文車館来訪記

文車館来訪記

明治時代の日本を舞台に、古道具に憑いた物の怪たちの不思議な日常を描く連作短編。全7話のフルカラー漫画と、作品キャラクターのフルカラーイラスト、白黒の前日譚で構成されている。なお、フルカラー漫画は2000年に発売された2冊組の画集『百景』にも収録されている。「新マグナム増刊」1998年4号から2000年14号、及び「アフタヌーン」2004年12月号に掲載された作品。

正式名称
文車館来訪記
ふりがな
ふぐるまかんらいほうき
作者
ジャンル
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

生き人形のイアンは、現在の持ち主であるヨオに使いに出された。魂の宿った古道具たちが暮らす町で文車寫眞舘を営むヨオは、そのかたわら、文筆業も行っている。ところが、頼まれた本を持って帰ると、当のヨオは原稿用紙を前に眠りこけていた。このように、ヨオの写真館は大抵暇だったが、時には「表の町」と呼ばれる人間が暮らす場所から客が来ることもある。

今日も、老婦人が「思い出」の写真を求めて扉を開く。

登場人物・キャラクター

イアン

青い目をした生き人形の少女。明治時代に作られ、生まれてから20年ほどが経過している。人間から忘れられたり、役目をまっとうした道具たちが住む町で暮らしており、自在に動くことができる。しかし、現在の持ち主であるヨオ以外の人間の前では、人形のふりをしている。

ヨオ

祖父からイアンを受け継ぎ、現在の持ち主となった青年。役目を終えた道具が集う町に住む唯一の人間で、「思い出」を撮る写真館である文車寫眞舘を営んでいる。文筆業で生計を立てるのが夢で、写真館を経営するかたわら文筆活動も行っている。父親は戦争で財を成した会社で社長を務めているが、ヨオはその父親から勘当されている。

場所

文車寫眞舘 (ふぐるましゃしんかん)

ヨオが開いた「思い出」を写真に撮れる写真館。魂の宿った古道具たちが暮らす町に店を構えている。ヨオとイアンの他には居候のネコが1匹いる。ヨオが文筆の仕事をしている時は、イアンが店番をすることもある。客は大抵、人ではなく道具たちだが、時には「表の町」と呼ばれる、人間が暮らす場所から訪れる人もいる。

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