う。アリスは大人っぽく見える秘訣は、不良のように振る舞う事だと勘違いしていたのである。だが、アリスの言葉に賛同した綾は、彼女と共に不良っぽい振る舞いを始めてしまう。そんな二人の様子を見た忍達は、何か悩みがあるのかと事情を聞く。(第8話)
外国にあこがれている忍は、次の休みの日、ティーパーティーをやらないかとみんなに提案する。どうせやるなら本格的にやりたいと言い出した忍のために、スコーンやクッキーなども手作りで用意しようと奮闘する。だが、準備に時間が掛かりすぎた結果、日が暮れてしまう。(第9話)
イギリスで大きい犬を飼っていたアリスは、日本でも犬を飼いたいと言い始めた。犬が苦手な忍は、代わりに自分が犬として振る舞うと提案するが、アリスはそれに納得しない。そんなアリスの様子を見たさくらは教師として力になりたいと、犬耳を付けてアリスを元気づけるのだった。(第10話)
ある日の事、カレンは普段仲のいいカレンの父とケンカをしてしまう。これにより父親と顔を合わせづらくなったカレンは家出をし、大宮家を訪れる。忍や忍の母に家に泊まる事を許可され、カレンは大宮家で一夜を過ごす事になるが、先のケンカを反省し、父親と仲直りしようと家に電話をかける。(第11話)
家庭科の実習を前に、教師である朱里は緊張していた。先輩教師の烏丸さくらから、勢いがあれば乗り切れるとアドバイスを受けた朱里は、その言葉を信じて授業に臨む。しかし、朱里は授業中の注意事項を述べる際、その勢いから必要以上に生徒達を怖がらせてしまう事となる。(第12話)
学校でのテストを前に、忍達はみんなでハンバーガー屋に行って勉強をする事になった。日本でのファーストフード店が初体験のアリスは、注文をする際、前に並んでいたカレンを参考にしようと考えていた。しかし、そんなアリスの視線に気づいた、カレンは店員に対して冗談で「スマイル」を注文する。それが日本での常識だと勘違いしたアリスは、自分の時にも「スマイル」を注文してしまう。(第13話)
第4巻
アリス・カータレットは、学校の花壇で花を育てようと考える。実はアリスは、イギリスでもアリスの母のガーデニングを手伝っていたが、一度もうまく花を咲かせた事がなかった。だが、今度はどうにかうまく咲かせそうなところまでこぎつける事に成功する。そんな中、激しい雨が花壇を襲う。(第1話)
イギリスのエイプリルフールの話でみんなが盛り上がる中、猪熊陽子がウソはよくないと口にする。陽子の弟の猪熊空太と妹の猪熊美月の二人は、ウソか本当かわからない話をするため、陽子はそれに振り回されてばかりいたからだ。そんな中、鍵を忘れて家に入れない空太と美月が、陽子を頼って彼女の通う高校にやって来る。(第2話)
大宮忍は前の席に座るクラスメイトの、九条カレンの金髪に夢中になってしまうあまり、授業に集中できずにいた。小路綾はそんな忍を叱りつけ、自分がきちんとしなくてはと決意を新たにしていた。一方、アリスは自分のクラスに忍がいない寂しさから、家庭科教師の久世橋朱里に、忍の抱き枕を作ってほしいとせがむ。(第3話)
忍には、考えている事が周囲に伝わりづらい、謎めいた部分があった。アリスはそんな忍の事をもっと知りたいと、カレンや綾、陽子といっしょに忍の調査を始める。みんなそれぞれ忍と話して情報収集するが、それでわかったのはどうでもいい事ばかり。そんな中、なぜ忍が中学生の頃にホームステイに行きたいと思ったのか、みんなが疑問を覚え始める。(第4話)
ファッションモデルの大宮勇はスランプに陥っていた。周囲には気丈に振る舞っている勇だったが、それを心配した忍達は彼女を元気づけようとする。元気がない時は遊ぶのが一番だとカレンが提案し、みんなで勇を誘って外へと出かける事になった。外ではみんなで写真コンテストを開く事になり、各自最高の一枚をカメラで撮ろうとする。(第5話)
『わらしべ長者』を読んだアリスはそれに影響されて、みんなと物々交換を始める事にする。こけしを最初の品物として用意したアリスは、勇と「綾と陽子が映ったツーショット写真」を交換する。続いて綾、朱里、陽子、カレンの順で物々交換をしたアリスは、一万円相当の指輪を手に入れる。女子高生としてはあまりに高額な品物を簡単に手に入れてしまったアリスは、それに罪悪感を覚えてしまう。(第6話)
奇抜な恰好をして学校に行こうとしたカレンだったが、そんな恰好をしていたら親呼び出しの注意を受けるかも、という陽子の忠告に怯える。カレンの母は怒ると怖く、親から怒られるかも知れないと危惧したカレンは、すっかり意気消沈してしまう。そんなカレンを気遣った忍は、元気なのがカレンのいいところだと彼女を励ますのだった。(第7話)
