瀬文麗歩のイイ奇聞

瀬文麗歩のイイ奇聞

朱村咲の初連載作品。ド天然ボケの瀬文麗歩が、一流の怪談師を目指して師匠の怪談師・小代優と共に心霊スポットを巡って怪談話のネタ集めをしながら、さまざまな心霊現象を体験していくホラーコメディ。「少年ジャンプ+」2022年1号から連載。

正式名称
瀬文麗歩のイイ奇聞
ふりがな
せぶみれいふのいいきぶん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
怪談・伝奇
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊2巻
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あらすじ

奇談BAR 幄で怪談師として登壇している瀬文麗歩は、怪談話のオチを顔芸で表現するというやり方に対し、師匠の小代優から注意を受ける。しかし、瀬文はすべての感覚が世間とは異なっており、怖い表現とはなんなのかを理解していなかった。そんなある日、移動中に乗ったタクシーのドライバー・荒井から怪現象の話を聞いた瀬文は、自らが恐怖体験をすることで怖い怪談話が話せるようになるかもしれないと考え、深夜に小代と共に、茨城県にある電話ボックスまで荒井に案内してもらうことにする。辿り着いた二人は、そこで本当の怪奇現象を体験することとなる。(エピソード「第1話 003」)

登場人物・キャラクター

瀬文 麗歩 (せぶみ れいふ)

奇談BAR 幄で登壇している怪談師の男性。黒髪を横分けにしている。基本的に無表情だが整った容姿をしており、面識のない人物からも一見して「凄いイケメン」と評されている。しかし驚くほどの天然ボケで、怪談話に対する感想や怪談のオチのつけ方など、どこかズレている。もともとは超常現象を信じておらず、広告代理店で働いていたが、初めて小代優の怪談を聞いた夜に怖くてトイレに行けなくなった体験をして感動し、勤めていた広告代理店をすぐに退職し、退職したその日に優に弟子入りした。タワーマンションの高層階に住んでおり、財布の中には多額の現金が入っている。聴衆に「トイレに行けなくなった時の感動を味わってほしい」という気持ちで、奇談BAR幄で怪談師として登壇している。ただしホラー作品に疎く、有名なホラー作品もタイトルすら知らない。瀬文麗歩自身が恐怖体験をすることで怖い怪談話を話せるようになるかもしれないと考え、さまざまな心霊スポットに赴いている。また、まったく自覚していないが霊感があり、霊も見えているものの、すべて生きている人間だと思っている。

小代 優 (おじろ まさる)

瀬文麗歩から「師匠」と呼ばれている。怪談師の男性。ウエーブがかった茶髪で眼鏡をかけ、顎ひげを蓄えている。奇談BAR 幄で登壇している怪談師の中で、突出して客を怖がらせている。瀬文が怖い怪談話を話せるように協力しているが、瀬文の世間と異なった感覚には呆れており、「瀬文はどの価値観ならズレていないのか」と苦悩している様子がある。

七罪 (なつみ)

奇談BAR 幄でバーテンダーを務める女性。緩く巻いたロングヘアで、いつも露出度の高い服を身につけている。迷惑客への注意や女性客への気遣いもできる優秀な人物。瀬文麗歩が落ち込んでいる様子を見て、相談に乗って慰めようとした。

荒井 (あらい)

タクシードライバーを務める男性。茨城県にある実家に車で帰省する途中、眠気を感じたために自動販売機前で休憩した際、そこにあった電話ボックスが深夜23時頃に鳴り、受話器を取ると「あけて」という声が聞こえるという怪奇現象を体験した。荒井はこの声の主が、自分の母親ではないかと考えている。

管理人 (かんりにん)

瀬文麗歩が住んでいるタワーマンションで管理人を務める男性。白髪頭をオールバックにしており、丸眼鏡をかけている。マンションの住人から「怪しい男がインターホンを鳴らし続けている」という連絡を受け、瀬文に声をかけた。瀬文からは逆に管理人自身が不審者だと思われ、通報される寸前だった。

F (えふ)

