春待つ僕ら

春待つ僕ら

引っ込み思案で目立たない女子高校生の春野美月は、小さな誤解をきっかけにして、校内の「イケメン四天王」のメンバーと親しくなる。イケメン四天王の一人、浅倉永久と幼なじみの神山亜哉との三角関係、そして周囲との交流を経て、少しずつ人間的に成長していく美月の姿を描いた青春学園ラブストーリー。「デザート」2014年4月号から2019年11月号にかけて連載された作品。2018年12月に実写映画化。

正式名称
春待つ僕ら
ふりがな
はるまつぼくら
作者
ジャンル
恋愛
 
学園
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あらすじ

だいじなばしょ

高校1年生の春野美月は、過去の経験から、やや引っ込み思案で人付き合いが苦手だった。そんな自分を変えるために、あえて自宅から遠い清凌高校に入学し、新しい人間関係を作ろうとしていたが、入学から3週間が経っても友人が一人もできずに悩んでいた。そんなある日、美月が喫茶店「words cafe.」でアルバイトしていると、同じ学校に通う一人の男子に声をかけられる。彼は友人が美月を気に入っているので、一度会って欲しいというのだ。美月は驚きつつもこれに応じるが、美月はこの喫茶店の美人従業員のナナセと間違われて呼び出されただけだった。美月はこの時の男子たちの態度に腹を立てるが、翌日から彼らはナナセに会うため、店に入り浸るようになる。美月は、「イケメン四天王」の彼らが店の常連であることを周囲に知られると、彼らのファンが店に押し掛けて来るのではないかと不安を抱く。しかし、イケメン四天王の一人である浅倉永久は、美月の不安な気持ちを理解し、周囲には見つからないように通うことを約束する。これがきっかけで永久のまじめで心優しい人柄を知った美月は、彼たちを少しだけ見直すようになる。そんな中、美月は自分にはかつて神山亜哉というあこがれの友人がいて、いつか彼女のような女性になりたいと願って日々努力していることを永久に打ち明ける。

わたしのともだち

春野美月が高校に入学してから1か月が経ち、美月にもようやく浅倉永久たち「イケメン四天王」以外の友人ができそうになる。しかし美月は、ふつうの学校生活を送るため、イケメン四天王たちと親しいことは隠すことに決めていた。彼らには過激な女性ファンが多く、少しでも親し気にしている女子は嫉妬や嫌がらせの対象となるのだ。それに加え、ようやくなかよくなったクラスメートの山田レイナは、特にその傾向が強いように思えた。こうして美月は校内で永久に話しかけられても素知らぬ態度を取り続けるが、これを察した永久には隠し事をするような友人関係で満足なのかと指摘される。この指摘を受けた美月は深く反省し、レイナに対してイケメン四天王と親しくなった経緯を打ち明ける。すると、レイナはすんなりこれを受け入れる。そして自分は、イケメン四天王に女性の友人がいるのが許せないのではなく、恋人ができるのが許せないだけであり、美月が友人として四人と親しいのは何も問題がないと、不思議なことを口にする。やや腑(ふ)に落ちないところはあるものの、美月は永久やレイナとも以前よりも親しくなっていく。

あやちゃんショック

春野美月は、浅倉永久たち「イケメン四天王」の所属する男子バスケットボール部の練習試合の応援に行ったことがきっかけで、小学校時代の友人の神山亜哉と再会する。しかし、ここで衝撃の事実が判明する。美月は亜哉が女性的な名前で、容姿も中性的なことから、女性であると思い込んでいたが実際は男性であった。だが、亜哉は美月を抱きしめるなど、まるで同性のような距離感で接し、その光景を永久に見られてしまう。翌日から永久はどこか美月にそっけなく、美月は何か誤解をされたのではないかと心配になる。しかし実際は、永久は有名プレイヤーである亜哉との出会いに刺激を受け、より練習に打ち込むようになっていただけだった。安堵(あんど)する美月に永久は今後バスケットボール選手として、亜哉には絶対に負けないと宣言。永久に思いを寄せるようになっていた美月はこれに喜びつつも、期待してはいけないと思い留まる。一方の永久も自覚こそないものの、美月が気になる存在となっていた。