学校での大掃除の最中、元気のないアリスに何かあったのかと陽子が尋ねる。アリスは忍のお気に入りのハンカチにアイロンがけしようとして、それを駄目にしてしまったが、忍には言えず途方に暮れているのだという。家庭教師である朱里に相談すれば、ハンカチを元通りにしてくれるかも知れないという陽子の提案を受け、アリスは朱里のもとを訪れる。(第8話)
夏休みの最中、アリスとカレンは部活で学校に来ている松原穂乃花のところへ遊びに行く。カレンとアリスから散歩に誘われた穂乃花はいっしょについて行く事にした。(第9話)
夏休みの最中、みんなで海へとやって来た。アリスは忍に泳ぎ方を教わろうとするが、実は忍も泳げなかった。忍はアリスに泳げない事を隠して見栄を張ろうとするが、浅瀬で溺れたうえ、苦手であるヤドカリを前に怯えてしまうなど、アリスの前で散々な姿を見せてしまう。そんな醜態をアリスに見せてしまった事で、忍はすっかり落ち込んでしまった。(第10話)
夏休みも終盤に差し掛かっていた。そんな中、アリスがイギリスに帰省する日がやって来る。1週間のあいだ、アリスがいなくなってしまう事で、忍は寂しさからすっかり落ち込んでしまった。その様子を見た陽子と綾は忍を元気づけようと、彼女の家に泊まりに行く事にする。(第11話)
夏休みを利用してイギリスに帰省したアリスだったが、忍と離れ離れになった事で寂しさを感じていた。カレンに忍の仮装をさせて寂しさを紛らわせようとするが、それだけではアリスの気が晴れない。そんなアリスを見たカレンは、それをビデオに収め始める。日本では見られない風景として「しょんぼりアリス映像集」を作ろうとしていたのだ。(第12話)
忍がアリスとカレンの昔の話を聞きたがり、カレンがそれに答えて昔話をする。中学時代の忍がホームステイから帰った直後、アリスは日本語の勉強を始めていた。カレンの父による日本語の授業を受けている時以外もアリスは日本語の勉強に没頭し、遊ぼうと誘うカレンにも素っ気ない態度を見せる。そんなアリスの態度にカレンはいじけてしまう。(第13話)
第5巻
九条カレンのクラスメイト、松原穂乃花は、カレンのメールアドレスを聞きたがる。しかし、断られるかもという心配からそれを聞けないでいた。そんな穂乃花の事情を知った大宮忍は、勇気を出すよう穂乃花を応援する。忍の応援によって決意を固めた穂乃花はカレンにメールアドレスを尋ねようとするが、いきなりメールアドレスを聞いてはナンパみたいだと、またも躊躇してしまう。(第1話)
体育祭が始まる中、運動が得意な猪熊陽子はやる気をみなぎらせていた。一方、小路綾は運動が苦手である事から体育祭を前にナーバスになっていた。しかし、陽子の活躍を見ている内に綾は彼女を応援し始める。そんな中、綾は陽子と障害物競争で争う事になってしまう。(第2話)
英語のテストで酷い成績を取った忍は綾に叱られてしまうが、そんな忍をカレンがかばう。忍には勉強以外の才能があるはずだと、フォローしたカレンに対して、綾はどんな才能があるのかと尋ねた。綾の質問に答えるべく、カレンの薦めで忍はさまざまなものにチャレンジするが、忍は何をやろうとしてもうまくいかなかった。そこで忍は落ち込んでしまう。(第3話)
教師である久世橋朱里の学生時代の様子をカレンが聞きたがる。カレンの期待に応えようと、朱里は学生時代の事を話し始めた。朱里と彼女の先輩教師である烏丸さくらはカレン達が通っている高校の卒業生だった。女子高生時代の写真を持ち歩いているというさくらに対して、朱里はその写真を見て驚愕する。写真に写っていたさくらの高校生時代の姿は朱里が高校生時代、お世話になった事がある人物その人だったからだ。(第4話)
忍は肌寒い季節になってきた事で、朝起きられなくなっていた。忍の家にホームステイしている少女のアリス・カータレットがいつも彼女の事を起こしているのだが、それでも忍は朝起きるのが遅い。いつか遅刻するのではないかと心配するアリスの予想は的中して、とうとう忍は遅刻ギリギリの時間に起きてしまう。(第5話)
食いしん坊の陽子はある日の事、30分以内に完食すれば無料になる「超無謀パフェ」のチラシを見つける。それを見た陽子はこれを食べるために生まれてきたのかも知れないと意気込み、みんなを連れて「超無謀パフェ」を食べに行く。一方、穂乃花は「超無謀パフェ」を出している店の店員として陽子達を出迎える。実のところ、「超無謀パフェ」は穂乃花の実家が経営しているカフェで出されている商品だった。いつものように実家の手伝いをしていた穂乃花は、働いているところを友人に見られたくないという恥ずかしさから、被り物をかぶって陽子達の接客をしてしまう。(第6話)