瀬文麗歩ファンの女性。既婚者で、金髪のミディアムボブを真ん中分けにしている。結婚して5年になる夫がいるが、夫が半月ほど前から急に引きこもるようになったことを瀬文にネタとして提供し、瀬文と小代優を自宅に招いている。

Fの夫 (えふのおっと)

Fの夫。半月ほど前から自室の窓をすべて新聞紙とダンボールで覆い、コンセントもすべて引き抜いた状態で引きこもり、「あいつが来る」と呟き続けている。また、布団のようにアルミホイルを被っており、盛り塩で自らを囲んでいる。

三河 (みかわ)

前頭部が禿げている青年。森林書店で貸し出されている春画の噂を聞き、幽霊相手に童貞を捨てるため、わざわざ地方から新幹線でやって来た。最後の一冊を借りる際、瀬文麗歩と遭遇し、「交通費、ホテル、食事などの代金をすべて瀬文が奢る」という条件で、三河がラブホテルで春画を読み、幽霊と性交に及ぶところに同席する許可を出した。

沢地 (さわち)

奇談BAR 幄に客としてやって来た青年。金髪で眉毛が太い。瀬文麗歩と同じ歳だったことで意気投合し、その日に麗歩と小代優を自宅で行うタコ焼きパーティーに誘っている。かなり古いアパートの一室に住んでいるが、その部屋から何度も飛び降り自殺している女性の姿を小代が目撃している。

清夏 (せいか)

不良の男子高校生。逆立てたツーブロックヘアにスタジアムジャンパーを着ている。不良仲間たちと共にコンビニエンスストア前でたむろしていた際、瀬文麗歩と遭遇した。不良仲間の一人がスクーターで走行している際、「ジェットおばぁ」が四つん這いで走り寄り、併走したと瀬文に話した。その後は瀬文と共に、不良仲間がジェットおばぁに遭遇したという場所に赴いている。

先生 (せんせい)

小代優の大学時代に教授を務めていた男性。故人。黒髪を真ん中分けにしている。末期ガンを診断された際に小代を呼び出し、死後、通夜の晩に寝ずの番をしてほしいと頼んでいた。色情が霊を集めるという話を以前から聞いており、愛人が三人いるため、死後は大量の悪霊にさらわれるだろうと予測していた。

場所

電話ボックス (でんわぼっくす)

茨城県にある電話ボックス。実家に帰省する途中だったタクシードライバーの荒井が、深夜23時過ぎに鳴った電話ボックスの受話器を取ったところ「あけて」という声を聞いた。それを聞いた瀬文麗歩が、荒井に頼んで小代優と共に訪れている。

奇談BAR 幄 (きだんばーあーく)

瀬文麗歩と小代優が怪談師として登壇しているバー。数人の怪談師が登壇しており、酒と料理を楽しみながら怪談話を聞くことができる。月一回、怪談の生配信ライブも行っているが、瀬文が登壇すると低評価がつく。

森林書店 (しんりんしょてん)

神保町にある古書店。江戸時代後期に描かれた春画を貸し出しており、その中のあるシリーズに「読んだ者のところに女が現れ、いやらしいことができる」と有名になっている。しかし実際は、その春画は別の理由で有名だったことが判明する。

その他キーワード

あざれ

瀬文麗歩がレンタルビデオ店で借りてきた正体不明のビデオテープ。全体的に民俗学的な要素があり、ドキュメンタリーのようにも見える。「あざれ」を再生して15分経過すると、人間と豚が腐っていく様子を早回しで撮影している映像が映し出される。最後に寝たきりの老人と、押し入れの中にいる何者かの足が映されるが、小代優はこの部分にサブリミナル効果を使った演出がされているのではないかと考え、視聴の中断を勧めた。

怪談夜行2022 (かいだんやこうにせんにじゅうに)

夏に行われる、最恐の怪談師を決めるトーナメント制の大イベント。瀬文麗歩が出場を目指しているため、小代優もネタ集めや怪談話の構成などをサポートしている。そのため、瀬文が心霊スポットに赴く際には、小代も同行することが多く、よく怪現象を体験している。

書誌情報

瀬文麗歩のイイ奇聞 2巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第2巻

(2022-09-02発行、 978-4088832388)

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