闇は集う

闇は集う

一度命を落とした者がたどり着く生と死の間にある部屋。その番人である少年は、そこに集うそれぞれに想いを抱えた魂を裁き、導いていく。1話完結で描かれる、連作オムニバスストーリー。松本洋子の代表作で、「なかよし」1994年2月号から1997年6月号にかけて掲載されたほか、「なかぞう」「Amie」や、「なかよし」別冊付録としても掲載された作品。

正式名称
闇は集う
ふりがな
やみはつどう
作者
ジャンル
怪談・伝奇
関連商品
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作品構成

基本的にすべてのエピソードは1話完結のオムニバス形式。各話の最後に部屋の番人がそのエピソードの主人公を裁き、生死を決定するという流れとなっている。一方で、作品の終盤においては1話完結の基本スタイルはそのままに、それぞれのエピソードに他のエピソードの主要な登場人物が関わりを持ち、一見無関係な物語がそれぞれに影響を与え合う、複雑な展開を見せるようになっていく。

あらすじ

気がつくと、瀬川七海は見知らぬ部屋にいた。そこには番人を名乗る少年と、七海を含む6人の男女の姿があった。番人によれば、この部屋は迷いながら命を落とした者のみがたどり着く、悩める魂の集う場所なのだという。そして番人は、自身がその魂が命を落とした経緯を紐解き、この後、生と死のどちらへ進むべきかを判断し導く存在であると語る。改めて自分が死に至った経緯を番人に聞かれた七海は、わけがわからないながらも、自らの記憶を呼び起こしながら語り始めるのだった。

関連作品

本作『闇は集う』は「Amie」1997年11月号に掲載された第27話を最後に連載が終了したが、1年以上の時を経て「なかよし」1999年3月号別冊付録に『闇は集う 夜に消える翼』のタイトルで続編が掲載された。コミックス1冊分に相当するボリュームで、これが事実上、本作の完結編となっているが、コミックスとしては刊行されていない。

登場人物・キャラクター

番人 (ばんにん)

少年のような風貌で、とがった耳と牙を持つ。命を落とし、部屋に集い来る魂たちに優しく語り掛け、死に至るまでの経緯を紐解くことで、悩みさまよう理由を聞く。そして生か死のどちらへ進むべきかを判断し、導く役割を担っている。

瀬川 七海 (せがわ ななみ)

絵を描くのが好きな中学生。幼なじみの高明に想いを寄せており、彼と同じ高校へ進学するために、本命の美大付属高校の受験をあきらめようとしていた。部室で見つけた古い絵に影響され、毎晩同じ夢を見るようになる。

上田 (うえだ)

美術部の顧問を務める男性教師。めったに部活に顔を出さないため、部員は真面目に活動しない幽霊部員ばかり。生徒からは頼りにならないと思われているが、飾らない人柄が慕われている。瀬川七海の絵の実力を認めており、志望校を変えたことを残念がっている。

百合子 (ゆりこ)

瀬川七海の同級生の少女で、いつも行動を共にする親友。精力的に活動を続けている数少ない美術部員の一人。オリジナリティ溢れる絵を個性的なタッチで描く。

高明 (たかあき)

瀬川七海の同級生で、バスケットボール部に在籍する少年。七海とは幼なじみであり、ケンカ友達。七海に対して自分と同じ高校に進学するように誘った。

倉沢 淳 (くらさわ じゅん)

子供の頃から病気がちで、中学校を卒業後は入院生活を送っているため進学できずにいた。写真が好きで、将来はカメラマンになり世界中を旅したいと考えている。しかし、自分の体の状態を察し、先が長くないことを感じ取っている。

佑二 (ゆうじ)

倉沢淳の親友の男子高校生。入院中の淳を何度も訪ねては、彼を元気づけた。淳が元気になったら自分と同じ高校に入学し、2人で写真部を作ろうと約束している。中学時代の写真の謎を解明するため、調査の協力を申し出る。

森丘 ひとみ (もりおか ひとみ)

生物部に在籍する女子生徒。生き物が大好きだが、母親が動物アレルギーで自宅でペットが飼えないため、生物部に入部した。部長である高邑にほのかなあこがれを抱いている。

一弥 (かずや)

