パパと親父のウチご飯

シングルファーザー同士で共同生活を送る千石哲と晴海昌弘が、オトコの家庭料理を通して子供たちと少しずつ心を通わせていくハートフルストーリー。親子の成長記録を中心に、料理のハウツーも紹介している。

正式名称
パパと親父のウチご飯
作者
ジャンル
料理
 
ヒューマンドラマ
レーベル
BUNCH COMICS(新潮社)
巻数
既刊7巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

整体師の千石哲は、突然現れた元彼女・真希から、自分の娘だという愛梨を預けられ、いきなり父親になってしまった。開業したばかりで住むところもなかった哲は、同じくシングルファーザーの友人・晴海昌弘が、息子の晴海清一郎と住むマンションへ転がり込み、シングルファーザー同士でルームシェアをする事になった。しかしすべてが厳しく、口汚く怒鳴り散らす哲と、何でも許してしまう甘すぎる昌弘では互いの子供にうまく接する事ができず、子育てには悪戦苦闘していた。子供達は、母親のいない寂しさからか、哲の作った弁当も家での食事も、好き嫌いやわがままを言い、あまり食べてくれない日が続いていた。悩んだ哲は、近所の八百屋を訪れた際に偶然出会った料理教室の講師・壇ゆかりに声をかけられ、子供と食事にかかわるさまざまなアドバイスをもらう。それをもとに、好き嫌いの多い子供達も食べたくなるような、工夫を施した特製カレーを作り上げる。おいしそうに完食した子供達の笑顔を目の当たりにした哲は、家庭料理の奥深さを知り、これをきっかけに子供達と自分達父親の関係を見直す事を昌弘に提案する。(第1話「カレーライス」。ほか、4エピソード収録)

第2巻

整体師としての仕事中、千石哲は客からの話を聞いて、初めて幼稚園で運動会が行われる事を知る。運動会のお知らせを隠していた事について愛梨から話を聞いたところ、足が遅いのが恥ずかしかったからという理由だった。「こんな父親に来てほしくない」という理由ではなかった事に安堵した哲は、子供達の好きな食べ物をたくさん作ってお弁当に入れてあげるからと元気づけ、愛梨と晴海清一郎のリクエストである唐揚げを作る事に決めた。以前、唐揚げに挑戦した事はあったが、失敗した経験があった哲は、苦手を克服したいと壇ゆかりの店を訪れ助けを求める。唐揚げを美味しく作るコツを伝授してもらった哲は、運動会当日朝早く起きて、晴海昌弘と共にお弁当作りを開始。ふわふわさくさくの唐揚げとカラフル具だくさんの稲荷ずしを完成させるのだった。しかし昌弘は、できあがったお弁当の見た目が全体に茶色く、地味すぎる事に気づく。見た目よりも味で勝負と言い張る哲に対して昌弘は、子供は見た目や他人の目を思っているよりも気にするものだと主張。特別な日のお弁当は、ふたを開けた瞬間にテンションが上がるようなものにしたいと、星型のクッキー型を探し始める。(第6話「運動会の唐揚げ弁当」。ほか、4エピソード収録)

第3巻

ある日、おやつ時に幼稚園ではカスタードプリンが用意された。大好きなプリンにテンションが上がり、教室内がひときわ盛り上がる中、愛梨が自分のプリンを食べ終えると、まだプリンに手を付けていない晴海清一郎に気づく。清一郎は大好きなプリンを前にもったいぶりながら、大事に大事にして、そっとスプーンを入れたところだったが、それが愛梨にはプリンを食べたくない様に見えて、「愛梨が食べてあげる」と言い放つと清一郎のプリンに無理矢理自分のスプーンを刺してしまった。清一郎は断ったものの、それでも無理矢理食べようとする愛梨を清一郎が押し倒し、清一郎のプリンは床に落ちてだめになってしまった。そのせいで、すっかり仲が悪くなってしまった愛梨と清一郎は、家に帰っても険悪な状態が続いていた。そのうえ、どんな理由があっても押し倒した事を謝るべきなのではという考えの晴海昌弘と、お互い様だという千石哲のあいだで意見が割れ、子供のケンカで家中に重い空気が漂ってしまう。母さんに助けを求めた昌弘は、「子供のケンカに親はしゃしゃり出ないほうがいい」という彼女の意見を尊重し、母親から聞いたレシピで特大プリンを作らないかと哲に提案、仲直りの後押しをしようとする。(第14話「カスタードプリン」。ほか、4エピソード収録)

