概要・あらすじ
日高元は、父子家庭で育ち、地元の食堂アサメシマエの朝食で育った。朝食の力を人一倍感じていた元は、いつしか料理人を志すようになる。時は経ち、イタリアンの厨房で働いていた元に、アサメシマエの店主が亡くなり閉店したとの知らせが届く。店主の娘、早夜子を説得してアサメシマエを再開させた元は、店に訪れる客を一人一人大事にし、朝食で人々を元気にしていくのだった。
登場人物・キャラクター
日高 元 (ひだか げん)
20代後半の髪の短い元気な青年。幼い頃に両親が離婚し、父子家庭で育った。調理学校を卒業し、ホテルの厨房やレストラン汐、イタリアンレストランのモメント・エテルノを経て、閉店していた食堂アサメシマエを復活させる。アサメシマエに強い思い入れがあり、朝食で客を元気づけたいと思っている。 アサメシマエの先代の一人娘である早夜子に恋心を抱いているが、告白できずにいる。朝食専門の店の店主だが、早起きは苦手。
早夜子 (さよこ)
食堂アサメシマエの先代の娘。日高元より年上で髪の長い30代の女性。バツイチのシングルマザーで、息子の旭を一人で育てている。先代のアサメシマエ店主(早夜子の父親)のレシピはすべて頭に入っているが、思うように作ることができない。元を弟のように扱っているが、アサメシマエの経営については元の自由に任せている。 つねに仕事と育児に追われ苦労しているが、他人に弱みを見せられない強がりな性格の持ち主である。
暮谷 のぼる (くれたに のぼる)
日高元の中学からの親友で、くせっ毛で帽子をかぶっている青年。実家は豆腐店を営む。元が恋愛相談できる唯一の相手。おせっかいで優しい性格の持ち主。
夕 (ゆう)
早夜子の中学からの親友で、セミロングの女性。30代の独身OLで麻生の部下。仕事で手一杯で、朝食をおそろかにしがち。よく早夜子とアサメシマエに入り浸っている。
野森 花 (のもり はな)
ボブカットの女子高校生。6人兄弟の4番目で、姉二人、兄一人、弟が二人いる。上の兄姉はすべて実家を出ていて、小さな弟たちの面倒は花が見ている。忙しい母親に代わり、野森家の料理はすべて花が担当している。家族が出払っているときは、アサメシマエに食べにくる。
麻生 (あそう)
眼鏡をかけた神経質そうな会社員で、夕の上司。妻・絹予(きぬよ)の作る朝食が大好き。夕の紹介でアサメシマエを訪れてからはちょくちょく足を運ぶようになる。
長久 夕起次 (ながひさ ゆきじ)
現在は実家である老舗イタリアンレストランのモメント・エテルノのオーナーシェフ。昔、海辺の町で開いていたレストラン汐で日高元を雇い、レストランの基本を教えた。元より9歳上で料理の腕も確か。チョイ悪オヤジ風の頼りがいのある男性。実家の父親や兄とは仲が悪い。
長久 日出起 (ながひさ ひでき)
長久夕起次の実家である老舗イタリアンレストラン、モメント・エテルノの経営者の1人で、夕起次の兄。経営が行き詰まっているモメント・エテルノを立て直すため、手段を選ばない。厨房には入らないが、材料費などのコストを徹底削減し、店の利益を上げることに執心している。夕起次とは仲が悪い。
場所
朝ごはん屋 アサメシマエ (あさごはんや あさめしまえ)
『あさめしまえ』に登場する小さな食堂。あまり人通りのない立地で、先代が倒れた時に一度閉店した。日高元はかつてこの店の朝食で暮らしていた時期があり、先代が亡くなった後、先代の娘の早夜子に店の再開を提案した。現在は元を店主とし、客のニーズに合わせて、洋食から和食、アジア料理までいろいろな朝食を出している。「朝ごはん屋」と銘打っているが、常連客のために遅くまで店を開けたり、甘味やスイーツを出すこともある。
汐 (うしお)
『あさめしまえ』に登場する海辺の小さなレストラン。長久夕起次の作る客を気遣う料理が評判で、常連客に愛されていた。夕起次がオーナーシェフだったが、夕起次の父が入院したため、実家のレストランであるモメント・エテルノの厨房を夕起次が継ぐことになり、現在閉店している。日高元は、7年前にホテルの厨房を辞めた後、店の近所で夕起次に拾われ、この店で働いていた。
モメント・エテルノ
『あさめしまえ』に登場する老舗イタリアンレストラン。よくメディアにも登場している人気店。長久夕起次の父親の店だが、現在父親は長期入院し、息子の長久日出起と夕起次が経営している。一時期、夕起次とともに日高元もこの店で働いていた。立派な店だが、支店を潰した時の借金で、経営状態はあまりよくない。