森丘ひとみのクラスメイトであり、幼なじみの男子生徒。ちょっと不良っぽいところがあるが、ひとみに密かに想いを寄せており、いつもひとみの心配をしている。

高邑 (たかむら)

生物部の部長を務める男子生徒。成績優秀、品行方正な優等生。動物を愛し、甲斐甲斐しく世話を続けている。両親が動物嫌いのため、家ではペットが飼えない。

清水 哉子 (しみず かなこ)

演劇部に在籍する女子学生。引っ込み思案だが、相原友樹や冴の支えがあり前向きに活動に参加することができている。五月祭に向けた演目では姫を演じる予定だったが、ちはるに変更になり小道具係として活躍している。

相原 友樹 (あいはら ともき)

演劇部に在籍する男子生徒。優しく友達思いで、人望も厚い。五月祭の演目では王子を演じ、演劇に純粋な情熱を注いでいる。

(さえ)

清水哉子の親友。演劇部に在籍しており、引っ込み思案の哉子を半ば強引に演劇部に入部させた。ショートヘアでサバサバした性格。五月祭の演目では魔女を演じている。

藤川 (ふじかわ)

演劇部の顧問を務める女性教師であり、「劇団G」に所属している役者。熱心に指導しているが、学生たちからは最近神経過敏になっているように見られている。菅野とは極端に仲が悪い。

菅野 (すがの)

清水哉子の学校の男性教師。以前は藤川と同じ劇団に所属する役者だったが、喉を傷めて辞めてしまった。それ以来、喉を保護するためのうがい薬を手放せない毎日を送っている。藤川にはなぜかあたりがキツい。

ちはる

演劇部に在籍する女子生徒。「劇団G」に所属しており、演技の実力派として認められている。高飛車で気が強く、自分の思うとおりにならないと気が済まない典型的なお嬢様タイプ。

有賀 雅美 (ありが まさみ)

自分の死に身に覚えがない状態で部屋に訪れた女子生徒。クラスメイトの藤野節子を目の敵にし、友人であるユカと佳子を率いて彼女をいじめる。

藤野 節子 (ふじの せつこ)

気が弱い女子生徒。有賀雅美たちから陰湿ないじめを受け続けており、それを苦にして首を吊り自殺してしまう。

ユカと佳子 (ゆかとけいこ)

有賀雅美と一緒になって藤野節子をいじめていた雅美の友達。やりすぎじゃないかと思いはするものの、特に雅美を止めることなくいじめに参加し続けていた。

藤枝 瞳子 (ふじえだ とうこ)

明るく活発な少女。三田村綾とは家が隣同士の幼なじみ。何に対しても消極的な綾の世話を焼くことが日常になっていたが、そんな綾が大好きだった。しかしその明るさゆえの無神経さから、気づかぬうちに綾を傷つけていたこともあった。

三田村 綾 (みたむら あや)

引っ込み思案で気が弱く、何かと卑屈になりがちな少女。藤枝瞳子とは家が隣同士の幼なじみ。人見知りのため、瞳子以外に友達はいないが、早坂に密かに想いを寄せている。

早坂(男子) (はやさか)

藤枝瞳子の同級生の男子。瞳子にとっては用もないのに絡んでくる腐れ縁のような存在。映画同好会を作り、所属している。瞳子に想いを告白し、手鏡をプレゼントした。

泉の精 (いずみのせい)

藤枝瞳子と三田村綾が小さい頃に迷い込んだ森の中の泉で出会った謎の人物。2人に3つの願いが叶うという不思議な鏡を渡した。番人とは旧知の仲のようではあるが、この段階で2人の関係は明らかにならない。

長尾 香住 (ながお かすみ)

幼稚園に通う女の子。家庭環境に問題があり、精神的に不安定でふさぎ込んでいる。自宅に帰りたくないために、近所のおばあちゃんや相原を頼り時間をつぶしていることが多い。仲の悪い両親からは冷たくあしらわれており、2人の仲が元に戻ることを望んでいる。

森川 詩織 (もりかわ しおり)