学園祭を間近に控える中、忍達のクラスでは演劇をやる事に決まった。演劇での脚本作りと衣装のリーダーを任される事になった忍は忙しそうにしている。その忙しさから土日も家で作業する事になった忍を手伝うため、みんなは休日に大宮家を訪れる。忍は完成した華やかな衣装をみんなの前で着るが、忍はいつも奇抜な恰好をしているためにその衣装には新鮮味がなかった。みんなから素っ気ない反応しか返されないので忍は悲しむが、それに対してみんなは忍のファッションセンスは見直すべきだと提案する。その結果、みんなで忍の服のコーディーネートを始める事になる。(第7話)
学園祭当日、アリス達は忍達のクラスが行う演劇を見に行く。しかし、演劇が始まった途端、主役としてみんなの前に現れたのは、裏方作業に徹しているはずの綾だった。実は主役の子が風邪を引いてしまったために、急遽綾がその代役を務める事になったのだ。恥ずかしがり屋の綾は一度は代役を断るが、みんなで演劇を成功させたいという思いから代役を引き受ける事に決める。綾を主役として演劇が進行する中、役者として演劇に出演していたカレンが途中でセリフをど忘れしてしまい、台本にないセリフを口走ってしまった。そのフォローをするために演劇はどんどん脚本とは違う形で進行してしまう。(第8話)
カレンは将来の進路について考え始めるが、どこかお気楽な考え方になりがちだった。そんな考えをアリスに叱られたカレンは、改めて進路についてまじめに考え始める。そんな中、忍が実際に働いている人の見学をしてはどうかとカレンに提案した。そこでカレンはファッションモデルとして働いている大宮勇に仕事中の見学をさせてほしいと頼んでみる。現場の迷惑になるからと見学を断った勇は、代わりにファッションモデルの体験をしてみるのはどうか、とカレンに提案した。(第9話)
ハロウィンを間近に控える中、アリスがハロウィンの日に仮装してみたい、とみんなに提案する。アリスにかわいい服を着せて楽しみたい忍はその案に乗り、みんなで仮装をする事が決まる。ハロウィン当日、思い思いの仮装をして集まったアリス達は知人の家を一軒ずつ回る。ひとしきり回ったあと、カレンがもう一軒行きたいところがあると言い出した。そんなカレンの案内でたどり着いた家は教師であるさくらの家だった。(第10話)
ある日の事、夕食で間違って勇の激辛麻婆豆腐を食べてしまったアリスは、あまりの辛さに熱を出してしまう。それが原因で学校を休んだアリスは退屈する中で、忍が隠し持っている雑誌が何だったのかを気にしてしまう。忍の秘密を勝手に覗き見てしまう罪悪感と、秘密を知りたい好奇心がアリスの中でせめぎ合うが、好奇心が勝ったアリスは忍の隠し持っている雑誌が何であるかをこっそり覗き見てしまった。(第11話)
忍と穂乃花はお互いに金髪好きである事から、金髪話に没頭していた。しかし、実は同じ金髪好きであっても、お互いタイプが違う事に二人は気づく。そんな中、忍と穂乃花はどちらの「金髪愛」がより本物か、雌雄を決する事にする。その話を聞きつけたアリスは二人を諫めつつ、好きな事に勝ち負けはないのだと諭した。その一方でカレンが面白半分に二人を焚きつける。それにより再び決着をつける事にした二人は、穂乃花の得意とするテニスで勝負をし始めた。(第12話)
綾は忍と中学の頃からの友人だが、陽子のように昔からの幼なじみでなく、かと言ってアリスやカレンのように金髪でもない事から、実は自分が思うほど忍と仲よくないのではないかと疑問を持ち始めた。それで元気のない綾の様子に気づいた陽子は、彼女の相談に乗ろうとする。そんな陽子に対して気丈に振る舞う綾だったが、それでも心は晴れない。そんな綾と陽子の様子を見たカレンは、彼女達の中学時代の話を聞きたがる。(第13話)
第6巻
小路綾といっしょに教材を運ぶ事になった大宮忍だが、その途中で腰を痛めてしまう。保健室に運ばれた忍のお見舞いにみんながやって来る中、いつの間にかお見舞いに来ていたはずのアリス・カータレットがいなくなってしまう。それを寂しく思う忍が外を見ると、窓から小さな雪だるまが見えた。アリスは忍を元気づけるために外へと出て雪だるまを作っていたのだ。しかし、アリスは薄着で雪の降る中へと出かけたために風邪を引いてしまう。(第1話)
自宅のお風呂が壊れてしまった猪熊陽子は、みんなを誘って銭湯へ行く事にする。日本の銭湯に行く事となったアリスは好奇心をあらわにする一方、恥ずかしがり屋の綾はみんなの前で裸になる事に緊張していた。(第2話)
