春と恋と君のこと

春と恋と君のこと

綾瀬羽美の代表作の一つ。男女共学の全寮制高校を舞台に、過去の経験から恋愛にトラウマを抱えている三島紘果が、一見チャラそうに見えるものの、実はピュアなイケメンの瀬田藍里と出会って恋に落ち、寮生活を通して成長していく姿を描いた青春ラブストーリー。集英社「別冊マーガレット」2019年4月号から2020年11月号にかけて連載の作品。YouTubeの「別冊マーガレット公式チャンネル」で、2020年1月にマンガ動画が公開。紘果を渡谷美帆、藍里を小俣凌雅が演じている。

正式名称
春と恋と君のこと
ふりがな
はるとこいときみのこと
作者
ジャンル
恋愛
 
学園
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
全5巻完結
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突然のキスから始まる高校生活

中学時代の人間関係にトラウマを抱える三島紘果は、男子とのかかわりを避けるため、恋愛禁止の全寮制高校に入学した。しかしある日、思いがけず校内一のイケメンとして知られる同級生の瀬田藍里とキスをしてしまう。動揺する紘果だが、一見クールに見える藍里も、実は恋愛経験がゼロで、高校デビューのために無理して装っているだけだと告白する。この秘密を共有したことをきっかけに、二人は友情を深めていく。しかし、藍里と共に過ごす学園生活の中で、紘果は次第に彼に恋心を抱くようになっていく。

恋愛未経験者同士の不器用すぎる恋模様

無口で感情を表に出すのが苦手な紘果は、過去のトラウマから人付き合いに臆病になっていた。高校に入学当初は、周囲との距離感に悩む日々を送っていたが、友人となった藍里や寮でルームメイトの松山瑠々との交流を通じて、少しずつ自分の気持ちを表現できるように成長していく。一方、クールなイケメンとして人気の藍里も、実はシャイで不器用な性格の持ち主。藍里は「がっかりされたくない」という思いから理想の自分を演じているだけで、恋愛初心者だった。そんな不器用な二人のもどかしくも純粋な恋愛模様が描かれている。

ピュアな二人を見守るルームメイト

寮で紘果とルームメイトの瑠々は、つねに明るく前向きなムードメーカー的な存在。人付き合いが苦手な紘果を放っておけず、入学当初から何かと世話を焼いてくれるよき理解者でもある。紘果が藍里に恋心を抱いていることに気づき、相談に乗ったり、時には藍里を巻き込んだりしながら、なかなか進展しない二人の恋を応援するキューピッド役も務めている。また、藍里を巡るライバルが現れれば、紘果の味方となり、愛情を込めた厳しい言葉をかけることもある。紘果と藍里にとって欠かせない存在である一方で、瑠々は藍里のルームメイトである須東泰臣に片思いしている。複雑な過去を抱える泰臣に、持ち前の明るさで真正面からぶつかっていく瑠々の恋の行方も、物語の重要な見どころの一つとなっている。

登場人物・キャラクター

三島 紘果 (みしま ひろか)

全寮制の高校に通う1年生の女子。中学時代の恋愛トラブルが原因で親友を失い、その際に「冷たい」と言われた過去を持つ。その経験がトラウマとなり、感情を表に出すことに臆病になっている。高校入学直後、不可抗力で藍里とキスをしてしまった時も、動揺を見せず冷静に対処した。その後、藍里やルームメイトの瑠々と親しくなるにつれて、少しずつ素直な感情を表現できるように変わっていく。同時に藍里に対する恋心を抱くが、彼の気持ちがわからず、一人で思い悩んでいる。

瀬田 藍里 (せた あいり)

全寮制の高校に通う1年生の男子。誰もが認めるクール系イケメンで、中学時代から非常にモテてきたが、実は恋愛には奥手で不器用なため、交際経験はゼロ。高校では見た目どおりのクールな自分を演じていたが、入学早々に紘果とのアクシデントキスに激しく動揺してしまう。それをきっかけに紘果とは秘密を共有する特別な友達となった。おおらかな性格で、恋愛に対しては鈍感な一面がある。紘果への誕生日プレゼントに、特に意図せずふだん使いできるヘアアクセサリーを選んでしまうなど、藍里自身は無自覚のまま、その言動で彼女の心をかき乱すことが多い。

書誌情報

春と恋と君のこと 全5巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第1巻

(2019-07-25発行、978-4088442242)

第5巻

(2020-11-25発行、978-4088443874)

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