概要・あらすじ
平安末期の日本を童子と童女は旅をする。旅の途中、人の業によって引き起こされた様々な出来事に巻き込まれる。二人は時に合体して護法童子となって事件を解決する時もあれば、はたまた傍観して事の成り行きを見守る時もある。しかし一難去ってまた一難とばかりに行く先々にまた別の人の業が渦巻く。
登場人物・キャラクター
護法童子 (ごほうどうじ)
童子と童女が合体した姿で神通力を発揮する。神仏の類であり、時として人々から大日如来と呼ばれることもあるが本人ははっきりとは答えない。
童子 (どうじ)
貴族の少年のような恰好をしており平凡で非力な少年。童女と合体することで天空を駆ける護法童子となり強い神通力を発揮する。困っている人を放っておこうとしたり、怒りに任せて童女にいちゃもんをつけるなど、童女よりも少し業が深い性格をしている。
貴族の姉 (きぞくのあね)
信心深く、ある朝、朝日からメッセージを受け取ってからは毎日瞑想をし、祈念をすることで美しく健康な体と清らかな精神を得ていた。この世ならざるものが見えるようになってこの世に溢れる餓鬼や亡者の多さに辟易し、家に集めて一辺に焼いてしまっていたが、ある日餓鬼たちを焼く前に妹が解き放ってしまい、妹に餓鬼が憑りつくこととなってしまう。
母親を捨てに来た女 (ははおやをすてにきたおんな)
父親の命を受けて山に母親を捨てに来た女。心優しい性格をしていて、男に言い寄られるなど美人であり、とほぎみ物語やしらら物語を読む様な教養もあるが、継父の家では邪魔者扱いされており、母の体を捨てに行っている間に継父の実の娘である妹に思い出の品々を全て焼かれてしまった。遂には自分を慕ってくれていた男性も死んでしまい、信貴山の荘園に奴隷として売られることになる。
童女 (どうじょ)
貴族の少女のような恰好をしており平凡で非力な少女。童子と合体することで天空を駆ける護法童子となり強い神通力を発揮する。困っている人を見かけると放ってはおけない性格。市女笠をいつも大事に身につけている。
貴族の妹 (きぞくのいもうと)
ある日姉が餓鬼や亡者たちを封じておいた木の井桁を信心の無さ故に蹴飛ばして崩してしまってから餓鬼に憑りつかれ、何を食べても満足できず、ひもじさが消えなくなってしまった。
嫉妬深い女 (しっとぶかいおんな)
母親を捨てに来た女の妹であり、父が異なる。美しい姉に姉に嫉妬しており、姉を慕っている男を自分に気持ちがなびくまで監禁している。結局男は死に、自身は邪教に狂って人間としての心を失っていくことになった。
こわばった表情の父 (こわばったひょうじょうのちち)
母親を捨てに来た女の継父であり、嫉妬深い女の実の父。常に固くこわばった怒ったような表情をしており、血の繋がっていない娘からは幼少の頃から恐れられていた。普段から血の繋がっていない娘に対して酷い扱いをしていたが、家から追い出す形で彼女を本当の父親の下へ送り出す。
鬼神 (きじん)
皮膚の表面が木目の様になっている男で、山々に住む神や精霊をとらえて食べている。天下無双の力を得る為、女を従えている。
箱に繋がれた女 (はこにつながれたおんな)
腹から伸びた管が鬼神の背負っている箱と繋がっており、生き胆が箱の中に入っている。本人曰く元は山に流れる谷川の霊であり里人に恵みを与えて感謝されていたという。
藤原姓の貴族 (ふじわらせいのきぞく)
権力を増す一方であるが、それだけでは飽き足らずに娘である和君を帝に嫁がせて更なる権力を得ようと野心を燃やしている。気を和君につける為、和僧の力を借りている。
和僧 (わそう)
眉間が膨らんでいるのが特徴の坊主。藤原姓の貴族の野望に手を貸し、子供たちから気を奪い取り和君に与えている。湧き上がる強い欲望を意志の力で断ち、眉間にエネルギーを溜めることで強い霊力を持つ。
和君 (わぎみ)
藤原姓の貴族の娘であり、父の野心の為、帝に嫁がせることを目的として育てられてきた。護法童子に歯向かおうとした和僧の試みが失敗した結果死亡する。