悟り系男子vsチヤホヤ系女子
生まれた頃から周囲から「かわいい」とチヤホヤされてきた美少女の川井モナと、実家がお寺で坊主として修行中の男子、黒岩メダカのカンちがい青春錯綜系ラブコメディ。モナは自分のかわいさにまったく反応しないメダカに腹が立ち、意地でも彼にかわいいと言わせようとするも、意地になればなるほど、メダカを意識して彼に惹(ひ)かれていく。一方のメダカも、実は同年代の人たちとの接し方がわからず、特に女子が苦手なだけで、内心ではモナを意識していた。しかし、坊主の修業中であるため必至に煩悩と戦い、その結果、不愛想な鉄面皮となっていたのである。お互いがお互いを意識しつつも、絶妙なすれ違いによるコメディチックな掛け合いが魅力となっている。
美少女の猛攻
自他共に認める美少女の川井モナは、自分のかわいさを最大限活かす方法を熟知しており、そのテクニックを駆使して黒岩メダカを何とか落そうとする。ボディタッチやかわいさアピールではメダカが落ちないと察したモナは、そのアピールがどんどん過激なものとなり、パンチラや半裸を見せるようになる。しかし根は純情なモナは、自らのきわどいアピールに最終的に後悔してしまうことが多く、それをメダカにフォローされ、さらにメダカを意識してしまうのがお約束となっている。
登場人物・キャラクター
川井 モナ (かわい もな)
東京のとある高校に通う女子。2年A組に在籍している。アイボリー色のセミロングヘアで、スタイル抜群の美少女。子供の頃から異性に人気があり、川井モナ自身も、呼吸をするようにモテると自負している。しかし、華やかな人生を送ってきたために自意識過剰で、ふだんは猫をかぶって明るく人懐っこい女性を演じており、内心では自分を好きにならない男性などいないと思い込んでいる。そんなある日、転校生の黒岩メダカに親切に接するが、彼は自分に好意を持つどころか、まともに会話すらせずに避けられていることに気づく。そこで、自分の魅力を最大限に使って、どうにか振り向かせようと画策するが、いつの間にか自分の方がメダカに恋をするようになってしまう。大阪出身でクラスメイトとは標準語でしゃべっているが、心の中では大阪弁を用いて話している。
黒岩 メダカ (くろいわ めだか)
川井モナと同じ高校に通う男子。2年A組に在籍している。茶色のいがぐり頭に吊(つ)り目が特徴。一見ぶっきらぼうで、少々話しかけづらい雰囲気を漂わせている。2週間前に東京都に越して来たばかりで、実家の猫寺を継ぐために修行僧となり、女性と親しくしてはならないという戒律を守って日常を過ごしている。また、地元には老人と山羊(やぎ)しかいないため、同世代と接する機会がほとんどなく、女性はもちろん男性ともうまくコミュニケーションが取れずにいる。こんな生い立ちから、転校後もクールで近寄りがたいオーラをまとっているが、実際は非常にまじめで心優しい性格をしている。転校後から、クラスメイトのモナになぜか熱烈なアプローチを受けるようになり、その過激な言動に困惑しつつも誠実に対応するうちに、少しずつ距離を縮めていく。女性にまったく免疫がないため、モナを強く意識しながらも、戒律からその感情を素直に認めるわけにはいかず、モナの過激なアプローチに対して無表情で無感情を装っているが、内心はかなり動揺している。
春野 つぼみ (はるの つぼみ)
川井モナのクラスメイトの女子。黒髪をショートカットに整えている。モナに負けず劣らずの美少女だが、中身はモナが思わずひれ伏すほどの善良な性格の持ち主。実はモナの大ファンで、密かに彼女の写真を集めている。実質、盗撮であるため、うしろめたさからモナに近づけずにいたが、モナを観察するうちに彼女と黒岩メダカの関係性に気づく。そこでメダカがモナを脅しているとカンちがいし、彼らの行動を監視するようになるが、すぐにモナがメダカに気があると察する。しかしその行動が、今度は春野つぼみがメダカに気があると、モナにカンちがいさせる結果となり、当初は奇妙な三角関係を築くこととなる。紆余(うよ)曲折の末に、モナからの誤解は解けて彼女と正式に交友を持つようになる。写真の件も謝罪したあとは、モナの許可を得てから集めるようになっている。モナの恋を応援しており、何かと二人の恋路を手助けしている。
湘南 旭 (しょうなん あさひ)
黒岩メダカの後輩の女子。女子バスケットボール部に所属している。バスケの邪魔にならないように髪を後ろで一つまとめにしている。1年生ながら、部内ではすでに頭角を現しており、エースの座を手にしている。小柄なスラっとしたモデル体型で、誰にでもぶっきらぼうで愛想がない態度を取るが、かえってそれが「媚(こ)びない態度」として男女問わず人気を集めている。恋愛にはまったく興味がなく、恋に浮かれる同年代の女子を冷ややかな目で見ていたが、ある日、メダカとすれ違った際に一目惚(ぼ)れする。メダカに付きまとう川井モナが彼に恋をしていることを見抜き、モナに堂々と恋のライバル宣言をする。よくも悪くも実直な性格で、紆余曲折の末にモナの本性に気づいたが、それを秘密にして正々堂々と勝負に挑んでいる。モナからも猫を被(かぶ)らない自身の素を知る人間と見なされ、よくいっしょに行動するようになる。
書誌情報
黒岩メダカに私の可愛いが通じない 16巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2021-08-17発行、 978-4065244906)
第2巻
(2021-11-17発行、 978-4065259320)
第3巻
(2022-01-17発行、 978-4065265918)
第4巻
(2022-04-15発行、 978-4065275405)
第5巻
(2022-07-15発行、 978-4065284988)
第6巻
(2022-09-16発行、 978-4065291290)
第7巻
(2022-11-17発行、 978-4065297087)
第8巻
(2023-01-17発行、 978-4065303504)
第9巻
(2023-04-17発行、 978-4065312360)
第10巻
(2023-07-14発行、 978-4065318898)
第11巻
(2023-09-14発行、 978-4065328927)
第12巻
(2023-11-16発行、 978-4065335543)
第13巻
(2024-02-16発行、 978-4065345726)
第14巻
(2024-05-16発行、 978-4065355121)
第15巻
(2024-07-17発行、 978-4065361573)
第16巻
(2024-10-17発行、 978-4065371343)