概要・あらすじ
私立明稜高校に転校してきた青木速太は、先生に成績優秀なのを見込まれて生徒会に入るように頼まれた。恐る恐る生徒会室の扉を開けた彼を待ち受けていたのは、明稜帝と呼ばれ学校を支配する生徒会長梧桐勢十郎と一風変わった生徒会の面々だった。教師たちも恐れる梧桐勢十郎に無理難題を押し付けられる青木速太の、波乱万丈な学園生活がはじまった。
登場人物・キャラクター
梧桐 勢十郎 (ごとう せいじゅうろう)
明稜高校普通科の2年生。1年生のときにすでに学校を仕切り生徒会長となった。学校は生徒も含めすべて生徒会長である自分のものと考えている。自分のものを傷つけたりする者は決して許さず、問答無用で武道仕込みの鉄拳をお見舞いする。凶暴な性格だが、どんな状況でも仲間を見捨てることはない。
青木 速太 (あおき はやた)
明稜高校に転校してきたばかりの普通科の1年生。以前の学校ではいじめられっ子だった。反抗しても無駄という考えで何をされても黙っていたが、梧桐勢十郎と出会いさまざまな騒動に巻き込まれていくうちに、自らの力で道を切り拓いていく男へと成長していく。物語の語り部でもある。 生徒会の書記を務める。
クリフォード・ローヤー
明稜高校普通科の3年生。生徒会の元副会長。親は大富豪のアメリカ人だが日本生まれの日本育ち。梧桐勢十郎にいびられてばかりだが、心の中では勢十郎のことを理解し、信頼している。
伊織 佳澄 (いおり かすみ)
明稜高校普通科1年生で、青木速太のクラスメート。梧桐勢十郎の幼馴染みでもある生徒会の副会長。いつも無茶苦茶に暴れる勢十郎を見守っている、勢十郎の数少ない理解者の1人。父親が高名な武道家で、伊織自身もかなり強い。
恵比寿 理平 (えびす りへい)
明稜高校進学科2年生で、生徒会の会計を務める。所属している科学部の部費を上げてもらうために会計募集に応募したのだが、学校の役に立ちたいという気持ちも強く持っている。普段は学校で見かけることもなく幻の恵比寿と呼ばれる。実はハーバード大学を卒業している天才。
明稜四天王 (めいりょうしてんのう)
明稜高校において、明稜帝梧桐勢十郎に次ぐ実力を持った4人。いずれも梧桐勢十郎に個人的な因縁を持っており、校内で明稜帝とケンカになるのは日常茶飯事。だが、明稜高校に害をなす出来事があれば力を合わせて立ち向かう。
半屋 工 (はんや たくみ)
明稜四天王の1人。工業科の2年生。ピアスにタトゥーと見た目は不良だが義理堅くクソ真面目な男。小学生の頃から梧桐勢十郎とは知り合いで犬猿の仲。空手を習っておりケンカでも負け知らずだったが、勢十郎に負けて以来勢十郎を倒すことを目的に生きてきた。
八樹 宗長 (やつき むねなが)
明稜四天王の1人。体育科の2年生。剣道部に所属する凄腕の剣士で、物静かで礼儀正しい男。梧桐勢十郎とは中学生の頃からの友人だが、明稜高校の生徒を狙った辻斬り事件で勢十郎と激しく対立することになる。
嘉神 己一 (かがみ きいち)
明稜四天王の1人。普通科の2年に転入してきたその日に、明稜四天王の1人剣持晃とトラブルを起こして剣持を倒したことからいきなり新しい四天王になった。幼い頃に兄をケンカでなくしており、それが原因で悪を憎み強い正義感を持つようになる。だが、その正義感は常軌を逸しており悪と判断した相手は容赦なく叩き潰す。 柔道と柔術を合わせたような我流の非常に危険な技を使う。
御幸 鋭児 (みゆき えいじ)
芸能科の2年生。見た目は可愛い女子高生だが、実は男。幼稚園時代に梧桐勢十郎と出会い好意も持ち、高校生となった現在も勢十郎に結婚を迫りつきまとっている。爪が割れたりするのが嫌で、ケンカでも殴ることはしない。か弱い女子高生と思わせて相手を油断させ、鉄板入りの靴で蹴り倒すのが得意技。
里神楽先生 (さとかぐらせんせい)
明稜高校の数学教師。赴任したばかりで生徒会の怖さを知らず、問題ばかり起こす生徒会を潰そうとするが逆にこてんぱんにやられてしまう。教育熱心で、決して悪い教師ではない。生徒会絡みの騒動が起きる度に教師として立ち上がるが何もできず、ほかの先生たちから慰められることも多い。
川田 秀活 (かわだ ひでかず)
伊織佳澄の父が開く道場に通う一番弟子の大学生。父が政治家で、権力をかさに好き放題やろうとする性格の悪いお坊ちゃま。伊織を気に入って自分のものにしようとするが、梧桐勢十郎に軽くのされた。
高木 真由 (たかぎ まゆ)
私立聖華中学校の2年生。通学電車のなかで梧桐勢十郎を見かけてひと目惚れした女の子。勢十郎を追って明稜高校に潜入するが、生徒会長梧桐勢十郎の傍若無人な振る舞いを見て幻滅。それでも、勢十郎が見せた小さな優しさに感動し、さらに勢十郎を好きになった。
合原 (あいはら)
塔城工業高校の2年生で塔城工業高校を治める塔城帝を名乗る不良。明稜高校の生徒ばかりを狙った明稜狩りを仕掛けてくる。高校1年のときに明稜帝梧桐勢十郎とケンカし無期停学を食らったことから勢十郎を憎んでいる。性格は卑劣で、仲間を手駒としか考えずに勢十郎にぶつけてくる。 そのため塔城帝とはいえ人望はゼロ。部下多数を引き連れた決戦で勢十郎にパンチ一発で倒された。
集団・組織
私立明稜高校 (しりつめいりょうこうこう)
生徒数約5000人という超マンモス私立高校。学科も普通科のほかに工業科、情報処理科、進学科、芸能科など多彩だ。広大な敷地に立つ校舎は12棟もあり、運動部の施設も充実している。生徒会はおろか学校全体を生徒会長梧桐勢十郎が仕切っている。