早乙女選手、ひたかくす

早乙女選手、ひたかくす

優れた身体能力を持つ容姿端麗な女子高校生の早乙女八重が、冴えない男子高校生に恋をする物語。ボクシング選手として地域や高校の期待を一身に背負う彼女が、その立場から恋愛をしている事を隠しながら学園生活を送る様子が描かれる。小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」2016年39号から2019年47号まで連載。

正式名称
早乙女選手、ひたかくす
ふりがな
さおとめせんしゅ ひたかくす
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊10巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

梅咲高校ボクシング部に所属する高校生の月島サトルは、同じボクシング部で関東女子フェザー級チャンピオンの早乙女八重から告白される。しかし、梅咲高校をはじめ地域の期待の星である八重の立場を考えたサトルは彼女の告白を断り、ボクシングに専念するよう勧める。ところがサトルにふられた八重は、練習中に泣き出してしまう。事情を聞いた監督の塩谷はサトルを八重の専属トレーナーに任命し、そのうえで交際してはどうかと持ち掛ける。しかし人気者の八重にとって、特定の男子と付き合っている事実が表沙汰になるのは許されない。こうして周囲の目を気にしながら八重とサトルは、密かに付き合いを始める。しかしある日、同じ高校に通う紺野美都にその事実を知られてしまう。

第2巻

早乙女八重月島サトルが付き合っている事を知った紺野美都は、不安がる2人に、この事実を秘密にすると約束する。だがそれ以来、美都は恋愛下手な八重とサトルの戸惑う姿を見てからかうようになった。夏休みに入り、梅咲高校ボクシング部は監督の塩谷の母校である東都国際大学での強化合宿を開始。今回の合宿からマネージャーとしてボクシング部に加わった美都と共に、東都国際大学に到着した八重達を待っていたのは、サトルの姉の同級生であり、東都国際大学に通う若乃真帆だった。八重は、真帆が自分と同じ階級で、昨年の大学チャンピオンという事だけでなく、サトルと昔から親しかった事を知って激しく闘志を燃やす。その夜、入浴していた八重は美都の策略によって服を奪われ、さらにサトルと風呂場で鉢合わせしてしまう。

第3巻

合宿では紺野美都の策略によって、風呂場で服を奪われた早乙女八重月島サトルだったが、サトルの機転と若乃真帆の活躍で事なきを得る。幼い頃からサトルを知る真帆に、八重は2人の関係を改めて問いただすが、サトルは弟のような存在だと真帆は答える。だがそれと共に、つねにサトルといっしょにいる八重に対して少し嫉妬したと、素直な気持ちも告げるのだった。

合宿が終わり、梅咲高校ボクシング部ではインターハイを目指して練習を重ねていた。今年のインターハイが行われる京都は、サトルのかつての地元である事から、八重は張り切っていた。梅咲高校ボクシング部の監督、塩谷は、今回は八重が出場するインターハイだけでなく、サトルら男子部員にも地元の高校との練習試合を組んであると告げる。久しぶりの試合に意気込むサトル達はさらに練習に励み、インターハイの舞台である京都へと向かう。

第4巻

インターハイに出場するため京都にやって来た早乙女八重ら梅咲高校ボクシング部一行の前に、前年度のインターハイ優勝者の佐津川ミヅキが現れる。空手の有段者でもあるミヅキは、アスリートには恋愛は不要との信念を持ち、つねにサトルといっしょにいる八重には絶対に負けないと宣言する。

インターハイの前日、男子部員は練習試合に臨む。八重の声援を受けながら戦うサトルだったが、善戦むなしく敗れてしまう。そんなサトルの姿に奮起した八重は、翌日のインターハイでは順調に勝ち進み、決勝戦でミヅキと対戦する事になる。八重はミヅキの空手仕込みのテクニックに苦戦するが、サトルとのトレーニングを思い出してミヅキに勝利、インターハイを制覇する。敗れたミヅキは、アスリートには恋愛は不要という考えを撤回し、次に会う時までにお互いもっと強くなろうと、八重と誓い合うのだった。

第5巻

インターハイが終わった夏休み。早乙女八重は、残りの時間で少しでも月島サトルとの仲を進展させようとするが、互いに恋愛下手な二人はなかなか距離を縮める事ができない。季節は秋になり、八重達の通う梅咲高校では文化祭が行なわれていた。八重達のクラスではお化けの扮装をするカフェを開催。八重は、サトルといっしょに文化祭を回る事ができ、同じクラスの生徒とも打ち解ける事ができ、楽しい一日を過ごす。

文化祭が終わり、ボクシング部では3年生の引退試合として他校との対抗戦が組まれる事となった。サトルは、最後の試合という事で意気込むボクシング部員と共に、さらにトレーニングに励む。しかし、八重はマネージャーの紺野美都から、幼い頃にサトルと会った事があるのではないかと尋ねられてから、なぜか不機嫌になっていた。心配するサトルに、八重は自分とのスパーリングを提案し、もしも自分に勝つ事ができれば、すべてを打ち明けると約束する。

登場人物・キャラクター

早乙女 八重 (さおとめ やえ)

梅咲高校ボクシング部に所属する女子高校生。並外れた身体能力で、高校女子ボクシングフェザー級チャンピオンの座についている。成績も優秀で、美術以外オール5。基本的に感情をあまり表に出す事がなく、ボクシング部監督の塩谷からは「クールビューティー」と評され、高校では女子生徒を中心に絶大な人気を誇る。また、オリンピック候補である事から、地域や高校からの期待を一身に集めている。 自分と同じボクシング部に所属する月島サトルに告白し、交際するようになるが、その事実は塩谷と紺野美都以外は誰も知らない。