登校途中、九条カレンは朝からカレンの母に怒られた事を、なぜか嬉しそうに報告する。忍に叱ってくれる人がいる事は幸せな事なのだと、説かれたからだ。一方、カレンの担任教師の久世橋朱里はいつもカレンを叱ってばかりいる事を反省しており、今日こそはカレンを褒める事にした。朱里にもいつものように叱ってほしかったカレンだが、予想に反して朱里から褒められてしまった事により動揺してしまう。(第3話)
日曜日、ヒマを持て余していた陽子は、妹達が遊びに行く場所へといっしょについて行く。しかし、周囲の小学生達以上にはしゃぐ姉を恥ずかしいと思った猪熊美月と猪熊空太によって、陽子は追い出されてしまった。陽子は次の遊び相手を探すために友人達に電話をかけるが、みんな忙しいらしくかまってもらえない。寂しさを感じる陽子は散歩している途中で大宮勇と出会い、彼女に遊んでもらう事にする。(第4話)
綾が下駄箱を覗いて見ると、そこにはハートマークのシールで封のされている手紙が入っていた。それをラブレターだと判断した綾は、どうしたものかと動揺してしまう。しかし、ラブレターというのは綾の勘違いで、それはカレンからのクリスマスパーティーの招待状だった。カレンは自宅でパーティーを開く事にして、それにみんなを招待したのだ。いつものメンバーに加え、教師のさくらや朱里なども招待してのクリスマスパーティーが始まった。(第5話)
日本に遊びに来たアリスの母が、しばらくのあいだ大宮家に泊まる事となる。アリスの母はアリスの学校での様子を聞きたいがために、友人達を紹介してほしいと願い出る。その願いを聞き入れたアリスはみんなが集まっているところへアリスの母を連れて行った。アリスの友人達がみんないい子である事を知ったアリスの母は、日本で高校生活を送るアリスが楽しそうに過ごしている事に安心する。(第6話)
正月、初詣に出かけたアリス達だったが、朝から忍の様子がどこかおかしい。それに気づいたみんなは忍を元気づけようとする。そんな中、気軽な気持ちでイギリスに帰りたいと口にしたアリスに忍が抱きついた。抱きつかれて驚くアリスに、思わず抱きついてしまった理由を忍が語る。忍は初夢でアリスがいなくなってしまう夢を見てしまい、それが原因で朝から元気がなかったのだった。そんな気分を払拭するべく忍は、絵馬にみんなとずっといっしょにいられる事を願うのだった。(第7話)
クリスマスから大宮家に滞在していたアリスの母が、明日、とうとうイギリスに帰る事となる。帰るまでにやっておきたい事は何かないか、と忍に問われたアリスの母は鍋がやりたいと希望した。大勢で囲んでの鍋がやりたいというアリスの母の希望を叶えるべく、忍は友人達を家に呼んでいっしょに鍋をする事にした。(第8話)
冬休み最終日、外へと出かけたカレンは、お店で財布を忘れて困っている美月と空太と出会う。二人にお金を貸してあげたカレンは、お金を返してもらうべく猪熊家へといっしょに向かう。その道中、カレンは美月と空太に、みんなを驚かせるウソを教えてほしいとお願いした。明日からの学校でみんなを驚かせてやりたいと思っていたからだ。相談の結果、みんなをあっと驚かせるアイディアを思いついたカレンは、そのアイディアを携えて学校へと向かった。(第9話)
今日もいつものようにおしゃれな恰好をしようとしていた忍だったが、選んだ服のチャックが上がらない。仕方なくほかの服を着ようとするが、それもうまく着る事ができない。そんな忍に対してアリスは太ったのではないかと指摘する。その指摘を受けて落ち込んだ忍を励まそうとしたアリスだったが、見当違いの励まし方をしてしまった結果、忍はますます落ち込んでしまった。そんな落ち込みようを見たアリスは、忍にダイエットするよう促した。(第10話)
忍達はバレンタインの日はみんなで互いに「友チョコ」を配る事にした。そんなみんなの中でも人一倍の熱意を持っていた綾は陽子に対抗意識を燃やしつつ、世界一のチョコを作ってあげると宣言する。しかし、普通に作っては世界一のチョコレートにならないと悩んでいた綾は、家庭科教師の朱里に美味しいチョコの作り方を教わる事にする。それにアリスや松原穂乃花、カレンも加わって、朱里に教わりながらのチョコレート作りが始まった。(第11話)
陽子の前で冗談を口にするカレンだったが、陽子はそんなカレンの冗談を穏やかな口調で流してしまう。そんな陽子に対してカレンは、最近になってから陽子の「ツッコミパワー」が弱まっていると指摘した。みんなの期待に応えるべく陽子は今日一日、みんなにツッコミを入れる事にした。そんな陽子の決意を受け、みんなはわざとボケてみせようとする。一方、決意した通りツッコミを入れ続けた陽子は、やがて疲れ切ってしまった。(第12話)