第4巻

千石哲は最近、愛梨と晴海清一郎が、やたらと食器を割る事に頭を悩ませていた。幼稚園のお母さん達の中には、同じ悩みを持つ人も多く、家で使う食器をすべてプラスチックにしたという意見も聞かれた。そんな時、哲は健のママから陶芸体験に行かないかと誘いを受ける。自分で作った食器なら、割れない様に大切にするのではないかという期待を込めて、哲はみんなで参加してみようと決めた。場所が山奥なので、車を出すと言ってくれた健のママに代わりにお弁当を作っていくと大見えを切って約束をした哲は、総勢七人分の弁当を作る事の重大さにあとから気づく。メニューは定番の唐揚げと玉子焼き、ちくわきゅうりに筑前煮と決めた哲は、最近連絡が取れるようになった真希からレシピを聞いて、前日のうちに筑前煮の準備に取り掛かる。翌朝、家族総出で作った筑前煮をお弁当に詰めて、健のパパが運転する車で山奥の陶芸家・叔父のもとへと向かった一行は、そこで各々が納得する食器を作り上げ、八人でお弁当を食べ始める。健のパパがあけすけに質問を投げかけて来る事もあり、話題はシングルファーザー二組でのルームシェア、子育てに対する事、健のママの哲に対する率直な印象や、愛梨の母親の事にまで及ぶ。(第20話「筑前煮」。ほか、4エピソード収録)

第5巻

晴海昌弘は、晴海清一郎を置いて出て行った元妻・涼子から、「再婚が決まったため、息子を引き取りたい」との連絡を受け、心中穏やかではいられなかった。二人は清一郎の親権を巡って対立を始める事となるが、清一郎にとってよりよい環境で育てる事ができるのはどちらかという難しい問題に直面する事になる。そんな中、幼稚園で子供達が描いた絵が展示されているという美術館へと足を運んだ昌弘と千石哲が、そこで絵を鑑賞していると、話し合いに応じようとしない昌弘に業を煮やした涼子が姿を現す。涼子は清一郎に会いに来たと話すと、中庭で持参したお弁当を広げ、子供達をもてなし始めた。華やかなお弁当に喜ぶ子供達、そしてその圧倒的な料理力の差に愕然とする哲と昌弘だったが、涼子の不倫相手・保岡拓馬の登場で、事態は一気に変化を見せる。保岡は清一郎を引き取るため、勝手に幼稚園のお母さん達に聞き取り調査を行い、父親だけの不自然な家庭で子供を育てる事は不健全であると、父子家庭同士のルームシェアを否定。不十分な家事と児童虐待の疑いがあるとして、警察に通報すると脅迫まがいの言葉をかけ、昌弘側に不利な状況を作ろうとする。しかしそこで、状況を察した健のママが助け舟を出す。(第21話「和風ローストビーフ」、第22話「あんかけうどん」、第23話「ロールキャベツ」。ほか、2エピソード収録)

第6巻

収入を増やしたいという理由で、整骨院でアルバイトを募集し始めた千石哲だったが、思うような成果もないまま、春を迎えた。愛梨と晴海清一郎の通う幼稚園に、新しく転校して来た女の子・美月は、大阪から引っ越して来たため、言葉遣いがこてこての大阪弁。それを聞いた子供達は美月の大阪弁を面白がり、悪気なく笑ってしまう。興味本位で「おもしろい」と言ってしまったあと、美月が涙目だった事に気づいた愛梨だったが、謝り損ねたまま帰宅。そんな自分の行いを父親に打ち明け、明日謝ると決めたものの、翌日以降、美月は幼稚園に来なくなってしまった。そんなある日、哲が子供達のお迎えに行った帰り道、美月が一人でバスに乗り、大阪を目指そうとしていたところを発見。嫌がる美月を強引に引き止めると、そこに美月の母が姿を現した。誤解を招きかねないこの状況に一瞬たじろぎつつも、無事誤解を解く事に成功。事情を知った美月の母親は、哲と愛梨、清一郎を自宅に招き、お好み焼きパーティを始める。愛梨は、そこでようやく美月に謝る事ができたが、二人の溝はなかなか埋まらない。それでも負けじと頑張る愛梨の姿に、哲はわがままだらけだった娘の成長を感じるのだった。(第28話「お好み焼き」。ほか、4エピソード収録)