ほんねトーク

春野美月はクラスにもっと溶け込むため、山田レイナの協力でクラスメートの女子たちと遊びに出かけた。レイナは難なくみんなと打ち解けるものの、美月はみんなとなかよくなれずに残念な気持ちで解散となる。一方の浅倉永久は、「words cafe.」の向かいにあるバスケットボールコートで、神山亜哉と再会する。このコートは美月と亜哉が出会った場所であり、亜哉はここを訪れていれば、いつか美月に会えるのではないかと考えていたのである。そして永久は亜哉から、美月にまた会いたいと思っている旨を伝えて欲しいと頼まれる。バスケットボール選手としてだけでなく、美月を巡る恋のライバルとしても亜哉を意識している永久は、一度はこれを断るものの、後日改めて美月に伝言を伝え、その後、美月は亜哉といっしょに過ごすことになる。アメリカ留学を経た亜哉は以前よりも男っぽくなっており、美月は亜哉の少し強引な態度や、近すぎる距離感に困惑するが、その姿を今度は若宮恭介に見られてしまう。

友達です…けど?

インターハイ予選が近づき、浅倉永久たち「イケメン四天王」も、よりバスケットボールの練習に打ち込んでいた。そこで春野美月は、何か効果的な応援ができないかと考え、若宮恭介に相談する。その際に恭介から神山亜哉との関係を尋ねられた美月は、自分としては友人のつもりだが、亜哉からはまるで恋人のような距離感で接されており、少々困っていることを打ち明けるのだった。その直後美月は、女子バスケットボール部の須藤マキが、先輩部員に叱責されている場面に遭遇する。マキは応援に使う備品の確認を命じられていたが、横断幕が使用できないほど傷んでいることに気づかず、問題なく使用できると返事してしまったのだ。その結果、部費はほかの部活で使用されてしまい、バスケットボール部は新しい横断幕を購入することができずに困っていたのである。そこで美月は、自分が新しい横断幕を作ると申し出て、美月と山田レイナ、マキの三人で横断幕作成チームを結成するのだった。その夜、美月はさらなる応援のため、リストバンドにメッセージを書いていると、そこに亜哉が現れる。

ちゃんと見ててね美月

インターハイ予選が始まり、浅倉永久たち清凌高校男子バスケットボール部は、ベスト16まで勝ち進む。応援に駆けつけた春野美月も、横断幕の作成を経て須藤マキと親しくなり充実の日々を送っていたが、マキが永久に思いを寄せていることは知らずにいた。そんな中、清凌高校は決勝リーグ出場をかけた試合の当日、別ブロックの試合に出場する神山亜哉が観に来ていた。美月は亜哉にちょっかいを出されながらも永久たちを応援するが、主力メンバーの多田竜二若宮恭介の二人に頼りがちな清凌高校は、竜二の負傷による退場を機に逆転され、敗北してしまう。清凌高校の決勝リーグ出場は叶わず、永久と亜哉の直接対決も実現しなかった。決勝は亜哉の所属する鳳城高校が勝利を収め、インターハイ予選は終了する。この結果を重く受け止めた永久たちは、翌日から美月といっしょに昼食を取ることもなく、「words cafe.」にも来なくなってしまう。特に竜二は敗戦のショックから、二度と「words cafe.」には行かずに練習に打ち込むと言うほど思い詰めるが、我慢が苦手な竜二はすぐにナナセに会いに来店し、結局は美月と永久たちの関係は元に戻るのだった。

友情デート

夏休みに入り、春野美月は「イケメン四天王」と、山田レイナナナセを加えた七人で遊園地に行き、楽しい時間を過ごす。美月はそこで若宮恭介のアドバイスを受け、浅倉永久といい雰囲気にはなったものの、結局告白はできずに終わる。一方の永久は、この日を機に美月への思いを自覚するようになる。そんな中、美月はインターハイで優勝した神山亜哉といっしょに出かけることとなる。美月は亜哉と小学生時代に親しくなり、女性だと誤解していた頃の亜哉を「あやちゃん」、現在の亜哉を「大きいあやちゃん」と認識し、「大きいあやちゃん」にどこか苦手意識を抱いていた。しかし、今日からどちらも亜哉であることを受け入れ、もう一度友人関係を築こうと思っていたのである。そんな美月は、亜哉といっしょに花火を見ながら、彼から過去の出来事を打ち明けられる。当時の亜哉は、美月にとって決して弱いところを見せない完璧な人物だった。しかし実際は、両親が不在がちでなかなかいっしょに過ごせず、学校ではいじめに遭うなど、孤独な日々を送っていたのである。そんな中、亜哉の唯一の心の支えが自分であったと知った美月は、思わず涙する。