カレンは買い物に付き合ってほしいとみんなを誘う。しかし、アリス達は都合が悪く、その誘いを断ってしまう。一方、その様子を見ていた穂乃花はカレンに誘ってほしいと思っていた。しかし、穂乃花は積極的に自分からカレンを誘う事ができないでいた。そんな中、カレンから誘ってもらった事で、穂乃花はカレンといっしょに買い物に行く事になる。嬉しさで頭がいっぱいになった穂乃花は、不注意から電柱にぶつかってしまう。(第13話)
第7巻
松原穂乃花は実家が経営しているカフェを手伝っていた。そんな中、カフェに小路綾がやって来る。今日はこのカフェでみんなと待ち合わせしているとの事で、それから続々とみんながやって来る。その中には九条カレンもいて、穂乃花は実家でお手伝いをしている事をカレンに褒められた。面倒だと思っていた実家の手伝いだが、こんないい事もあるのだと、穂乃花は喜びを嚙みしめる。(第1話)
小説に影響された綾は姉妹にあこがれていた。そんな中、カレンとアリス・カータレットが今日一日、綾の妹として振る舞ってくれると言う。その流れからカレンとアリスは綾の家に泊まりに来る事になるが、綾の家で虫が出てしまう。虫が出た事でカレンとアリスに泣きつかれた綾は、「姉」としての威厳を見せるために、勇気を出して苦手な虫に立ち向かう。(第2話)
進級が迫る中、穂乃花は次もカレンと同じクラスになれるかどうかで悩んでいた。そんな中、アリスもまた、大宮忍と同じクラスになりたいと考えていた。同じ悩みを共有した穂乃花とアリスは、望んだクラス分けになるように、何かできる事があるはずだと、その方法をいっしょに話し合う。(第3話)
春休みに、いっしょに街に出かけていた綾と猪熊陽子はカレンと出会う。二人はカレンに、いっしょに出かけないかと誘うが、カレンはこれから初めてのデートがある、とその誘いを断った。そんなカレンのデート相手が気になった綾は、陽子といっしょにこっそりカレンのデート相手を覗き見る事にする。その相手を見て綾は驚いた。カレンとの待ち合わせ場所に来たのは、金髪の女性だったからだ。(第4話)
アリスが誕生日を迎え、大宮家で彼女の誕生日パーティーを開く。みんなが買ってきたプレゼントをアリスに渡す中、忍の表情が暗い。アリスの喜ぶプレゼントを探そうとしていた忍だったが、彼女が喜ぶようなプレゼントを思いつかなかったからだ。熟考の末、忍はアリスに「何でもしてあげる券」を渡した。それをもらったアリスは喜んでくれる。(第5話)
新学期になった事で、久世橋朱里はカレンの担任ではなくなり、代わりにカレンの担任は烏丸さくらが担当する事になった。カレンの事が心配な朱里は、さくらにカレンの事をお願いする。(第6話)
お昼休み、お弁当を自分で作ってきている綾は、みんなから料理上手になってきた事を褒められる。そんな中、綾の弁当を見た陽子は、彼女の弁当が食べたいと言い出す。陽子の熱意に押された綾は弁当を作る事を了承するが、代わりに陽子の成績が少しでも改善されるようにと、問題集を解く事を求めた。問題集を解けば綾の弁当が食べられると決まる中、陽子は同じく成績の悪い忍、カレンと共に問題集を解き始める。(第7話)
修学旅行を前にして気分を高揚させる忍だったが、彼女はなぜか修学旅行先をイギリスだと勘違いしていたらしく、その行き先が奈良と京都だとわかった途端、落ち込んでしまう。一方、日本が大好きなアリスは奈良と京都が行き先だと知って、はしゃいでいた。既に京都弁の勉強まで始めるほどの意気込みを見せているアリスに感化された陽子やカレンもまた、アリスと同様にはしゃぎ始める。(第8話)
修学旅行当日、アリスは旅行を楽しみ過ぎて寝不足になっていた。移動中寝るように大宮勇から提案されるが、アリスは修学旅行中は1分1秒も無駄にしたくないと、その提案を受け入れない。そんなアリスに勇は、寝ない子は縮んでいくのだというウソを教えてしまう。そんなウソを信じた忍は、アリスに寝てもらえるよう説得する。(第9話)
修学旅行2日目は自由行動の日となっていた。そんな中、穂乃花はカレンとの修学旅行の思い出を形に残すべく、彼女といっしょに写真を撮りたいと考えていた。しかし、穂乃花は勇気が出せず、それをカレンに言い出せない。自由行動の最中、金閣寺でお参りする事になる中、穂乃花はカレンとの写真を撮りたいと神様にお願いした。しかし、穂乃花はそのお願いを思わず声に出してしまい、図らずしもカレンに聞こえる事となった。穂乃花のお願いを聞いたカレンは、喜んで穂乃花といっしょに写真を撮ってあげる。(第10話)
自由行動が終わってホテルに帰ったアリス達は、食事や温泉を堪能する。布団に入っても修学旅行の興奮が収まらない中、突如として枕投げが始まり、それが終われば綾の希望のもと、恋愛話が始まる。そんな楽しい修学旅行も最終日を迎えて家に帰る事となる。帰りの新幹線では疲れから静かになる車内だったが、カレンだけはまだ元気を残しているのだった。(第11話)