月島 サトル (つきしま さとる)

梅咲高校ボクシング部に所属する男子高校生。早乙女八重とはクラスが違うものの同じ学年。中学までは京都で暮らしていた事から、普段は関西弁で話す。ボクシングの階級はライトフライ級で、豊富なボクシングの知識を持っているが、公式戦、練習試合を問わず、いまだに1勝も上げていない。早乙女八重に告白され、一度は高校や地域の期待を一身に背負う八重の立場を考えて断るが、ボクシング部監督の塩谷の提案で八重の専属トレーナーを務め、みんなに秘密にして交際する事になる。 現在は姉と2人で暮らしており、ある事情で京都から引っ越して来た。八重の弟、早乙女啓太からは、知り合った経緯から「愛の力マン」と呼ばれている。

紺野 美都 (こんの みと)

梅咲高校に通う女子高校生。早乙女八重とはクラスが違うものの同じ学年で、月島サトルとの関係を知る数少ない人物の一人。塩谷に請われる形でボクシング部のマネージャーとなり、八重とサトルの仲を進展させるためにさまざまな作戦を企てる。恋愛経験の少ない2人にアドバイスを送るが、その真相は不器用な2人の姿を見てからかう事を目的としている。

塩谷 (しおや)

梅咲高校ボクシング部の監督を務めている女性。早乙女八重を育て上げ、フェザー級チャンピオンとなった八重を「自身の最高傑作」と評している。女性ながらボクシングに関する知識や技量に優れ、練習ではいっさいの手抜きを許さない厳しい性格の持ち主。八重が月島サトルに告白した事を受けて、サトルを八重の専属トレーナーに任命し、秘密で交際する事を提案する。

布木 麟太郎 (ふき りんたろう)

梅咲高校ボクシング部に所属する男子高校生。早乙女八重の1学年上。同じボクシング部でありながら、つねに注目を集める八重と自身の立場とを比較し、時折卑屈な感情になる事も多い。基本的には後輩や仲間想いの面倒見のいい性格で、月島サトルも布木麟太郎の事を慕っている。八重とサトルが付き合っている事は知らず、サトルが八重とトレーニングしているのも、サトルが専属トレーナーだからと思っている。

若乃 真帆 (わかの まほ)

東都国際大学ボクシング部に所属する女子大学生。月島サトルの姉の同級生であり、サトルと同じ京都の出身。幼い頃からサトルの事をよく知っており、弟のように思っている。早乙女八重と同じフェザー級であり、至近距離からの打ち合いを得意としている。普段は家庭的で世話好きである事から、布木麟太郎をはじめ男子選手からの人気が高い。 階級が同じなうえ、サトルと親しくしている八重の事をライバルと認識しており、激しく闘志を燃やしている。

早乙女 啓太 (さおとめ けいた)

早乙女八重の弟で小学生。やや無愛想で無表情ではあるが、妙に礼儀正しいところがある。つねに携帯ゲーム機を持ち歩いており、母親からもゲームのやりすぎを注意されている。姉の八重に対しては少し疎ましく思っているところもあるが、表立って反抗する事はなく、姉弟仲は普通。インターハイに出場する八重の応援のために京都へ来ていた際に月島サトルと知り合った。 八重と勘違いしたサトルの「愛の力」という言葉を聞いて以来、サトルの事を「愛の力マン」と呼んでいる。

早乙女八重の母親 (さおとめやえのははおや)

早乙女八重の母親。本名は不明。娘である八重や息子の早乙女啓太と目元がよく似ているが、無愛想な啓太とは違って愛想がいい。娘がボクシングをしている事については基本的に応援しているが、それでも八重の試合前には心配する事が多い。

佐津川 ミヅキ (さづかわ みづき)

栄女子学園ボクシング部に所属する女子高校生。早乙女八重の1学年上で、前年度のインターハイで八重に勝利した選手。目標としていた先輩が男性を好きになった事から弱くなったと思い込み、アスリートには恋愛は不要との信念を持つ。子供の時から嗜んでいた空手をボクシングに応用したさまざまなテクニックを持ち、八重との試合でも優位に立つが、月島サトルのアドバイスを受けた八重に敗れる。 当初は八重を敵視していたものの、敗戦後は態度を軟化させる。

須藤 恵梨香 (すどう えりか)

関東女子ボクシング大会フェザー級の決勝戦で、早乙女八重に敗れた女子高校生。注目選手である八重をライバル視し、試合前から幾度となく八重を挑発するが、試合では一撃でK.O.された。東都国際大会での合宿にも参加していたが、挨拶しても八重からは存在を忘れられており、屈辱を味わう。

書誌情報

早乙女選手、ひたかくす 10巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2016-12-12発行、 978-4091892751)

第2巻

(2017-04-12発行、 978-4091894281)

第3巻

(2017-08-10発行、 978-4091896179)

第4巻

(2017-11-10発行、 978-4091896834)

第5巻

(2018-03-12発行、 978-4091898098)

第6巻

(2018-06-12発行、 978-4091898845)

第7巻

(2018-11-12発行、 978-4098601295)

第8巻

(2019-04-12発行、 978-4098602940)

第9巻

(2019-07-12発行、 978-4098603312)

第10巻

(2019-11-12発行、 978-4098604807)

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