one on one

2学期が始まり、春野美月浅倉永久の勧めもあって、文化祭実行委員に立候補する。その結果、1年4組の出し物は「イケメン四天王」として人気の永久がコスプレをして接客するカフェに決まるのだった。そんな中、清凌高校と鳳城高校のバスケットボール部は、合同練習をすることになる。両校は実力差があるものの、永久との試合を希望した神山亜哉が、無理やり相手校としてブッキングしたのだ。美月もこの試合を見に行くが、席を外した際に永久と亜哉が1on1を始め、亜哉の圧勝に終わる。この負けで永久は練習試合ではなんとしてでも勝つと気合いを入れ直すが、美月はナナセから連絡を受け、「words cafe.」を手伝うことになってしまう。その後校内に戻った美月は、どうにか試合の終盤を見ることができたものの、試合は鳳城高校の勝利となる。しかし、ケガで永久が途中退場したことから亜哉は納得せず、また勝負しようと告げる。こうして合同練習は終了し、洗濯をしていた須藤マキは、誰かのメッセージが入った永久のリストバンドを見つけてしまう。

文化祭本番

文化祭が近づいていたある日、須藤マキ浅倉永久に思い人がいることを知り、深いショックを受けていた。文化祭の準備は順調に進んでいたが、前日になって体調を崩した春野美月は、下校中に倒れてしまう。そんな美月を自宅に連れていき介抱したのは、神山亜哉だった。そこで医師である亜哉の母親と会った美月は、亜哉がアメリカ留学中も美月とお揃いのヘアアクセサリーを非常に大切にしており、美月に会うために帰国したことを聞かされる。これによって美月は、亜哉がいかに自分を思っていてくれていたかを改めて実感するのだった。一方その頃永久は、文化祭中に美月に告白することを宮本瑠衣たちに宣言していた。こうして文化祭当日となり、無事体調が回復した美月は、文化祭終了後に永久といっしょに帰る約束をする。しかしその直後二人がクラスの出店に戻ると、なぜか亜哉が接客を手伝っていた。山田レイナに頼まれた亜哉は店を手伝う代わりに、美月に校内を案内してもらう約束をしていたのだ。仕方なく美月は亜哉といっしょに文化祭を回ることになる。

ホンネトークフタタビ

文化祭の終了後、春野美月浅倉永久に告白される。しかし永久は返事を求めておらず、ひとまず気持ちを伝えただけだった。男子バスケットボール部は男女交際禁止であるため、永久は当面はバスケットボールに集中するためにも、部のルールを守るためにも、これまで以上の関係は求めていなかったのである。美月はこれに拍子抜けしつつもひとまずこれまでどおりの関係を続けるが、永久との関係に変化があったことを、すぐに山田レイナに見抜かれてしまう。そこで美月は永久に告白されたことや、神山亜哉とも複雑な関係にあることを報告するが、須藤マキの気持ちも知っているレイナは、今後修羅場が訪れるのではないかと、一人不安を抱いてしまう。そんな中、美月は永久に誘われて永久の自宅に遊びに行くが、そこにいたのは永久の後輩である廉太朗だった。美月は廉太朗から永久の家庭の事情を聞かされたり、永久の祖父と話したりと、永久と親しい人たちとも交流を深めるのだった。そんなある日、突然亜哉が「words cafe.」を訪れ、美月に告白する。

