概要・あらすじ
捨てられたロボットの星屑は、元気いっぱいの女子高生ニーナに拾われる。彼女は空を飛ぶバイクで宇宙雷魚と戯れ、エサをあげて暮らしていた。ニーナは星屑に生き方を教え、やがてタイヘーと結婚し、天寿を全うする。彼女の記録は星屑の中に保存された。その後、星屑が出会った少年ルイがニーナの映像を見て、恋に落ちる。
しかし、彼女に会うことが叶わなかったため、本物の愛を求めて宇宙パイロットになったルイは、同僚の女性ポポと結婚。二人の娘ピッピはさらに一千年後の未来、カブトムシ人が支配する地球に放り出されてしまう。これはルイたちの宇宙船が宇宙雷魚に襲われ、ピッピを脱出させたためだった。
タイムスキップするメガネを謎のおじいさんからもらったピッピは、友達になったサソリに、地球で一番最初に餌付けされた宇宙雷魚を倒せば未来を変えられるのではないかと言われる。ピッピは、女子高生のニーナがいる時代にタイムスキップ。星屑と出会って、共に宇宙雷魚を退治する。すると未来が変化し、ピッピは消滅。
登場人物・キャラクター
星屑 (ほしくず)
ロボット。人間の子供型をしており、電池で動く。電池が残っている限り、全ての記録がセーブされるが、電池が切れるとメモリーは全て失われてしまう。壊れてゴミ捨て場に放置されていたところを学生時代のニーナに拾われ、星屑と名付けられ共に生活するようになる。ニーナは成長してタイヘーと結婚、星屑島に住んで、天寿を全うした。 その後、星屑と出会った少年ルイが、星屑の記録した映像のニーナに一目惚れ。彼女を諦めるため宇宙に行ったルイが宇宙雷魚に飲まれてしまい、星屑はルイの同僚ポポと一緒に助けに行くことになる。ルイとポポが結婚した後、娘のピッピと共に宇宙船で暮らすが、宇宙雷魚の大量発生でピッピだけ千年後に飛ばされ、行方不明になってしまう。 千年前に戻る手段、タイムスキップを手に入れたピッピは、星屑に再会。宇宙雷魚大量発生の原因はニーナにあり、彼女が若かった時代に星屑とピッピは共に向かい、ニーナと再度接触する。時間を行き来する中で、パラレルワールドが生まれており、動いている星屑は、ニーナと会えず壊れてしまった星屑の首と対面する。
ニーナ
様々な男子に惚れられるほどの美少女。ロマンチストで、スリルのある出来事が好き。常に夢を追い続けており、宝くじで3億円当たった時も、反重力装置を買って使い果たしてしまうほど。学生時代、たまたま出現した宇宙雷魚を気まぐれで追いかけ、エサを与える。その際に壊れていた星屑を発見。拾って組み立て、一緒に暮らすことになる。 後にタイヘーと結婚し、老衰で死ぬまで星屑に見守られて過ごす。亡くなって数十年後に少年ルイが、ニーナの若い頃の映像を見て、一目惚れする。
タイヘー
ニーナの結婚相手。ぼさぼさの髪の毛で、若いころは殺し合いに巻き込まれるような生活をしていた。ニーナが若いころ、遊園地のお化け屋敷で銃撃戦をしていたところで出会う。スリルを求めて堂々としているニーナを気に入り、後に結婚式からニーナを強奪して、駆け落ちする。結婚後はすっかりだらしなくなり、仕事をせずゴロゴロして過ごすようになる。
ルイ
星屑の中にあるニーナの映像を見て、一目惚れした少年。なんとかしてニーナに会いたいと願うも、絶対に会えないことを理解。ニーナのことを忘れ、本物の愛を手に入れるために、数年後宇宙船に搭乗する。宇宙船内では、気の強い女性ポポと出会うも、宇宙雷魚に飲み込まれしまう。星屑とポポによって助けられた後、ポポと結婚。 ピッピという娘を授かる。しかし宇宙雷魚の群れが家族を襲ってきたため、ピッピを救おうと千年後の未来に送ってしまう。真面目な性格で、ニーナ離れをするために身体を鍛えたり勉強をしたりするうちに、優秀なパイロットに成長した。ルービックキューブが得意。