授業中、居眠りをしていた陽子は、素直な性格となった綾の出てくる夢を見る。その話を聞いた綾は、それをどう思ったのか陽子に尋ねるが、陽子の感想は怖いというものだった。それに綾はショックを受けてしまう。(第12話)
綾やカレンにとって、ファッションモデルである勇はあこがれの存在だった。そんな勇に対して陽子は、勇にはあこがれの存在はいないのかと尋ねる。小さい頃から熱中する事が何もなかった勇にとって、好きな物に対してとことんまで積極的になれる忍こそが、あこがれの存在だったのだ。ファッションモデルを始めたのも、そんな忍に感化されての事だった。それを思い出した勇は、からかいつつも忍を褒めるのだった。(第13話)
第8巻
中学生の頃、大宮忍は金髪少女と学校に通いたいと願っていた。その夢は現実的でないと友人の猪熊陽子に否定されながらも、その可能性が零ではない事に忍は希望を持っていた。高校生になった忍はその時の事を思い出し、今は金髪少女であるアリス・カータレットや九条カレンと学校に通える喜びを嚙みしめるのだった。(第1話)
休日、勉強会を予定していたアリスはその準備に勤しんでいた。いっしょに行く予定の忍を呼びに行ったアリスは、大宮家に泊まりに来ていたカレンといっしょに、忍が魔法少女アニメを見ている事に否定的な態度を取る。しかし、カレンはそんなアリスの姿勢に反論を唱えた。(第2話)
ある日の事、陽子は妹の猪熊美月とケンカしてしまう。ケンカは陽子が美月のTシャツを勝手に借りようとした事が発端で、陽子は小路綾によってその事を叱られてしまう。その話を聞いていたアリスは、忍相手にならどんな事をされても許してあげると発言。すると、それを聞いた忍がアリスのプリンを食べてしまった事を告白した。しかし、アリスはそれを聞いて怒ってしまう。(第3話)
読んだ漫画の影響を受けたカレンは、陽子に決闘を申し込む。陽子はそれを聞いて、どんな事でも自分がカレンに負けるはずがないと高を括る。そんな陽子に対してカレンは、陽子の妹、美月と弟、猪熊空太が自分に懐いているため、自分の方が姉として優れていると反論する。それにショックを受けた陽子は、カレンとどちらが姉として優れているか勝負をする事にした。(第4話)
ある日、松原穂乃花はとある手帳を拾う。そこには綾の自作ポエムが書かれていた。これを他人に読まれては恥ずかしいだろうと、穂乃花は持ち主の綾に手帳を返そうとするが、彼女に気を遣うあまり、どう返していいかわからない。一方、自作ポエムの書かれた手帳を落とした綾は、この世の終わりのような表情で、それを必死に探していた。(第5話)
受験生の担任である久世橋朱里は生徒に気を遣う余り、神経をとがらせていた。そんな朱里の緊張をほぐそうと、同僚の烏丸さくらは猫カフェに行く事を提案する。休日、何故かついて来た忍達と共に、朱里とさくらは猫カフェへと向かった。朱里が猫カフェにて癒されている最中、彼女はカレンがさくらに懐いている様子を目の当たりにする。それに朱里は嫉妬してしまうのだった。(第6話)
ズボラな陽子は、寝ぐせや制服がだらしないままで学校へと向かってしまう。それを見た綾は、もう少し女の子らしく振舞ってみてはどうかと陽子に提案した。中学生の時はそんな事を言わなかったのにと反論する陽子は、それがきっかけで中学生の頃の自分を思い出す。陽子は中学生の頃からズボラで、身だしなみにはいっさい頓着がなかった。そんな自分が将来きちんとできるのかと陽子は不安になるが、綾は陽子はそのままでいいのだ、と彼女を励ます。(第7話)
穂乃花の友人である日暮香奈は、平々凡々な毎日を望んでいた。そんな中、「香奈はアニメオタク」だという噂がクラス中に広まっていた。アニメが好きという事を周囲に隠していた香奈は、それを否定しようとする。誰がそんな噂を広げたのかと香奈が疑問に思う中、その犯人はクラスメイトのカレンである事が判明した。香奈は魔法少女アニメの着ぐるみショーに行った時、カレンに会っていたのだ。香奈はカレンにその事実を黙っていてもらうように頼む。(第8話)
放課後、忍達は図書館で勉強をする。その途中、資料室に出かけようとする綾に、勉強の息抜きをしたいカレンがついて行く。そんな中、資料室から出ようとすると扉が開かず、中に閉じ込められてしまった。閉じ込められて焦る綾に対して、カレンはどうにかなると前向きな様子を見せる。しかし、時が経つに連れてカレンも焦り始める。実はカレンには、昔かくれんぼをしている最中に納屋に閉じ込められた経験があり、それがトラウマとなって蘇っていたのだ。こうして二人は、資料室の扉を叩いて助けを呼び始める。(第9話)