まっすぐなおもい

春野美月は、神山亜哉から改めて思いを伝えられ、今後亜哉とどう接するべきか悩んでいた。そこで美月はナナセに相談するが、その話の中で、ナナセにも以前真剣に交際していた相手がいたが、その男性とはあまりにも住む世界が違うことが原因で別れてしまったことを聞かされる。この話に驚いた美月は、若宮恭介にこの件を報告しようとするが恭介に会いに行くと、なぜか代わりに多田竜二が現れる。そんな竜二にしつこく質問されるうちに、美月は結局ナナセの過去の恋愛に関して、すべて話してしまうのだった。その話にショックを受けた竜二は、これをバネにさらにバスケットボールに打ち込み、次の試合に勝利できたら、改めてナナセに告白すると誓う。そんな竜二に感銘を受けた美月は、一度亜哉と真剣に話し合おうと決意するが、その当日交通事故に遭遇。美月は無事だったものの、美月をかばった亜哉は靭帯を損傷し、全治1か月の大ケガを負ってしまう。

みんなで“HOT”SPRING

浅倉永久は、大ケガを負いながらも練習に参加している神山亜哉を心配していた。永久は休養のためにも、一度バスケットボールから離れて、亜哉を温泉旅行に誘うのはどうだろうかと春野美月に提案する。美月たちはこの申し出に驚きつつも同意し、亜哉も一度はこの提案を断ったものの、最終的には美月と「イケメン四天王」、亜哉、山田レイナ、そしてナナセの八人で温泉に出かけることとなる。しかし若宮恭介だけは、亜哉が何かを企んでいるのではないかと怪しんでいた。そこで恭介は、亜哉に旅行に来た真意を尋ねるが、亜哉は単純に美月の希望に応えたくて参加していただけだと答える。そしてその夜、永久は亜哉に呼び出されて衝撃の事実が判明する。永久は高校受験時、実は鳳城高校バスケットボール部に誘われていたが、高校でも宮本瑠衣たちとバスケットボールがしたいと考えた末に、これを蹴って清凌高校を選んだのだった。亜哉がこれまで永久に対して辛辣な態度を取っていたのも、美月を巡る恋のライバルというだけではなく、永久の考えがまったく理解できなかったからだった。

それもいいかもね

年が明け、高校男子バスケットボール新人戦が近づいてきた。春野美月は、この新人戦が終わり次第浅倉永久に告白しようと誓っていた。清凌高校は順調に勝ち上がり決勝リーグまで進み、同様に勝ち進んできた鳳城高校との対決が近づくが、ここまでの試合に、神山亜哉はほとんど出場していなかった。ケガはすでに完治したはずなので、美月たちはチームが亜哉を温存しているのだろうと判断するが、決勝リーグ直前のある日、亜哉が突如美月を訪ねて来る。そのため、この日美月に改めて気持ちを伝えようとしていた永久は、ゆっくりと話せずじまいとなる。こうして決勝リーグの清凌高校と鳳城高校の試合となるが、やはり実力差は如何(いかん)ともし難く、清凌高校は次第に点差を付けられていく。それでも清凌高校は10点差までせまるが、永久は亜哉の足が完治していないことに気づく。これを気遣った永久は、試合中亜哉とぶつかった瞬間に思わず彼をかばい、そのまま観客席に飛び込んでしまう。これにより永久はケガを負い、退場することとなった。そして清凌高校は、鳳城高校に敗れてしまう。

フライングって?

清凌高校と鳳城高校の試合後、春野美月浅倉永久に告白した。その日は永久の祖父が迎えに来たこともあり、ゆっくり話すことはできなかったが、ひとまず美月は山田レイナナナセに報告する。するとレイナは、今清凌高校バスケットボール部が男女交際禁止のルールを撤廃するために動いていることを美月に告げる。しかし、そのためには今回の新人戦で優勝することが前提であった。結果、清凌高校は2試合に勝利するものの、優勝は全勝の鳳城高校と決まる。それでも永久は、監督に直談判してルールを改正して欲しいと懇願するが、断られてしまう。しかし、この件は意外な形で解決する。永久の祖父は先日ミニバスケットボールの監督を引退し、今後は新天地で監督することになっていた。その新しい場所こそが、清凌高校だったのである。永久の祖父があっさり男女交際禁止のルールを撤廃したことで、美月と永久は正式に交際をスタートさせる。しかし美月が周囲のファンから妬まれ、嫌がらせの対象となってしまう。

