新オバケのQ太郎

新オバケのQ太郎

『オバケのQ太郎』の続編となる作品。前作終了から5年後の世界を描く。本作よりQ太郎の弟であるO次郎が登場。そのことは作劇にも大きな影響を与えている。それ以外の主要な登場人物は前作より引き継がれており、基本的には日常生活をベースにしたギャグ作品という路線も踏襲されている。

正式名称
新オバケのQ太郎
ふりがな
しんおばけのきゅーたろう
作者
ジャンル
お化け・妖怪
レーベル
てんとう虫コミックス(少年)(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
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概要・あらすじ

5年ぶりに弟のO次郎を連れて大原家に帰ってきたQ太郎。だが、久しぶりの再会にもかかわらず、周囲の態度が冷淡だったことに大きなショックを受ける。しかしその原因はQ太郎が留守の間、たびたびドロンパQ太郎に化けて登場し、帰ってきたと人々を騙していたことにあった。Q太郎たちが本物だとわかると温かく迎え入れられ、ふたたび人間の世界での暮らしが始まる。

登場人物・キャラクター

Q太郎 (きゅーたろう)

頭に生えた3本の毛が特徴的なオバケ。オバケではあるが、愛嬌のある姿であるため幼い子供にすらまったく怖がられることはない。逆に肝試しのエピソードでは日本の伝統的な幽霊に恐怖する描写が見られる。しかしオバケらしく姿を消したり、壁を通り抜けたりすることが可能で、飛行も得意。ただし、他のオバケ仲間と違って、他の姿に化けることが極端に不得手。 他に動物と会話する能力も持っているが、犬は大の苦手である。好物はごはんと怪獣映画。性格は基本的に明るくお人好し。特に思いを寄せるU子の頼まれごとは、いいように使われていると分かっていながら断ることができない。大原正太とも互いに深い信頼で結ばれていることがたびたび描写されている。 また、あまり細かいことを気にしないことが多い一方で意外と繊細な面もあり、傷心のうちに家出をすることもある。最終話では一人前のオバケになるため、新学期を機にオバケ小学校に入学するためにオバケの国に帰ることを決意。惜しまれながら人間の世界を去ることになった。

O次郎 (おーじろう)

Q太郎とP子の弟。Q太郎がオバケの国から再び人間の世界に戻る際に、いっしょに連れられてやって来た。まだ生まれたばかりのオバケで、頭の毛は1本。また、ほとんど「バケラッタ」しか話すことができず、Q太郎やP子を通してしか他の者と意思の疎通を図ることができない。 しかし、Q太郎を日給20円で通訳に雇ったエピソードでは国際情勢について会話したがるなど、頭脳は非常に明晰。知識欲も旺盛で、家族サービスを思い立ったQ太郎に行きたいところを訊かれた際には国会図書館を希望している。また機械にも非常に強く、電話の修理から自動車の改造までやってのける。変身能力にも長け、さらに「ボム!」と叫ぶことで物体を破壊する特殊な能力も持っている。 ただし絵を描くことは、普通の幼児と同程度の能力。性格は兄とは対照的に、計画的できちょうめん。いいところを見せようとしてたびたび失敗するQ太郎をさりげなくサポートするなど、兄思いの弟である。

P子 (ぴーこ)

Q太郎の妹。本作中では描写されていないが、オバケの国から人間の世界へ留学し、河合家に居候している。オシャレには気を使っており、チェックのスカートと、頭の1本の毛のリボン状の飾りが特徴。家族サービスを思い立ったQ太郎に行きたいところを訊かれた際にも、「プリンスホテルのファッションショー」を希望している。 弟のO次郎と同じく兄よりもかなり優秀。テレビはコンピューター講座を視聴し、おばけ新聞社が発足したエピソードでは、主婦向けの実用的な記事の取材を手際よく行っている。兄たちとは独立して行動することも多く、最終話でQ太郎とO次郎がオバケの国に帰る際も、そのまま人間の世界に留まっている描写が見られる。

U子 (ゆーこ)

Q太郎が思いを寄せているオバケ。小泉家に居候。性格はがさつで乱暴。家事全般が苦手で、掃除や片付けなどはたびたびQ太郎に押し付けている。また、本格的に柔道を学んでおり、その稽古相手としてQ太郎をボロボロにしてしまうことも多い。美容やダイエットにも関心が高く、体重の増加には非常に敏感。 美容体操に熱心になるあまり、床に大穴を開けてしまったこともある。さらに「太って見えるけど本当はスマート」と言い張り、自分では麻丘めぐみに似たアイドル並みのルックスだと思っている。Q太郎の求愛に対しては無関心なそぶりを見せているが、本心ではQ太郎を好きであることも描写されており、Q太郎が関心をひくために死んだふりをした際は、誰よりも大きなショックを受けていた。

ドロンパ

神成さん宅に居候する、アメリカ出身のオバケ。Q太郎とはケンカ友達のような間柄。口が立ち、女性に対するおべんちゃらも得意。Q太郎が苦手とする変身能力に秀でており、またオバケ仲間の中で唯一、犬を怖がらない。Q太郎に対しては常にバカにしたような態度で接しており、ちょっかいを出すことも多い。 Q太郎が留守にしていた5年の間に、たびたびQ太郎の姿に化けて町のみんなをぬか喜びさせる悪戯をしていた。そのため、本当にQ太郎が戻ってきたときに信じてもらえないというトラブルが発生していた。しかし、悪態をつきながらもQ太郎が帰ってきたことを最も喜んでいたのはドロンパであり、性格はひねくれているものの、本当は優しい心の持主である。 人間の社会や文化に対して広い知識を持ち、新聞社や劇団を作ったこともある。