美月は自分が同年代の女の子に比べて、背が低く胸が小さい事を気にしていた。高校生になれば姉のように大きくなるという、空太の励ましを受けた美月は、早く高校生になりたいと思うのだった。そんな中、母親からおつかいを頼まれた美月は、空太といっしょではなく、一人でおつかいに行ってみたいと言い出した。それによって一人で出かける事になった美月は、せっかくだからと遠くのスーパーまで行ってみる。しかし、途中で帰りの電車賃がなくなってしまい、美月は一人途方に暮れる。一方、美月の帰りが遅い事を心配した陽子と空太は彼女を探しに行く。(第10話)
忍が突然、自分を慕ってくれる後輩がほしいと言い出す。部活に所属していない忍は後輩との接点がなかったのだ。一方、陽子や綾には慕ってくれる後輩の知り合いがおり、それを見た忍は、ますます自分を慕ってくれる後輩をほしがる。そんな様子を見たカレンは、忍の魅力をみんなにアピールしようと言い出した。そのために忍のPR動画を作る事にしたカレン達は、さまざまな人の努力を借りつつもPR動画を完成させていく。そのあとカレン達は完成した動画をインターネット上にアップロードしようとするが、ネットへ個人情報をアップする危険性に気づいた綾がそれを止めた。結局、動画はネット上にアップロードされず、代わりにイギリスにいるアリスの母のもとに送られたのだった。(第11話)
カレンが突然、アリスを一日中独り占めしようとする。そんなカレンがいつもに比べて元気のない事に気づいた忍は、カレンとアリスがいっしょにいられるように取り計らう。アリスはカレンの家に泊まりに行き、カレンとの夜を楽しんだ。その結果、カレンの元気が戻った事にアリスは安心する。アリスもまた、カレンが元気のない事に気づいていたのだ。実のところカレンは高校を卒業したあとの進路について悩んでいて、それが原因でいつもより元気がなかったのだ。(第12話)
陽子は休日にいっしょにどこかに出かけないかと綾を誘った。それを了承した綾はどこに行こうかと相談すると、陽子は行き先は内緒にして綾を驚かせたいと言い出す。陽子は綾を登山に連れて行こうとしていたのだ。それがわかった綾は行き先に難色を示すが、陽子の熱意に負けていっしょに行く事になる。インドア派の綾は山登りの辛さに心が折れかけるが、陽子といっしょでなければ体験できなかった経験の連続に、ついて来てよかったと思うようになる。(第13話)
登場人物・キャラクター
大宮 忍 (おおみや しのぶ)
黒髪おかっぱヘアの女子高生。周りからはしのの愛称で呼ばれている。中学の頃イギリスにホームステイした事があり、ホストファミリーの少女アリス・カータレットと仲良くなる。高校生になった現在は、日本に留学してきたアリスとひとつ屋根の下で暮らしている。親友である猪熊洋子とは小学校から、小路綾とは中学からの付き合い。 かなりのんびりマイペースであり、天然な言動で周囲を唖然とさせることが多い。家族や友人たちにも敬語で話し、年齢以上に落ち着き払っている事から、「老けている」と言われることがある。外国に対して異常な憧れを抱き、普段から西洋風の非日常的なドレスを着たり、金髪少女に目がなかったりする。将来、通訳者になるのが夢だが、苦手な勉強の中でも英語は特に成績が悪い。
アリス・カータレット
大宮忍の家で暮らす金髪美少女。イギリスから「しの」と同じ高校に通うためだけに編入してきた。フワフワの金髪をツインテールにしている。中学の時は忍がアリスの家にホームステイしており、その時忍からプレゼントされた簪を頭に挿している。日本が大好きで、忍たちよりも日本文化や所作に精通している。 忍のことを大和撫子の鑑と太鼓判を押している。イギリスから転校してきた幼馴染の九条カレンとは、大好きな忍を巡って言い合いになることが多い。童顔や低い身長にコンプレックスを抱いている。子供っぽい性格だが、優等生で成績は優秀。
小路 綾 (こみち あや)
大宮忍の親友で同級生。黒髪のサラサラロングヘアをツインテールにしている。頭がよくてしっかり者だが、おっちょこちょいな少女。中1の時に忍たちの学校に転校してきた。過度な人見知りだったが、常に側にいてくれた猪熊陽子のおかげもあり、学校に馴染んでいった。陽子に対して恋愛に近い特別な感情を抱いており、その言動を過敏に意識するところがある。 陽子の前では天邪鬼で、恋人のように意地を張る事が多い。
猪熊 陽子 (いのくま ようこ)