竜二のくせに

2月のある日、再びアメリカに行くことになった神山亜哉春野美月たちが見送る。そしてバレンタインデーが訪れ、美月と浅倉永久は初めてのキスを交わし、多田竜二ナナセに改めて告白する。しかし美月たちが竜二に話を聞くと、ふられてしまったようだった。ナナセは現在気になる男性はいるものの、将来留学を考えているため、今は特定の相手と交際するつもりはないのだという。竜二はこの気になる男性が、ナナセの同級生だと推測し、身を引くことにした。しかしこの直後、「words cafe.」の店長が体調を崩して病院に運ばれたという報せが入る。心配した竜二は慌てて病院に向かうが、店長は単に前日羽目を外しすぎて寝不足になっていただけだった。これを聞いて安心した竜二はそのまま帰ろうとするが、突然ナナセから告白される。ナナセもまた以前から竜二に思いを寄せていたものの、昨日は自分に自信が持てずに断ってしまったのだ。これを知った竜二はナナセを抱きしめ、二人の思いはついに通じ合うのだった。

誕生日大作戦

3月も半ばとなり、ホワイトデーと浅倉永久の誕生日が近づいてきた。春野美月は永久を喜ばせるためにパーティを企画し、当日は早めに待ち合わせして二人で過ごしていた。そこで永久は美月の友人である、吉澤と岡から声をかけられる。二人は先日美月が上級生から嫌がらせに遭ったことを心配しており、永久に報告しておこうと考えていたのである。これを聞いた永久はすぐさま美月に確認するが、美月は直接的な嫌がらせは一度だけであったため、相談するまでもないと思っていたことを永久に伝える。この言葉に自分の頼りがいのなさを痛感した永久は、思わず神山亜哉と自分を比べるような発言をして、二人は気まずい雰囲気になってしまう。そして二人がパーティ会場に到着するとそこには誰もおらず、その代わりに二人で楽しんでというメッセージが残されていた。

メディアミックス

実写映画

2018年12月、本作『春待つ僕ら』の実写映画版『春待つ僕ら』が公開された。監督は平川雄一朗、脚本はおかざきさとこが務めている。キャストは、春野美月を土屋太鳳、浅倉永久を北村匠海、神山亜哉を小関裕太が演じている。

登場人物・キャラクター

春野 美月 (はるの みつき)

清凌高校1年4組に在籍する女子。喫茶店「words cafe.」でアルバイトをしている。身長156センチ、体重45キロ。セミロングヘアで、やや地味な印象ながらかわいらしい雰囲気を持つ。廉太朗からは「ミツコ」と呼ばれている。子供の頃、周囲にうまくなじめなかった経験から、人付き合いが苦手で、やや引っ込み思案な性格をしている。これによって、本来のまじめで心優しい人柄を、うまくアピールできずにいた。清凌高校入学後もこれを解消できず悩んでいたところ、突如浅倉永久たち男子バスケットボール部の「イケメン四天王」に声をかけられた上、多田竜二から告白されそうになり驚く。しかし、すぐにこれはナナセと間違えて呼び出されただけだということが判明。この時の彼らのあまりにも失礼な態度に腹を立てるが、これがきっかけで彼らに対しては緊張しなくなり、素の自分を出せるようになる。そして「イケメン四天王」ファンの山田レイナと親しくなったこともあり、永久たちと積極的にかかわるようになっていき、徐々に永久に惹かれていく。神山亜哉とは小学校時代からの友人で、当時仲間外れにされて悲しい思いをしていたところを亜哉に助けられ、なかよくなった。しかし「亜哉」という名前が女性的であることから、高校生になって再会するまでは、亜哉を女性だと勘違いしていた。誕生日は4月3日で、血液型はO型。三姉妹の長女でもある。好きな食べ物は「words cafe.」の店長が作ったアップルパイ。学校の成績は今一つ。

浅倉 永久 (あさくら とわ)