長尾香住が通う幼稚園の先生。その前は看護師として病院に勤めていた。その頃に知り合った香住の父親と付き合っている。自分の存在が家庭を壊し、香住がふさぎ込んでしまったことに心を痛めている。

吉田 志和 (よしだ しわ)

長尾香住の家の裏にあるアパートに住んでいるおばあさん。よく自宅を訪ねてくる香住を可愛がっている。しかし脳溢血で突然帰らぬ人となる。

相原 (あいはら)

長尾香住の家の近所にある「相原園芸センター」で働く男性。香住の母親と付き合っている。そうとは知らず、よく遊びにやって来る香住をとても可愛がっており、一方で自分の行いによって香住を傷つけていることに胸を痛めている。

パパ

長尾香住の父親。妻とは仲が悪く、自分勝手な言動が多く香住に対する優しさも感じられない。自分が入院した際知り合った森川詩織と不倫の関係にある。妻に離婚を切り出すが、自分勝手な言い分に香住を巻き込む。

ママ

長尾香住の母親。夫とは仲が悪く、自分本位な言動が多く香住に対する愛情も感じられない。夫の浮気を知っており、その浮気相手である藤川詩織を退職に追い込んだ。一方で自分は「相原園芸センター」で働く相原と不倫の関係にある。夫との離婚には応じるが、自分本位な言い分に香住を巻き込む。

直人 (なおと)

6歳の頃両親を事故で亡くし遠い親戚の家に引き取られた少年。小さい頃から蔑まれて育ったため、生きる気力を失い自暴自棄になり自ら命を絶った。思い残すことはないはずなのに、何度も番人のもとに戻ってしまう。

一樹 (かずき)

親を亡くした直人を引き取った遠い親戚で、直人のクラスメイトの少年。小さい頃から直人を蔑み、厄介者扱いして嫌っている。何かと言いがかりをつけてはいじめの口実にしている。

岬 今日子 (みさき きょうこ)

直人のクラスメイトの少女。成績の良い優等生タイプだが、クラスでは目立たない存在。気が付くといつも直人をあわれみと軽蔑の入り混じった目で見ている。

茅野 麻衣 (かやの まい)

バスケットボール部のマネージャーを務める少女。以前から部活の先輩である森尾にあこがれていたが、森尾から交際を申し込まれ想いが叶う。ある時を境に親しい人が次々に殺されていく夢をみるようになる。

森尾 (もりお)

茅野麻衣がマネージャーを務めるバスケットボール部に所属する先輩。麻衣に想いを告白し、交際を申し込んだ。彼女の気持ちを聞くため、映画に誘い待ち合わせをした。

田川 久美、西村 みずほ (たがわ くみ、にしむら みずほ)

茅野麻衣の親友。転入生だった麻衣を快く仲間に迎えてくれた。いつも麻衣の恋を応援してくれており、何でも話せる大切な存在。しかし不幸な事故により帰らぬ人となる。

悪魔 (あくま)

番人とは水と油の関係の存在で、泉の精と同一人物。契約を交わした人間を操って人を殺させ、その魂を捧げさせる。

川合 みすず (かわい みすず)

2年間文通を続けている秋川俊一に想いを寄せつつも、自分に自信がなかったため宮下沙貴の写真を自分だと偽り手紙に同封した。実際に会うことになり、一度は沙貴に泣きつき代役をお願いするが、思い直して謝りに行く途中帰らぬ人となる。

宮下 沙貴 (みやした さき)

川合みすずのいとこの女子学生。みすずとして秋川俊一に会いに行くことを頼まれ、承諾する。その後、相手も代役だったことを知り、本人たちに本当のことを言わせるために一芝居うつことになる。

秋川 俊一 (あきかわ しゅんいち)

川合みすずと2年間文通を続けてきた男子学生。みすずと同様自分を偽っていたが、思い直し本当のことを告白しに行く途中帰らぬ人となる。

片桐 司 (かたぎり つかさ)

秋川俊一の親友の男子学生。川合みすずとして同封された宮下沙貴の写真を見て一目ぼれし、勝手に彼女に会いに行く約束をしてしまう。しかし彼もまた俊一の代役だった。

千花 (ちか)

