概要・あらすじ
母子家庭で苦労しながらも、素直に真っ直ぐ育った樫村ひなたには、母親の再婚によって、ヤクザの親分である義理の父親と、美少年ながら不愛想な弟という新しい家族ができた。樫村凪は義理の弟ながら魅力的な少年で、ひなたはほのかな恋心を抱いてしまうが、凪はひなたに対して冷たくあたり、心を開こうとしない。しかも凪は不良グループと付き合いがあり、心配したひなたは何かとおせっかいを焼いてしまう。
そんなある日、凪の年上のいとこである戸川エリカが、ひなたと凪の通う杉浦高校に教育実習生として現れ、さらにひなたの家に居候まですることになってしまう。こうして、ひなたの平穏な日々はエリカに散々引っ掻き回されることになるが、教育実習期間を終えたエリカは、去り際にひなたに対し、凪にはずっと以前から想い続けている女性がいることを告げる。
思いがけない事実を知り、ひなたの心は揺れるのだった。
登場人物・キャラクター
樫村 ひなた (かしむら ひなた)
聖メアリ高校に通う2年生の女子。母親の再婚により、樫村凪の義理の姉になった。それまでは学校の寮から通っていたが、母親の再婚を機に豪邸である樫村家に住むことになる。心優しく、おせっかいなところがあり、義理の弟である凪のことを心から心配して、凪と同じ杉浦高校に転校する。一方で天然なところもあり、危なっかしくて放っておけないタイプ。
樫村 凪 (かしむら なぎ)
杉浦高校に通う2年生の男子。父親の再婚により、樫村ひなたの義理の弟になった。幼い頃に母親を亡くし、ヤクザの親分である父親の舎弟たちからちやほやされて育った。そのため少々わがままなところがあり、人の心の温かさというものをよく知らない。頭脳明晰でイケメン、さらにケンカも強いが、愛想はない。幼なじみで兄のように慕っていた篤の恋人・沢口美乃里にかつてほのかな想いを抱いており、今でも彼女のことが忘れられないでいる。
ひなたの母 (ひなたのはは)
樫村ひなたの母親で、ぽっちゃりした中年の女性。苦労して女手一つでひなたを育ててきたが、凪の父と子連れ再婚し、樫村凪とは義理の親子になった。のんびり屋で、細かいことは気にしない大らかな性格で、ヤクザである樫村家にすんなり溶け込んだ。
凪の父 (なぎのちち)
樫村凪の父親で、「樫村組」という大きなヤクザの組の親分をしている男性。ひなたの母と子連れ再婚し、樫村ひなたと義理の親子になった。ひなたという可愛い娘ができて、家の中が華やいだことをとても喜んでいる一方で、我が子ながら家庭の温かさを知らずに育った凪のことを心配している。
戸川 エリカ (とがわ えりか)
樫村凪のいとこの女子大学生。美人で色気のある女性で、教育実習生として2週間、杉浦高校にやって来て、その間は樫村ひなたの家に居候していた。派手で豪快な性格をしており、ひなたの日常をひっかき回して去っていく。沢口美乃里の友人で、もともと少年時代に身体の弱かった凪に篤や美乃里を引き合わせ、遊び仲間を作ってあげた過去がある。
沢口 美乃里 (さわぐち みのり)
篤とかつて付き合っていた女性で、凪よりも1歳年上。天真爛漫で、情が深く、他人のために一生懸命になれるタイプ。こうと決めたら引かない、粘り強いところがある。篤とはもともと幼なじみで、中学生で相思相愛になり何年か交際していたが、篤の自由奔放な性格についていけず、樫村凪の想いを受け入れてしまう。
篤 (あつし)
樫村凪と幼なじみの男性で、凪より3歳年上。母親を亡くして寂しい思いをしていた少年時代の凪に色々なことを教えた、凪にとって兄のような存在。かつて沢口美乃里と付き合っていた。放浪癖があり、高校を中退してインドにふらりと一人旅に行ったまま、何年も帰らなかったりと周囲に心配をかけるが、おおらかで憎めない性格をしている。
大河原 鞠子 (おおがわら まりこ)
杉浦高校に通う1年生の女子。モデルのような美貌とスタイルの持ち主で、実家も金持ちと、周囲の男子生徒にとってまさに高嶺の花。樫村凪に想いを寄せ、樫村ひなたに対してライバル心をむき出しにするが、凪にはまったく相手にされていない。
場所
杉浦高校 (すぎうらこうこう)
樫村凪が通っている高校で、のちに樫村ひなたも転校して来る。女子の制服はセーラー服で、男子の制服はブレザー。凪とひなたの家からは電車で通学する距離にある。不良が多く、ヤクザの息子である凪と、その舎弟たちが幅を利かせている。
聖メアリ高校 (せんとめありこうこう)
樫村ひなたが杉浦高校に転校するまで通っていたミッション系の女子校。寮があり、樫村家に住むようになるまでは、ひなたも寮生活をしていた。制服はパフスリーブのワンピースで、首元に付けた大きめのストライプ柄のリボンが特徴。