清凌高校1年4組に在籍する男子。男子バスケットボール部に所属している。ポジションはシューティングガード。部活仲間の宮本瑠衣、若宮恭介、多田竜二とはミニバスケットボール時代からの友人で、いつもいっしょにいるほど仲がいい。また、全員容姿端麗であることから、「イケメン四天王」と呼ばれている。身長180センチ、体重65キロ。黒髪ショートヘアでクールな雰囲気を漂わせており、美形なのと相まって、近寄りがたい人物だと思われがちである。しかし、実際はややマイペースで天然気味なことからそう感じさせるだけで、本当は穏やかで心優しい性格をしている。不愛想に見えたり、他人に関心がなさそうに見えたりするのは、毎日朝からバスケットボールの練習をしているため睡眠不足で、つねに眠いからである。バスケットボールの監督をしていた祖父の影響でミニバスケットボールを始め、これがきっかけで瑠衣たちと出会った。選手としても才能に長(た)けており、浅倉永久なら、将来的に県内のトップ選手である神山亜哉にせまれるだろうと周囲から期待されている。また、永久自身もバスケットボールが大好きで、高校時代はバスケットボールに打ち込むと決めている。そのため、異性や恋愛に関する関心は薄く、部の男女交際禁止のルールを素直に守って生活を送っている。しかし、春野美月と出会い、少しずつ美月に惹かれるようになっていく。誕生日は3月14日で、血液型はA型。毎朝バスケットボールの朝練に集中するあまり授業中は眠ってばかりだが、恭介に勉強を教えてもらっているため成績は優秀。好きな食べ物は、祖母が作った大学芋。両親は亡くしており、祖父母と暮らしている。

神山 亜哉 (かみやま あや)

鳳城高校2年C組に在籍する男子。男子バスケットボール部に所属している。赤みがかった銀色のセミロングヘアをハーフアップにして結んでおり、子供の頃からこの髪形だった。それに加えて名前も女性的であることから、当時非常に親しくしていた友人の春野美月には、高校生になって再会するまで、女性だと勘違いされていた。しかし、神山亜哉自身も、同性だと思われていた方が距離を縮めやすいと考え、あえてこれを黙っていた節がある。また、当時からこの髪形にしていたのは、多忙な母親に髪を切ってもらいたかったがなかなかスケジュールが合わず、待っているうちに伸びてしまったという経緯がある。身長181センチ、体重65キロの美形で、バスケットボール選手としても優秀なことから、異性に非常に人気がある。しかし、小学生の頃は学校では髪形を理由に同級生からいじめられ、家では両親が不在がちなためほとんど一人で過ごすなど、孤独な日々を送っていた。そんなある日、近所のバスケットボールコートで美月に出会い、同じように孤独を感じていた彼女を励ますうちに親しくなる。やがて美月に思いを寄せるようになるが、家庭の都合でアメリカへ行くことになり、そのまま疎遠になってしまった。当初はあえて美月と連絡先を交換せず、彼女を忘れるつもりでいたが、どうしてもその思いを忘れることができずにいた。そして高校生になり、再び家庭の事情もあって帰国して美月と再会してからは、熱烈なアプローチを繰り返すようになる。誕生日は6月25日で、血液型はAB型。好きな食べ物はお寿司。母親の神山優子とは仲がよく、彼女のことは「ユーコさん」と名前で呼ぶ。

宮本 瑠衣 (みやもと るい)

清凌高校1年7組に在籍する男子。男子バスケットボール部に所属している。ポジションはポイントガード。部活仲間である浅倉永久、若宮恭介、多田竜二とはミニバスケットボール時代からの友人で、いつもいっしょにいるほど仲がいい。また、全員容姿端麗であることから、「イケメン四天王」と呼ばれている。身長175センチ、体重60キロ。赤茶色の髪をウルフカットにしたお調子者で、細かいことを気にしない明るい性格をしている。そのため、イケメン四天王の中では最も親しみやすく、四人でいる時もムードメーカー的な存在である。一部の生徒からは「ルイにゃん」の愛称で親しまれている。高校に入学してすぐのある日、竜二に喫茶店「words cafe.」で働いている女性を自分の代わりに呼び出して欲しいと頼まれ、当時店内にいた唯一の女性である春野美月を、店の外で待っている竜二、永久、恭介に会わせる。しかし、竜二はナナセと間違えて無関係の美月に迷惑をかけたことを反省することなく、美月の容姿がさえないと言ってこき下ろした。このような失礼な態度を取ったことから当初は美月に毛嫌いされるが、竜二に付き添って「words cafe.」に通ううち次第に打ち解け、やがて美月に思いを寄せるようになる。永久とは非常に仲がいいが、バスケットボール選手としても男性としても、ライバル意識を抱いている。誕生日は2月14日で、血液型はB型。好きな食べ物はシュークリーム。

