概要・あらすじ
表の顔は大手広告会社・電王堂総務部で働く冴えない窓際係長。裏の顔は会長直々の特命を受けて様々なトラブルを解決するスーパーサラリーマン。そんな二つの顔を持つ男・只野仁は今日も会社や業界で発生したトラブルを片付けていく。
登場人物・キャラクター
只野 仁 (ただの ひとし)
東京の大手広告会社・電王堂の総務第二課・係長。仕事に適当で冴えない窓際サラリーマンを演じているが、実は電王堂会長・黒川重蔵の懐刀。ひとたび黒川会長の特命を受けるや、空手の達人で女にもてまくる特命係長となって、様々なトラブルを縦横無尽に解決していく。普段は前髪をおろし、真面目そうなメガネをかけて、冴えない男を演じているが、特命を受けるやメガネをはずして野性味のあるハンサムに変身する。 高級マンションに住んでいて、日々体を鍛練しているが、隣接するボロアパートにダミーの部屋も借りており、用心のためいつもそこから出勤している。特命により知り合った人気局アナの新水真由子や会長秘書で実は黒川の孫・坪内紀子と体の関係を持ち続けている。 また、冴えない総務部係長として、山吹一恵に惚れられている。
黒川 重蔵 (くろかわ じゅうぞう)
東京の大手広告会社・電王堂の会長。自他ともに認める電王堂随一の権力者である。只野仁に特命を与え、伝王堂や取引会社などで起こった様々なトラブルを表沙汰にならぬよう解決させている。登場時の年齢は76歳。電王堂の社長や役員たちのことも信用しておらず、時にはその権力基盤を固めるため只野仁に特命を命じて工作することもある。 会長秘書の坪内紀子は孫娘であるが、社内ではそのことを明かしていない。
佐川 和男 (さがわ かずお)
東京の大手広告会社・電王堂の総務第二課・課長。只野仁の直接の上司。登場時の年齢は51歳。前シリーズ『特命係長 只野仁』で妻子から愛想をつかされ、ボロアパートでひとり暮らす身の上。給料を20万円だけ残して別れた家族に送金しているので大変厳しい生活を送っている。しかし、様々なものを失ったことで人生に対して達観できるようになり、人間としての奥行きが出てきている。 只野仁も人生の先輩として佐川課長を慕っている。はげ頭で冴えない風貌だが、精力は絶倫でイチモツもでかい。ある意味、『新・特命係長 只野仁』のもうひとりの主役といえる存在。
新水 真由子 (しんみず まゆこ)
朝売テレビの女子アナウンサー。女子アナ界一のフェロモン女王との異名をとる人気アナウンサー。登場時の年齢は26歳。只野仁に助けられたことをきっかけに体の関係を持つようになった。只野仁とのセックスにぞっこんで、何かと高級ホテルに呼び出す。只野仁のことをダーリンと呼ぶ。
坪内 紀子 (つぼうち のりこ)
大手広告会社・電王堂の会長秘書。実は黒川重蔵会長の孫であるが、そのことは社内で伏せられている。ロングの黒髪ワンレングスの高飛車美女。度々会長室へ届け物をもってくる只野仁のことをいつもバカにした目で見ている。だが、かつて只野に特命で救われたことがあり、その時以来、自分が見下している総務課のダメ係長であると気づかず只野と体の関係を持っている。 只野は坪内紀子と関係をもっていることを黒川会長には内緒にしている。
山吹 一恵 (やまぶき かずえ)
東京の大手広告会社・電王堂の総務第二課のOL。課のダメ係長である只野仁に惚れている。素直で優しい性格。大きな胸と形のよいヒップの持ち主で、電王堂社内にもファンが多い。登場時の年齢は22歳でずっと処女のままである。
仙川 喜久夫 (せんかわ きくお)
広告会社・電王堂の元社員。佐川課長と同期入社。早期退職に応じて退職し、退職金で焼肉店を開いたものの、開店してすぐに「狂牛病騒動」が起こり、店は潰れてしまう。離婚の後、アパートの隣人美代子と知り合い関係を持つが、彼女から継母の家に火をつけることを提案される。
美代子 (みよこ)
電王堂を早期退職した後、焼肉店を潰し、何もかも無くした仙川喜久夫に近づいてきた色っぽい中年女性。仙川喜久夫と体の関係を持った後、彼女の継母の家に火をつけて殺すことをもちかける。
入江 (いりえ)
大手広告会社・電王堂の企画第二部・部長。ミスター・アルマーニとの異名をとるナイス・ミドル。佐川課長とは同期入社である。仕事もできる上に実家は資産家という何不自由ない人生を送っていたが、電車内での痴漢行為で逮捕されてしまう。只野仁の活躍によって痴漢の冤罪は晴れたが、それ以来人生を様々考えるようになり、佐川課長のボロアパートの部屋に入り浸るようになる。
和美 (なごみ)
海で出会って以来、佐川課長とデートを続ける謎の美女。30代前半で色白むっちりのナイスバディ。人妻であるが夫はセックスレス状態であり、何度かデートを重ねるうちに佐川課長と体の関係をもってしまう。途中から佐川課長との関係は夫公認のものとなり、性に対する欲望をどんどん増加させていく。
和美の夫 (なごみのおっと)
和美の夫。和美とは3年以上セックスレス状態にある。女性の性器が気持ち悪くてセックスができなくなっていると佐川課長に告白した。ゆがんだ性癖の持ち主であり、妻・和美と佐川課長が肉体関係となることを認めた上、ふたりのデート費用を密かに佐川課長に渡すなどした。その後、自分の目の前で性行為することをふたりに懇願して、佐川課長を困らせる。
森脇 幸一 (もりわき こういち)
只野仁の特命のアシスタントを務める青年。街でマナーの悪い男達に注意したことで喧嘩となったが、只野に助けられた。これをきっかけに只野のアシスタントにスカウトされた。正義感は強いが、腕っぷしはさほでもない。主に見張りや情報収集などを担当する。只野と連携しやすいように電王堂郵便部にアルバイトとして潜り込んでいる。
ちずるママ
銀座のバーちずるの美人ママ。登場時は38歳。がさつな女性をきちんとした大人の女性に変身させるため、只野仁が教育をお願いした女性。黒川会長の紹介で知り合った。女性をしとやかな大人の女性に変身させたみかえりに、ちずるママは只野仁にセックスを求めた。只野との性交にメロメロとなったちずるママは、その後何度も只野を呼び出して関係を結んでいく。 このことはちずるママに気のある黒川会長には内緒の話になっている。
カミソリの竜 (かみそりのりゅう)
大手総会屋R会の大幹部。前作『特命係長 只野仁』で只野仁に2度痛い目にあわされており、うらみを抱いている。偶然見かけたことから、黒川会長の懐刀の正体が電王堂総務部の只野係長ではないかとの疑念を抱き、それを確かめるため只野の同僚のOL山吹一恵を誘拐し、彼をおびき出そうとする。
野村 (のむら)
大手広告会社・電王堂営業2課・課長。只野仁とは同期入社。電王堂のクライアントである野村ゴムの社長の子息であり、コネで入社している。登場時32歳。エリートをきどっているが中身の薄いバカ男。総務部の窓際係長である只野のことをバカにしており、事あるごとにちょっかいをかけようとする。
今岡 (いまおか)
大手広告会社・電王堂の営業部・係長。只野仁と同期入社の野村の腰巾着をやっている情けない男。野村の命令を受けて只野に幼稚なイタズラをしかけることが多いが、大抵はうまくかわされて痛い目にあう。登場時の年齢は35歳。