箱庭のソレイユ

瀬名あさひが通っていた美術教室で、女性講師が殺害された。それから5年、16歳になったあさひが、事件の犯人とされた少年と、彼に恨みを抱く被害者の弟という反目しあう2人とともに、女性の死の真相に迫っていくミステリー作品。「別冊マーガレット」2016年3月号から2017年6月号にかけて掲載された。

正式名称
箱庭のソレイユ
ふりがな
はこにわのそれいゆ
作者
ジャンル
推理・ミステリー
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
全4巻完結
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概要・あらすじ

瀬名あさひが通っていた美術教室の講師を務める女子大学生・戸張有希が殺害された。さらに現場は放火によって、跡形もなく焼け落ちてしまう。犯人として捕まったのは、有希を心の底から慕っていたはずの美術教室の生徒でもある、11歳の宿夜点治だった。その事件から5年が経過。あさひは、薄れていく記憶の中で、点治は犯人ではないことを信じ続けていた。

そんな折、有希の墓参りに訪れたあさひは、見知らぬ男性に呼び止められる。彼は、有希の弟・戸張伊月だった。階段で足を滑らせた彼を受け止める形になったあさひは、その衝撃で手首を骨折してしまう。あさひは、責任を感じて頻繁に見舞いに訪れる伊月と交流を重ねるうちに、5年前に起きた事件について触れることになる。

犯人が未成年だったため、詳細が一切公開されなかったこともあり、伊月は5年経った今でも複雑な思いを抱えたままだった。伊月は姉の死の真相を知るために、あさひは点治が犯人ではないことを証明するために、事件の真相を探り始める。

登場人物・キャラクター

瀬名 あさひ (せな あさひ)

16歳の女子高校生。さっぱりした性格で、好奇心旺盛。他人に対して警戒心のない、お人好し。戸張有希の墓参りに訪れた際、足を滑らせた戸張伊月を受け止めようとして右手首を骨折。それをきっかけに有希の弟である伊月とともに、事件についてさまざまな記憶を繙(ひもと)いていくことになる。瀬名あさひは5年前の事件当時、有希が講師を務める美術教室に通っていた。 幼い頃は、大勢の人がいると緊張するタイプで、学校が苦手だった。そのため、登校せずに美術教室に入り浸ることもしばしばだった。叱られることも多かったが、有希だけは優しく受け入れてくれたため、彼女を心から慕っていた。そんな有希が殺された事件の犯人として、仲の良かった宿夜点治が捕まった。 しかし、点治が有希を慕っていたことを知っていたため、彼の無実を5年が経過した現在でも信じ続けている。伊月に対しては、イケメンぶりに心惹かれていくが、点治との再会により、幼い頃から持っていた、点治に対するはっきりとしない想いを、自覚するようになる。

戸張 有希 (とばり ゆうき)

5年前まで美術教室の講師を務めていた女子大学生。両親を早くに亡くし、弟の戸張伊月とともに、画家である祖父の戸張新の家で育てられた。美術教室では、優しい先生として子供たちに慕われていたが、体調不良により、視覚に異常をきたしていた。また、宿夜点治に絵の才能を見出し、彼の描いた作品を、自分の名前で出展していたことも明らかになっている。 5年前に殺害され、帰らぬ人となった。

戸張 伊月 (とばり いつき)

戸張有希の弟。優しくて人当たりの良いイケメンの男性。大学教授を務めており、植物の研究に勤しんでいる。大学の温室では、いつもカメレオンの「レオン」を肩に乗せて歩いている。5年前、戸張伊月が海外留学をしていた間に、姉の有希が殺害された。それ以来、事件に関して消化しきれない複雑な思いを抱えており、犯人である宿夜点治に対して、憎しみの感情を持ち続けている。 瀬名あさひとともに、姉の死の真相を探るという名目で調査を開始する。実際には点治に対する復讐を目論んでおり、あさひを利用して点治を殺害しようと計画している。

宿夜 点治 (しゅくや てんじ)

16歳の男子高校生。無口でシャイな性格。家庭環境が複雑だったため、幼い頃からともに暮らしているおばさんとお姉さんから虐待を受けており、自分の居場所を失っていた。そんな中で瀬名あさひと知り合い、戸張有希の好意で美術教室に通い始める。以降、美術教室は、宿夜点治にとって唯一心の休まる場所になっていった。 11歳の時、有希を殺害して放火した犯人として警察に逮捕された。それ以降、音信不通のままとなっていたが、5年の月日を経て、偶然あさひとの再会を果たす。その後、あさひと同じ高校に転入してクラスメイトとなり、あさひを介して戸張伊月とも接点を持つ。現在は戸張新が用意した超高級マンションで一人暮らしをしており、新の自宅へも出入りしている。 事件に関しては、明らかになっていない何かを知っており、隠している様子。目で見たものを絵で再現する能力に長けているなど、突出した絵の才能を秘めているが、事件以降一切絵は描かなくなってしまった。あさひからは、「点治」の名前から、「天使」と呼ばれている。