若宮 恭介 (わかみや きょうすけ)

清凌高校2年4組に在籍する男子。男子バスケットボール部に所属している。ポジションはパワーフォワード。浅倉永久、宮本瑠衣、多田竜二とはミニバスケットボール時代からの友人で、いつもいっしょにいるほど仲がいい。また、全員容姿端麗であることから、「イケメン四天王」と呼ばれている。同世代の男性よりも穏やかで大人っぽく、ファン対応もいいことから、一部のファンからは「恭サマ」の愛称で呼ばれている。身長182センチ、体重68キロの長身で、青紫色の髪のショートヘアに眼鏡をかけている。つねに冷静沈着で、周囲の変化に敏感に反応してフォローに回るなど、頼りがいのある性格をしている。そのため四人の中でも兄貴分として慕われている。しかし一方で、何を考えているのかわからないミステリアスな一面がある。三人きょうだいの真ん中で、姉と妹がいる。そのため女性の扱いに長けており、ファン対応がうまいのも、女性が喜ぶことや女性と波風を立てずに問題を解決する方法を熟知しているからである。高校2年生になってすぐのある日、竜二が思いを寄せる女性、ナナセに会うために永久、瑠衣、竜二の四人で喫茶店「words cafe.」に向かうが、瑠衣が間違えて、春野美月を呼び出したことがきっかけで美月と知り合った。この時美月に失礼な態度を取ったため、当初は毛嫌いいされるが、竜二に付き添って「words cafe.」に通う中で次第に打ち解け、やがて美月と兄妹のような良好な関係を築くようになる。バスケットボール選手としても非常に優秀で、竜二に並ぶ主力メンバーである。誕生日は11月12日で、血液型はA型。好きな食べ物はペンネアラビアータ。

多田 竜二 (ただ りゅうじ)

清凌高校2年4組に在籍する男子。男子バスケットボール部に所属している。ポジションはスモールフォワード。浅倉永久、宮本瑠衣、若宮恭介とはミニバスケットボール時代からの友人で、いつもいっしょにいるほど仲がいい。また、全員容姿端麗であることから、「イケメン四天王」と呼ばれている。身長180センチ、体重67キロの長身に加え、金色のショートヘアをツンツンに立て、耳にいくつものピアスを付けている。強面(こわもて)のため近寄りがたいと思われがちだが、恋愛に関しては一途(いちず)で奥手なところがある。高校2年生になって間もなく、喫茶店「words cafe.」で働くナナセに思いを寄せるようになるが、一人では話しかけることもできず、永久、瑠衣、恭介に付き添ってもらって来店し、瑠衣にナナセを呼び出してもらうことにした。しかし、瑠衣が間違えて春野美月を呼び出したことから、美月と知り合った。当初は美月に非常に失礼な態度を取っていたため毛嫌いされ、ナナセにも快く思われていなかった。しかし「words cafe.」に通い詰めるうちに打ち解け、美月、ナナセと少しずつ親しくなっていく。恋愛関係は頼りないが、バスケットボール選手としては非常に優秀で、次年度の部長候補になるほどの実力者である。誕生日は8月21日で、血液型はO型。好きな食べ物はハンバーグ。野菜全般が苦手だが、ナナセには隠している。

山田 レイナ (やまだ れいな)