高校受験を控えた仲良し4人組の1人。若干夢見がちなところがあるが、明るく前向きな性格で猫が好きな女子中学生。空き地で最初に現金入りのバッグを発見し、ほかの3人に警察に届けようと提案した。

可苗 (かなえ)

高校受験を控えた仲良し4人組の1人。現実主義で猫が嫌いな女子中学生。現金入りのバッグを見つけたことを一生に一度のチャンスと考え、山分けすることを提案する。

純子とさつき (じゅんことさつき)

高校受験を控えた仲良し4人組のうちの2人。現金入りのバッグを見つけ、可苗の提案に乗って中身を山分けしようとする。

(ねこ)

千花たち4人が、空き地を通りかかった際に姿を現した猫。この猫の存在が、千花たちが現金入りのバッグを見つけるきっかけとなった。

ちひろ

旺美の親友で、おとなしく、引っ込み思案な少女。兄しか眼中にないブラザーコンプレックスで、自分以外が兄に興味を持つことを許さない。その執着は異常なほど。

旺美 (あきみ)

ちひろの親友で、野上基とは幼なじみ。明るく活発で、いつも笑顔の絶えない少女。ちひろの、兄に対する様子を見て直感的に事を把握する洞察力を持つ。

野上 基 (のがみ もとい)

旺美の幼なじみであり、腐れ縁。いつも旺美には軽くあしらわれながらも、心は旺美ひとすじ。単純で扱いやすいが、友達思いの優しさを持っている。また、物事を正確に捉える観察眼の持ち主。

浩生 (ひろき)

ちひろの兄。9年前、高校のサッカー部の練習中にちひろをかばって事故に遭い、帰らぬ人となる。一度は成仏するものの、その後のちひろの様子を知り再び魂となって番人のもとを訪れる。

四條 舞由子 (しじょう まゆこ)

四條財閥のお嬢様。誰にでも優しく温和な性格で、両親に愛されて育った。一方で、学校では彼女の家庭に対する偏見により、仲の良い友人はいなかったが、榊だけは彼女を特別視せず、唯一心を預けられる存在となっていた。

(さかき)

四條舞由子の同級生の男子生徒。いつも明るく前向きで、学校中の生徒が彼女に対して偏見を持つなかで、唯一彼だけが舞由子を信じ、好意的に接する。

中原 香耶 (なかはら かや)

幼い頃から孤児院で育った少女で、ある理由により四條家に引き取られることになった。素行が悪く、周りを欺くために嘘をついたり、人を傷つけることに抵抗がない。特に、何不自由なく幸せに暮らしていた四條舞由子に対して敵意をむき出しにする。

中川 絵里 (なかがわ えり)

北村律子と同級生の女子生徒。特に勉強面では小学生の頃から律子をライバル視しており、学年トップを奪い合っている。テストのたびに互いをけなし、罵り合っている2人の争いはもはや校内の名物と化しており、互いの母親をも巻き込む確執となっている。律子と同じタイミングで藤沢あきらに惹かれ、想いを伝えるために律子より先に手紙を渡す。

北村 律子 (きたむら りつこ)

中川絵里と同級生の女子生徒。特に勉強面では小学生の頃から絵里をライバル視しており、テストでは絵里を抑え僅差で1位を取ることが多い。しかしテストのたびに互いをけなし、罵り合っている2人の争いはもはや校内の名物と化しており、互いの母親をも巻き込む確執となっている。絵里と同じタイミングで藤沢あきらに惹かれるが、絵里に先を越されてしまう。

藤沢 あきら (ふじさわ あきら)

中川絵里と北村律子の同級生の男子生徒。2人が罵り合っていたところに優しい言葉をかけ割って入った。絵里から想いを告げられ、彼女と勉強を通じて一緒に過ごす時間が多くなる。

さつき

幽霊の存在を頑なに否定しようとする少女。ある時を境に祖父母の家に遊びに行かなくなったため、両親に勧められ7年ぶりに遊びに来た。そこで、すっかり忘れてしまっていた神社の存在を思い出すと同時に、何か得体のしれない不安感に襲われる。