ポポ
ルイが乗った宇宙船の同僚パイロットの女性。最初はルイに対してあまり好意を抱いていなかったが、宇宙船内で事件が起きた時、協力して戦い、惹かれるようになる。ルイが宇宙雷魚に飲み込まれた後、彼が映像のニーナを好いていることを知りつつ、星屑と共に救出に向かう。ルイとは結婚し、ピッピという娘を授かる。 後に宇宙船の艦長となる。しかし宇宙雷魚の群れに襲われた時、ピッピを救うため脱出ポッドに乗せ、千年後の未来に送ってしまう。
ピッピ
時間を何度も行き来している女性。ルイとポポの娘。幼少期は宇宙船で過ごしていた。しかし宇宙雷魚の群れに襲われ、戦闘員のルイと艦長のポポは、ピッピを脱出ポッドに乗せ、千年後の未来に送る。ピッピがたどり着いた地球は、人類が滅亡しており、昆虫が支配する世界になっていた。 ひとりぼっちになった彼女はサソリと出会い、共に過ごすようになる。途中出会った人間の老人にメガネをもらい、「タイムスキップ」が可能になったのを知り、何度も千年前の両親を救おうとするが、上手く行かない。大人になり、サソリが動かなくなった後に、再びタイムスキップ。千年前の両親のもとから星屑を引き取り、未来で激増する宇宙雷魚の根源を絶つべく、一番最初に餌付けされた宇宙雷魚のもとに向かい、歴史を変えようとする。
サソリ
頑丈な殻を持ち、あらゆる敵を倒す毒針を持った、人間型のサソリ。ピッピとは人間が絶滅した千年後の世界で出会った。常に一人で行動しており、多数種族のカブトムシ人に追われている。ピッピとは慣れ合うつもりはなかったが、ひとりぼっちで寂しい子供のピッピが近づいてくるうちに、ともに行動することになる。 ピッピに今どうなっているのかを説明しながら、タイムスキップで何度も過去に戻る彼女を見守る。彼女と10年共にすごし、大人になった時、死んだふりをして共にすごすことを諦めさせた。
ビリー
真面目で気の弱い青年。ニーナが最初に餌付けした宇宙雷魚に飲み込まれた。ニーナと、大人になったピッピと星屑に救われる。宇宙雷魚による大災害後の復旧の最中、片思いだった少女が大怪我をしているのを発見。彼女に思いを伝えるべく、星屑に背中を押されながら奮闘する。
ビリーの彼女 (びりーのかのじょ)
セミロングの少女。ビリーがずっと片思いをしていた。宇宙雷魚の襲来で飲み込まれてしまい、脚に大怪我をしていたところを救出される。何度も話しかけようとしてくるビリーに、次第に心を開くようになる。
宇宙雷魚 (うちゅうらいぎょ)
『星屑ニーナ』に登場する生物。町を覆うほど巨大な宇宙からやってきた魚。巨大な口で何もかも一度に飲み込むことができる。たまたま気まぐれでニーナが餌付けした最初の一匹が引き金となって、数十年後のピッピたちの時代に大量発生、千年後には人類を壊滅させていた。何もかもを飲み込むため、体内で長時間人間が暮らすことが可能。飲み込まれた際に心臓を撃ちぬくことで倒すことができる。
神様 (かみさま)
物語の随所にあらわれ、登場人物に力を貸す。様々な人間に姿を変えており、時代を超えて、星屑とかかわりのある、あらゆるキャラクターと出会っている。本来は、ヒゲの長いしかめっ面の老人の姿をしている。
書誌情報
星屑ニーナ 4巻 KADOKAWA〈ハルタコミックス〉
第1巻
(2010-12-15発行、 978-4047269682)
第2巻
(2011-12-15発行、 978-4047277250)
第3巻
(2012-11-15発行、 978-4047284074)
第4巻
(2014-01-14発行、 978-4047293977)