清凌高校1年4組に在籍する女子。春野美月の友人。身長164センチ、体重48キロ。オレンジ色のロングヘアで前髪を目が隠れるほど伸ばしている。そのマイペースな性格も相まって、独特の雰囲気を漂わせている。男性同士が親しくしている光景を見ることが何より好きな「ボーイズラブ」ファン。そのため清凌高校に入学してからは、男子バスケットボール部の「イケメン四天王」がなかよくしている姿や、試合で活躍する姿をカメラに収めることに情熱を燃やしていた。しかし四人には、ボーイズラブファンであることは明かしておらず、あくまでファンとして振る舞っていた。そんなある日、同じクラスの美月と親しくなり、美月とイケメン四天王の奇妙な関係に驚かされつつも、美月を通じて彼らと交流するようになる。ボーイズラブファンとして、お気に入りの男性たちに異性の友人がいるのは構わないが、恋人は作らないで欲しいと願っている。そのため、美月が永久に思いを寄せていることや、二人が今後交際するかもしれないということについては否定的である。一方で美月を友人として大切に思う気持ちもあるため、なんだかんだで美月の恋愛相談に乗ったり、永久との仲を取り持ったりと世話を焼いている。一方で、イケメン四天王と親しい割には、男子バスケットボール部の動向に疎い美月に対して、時に厳しい指摘をすることもある。誕生日は12月4日で、血液型はAB型。

須藤 マキ (すどう まき)

清凌高校1年1組に在籍する女子。春野美月の友人。女子バスケットボール部に所属している。黒髪のショートボブで、快活でさばさばとした性格をしている。思ったことをはっきりと口にするタイプだが、これが原因でトラブルを起こしがちなことを自覚している。一方で恋愛に関しては奥手で、浅倉永久に思いを寄せているものの、何もできずにいる。美月とは高校1年生のインターハイ予選が近づいたある日、いっしょに応援の横断幕を作ったことで親しくなった。また、この時に山田レイナともなかよくなる。横断幕が完成したあとも二人との交友は続くが、ある日、永久には思いを寄せている女性がいるらしいことに気づき、それが美月ではないかという結論に至る。恋のライバルとして美月に激しく嫉妬しつつも、友人としては嫌いにれないという、複雑な思いを抱えるようになる。

ナナセ

専門学校に通う女子。喫茶店「words cafe.」の店長の娘で、ナナセ自身も「words cafe.」でアルバイトしている。明るく爽やかな印象を与え、オレンジ色の髪をロングヘアにしている。心優しい性格で面倒見もいいことから、周囲には非常に慕われている。引っ込み思案な春野美月とも親しく、姉妹のような関係を築いている。そんなある日、「words cafe.」に自分目当ての「イケメン四天王」が押し掛けるも、宮本瑠衣の勘違いで自分ではなく美月が呼び出されることとなった。この時、彼らが美月に非常に失礼な態度を取ったことや、自分から好きな相手に声もかけられない多田竜二に呆(あき)れ、当初はイケメン四天王のことをあまり快く思っていなかった。しかし、彼らが足しげく「words cafe.」に通ううちに四人の人柄を知り、美月も交えて、少しずつ仲を深めていく。以前、御曹司(おんぞうし)の男性と付き合っていたが、自分とは住む世界が違いすぎるという理由で身を引いたことがある。それ以来、恋愛には臆病になっており、竜二のアプローチに積極的に応えられないのもこのためである。また、将来的には本格的に製菓を学ぶために留学を考えていることも、恋愛に消極的な要因となっている。勉強は苦手で、高校時代は何度も落第しそうになっていた。父親とは非常に仲がいい。

莉乃 (りの)

鳳城(ほうじょう)高校に通う女子。男子バスケットボール部のマネージャーを務めている。ロングヘアをツインテールにし、クールで勝気な顔立ちをしている。神山亜哉に思いを寄せているが告白することができず、彼のマイペースな行動に振り回されている。

廉太朗 (れんたろう)

中学3年生の男子。浅倉永久の後輩で、のちに清凌高校に入学し、男子バスケットボール部に所属する。ウルフカットヘアで、たれ目でまつ毛が長く、左目尻にほくろが一つある。永久の祖父の指導を受けていることもあり、永久とは家族ぐるみで非常に仲がいい。自宅のように浅倉家に入り浸っており、お風呂や永久の服をよく借りている。親しい間柄から永久の人間関係も把握していたが、中学3年生のある日、浅倉家を訪問した春野美月と出会い、永久が女性を家に呼んだことに非常に驚くこととなった。これがきっかけですぐに美月を気に入り、親しくなる。

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