しんいち

幼い頃、祖父母の家に遊びに来ていたさつきとよく一緒に遊んでいた男の子。さつきを「おねえちゃん」と慕い、いつもくっついて歩いていた。気が優しくちょっと臆病なところがあり、さつきにからかわれることが多かった。

早坂(女子) (はやさか)

明るく、行動的な女子生徒。新藤に密かに想いを寄せているが、最近様子がおかしいことが気にかかり、先生の自宅付近にいたところ不審な女性を目撃する。

新藤 (しんどう)

早坂が通う学校の英語教師の男性。最近元気がなく、授業もうわのそらで行っている状態。そんななか、自分の過去について脅迫する内容の手紙を受け取り、動揺してしまう。

沙英 (さえ)

ある日突然、新藤のもとに現れた女性。新藤に脅迫状を届け、彼を恨み斬りつけた。その後早坂を人質に取り、新藤に過去の真実を語るようにと脅す。

武藤 尚美 (むとう なおみ)

享平に想いを寄せる女子生徒。享平とは家が近所で姉弟のように育った幼なじみ。なかなか想いを伝えられずにいたが、バレンタインデーを期に告白を決意する。しかし間宮結花の存在を知り、身を引く。

享平 (きょうへい)

武藤尚美の同級生であり、幼なじみの男子生徒。間宮結花とは、以前男性に絡まれていたところをを助けたことがきっかけで付き合うようになった。その後尚美と結花と3人で同じ高校を目指し無事合格。3人で行動を共にするようになる。

間宮 結花 (まみや ゆうか)

武藤尚美の同級生で、享平の彼女。明るく、表情豊かで人懐っこい。尚美と享平と同じ高校を目指し無事合格。3人で行動を共にするようになるが、両親の仕事の都合でアメリカへ行くことが決まる。

神坂 玖美 (こうさか くみ)

悪霊にとり憑かれ、呪われていると思われている女子生徒。彼女に関わると、必ず何か災厄がふりかかるとして、先生を含む学校全体が彼女の存在を無視している。自分でもそれを自覚しており、他人と関わらないように過ごしている。

空子 (くうこ)

神坂玖美が鏡の中に存在を感じる少女。幼い頃からいつも玖美を守る存在として傍にいた。しかし成長と共にエスカレートし、玖美の周囲の人を傷つけるようになっていく。

椎名 司 (しいな つかさ)

神坂玖美のクラスに転校してきた転入生の男子生徒。明るく素直で、周りに流されない芯の強さを持っている。学校中が玖美を無視するなかで、彼だけは玖美に優しく接し、好意を持つ。

友川 奈々 (ともかわ なな)

三浦弘樹の同級生であり彼女。ある時から、ほかの人には見えない黒いマントの男が見えるようになり、死神の存在に気づく。そのため、死にゆく魂がわかるようになり、思い悩む。

三浦 弘樹 (みうら ひろき)

友川奈々の同級生であり、彼氏。奈々には高校の合格発表の日に告白し、付き合い始めた。照れ屋だが、いつも奈々を想う優しい男子高校生。

山瀬 咲子 (やませ さきこ)

友川奈々の親友で、明るく、表情豊かな女子高校生。奈々に彼氏ができたことを知り、憧れていた神崎宏に積極的にアタックすることを決心。そんな矢先、絞殺された遺体が発見される。

向井 (むかい)

友川奈々と山瀬咲子の担任を務める女性教師。もともと温和なタイプではなかったが、最近特に感情の起伏が激しく、ヒステリックなところが目立っている。そんな折、絞殺された遺体が発見される。

神崎 宏 (かんざき ひろし)

友川奈々が通う高校の男性教師。向井の死後は奈々と山瀬咲子の担任を受け持つことになる。厳しい中にも優しさがあり、ルックスも良いため生徒からの人望は厚い。

死神 (しにがみ)

黒いマントで全身を覆った男性。通常人間にその姿は見えない、死神と呼ばれる者。死に至り、肉体を離れた魂がさすらうことがないように番人の部屋まで運ぶ役割を担っている。魂同士を入れ替えることは可能だが、命を奪い死に至らしめることはできない。