第7巻

愛梨や晴海清一郎と同じ組の男の子・純は、友達に対する暴言が多く、何かと問題になりがち。先日は、愛梨の夢を馬鹿にした事で問題を引き起こしたが、最近は何かと美月に絡み続けていた。大阪弁いじりから始まった美月へのいじめは、お弁当の中身にまで及んだ。そんな純の暴言を止めようと、いつもはおとなしい清一郎があいだに入ったものの、暴言のターゲットが清一郎にまで広がっただけで、事態は一向に改善する気配がなかった。清一郎はその時、ピーマン嫌いを馬鹿にされ、無理しなくていいと言ってくれている優しい父親・晴海昌弘の事を侮辱されたため、怒り心頭。やる気スイッチがオンになり、帰宅してから千石哲にピーマン嫌いを克服したいと相談する。詳しい事情を聞いた哲は、昔ピーマンが苦手だったという阿久津竜也からの話をヒントに、ピザ風味のピーマンの肉詰めを作る事を決めた。壇ゆかりからの協力を得て、作ってもらったレシピを見ながら、夜は一致団結してピーマンの肉詰めづくりに精を出し、清一郎の苦手克服への姿勢をみんなで応援する。(第35話「ピーマンの肉詰め」。ほか、4エピソード収録)

第8巻

時は、千石哲がまだ母親と二人暮らしをしていた高校時代に遡る。ケンカばかりで荒れた日々を過ごしていた哲が、高校卒業のかかった追試の事で母親と言い争っていた時、そこへ姿を現したのは大学生の晴海昌弘だった。先日ぎっくり腰で整体院を訪れた彼を、面接先の企業までバイクで送った事があったため、昌弘は菓子折りを持って哲にお礼を言いに来たのだ。律儀すぎる昌弘を笑った哲だったが、ひょんな事から追試に向けて、昌弘に勉強を教えて貰う事になった。まったくタイプの違う二人だったが、いっしょに過ごす時間が増えた事で、いい関係を築いていき、それが哲の試験結果にも反映される結末となった。時は流れ、真希から娘の愛梨を預かった哲は、経験のない子育てにうまくいかない事が多く、頭を悩ませていた。そんな中、幼稚園にお迎えに行った哲は偶然にも昌弘に再会。同じ幼稚園に息子の晴海清一郎を通わせていた事、昌弘が離婚した事を知る。そんなある日、哲が迎えの時間に遅れて幼稚園を訪れると、昌弘もまだ迎えに来ていない事を知る。代わりに清一郎を連れて帰る事になった哲が、子供達を連れて昌弘の自宅を訪ねると、そこにはごみであふれた部屋の中で、動けなくなっている昌弘の姿があった。(第36話「ソース焼きそば」、第37話「エビフライ」、第38話「チャーハン」、第39話「かぼちゃスープとローストチキン」。ほか、1エピソード収録)

第9巻

高校3年生になり、壇茜は今後の進路について考えなければならない時期に来ていた。これといってやりたい事がなかった茜は、春風との会話の中で、姉の壇ゆかりといっしょに料理をしている時が楽しいと感じている事に気づく。そこから、将来姉の店を手伝う事を目標に、高校卒業後、料理の専門学校へ行きたいと考えている事を姉に明かした茜だったが、ゆかりからは「ダメ」と一蹴されてしまう。受験が嫌だから、甘え、逃げているのだと告げられた茜は、自分の本当の気持ちを伝えられないまま、店を飛び出してしまう。その後、近くの公園で涙にくれている茜のもとに、偶然姿を現したのは、千石哲だった。愛梨と晴海清一郎といっしょに遊びに来ていた哲は、茜から進路について悩んでいる事、ゆかりとケンカしてしまった事を聞く。なにもやりたい事がないのに大学に進学するのは申し訳ないと、特に裕福なわけではない我が家のお金の心配をしていた茜に、哲は自分の気持ちを全部ゆかりに話した方がいいとアドバイス。自分が師匠から店を継ぐに至るまでの実体験を語って聞かせ、互いに本心をぶつけ合う事を勧める。(第45話「茶わん蒸し」。ほか、4エピソード収録)

第10巻

朝、いつものように愛梨と晴海清一郎を幼稚園へと送って行った晴海昌弘は、そこで千石の母親に出会う。千石哲に子供ができた事を知り、我慢できなくなって顔を見に来たという彼女は名乗るわけでもなく、ただ園の柵の外から子供達を見ていた。哲と母親のあいだに確執がある事を知っていた昌弘は、哲に彼女から聞いた電話番号を渡し、仲直りしてほしいと背中を押したつもりだった。しかし哲は想像以上の反発を見せ、母親の存在を受け入れようとはしなかった。それでも昌弘はあきらめず、彼女を食事に誘って哲のいないうちに家へと連れて来てしまう。いっしょに食事をして二人の仲を取り持ちたいと考えた昌弘は、手巻きずしの準備をして帰宅する哲と子供達を待つ。しかし、帰宅して母親の顔を見た哲は逆上。怒りを昌弘にぶつけ、愛梨を連れて家を出て行ってしまう。その後、行き場がなく困った哲と愛梨は杉田の家を訪れる。快く招き入れてくれた杉田は哲から事情を聞くと、哲が高校を卒業した頃からずっと、千石の母親と連絡を取り合っていた事を明かすのだった。(第46話「手巻き寿司」。ほか、4エピソード収録)