大宮忍の親友で同級生。赤みがかったショートヘアと八重歯が特徴。明るく頼れる、ボーイッシュな少女。運動神経の良さは折り紙つきで、部活からの勧誘も多い。また大食いであり、授業中は大抵早弁をしている。天然でとぼけた忍や、真面目だが空回りの多い小路綾に対して、激しくツッコミを入れる役回り。 一番背が高くてスタイルもいい。双子の妹弟がいる。
九条 カレン (くじょう かれん)
大宮忍の親友で同級生。アリス・カータレットの幼馴染。日本人の父とイギリス人の母を持つハーフで、大金持ちのお嬢様。アリスが留学した日本に興味を持ち、家族でイギリスから引っ越してきてしまった。現在は忍やアリスと同じ高校に通っている。金髪のロングヘアにややつり目が特徴。 アリスと違って日本語が下手であるところが、外国人好きの忍のツボにはまっている。物怖じしない明るい性格。
烏丸 さくら (からすまる さくら)
大宮忍の担任で英語教師。忍の憧れの人。美人で優しく、生徒からも人気があり、英語も流暢に話せる。かなり抜けており、授業の度に間違った教室に入ってしまう。普段から高校時代の体育ジャージを身に着けている。生徒や教師に関係なく、誰とでもすぐに距離を縮めてしまうため、人付き合いの苦手な後輩教師・久世橋朱里からは、師匠として慕われている。
大宮 勇 (おおみや いさみ)
大宮忍の実姉。高校生から絶大な人気を誇るカリスマファッションモデル。高身長とサラサラロングヘアが特徴。ややシスコン気味で面倒見がよく、ボンヤリした忍を幼い頃から見守っている。ややSっ気もあり、忍に対して毒舌を吐くことも多い。
久世橋 朱里 (くぜばし あかり)
大宮忍の家庭科教師。真面目で厳しく生徒から恐れられているが、実は生徒思いの優しい女性。生徒たちと仲良くなりたいと思っているが、かなり不器用な性格で、言い方がキツくなったり表情が硬くなってしまう。生徒と一瞬で距離を縮めてしまう、先輩教師の烏丸さくらを師匠として慕っている。
カレンの父 (かれんのちち)
九条カレンの実父。日本人。イギリス人女性との間にカレンをもうけた大富豪。アリスに日本語を教えた人物でもある。娘のカレンが日本に興味を持ったことから、家族を引き連れ、日本に引っ越してしまう。
猪熊 空太 (いのくま こうた)
猪熊陽子の実弟。猪熊美月とは双子の兄弟。小学3年生。美月と共に、嘘か本当かわからない嘘ばかりついて周囲を混乱させているので、学校の先生や友達からは「嘘つきブラザーズ」と呼ばれている。陽子のことは大好きだが、照れのあまり「好きじゃない」といってしまう天邪鬼な性格。
猪熊 美月 (いのくま みつき)
猪熊陽子の実妹。猪熊空太とは双子の兄妹。小学3年生。空太と共に、嘘か本当かわからない嘘ばかりついて周囲を混乱させているので、学校の先生や友達からは「嘘つきブラザーズ」と呼ばれている。空太同様、陽子のことは大好きだが、照れのあまり「好きじゃない」といってしまう天邪鬼な性格。
カレンの母 (かれんのはは)
九条カレンの実母。イギリス人。カレンが日本に興味を持ったため、家族で日本に越してきた。カレンには「もっと可憐な女の子になりなさい」と言ってきかせる厳しい母親だが、カレンに将来おすすめの職業を聞かれた際は、「玉の輿に乗る事」と答えるなど、少々変わり者な一面も持つ。
松原 穂乃花 (まつばら ほのか)
九条カレンの友達。テニス部所属。おしとやかないい子。転校してきたカレンが隣の席になった事から仲良くなり、それ以降カレンの突拍子のない言動にいつも振り回されている。テニスはあまり上手くなく、唯一誇れる特技は玉乗りと答えるなど天然な所がある。大宮忍同様、金髪少女に目がなく、アリス・カータレットやカレンに対してミーハー的言動をとる事が多い。
日暮 香奈 (ひぐらし かな)
高校に通っているショートカットの少女で、松原穂乃花の親友。部活はテニス部に所属している。目立つ事が苦手で平々凡々な日々を望んでいるが、周囲の人物が個性的である事に若干ながら辟易している。妹の影響で魔法少女モノのアニメを見て以来、そのアニメのファンになっており、そのアニメの着ぐるみショーが開催されれば見に行ってしまうほど嵌まっている。 また、着ぐるみショーの多くの観戦者である小学生達に混じっても浮かないように小学生っぽい恰好をしてまで参加するなど、アニメに掛ける情熱は熱い。
忍の母 (しのぶのはは)
大宮忍の実母。しっかり者だが細かいことは気にしない性格で、忍やアリス・カータレットの自由すぎる行動も見逃がしてあげることが多い。
アリスの母 (ありすのはは)
アリス・カータレットの実母。ホームステイにきた大宮忍を家族のように扱い、また人見知りで恥ずかしがりやなアリスが忍と仲良くなる経緯を優しく見守った。かなり美人でホンワカした性格。