亜純 (あずみ)

了のガールフレンド。幼い頃に大切にしていたぱぴるによく似たぬいぐるみをショーウィンドウで見つけてからというもの、足しげくお店に通う毎日を送っている。しかしそのぬいぐるみが高価なため、売れてしまっていないかを確認することしかできずにいる。

(りょう)

亜純のボーイフレンド。亜純がぱぴるを失った経緯を聞き、茶化すことなく彼女を思いやり、心を痛めてくれるやさしさを持っている。亜純の誕生日にぬいぐるみをプレゼントしてあげたいと考えるも、その値段に手も足も出ない。

ぱぴる

亜純が幼い頃にとても大切にしていた親友同然のうさぎのぬいぐるみ。亜純の家が火事になった時、一緒に燃えてしまったが、その存在は魂となり番人のもとへ訪れ、心残りだったことを遂げる。

北原 真波 (きたはら まなみ)

偶然入ったお店で見つけた「魔法の日記帳」を半信半疑で使い始めた女子学生。その後知り合った緒方玲司にひとめぼれし、会う毎に心惹かれていく。しかしある時御崎まりえの存在を知り、身を引くことを決意する。

雄太 (ゆうた)

北原真波のクラスメイトの男子生徒。緒方玲司に出会ってから浮かれっぱなしで何事も手につかない様子の真波を、呆れる一方でとても心配している。彼女に想いを寄せているが、素直になれずその想いを伝えることができずにいる。

緒方 玲司 (おがた れいじ)

北原真波と店の前でぶつかった男性。そのお詫びと称して真波をお茶に誘い、優しい言葉で真波をとりこにした。一方で、入院中の御崎まりえのもとに足しげく通う献身的な姿が見られるが、その実態はお金を目的に女性に近づく詐欺師。

御崎 まりえ (みさき まりえ)

体が弱く、幼い頃から入院生活を余儀なくされている身寄りのない女性。その後命を落とし番人の部屋を訪れるが、その願いは「緒方玲司にお別れのキスをすること」だった。

暮崎 真澄 (くれさき ますみ)

吉田志和、四條舞由子の実家である四條家、そして御崎まりえの弁護士を務めた男性で、常に依頼人の心情に寄り添った血の通った働きをする。第23話「毎日がミステリー」ではそれまでのミステリアスなイメージを覆す彼の日常に迫っているが、弁護士の域を超えたするどい洞察力を垣間見ることができる。飄々とした雰囲気から胡散臭いと思われることも多くあるが、一方で「真澄」と名前で呼ばれることを極端に嫌がるという子供っぽい一面も持ち合わせている。

唯川 麻輝 (まき)

毛利さやかの親友であり「唯川不動産」の一人娘。探偵小説が大好きで、将来は探偵になることを夢見ている。平穏な毎日よりもスリルとサスペンスの日々を追い求めている好奇心旺盛な女の子。暮崎真澄は彼女のおじにあたり、彼を「真澄ちゃん」と呼んで慕っている。

毛利 さやか (もうり さやか)

唯川麻輝の親友の女子生徒。麻輝とは反対に大らかでおっとりとした性格だが、麻輝の思い切った行動力に振り回されつつも、いつも2人で行動している名コンビと言える存在。また、幼い頃にもらったぶたの貯金箱を大切にしており、周囲に惑わされない一途な想いを持っている。

山下 哲夫 (やました てつお)

アパートの立ち退きに応じず、「唯川不動産」ともめている初老の男性。顔は怖いが気は優しい。吉田志和と同じアパートに暮らしており、生前の彼女とは頻繁に交流があった。

吉井 珠里 (よしい じゅり)

ある時は御崎まりえの生い立ちを北原真波に語り、緒方玲司から身を引くように諭す悲しげな女性を演じて緒方と共謀し、まりえの遺産を狙い、またある時は狂気のストーカーを演じ芳秋と共謀して井上小夜子の保険金を狙う。金銭目的で人を騙し、殺害することにすら何も感じない女詐欺師。

井上 沙夜子 (いのうえ さよこ)

