概要・あらすじ
清華女子高等学校に務める数学教師の前島は事故に見せかけて命を奪われそうになったことが三回続き、犯人は生徒なのではないかと疑いを持っていた。そんな中生徒指導部教員・村橋が教師用の更衣室内で殺害されてしまう。現場は密室であり自殺の疑いもあったが、刑事の大谷は他殺と考えて調査を始める。そして事件の決着が付かない中で開催された体育祭で第二の殺人事件が発生する。
登場人物・キャラクター
前島 (まえじま)
清華女子高等学校の数学教師。生徒に極力干渉しない姿勢から、マシンとあだなされている。駅のホームや更衣室などで、事故に見せかけて殺されそうになったことが続き恐怖心を抱いている。 生徒指導部部長の村橋が校内で殺害されたことに不信感を持ち、独自に調査を開始。既婚者であるが子供を作ることに抵抗を持ち、二年半前に妻裕美子を堕胎させたせいで彼女に後ろめたい気持ちを持っている。 アーチェリー部の顧問を担当しており、エースの杉田恵子に期待をかけている。
杉田 恵子 (すぎた けいこ)
清華女子高等学校に通う三年生。アーチェリー部に所属し、エースとして周囲から期待をかけられている。明るくサバサバとした性格で、部員を思いやる気持ちも強い。全クラブ合同で行われた合宿の夜に前島とキスをしており、それ以来前島にとって苦手な生徒の一人となっている。
高原 陽子 (たかはら ようこ)
清華女子高等学校に通う三年生。バイクを乗り回し、平然と遅刻をする不良。タバコを吸っていたところを生徒指導部の村橋に見つかり、三日間の停学処分を受けていた。母親がおらず、父親も仕事で忙しいため家政婦を母代わりとして育ってきたが、二年生の三月に父親が家政婦を首にして若い恋人を家に連れ込んでしまう。 それに反発し、担任だった前島に一緒に信州まで行こうと頼むも、前島に反故にされ、不良の道を歩んでしまう。また、そのせいで前島にとっても苦手な生徒となった。
村橋 (むらはし)
精華女子高等学校に務める教諭で、生徒指導部部長を担当している。規律に厳しく、素行の悪い生徒を害虫呼ばわりするため生徒からの評判は悪い。ある日、男子更衣室で死んでいるところを発見される。
麻生 恭子 (あそう きょうこ)
精華女子高等学校の美人英語教師。校長の栗原から、息子の嫁に迎えようと考えられている。清楚そうな見た目に反して火遊びを好み、村橋とも関係を持っていた。前島は、過去に友人が彼女によって捨てられたことから、危険な女と警戒している。
竹井 (たけい)
精華女子高等学校に務める教諭で、陸上部の顧問を担当している。筋肉質の男性で、タンクトップ一枚でいることが多い。体育祭で仮装行列で前島と衣装を交換して、酔っぱらいのピエロに扮していた。指示に従い一升瓶をラッパ飲みしたところ、毒死する。
北条 雅美 (ほうじょう まさみ)
精華女子高等学校に通う三年生。特進クラスに所属し、剣道部の主将を務める文武両道な少女。厳しい校則に反発し、緩和を求めて活動している。高原陽子とは中学からの親友であり、彼女に容疑がかかった時には、無罪を証明するため密室の謎に挑んだ。
前島 裕美子 (まえじま ゆみこ)
前島の妻。前島の子供を宿すも、夫の指示により堕胎した過去を持ち、心に傷を負っている。長い間陰鬱な状態が続いていたが、最近では明るさを取り戻しつつある。
宮坂 恵美 (みやさか えみ)
精華女子高等学校に通う一年生。アーチェリー部に所属し、杉田恵子とペアを組んで練習している。右手首を捻挫したとして、包帯を巻いている。引っ込み思案な性格。
大谷 (おおたに)
短髪で無精髭を生やした刑事。現場の状況を見て、村橋は自殺ではなく他殺と判断し調査をしている。長年の経験から勘も鋭く、独自に事件の捜査をしている前島に情報を渡すこともある。
栗原 (くりはら)
精華女子高等学校の校長。教諭の麻生恭子を息子の嫁に迎えようと前島に協力を依頼している。前島から、自分が殺されようとしていることを相談を受けるも、責任逃れから取り合おうとしなかった。
クレジット
- 原作
-
東野 圭吾
ベース
放課後