大原 正太 (おおはら しょうた)

小学生。Q太郎が居候する大原家の次男で、Q太郎とは無二の親友。互いにある事件の嫌疑をかけられた際に、自分だけは信じると言い合うほど強い信頼関係で結ばれている。最終話でQ太郎がオバケの国へ帰ることになったときは泣き叫んで別れを惜しみ、帰る日を1日間違っていたことが分かってバツが悪そうに戻ってきたQ太郎と最後まで思い出話を語り続けた。 性格は素直で少々おっちょこちょい。学業の成績はあまり良くなく、クラスで下から2番目になったこともある。

大原 伸一 (おおはら しんいち)

Q太郎が居候する大原家の長男で、大原正太の兄。中学生。ひがみっぽい性格で、女子からはまったくモテない。クラスメイトで人気ナンバーワンの河伊伊奈子に一方的な思いを寄せるが、友人のひとり程度にしか思われておらず、たまにデートの機会を得ても失敗続き。印象を悪くすることがほとんどである。 その一方で天真爛漫なQ太郎と彼女がどんどん仲良くなってしまい、その様子を見るたびにイライラを募らせることになる。

ゴジラ

Q太郎や大原正太の暮らす町のガキ大将。西郷強の本名は本作中には登場せず、一貫してゴジラと呼ばれている。野球好きで、チーム敗北の原因となった者に猛練習を強要するなどやや乱暴なところもあるが、本作では大原正太の良き友人という立場になっている。

木佐 キザオ (きざ きざお)

大原正太のクラスメイト。お金持ちのお坊ちゃんでナルシスト。新しく買ってもらった物などを自慢することも多い。また、エジソンやナイチンゲールといった偉人伝と並べて、自身の伝記をすでに用意しているほど功名心が強い。そうした他人の関心を引こうとする行動が、しばしば騒動の火種となっている。

よっちゃん

大原正太のガールフレンド。優等生で、クラスのマドンナ的存在。自宅にはU子が居候しているほか、両親と暮らしている。本作中では一貫してよっちゃんと呼ばれており、フルネームは登場していない。

ハカセ

大原正太のクラスメイト。頭脳明晰な少年。眉毛が「ハ」、右目が「カ」、左目が「セ」というルックスが非常に特徴的。単に学業の成績がいいだけでなく、斬新なアイデアを披露することもある。木佐キザオが高額のお年玉をもらって自慢していたエピソードでは、彼の父親を表彰することで全員のお年玉を増やすことを思いつく。 なお、姓は「博勢」であるが、フルネームはシリーズ作品を通して判明していない。

神成さん (かみなりさん)

大原家の隣人。いわゆる「カミナリおやじ」であるが、性根は情が深く、同居するドロンパを我が子のように可愛がっている。また、空気銃に熱中するなど、意外と子供っぽい面も持ち合わせている。Q太郎が5年ぶりに町に戻ってきたときは、ドロンパの悪戯のせいで他のみんながニセモノだと思って冷たくあしらう中、ただひとりドロンパに騙される機会が無かったために、素直にQ太郎の帰還を喜んでいる。

大原 正助 (おおはら しょうすけ)

大原正太、大原伸一の父親。会社員。Q太郎とO次郎も家族の一員として接している。眼鏡とチョビヒゲというルックスで、本作から眼鏡が四角いものになっている。

大原 節子 (おおはら せつこ)

大原正太、大原伸一の母親。専業主婦。Qちゃんの大食いには悩まされつつも、夫と同じく、Q太郎とO次郎とは家族のように接している。

河伊 伊奈子 (かわい いなこ)

大原伸一のクラスメイトで、人気ナンバーワンの美少女。あまりの人気ぶりに、デートの相手は抽選で決定されるほど。大原伸一からも好意を寄せられているが、ほとんど相手にしていない。その一方で、おおらかで無邪気なQ太郎のことをいたく気に入っており、自ら積極的に話し相手として接している。 イラストレーター志望で、公園でスケッチをしていることが多い。

ヒョーロク

大原家の近隣に住む中年男性。嫌味な性格の変人。結婚して子供もいるが、妻子はあまりに危険なオンボロ車に乗せられるのが嫌で出て行ったと描写されている。口は達者で、問題の車の排気ガスと騒音の抗議に来た大原正助を逆に丸め込んだり、Q太郎たちを遺跡発掘と騙して庭に池を掘らせようとしている。 また、盗聴器を仕掛けて住人の生活を監視し、その疑惑をQ太郎に仕向けるといった悪事も働いており、いわゆるトラブルメーカーである。

小池さん (こいけさん)

大原家の近隣に住む、ラーメン好きの中年男性。多くの藤子不二雄作品に登場するキャラクター。本作では二児の父となっている。そのひとりの生まれたばかりの赤ん坊は、大原家に預けられるエピソードにおいて、乳児でありながら深夜映画を好む極端な夜型であることが描かれている。

書誌情報

新オバケのQ太郎 4巻 小学館〈てんとう虫コミックス(少年)〉

第1巻

(2018-04-27発行、 978-4091427052)

第2巻

(2018-05-28発行、 978-4091427069)

第3巻

(2018-06-28発行、 978-4091427076)

第4巻

(2018-07-27発行、 978-4091427083)

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