花屋で働く身寄りのない女性で芳秋の彼女。知らない女性から身に覚えのない憎しみを受け殺される夢を毎晩見続けている。その女性が現実にも現れ恐怖を感じ始めるなか、芳秋との幸せな毎日のために行動を起こす。

芳秋 (よしあき)

井上沙夜子の彼氏。沙夜子への想いを遂げるために花屋に通いつめた。しかしその実態は保険金目当ての詐欺師。吉井珠里と共謀し、沙夜子の命を奪おうと画策する。

八坂 辰巳 (やさか たつみ)

ぶたの貯金箱を持つ者として、別荘に集まった青年。最初は周囲に対して名前すら明かそうとしない頑なな態度を取っているが、毛利さやかのペースに巻き込まれ、すっかり骨抜きにされてしまう。

執事 (しつじ)

お菓子メーカー「PIGGY」の会長、小舞田番九郎の執事と自称する男性で、別荘に集まった人々をもてなし、会長の意向を伝える重要な役割を果たす。

小舞田 番九郎 (おぶた ばんくろう)

お菓子メーカー「PIGGY」の会長を務めていた男性。彼の遺言により、10年前懸賞の景品だったぶたの貯金箱を今でも割らずに持つ者のうち1名に、彼の遺産が譲られることとなる。

門倉 正樹 (かどくら まさき)

ぶたの貯金箱を持つ者として、別荘に集まった青年。常に冷静に物事を捕らえ、皆の一段上に立ち話し合いを進めていく。翌日、なくなったはずの杉本由美子の貯金箱を持っていることが判明する。

杉本 由美子 (すぎもと ゆみこ)

ぶたの貯金箱を持つ者として、別荘に集まった女性。夜中に自分の貯金箱を盗まれる。彼女の貯金箱の中身は不要になったヘアピンやプルタブだった。

沢口 ユリ (さわぐち ゆり)

ぶたの貯金箱を持つ者として、別荘に集まった女性。夜中に自分の貯金箱が盗まれそうになったと叫び声をあげるが、実は門倉正樹と共謀し、杉本由美子の貯金箱を奪うための策略だった。

森下 美里 (もりした みり)

学校で何者かに背中を押され、階段から転落し足を骨折し入院している。クラスメイトの久遠に想いを寄せているが、引っ込み思案で自分に自信がないため、想いを伝えることができない。みさとに殺害され、番人の部屋を訪れることとなる。

久遠 (くどう)

森下美里のクラスメイトであり、委員長を務めている男子生徒。優等生だがそれを鼻にかけない、気さくなタイプのため周囲からの人望は厚い。美里が密かに想いを寄せている相手。

みさと

いつも久遠と一緒にいる女子生徒。気が強く自信家で森下美里と正反対のタイプ。何の努力もせずすぐにあきらめてしまう美里を嫌っており、生きていても無駄だと考えて美里を殺す。

御津倉 彬彦 (みつくら あきひこ)

5歳の時、御津倉財閥の後継者であった祖父の跡取りとして養子縁組され、育てられた男性。しかしいつの日からか絵を描くことに没頭するようになり、アトリエで生活を始める。絵のモデルだった城野美和子が突然に姿を消した今でも彼女を愛しており、いつか帰って来ることを信じ、待ち続けている。

城野 美和子 (じょうの みわこ)

道に迷ったと言って御津倉彬彦の前に突然現れた女性。絵のモデルを引き受け、2人の時間を過ごしてきた。しかしある時突然に姿を消し、3か月たった現在もその行方は分かっていない。

御津倉 留花 (みつくら るか)

御津倉彬彦の妹ではあるが、御津倉財閥の跡取りとして彬彦と共に引き取られた遠縁の子供で、本当の兄妹ではない。彬彦と2人でかくれんぼをして遊んでいた小さな頃から彬彦に対して密かな想いを寄せていた。

城野 政司 (じょうの まさし)

城野美和子の兄を名乗る男性。彼女が失踪してからというもの、御津倉彬彦のもとへ何度となくやって来ては、美和子を心配し、彼女の行方に手がかりがないかと尋ねてくる。

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