登場人物・キャラクター

千石 哲

整体師を務める独身男性。突然現れた元彼女の真希から、自分の娘だという愛梨を預ってほしいと懇願され、引き受けた。最近、師匠の整体院を継ぐ形で「千石整体院」を開業したばかりで、改装に金を使い切ってしまい、生活に余裕がなかった事もあり、友人の晴海昌弘と晴海清一郎が住む家に転がり込む形となり、主に家事を担当している。口も人相も悪く、おまけにケンカっ早いが、子供達の事を真剣に考える優しい性格。手先は意外と器用で、何事もきちんとしなければ気が済まないタイプ。幼少期に父親から虐待を受け、母親と共に家を出たが、その後も家庭環境に恵まれず、高校時代はケンカばかりで荒れていた。その頃に実の親以上に面倒を見てくれた師匠の存在が、整体を学ぶ土台を作り、今の彼を作ったと言っても過言ではない。愛梨からは「おやじ」と呼ばれている。

晴海 昌弘

出版社で漫画雑誌の編集者を務める男性で、千石哲の友人。家庭を顧みず多忙な日々を送っていた事が原因で、妻の涼子が浮気したあげく、出ていってしまった。現在は息子の晴海清一郎と哲、愛梨と四人で暮らしている。なにかと厳しい哲とは対照的に、他人に甘すぎて何でも許してしまう優しすぎる性格。数年前、担当していた作家・山代尊の自殺を止めようとしてもみ合いになり、誤って相手を包丁で傷つけてしまった事があり、それ以来包丁が大の苦手。そのため、妻が出て行ったあとも自炊する事ができなかった。気持ちや考えを言葉にする事が少なく、何事も家族なら言葉にしなくても伝わると考えていた。現在は離婚した妻と月に一度息子の面会を許しており、その際には手作りのお弁当や成長を記録した写真アルバムなどを持たせているが、それは母親がいなくても自分達だけで大丈夫だという意地の現れ。哲とは就職活動中にぎっくり腰になり、偶然入った整骨院で知り会った。バイクで面接先まで送ってくれたため、あとでお礼に訪れた際、高校卒業のための再テストを乗り越えるため、哲に勉強を教える事になり、いい関係を築くに至った。清一郎からは「パパ」、愛梨からは「パパさん」と呼ばれている。

愛梨

幼稚園児の女の子。ずっと母親の真希と二人で暮らしていたが、母親の都合で父親だという千石哲に預けられた。その後、晴海昌弘と晴海清一郎の住む家に転がり込む形となり、四人でルームシェアする事になった。気が強い性格で、自己主張が激しい。母親と離された寂しさや不安もあり、最初はあまり哲に懐いていなかったが、哲の作る料理を通して一気に距離を縮めていく。哲の事は、初めはおじさんと呼んでいたが、父親である事を理解したのか、「おやじ」と呼ぶ事に決めた。最初は父親二人に子供が二人の不思議な家族構成に母親がいない事も手伝って、自分の家がふつうではない事をとても気にしていたが、哲の「うちは変だが、俺達が楽しい家にしてやる」という言葉を聞いて以降は気にしなくなった。

晴海 清一郎

晴海昌弘の幼稚園児の息子。母親が家を出て行ってしまい、現在は父親と千石哲、愛梨と四人で暮らしている。おとなしくて優しい性格で、何事もマイペースののんびり屋。乗り物や水族館の魚、特にくらげが大好き。はじめは母親を恋しがり、寂しがっていたが、次第に父親との距離を縮めていく。両親の離婚を理解しておらず、ケンカは仲直りすれば元に戻ると信じている。苦手な食べ物はピーマン。

書誌情報

パパと親父のウチご飯 既刊7巻 〈BUNCH COMICS〉 連載中

第1巻

(2014年12月9日発行、 978-4107717887)

第2巻

(2015年6月9日発行、 978-4107718228)

第3巻

(2015年11月9日発行、 978-4107718501)

第4巻

(2016年4月9日発行、 978-4107718884)

第5巻

(2016年9月9日発行、 978-4107719164)

第6巻

(2017年4月8日発行、 978-4107719713)

第8巻

(2018年2月9日発行、 978-4107720504)

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