概要・あらすじ
阿留中学校に転入して来た奇妙な少年・中華楽狂。神と仏、そしてキリストの血を引くという楽狂は、自身が考案した「ラッ教」という新興宗教の布教を始める。奇跡が起こるという触れ込みで校内や街を練り歩いてラッ教を売り込み、悩みを抱える生徒を狙い打って、巧みな話術と解決方法で信徒にしていく楽狂。増え続ける信徒に気をよくした楽狂の勧誘は徐々にエスカレート。
強引な家庭訪問や猛獣を使った営業など、その活動内容とパフォーマンスは限りなく先鋭化していく。
登場人物・キャラクター
中華 楽狂 (ちゅうか らっきょう)
阿留中学校に転入して来た、自らを救世主と名乗る男子中学生。背が極端に低く、頭頂部にのみひと房の毛が生えた、奇妙な風体をしている。神と仏、キリストの生まれ変わりを自称しており、「ラッ教」という宗教の教祖として、校内や町内を練り歩いて布教活動をするようになった。「ヒヤシチュー」「レーメン」をお祈りの言葉として、念仏のように唱えるのが大きな特徴。 人々の悩みを聞き、策を弄して願いを成就することで、ラッ教の信徒に加えていた。表向きは愛や人を信ずる心の重要性を説く敬虔な宗教家だが、内心は邪念と煩悩の塊で、最終的に世界の独裁者になることを夢見ている。腹が減ったら訪問した家庭の人々から強引に寄付をさせたり、シルバーシートにいる老人を追い払って自分が座るなど、方々で俗物っぽい行為を繰り返している。 やっていることは無茶苦茶だが、話術の巧みさとカリスマ性により、徐々に信徒を増やしていく。
野上 俊介 (のがみ しゅんすけ)
阿留中学校に通うメガネをかけた男子中学生で、中華楽狂のクラスメイト。言葉遣いが乱暴なうえ、毎日遅刻を繰り返す不良生徒。桃井さおりに想いを寄せており、彼女の前だとつい粋がってしまう。転入して来た楽狂にまとわりつかれ、なし崩し的に信徒となって一緒に行動するようになるが、根は常識的な性格をしているため、楽狂の無軌道な言動に対しては終始突っ込みを入れている。
桃井 さおり (ももい さおり)
阿留中学校に通う女子中学生。おっとりした性格の可憐な美少女で、クラスの人気者。転入して来た中華楽狂に対してもとても親切にする。野上俊介のことを憎からず想っており、彼の鞄に密かにラブレターを忍ばせる。
由多 石松 (ゆだ いしまつ)
阿留中学校に転入して来た男子中学生。目元だけ見ると涼やかな美少年だが、鼻が異常なほど大きい。容姿を嘲笑されることに耐えらなくなり、常にマスクをして素顔を隠している。スポーツ万能で、ボクシング部ではキャプテンを務めているが、顔のせいで観客からは悪役扱いされてしまうため、実力を発揮できずにいた。中華楽狂のアドバイスで覆面ボクサーとなり、見事に勝利を収めてからは、ラッ教の熱心な信徒になる。
越 為夫 (こし ためお)
暴力団「越組」の若親分。まだ中学生だが、スナックの女性を愛人にしている。おかっぱで頭頂部のみが禿げているという独特な髪型をしている。スナックで対立する暴力団「堀内組」との抗争に巻き込まれ、ヤクザの世界に空しさを感じ、ラッ教の信徒になる。
悲劇 涙子 (ひげき るいこ)
阿留中学校に転入して来た女子中学生。スタイルの良い、人目を引く美人だが、「空気嚥下症」という病気にかかっており、所かまわず悪臭のするオナラをしてしまう。その悩みを解決するために中華楽狂を頼り、ラッ教の信徒になる。かなり神経質で、アリを踏み殺しただけで「罪を犯した」と激しく思い悩んでしまう性格。悲劇が大好きで、自身が不幸になるように努力している変人。
安藤 芋木 (あんどう いもき)
賀巣中学に通う男子中学生。15戦全勝という好記録を保持するレスリングの中学生チャンピオンで、悲劇涙子の元彼。悲劇と失恋を好む涙子から、一方的に自分を捨てるように懇願され、やむなく彼女と別れた過去を持つ。涙子を傷つけたと誤解した由多石松から、異種格闘技戦を挑まれることになる。
その他キーワード
ラッ教 (らっきょう)
中華楽狂が作った新興宗教。神と仏とキリストが発見した、人間を救う真理が教義となっており、教祖の楽狂は、悩み苦しむ人々を救うことをモットーとして、学校や町で活動している。ラツ壇という怪しげな祭壇を作り、そこにラッキョウ入りの冷やし中華を供え、信徒とともにお祈りをするなど、信仰のやり方はカルト的。
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