概要・あらすじ
終戦直後の日本。元特攻隊員である大東徹源は、自身を「死にぞこない」と呼び、自暴自棄と虚無の真っただ中にいた。やがてヤクザの用心棒になった徹源は、柳ヶ瀬グループの頭領、柳ヶ瀬次朗と出会う。次朗の不思議な魅力に惹かれた徹源は、次朗と義兄弟の契りを結ぶまでになる。次朗は徹源の空手の腕を惜しみ、日本一の空手家になるようにと諭す。
登場人物・キャラクター
大東 徹源 (だいとう てつげん)
元特攻隊員。後に「神の手」「牛殺し」などと称され、地上最強を標榜する徹心会を率いる空手家。終戦直後の日本で自暴自棄に陥り、ヤクザの用心棒になる。柳ヶ瀬次朗との出会いで、日本一の空手家を目指すことを決意。山籠もり修行ののち、戦後初めて行われた全日本空手道選手権大会で優勝する。しかし、伝統的な寸止め空手を「空手ダンス」と批判したため、空手協会から除名され孤立。 謎の金髪美女フォアラに誘われて渡米後は、世界中の格闘家や、暗黒社会を相手取って闘う。実在の空手家・大山倍達をモデルにしている。
柳ヶ瀬 次朗 (やながせ じろう)
関西在住のヤクザ。たった十人足らずで関西の暴力団の上前を撥ねる武闘派・柳ヶ瀬グループ(後の柳ヶ瀬組)の頭領。大胆不敵なケンカの達人ながら包容力にあふれた魅力的な人物。大東徹源と義兄弟の契りを結ぶ。徹源の空手の腕を惜しみ、日本一の空手家を目指すようにとアドバイスする。 実在の人物、柳川次郎がモデル。
狩野川 塔子 (かのがわ とうこ)
有楽町を縄張りとする狩野川組二代目組長。着物姿の美女で拳銃の名手。縄張りを荒らした大東徹源にピストルを向けるが返り討ちに会い、逆さづりにされてお尻を曝すという辱めを受ける。負かされたことにより徹源に惚れて関係を持つ。
日下 波之介 (くさか なみのすけ)
清濤流空手六段。戦後初の全日本空手道選手権大会の出場選手。沖縄空手の本流を引き継ぐ正統派の空手家で大会の優勝候補。決勝で大東徹源と闘う。
フォアラ
金髪でグラマーな美女。イタリア貴族の娘。大東徹源と関係を持ち、アメリカへと連れ出す。戦時中、父がムッソリーニ暗殺の黒幕となったため、ゲシュタポに姉を殺され、自身もなぶり者にされた過去を持つ。ユダヤ系財閥と組んでナチスの残党狩りを企み、徹源に協力を求める。モンテ・クリスト機関の中心人物の一人。
ジャコブ
太平洋沿岸のプロレス、ボクシングの興行を牛耳るプロモーター。ユダヤ系財閥の番頭格でもある。小柄で立派なひげを蓄えた老人。娘をゲシュタポに生体解剖された過去を持ち、ナチスの残党狩りに復讐の炎を燃やす。モンテ・クリスト機関の中心人物の一人。
飛竜 (ふぁんろん)
ラスベガス・マフィアの用心棒。ドジョウ髭の東洋人。マフィアの依頼で大東徹源を襲う。超巨漢のカンフー使いで、分厚いホテルのドアを素手でぶち抜く腕前。
カール・ローラン (かーるろーらん)
元ナチスの大佐。フォアラの姉が惨殺された強制収容所の副所長だった人物。戦後はアマゾンに身を隠し、原住民を私兵化して悠々自適の生活を送る。
イボンヌ・コッポラ (いぼんぬこっぽら)
元ナチスの強制収容所の女看守長。太った醜女でサディスト。フォアラの姉をいたぶり殺した挙句、その皮でランプシェードを作った女性。カール・ローランとともに、アマゾンの奥地で生活する。
白 月王 (ぱい いえわん)
香港カンフー最強の頭領。二枚目の優男。医者の免許を持ち、アメリカ名をバビロンという。アメリカに巨大なカンフー道場の組織を作る野望を抱く。大東徹源と死闘を繰り広げるが、徹源の純粋さに打たれて負けを認める。以後弟子となり、ハワイに大東カラテの支部を作る。
ガストン・ゴルゴ (がすとんごるご)
プロレス団体NWFの用心棒。2mを超える巨漢で長い顎が特徴。他団体のチャンピオンを再起不能になるまで痛めつけるため、チャンプ・キラーの異名を持つ怪物。大東徹源と死闘を繰り広げた後、徹源の強さに惚れこんで弟子となる。
マルセル・カルパンチェ (まるせるかるぱんちぇ)
フランス・サバット保存協会会長。大戦時に、抗ナチス・パルチザン運動の勇士として活躍した国家的英雄でもある。目的のためには手段を選ばない卑怯な人物。大東カラテ普及のためにフランスを訪れた大東徹源を捕らえ、麻薬漬けにする。
集団・組織
柳ヶ瀬グループ (やながせぐるーぷ)
『新カラテ地獄変』に登場する組織。大阪の暴力団グループ。柳ヶ瀬次朗を頭領に10人足らずで、大きな暴力団の上前をはねていた武闘派集団。後に組織は拡大し、柳ヶ瀬組となる。
モンテ・クリスト機関 (もんて・くりすときかん)
『新カラテ地獄変』に登場する組織。ナチスの残党狩りを目的に、ユダヤ系財閥の資本力を背景に結成された組織。ナチスの残党だけではなく、裏切り者のユダヤ人も復讐の対象。中心人物の一人であるフォアラの趣味で、粛清対象となった人物はひどい拷問の末に殺される。