いんへるの

いんへるの

目には見えない恐ろしいものや不思議な民話など、昔の日本の田舎を舞台にした話を中心とした、怪奇短編集。「コミクリ!」で2018年8月から配信の作品。

正式名称
いんへるの
作者
ジャンル
怪談・伝奇
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あらすじ

第1巻

明治10年、日本最後の内乱である西南戦争は西郷隆盛の自害によって終わろうとしていた。介錯された西郷の首を探す任務についていた兵隊の男は、鉄釜の中に隠されていた西郷の首を見つけるが、ほかの兵士も竹藪で別の西郷の首を見つける。しかし、さらにまた別の西郷の首が見つかり、見分けのつかない西郷の首が三個並ぶ。どうしたものかと途方にくれる兵士たちだったが、一瞬目を離したスキに三つの生首は、西郷とはまったくの別人の顔に変貌していた。(エピソード「西郷首」。ほか、15エピソードを収録)

登場人物・キャラクター

泥棒 (どろぼう)

第一話「手足尻髪」に登場する。泥棒稼業を生業としてまだ日の浅い青年。先輩について回り、深夜に住人が寝静まった民家に忍び込んで米や味噌などを盗んでいる。ある日、泥棒に入った屋内で軒先からつり下がった下半身を目撃する。先輩の話によると、そんな化け物が見える家は、流行病などで近いうちに絶えるという。それを聞いた泥棒は、住人のことが気になってしまう。

青年 (せいねん)

第二話「蛸と観世音」に登場する。道すがら困っているところを助けた女性と二人で旅をする青年。女性といっしょに蛸に飲まれ、女性の体と血の一滴まで交じり合って死にたいという願望を持っている。女性を連れて、大蛸が住むという岩場へとたどり着く。

少年 (しょうねん)

第三話「暗渠」に登場する。不思議なものが見える、少し人とは違う雰囲気を漂わせた小学生。学校では同級生からは敬遠されて、孤立している。学校の帰り道に暗渠(あんきょ)を見つけ、そこが担任の先生が話していた、下に川が流れていた場所だと知る。するとただの道だった場所に、きれいな川が流れる光景を目にする。

少女 (しょうじょ)

第四話「大人形」に登場する。母親と暮らしている少女。母親が男を家に連れ込む際に外に出され、見世物の「胎内めぐり大人形」を見に行く。それは高さ20メートルほどもある巨大な上半身裸の女性の作り物で、女性の体の内部に入り、不気味に開いた大きな口から街の景色を眺められる。少女はこの大人形に見られるようになってから、身の回りでよくないことが起きていると感じている。

(むすめ)

第五話「護国様」に登場する。戦争から帰還した傷痍兵を「護国様」と呼び、熱心に看病をする娘。ある夜、その護国様のもとへ見知らぬ多数の女性が押し寄せてくるのを目撃する。

子守の娘 (こもりのむすめ)

第六話「子守と飛行船」に登場する。仕事として幼子の子守をしている少女。ある夜、赤ん坊を背負って子守をしている時、夜空に巨大な飛行船の影を見つけ、そのスキに赤ん坊の姿を見失ってしまう。

病気の女 (びょうきのおんな)

第七話「自霊」に登場する。病で床に臥せている女性で、夫と娘がいる。自分はもう長くはないからと、夫の弟子である若い女性を母親として新しく暮らすように娘に言い聞かせるが、心の底では生に執着し、その女性のことを激しく憎んでいる。

子供 (こども)

第八話「春を見る」に登場する。大人たちに危ないから行くことを禁じられている、山の天辺の大石で遊ぶ少年。ある日、その大石で春がやって来るのを目撃する。それは山の端が光り、無数の花が突風のように吹き抜けていくさまだった。それをいっしょに目撃したほかの子供たちが、心をなくしたようになんの反応もなくなっていく中、子供だけは正気を保っている。

(おとこ)

第九話「針の髪」に登場する。女性の髪を針のように感じてしまう男性。さまざまな女性と体を重ねるが、行為の最中に女性の髪が針のように変化するのを感じて拒絶し、新たな女性を探し続けている。

父親 (ちちおや)

第十話「狼の祀り」に登場する。子供の頃、オオカミに餅を捧げるという風習のあった田舎で育った男性。今は一児の父となり、妻と共に実家を訪れる。オオカミが絶滅した今でも、身近にオオカミの存在を感じている。

少年 (しょうねん)

第十一話「ひと目」に登場する。終戦直後の混乱期にある日本で、盗みをして食いつないでいる少年。耳の後ろがざわつき、毛が逆立つような気配がなくなる一瞬に物を盗めば、バレずにうまくいくというジンクスを持っている。ある日、ほどこしを求める少女と出会う。

お竹 (おたけ)

第十二話「三世相」に登場する。卜占(ぼくせん)がよく当たると評判の娘。死んだ祖母からゆずり受けた「三世相」と呼ばれる書物で得た知識を基に卜占を行っている。

記者 (きしゃ)

第十三話「阿弥陀堂の怪」に登場する。新聞記者を称し、阿弥陀堂へ取材にやって来た男性。しかし記者というのはウソで、泊まると霊が見られるというお堂へ興味本位でやって来た。10年前に死んだ父親の顔をはじめ、無数の人の顔を目撃する。

あさり売り (あさりうり)

第十四話「落下節」に登場する。天秤をかついであさりを売り歩く行商人の男性。あさり売りを告げるその声は不思議な力があり、その声を使って高所にいる人間を落下死させることができる。

兵隊の男 (へいたいのおとこ)

第十五話「西郷首」に登場する。西南戦争に従軍し、命令で西郷隆盛の首を探している兵士の男性。西郷の首を見つけることに成功し、報奨金に期待しているが、ほかにもまったく同じ顔の西郷の首が見つかり、とまどう。

祝う男 (いわうおとこ)

番外「まがさる」に登場する。七福神の恵比寿のような面をかぶり、太鼓を打つもう一人の男性とコンビで祝儀目当てに家々を祝って回っている男性。毎年多めの祝儀をくれていた家が、空き家になっていることに気づく。

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