菊之助 (きくのすけ)

瀬名あさひのクラスメイトで親友の男子高校生。いつも菜乃と行動をともにしている。あさひに密かな想いを寄せているが、気持ちを伝えられないままでいることを、菜乃や戸張伊月には見透かされている。伊月にはライバル心を抱いているが、宿夜点治のことは、かわいい弟分とばかりに、いじってはかわいがっている。

菜乃 (なの)

瀬名あさひのクラスメイトで親友の女子高校生。頭のてっぺんで1つにまとめたおだんごヘアがトレードマーク。いつも笑顔で明るく、あさひの良き理解者。普段は菊之助と行動をともにしている。イケメンの戸張伊月に憧れの気持ちを抱いている。

越智見 あきな (おちみ あきな)

戸張伊月の助手を務める女子大学生。口元にほくろがある。伊月に片想いを始めてから3年になるが、いまだに想いを伝えられていない。顔も中身もスペックの高い伊月に女性の影が見えないことを訝(いぶか)しんで、女性に興味のないオカマなのではないかと疑っている。

戸張 新 (とばり あらた)

戸張有希と戸張伊月の祖父。教科書に載るほど、世界的に有名な画家。両親を亡くした有希と伊月を自宅に引き取って育てた。有希と伊月には、自分の血が流れているからという大きなプレッシャーを与え、絵を描かせ続けた。事件の後、2年で少年院を出て来た宿夜点治を引き取り、マンションを与えて養っている。

山本 (やまもと)

戸張伊月の高校時代の後輩。雑誌記者を務める男性。伊月に頼まれて、5年前の事件について、会社には内緒で調査し、定期的に報告を行ってきた。しかしある時突然、伊月から調査を打ち切るよう命じられた。これに納得せず、独自に調査を続けていくことを決める。

お母さん (おかあさん)

瀬名あさひの母親。あさひが、戸張有希の美術教室のことや、宿夜点治のことなど、5年前に起きた事件に関して話したり、思い出したりすることを嫌がる。事件に関わる話になると極端に反応が鈍くなり、無関心を装う節がある。かつてまだ点治が幼かった頃、家族から虐待を受けていたことをいち早く察知し、改善のために奔走した人物。

他校の子 (たこうのこ)

瀬名あさひとは別の高校の女子。外出先の水族館で、父親の形見が入ったバッグを盗まれる被害に遭った。その際、偶然近くにいた宿夜点治が、逃げた犯人の絵を描いて解決に導いた。それからしばらくして、点治を訪ねて来校し、点治に告白。メールアドレスの交換に成功する。

お姉さん (おねえさん)

宿夜点治の義姉。点治の父親の後妻の連れ子。そのためか、前妻の子である点治をかわいがることはなく、母親であるおばさんと共謀して点治を徹底的に虐待していた。真冬でも、外の物置を点治の部屋だと言って家から排除したり、点治が1か月かけて描き上げた絵を勝手に捨てるなど、点治を肉体的および精神的に圧迫していた。

おばさん

宿夜点治の義母。点治の父親が再婚した女性で、後妻にあたる。前妻の子である点治をかわいがることはなく、連れ子であるお姉さんと共謀し、幼かった点治を徹底的に虐待し続けていた。真冬でも、外の物置を点治の部屋だと言って家から排除したり、食事はカップラーメンのみなど、点治を肉体的および精神的に圧迫していた。事件の後、点治とは一切の連絡を絶っていたが、高校生になった点治が絵画コンクールで受賞したことを知り、もう一度引き取りたいと、学校に押し掛けて来る。

イベント・出来事

事件 (じけん)

5年前に起きた放火殺人事件。美術教室の講師を務めていた戸張有希が殺害され、美術教室として使用していた建物が放火されて全焼した。当時11歳だった宿夜点治が殺害と放火を自供して犯人と断定され、逮捕された。未成年による犯行だったため、事件の詳細、犯人に関する情報は、一切公表されなかった。

書誌情報

箱庭のソレイユ 全4巻 集英社〈マーガレットコミックス〉 完結

第1巻

(2016年6月24日発行、 978-4088455983)

第2巻

(2016年10月25日発行、 978-4088456546)

第3巻

(2017年2月24日発行、 978-4088457192)

第4巻

(2017年6月23日発行、 978-4088457765)

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