昭和アホ草紙 あかぬけ一番!

昭和アホ草紙 あかぬけ一番!

北海道から馬とともにやって来た男子高校生が、幼稚園の宿題のために地球へやって来た異星人の男の子と出会う。男の子からもらった「ミラクルベルト」は、男子高校生に不思議なパワーを与え、彼は誰もが憧れる正義のヒーローになれるはずだった。「ミラクルベルト」とともに、馬と男子高校生、異星人の男の子が次々と騒動を巻き起こすギャグ・コメディ。「週刊マーガレット」1985年17・18合併号から1987年3・4合併号にかけて連載された作品で、1985年10月にはテレビ朝日系列でTVアニメ化もされている。

正式名称
昭和アホ草紙 あかぬけ一番!
ふりがな
しょうわあほぞうし あかぬけいちばん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

北海道から馬のヒカリキンとともに憧れの東京へとやって来た丹嶺幸次郎は、晴れて私立暁高校に入学した。だが、入学初日から校内でいきなり迷子になってしまう。何とか辿り着いた1年雪組の教室で、幸次郎は同じクラスの一の瀬雪華に一目惚れをしてしまい、パンツを見せてほしいと懇願するが、これは奥志賀道成によって力ずくで阻止される。

放課後になり、よからぬ妄想を抱きながらこっそり雪華の後をつけていた幸次郎は、そこで自分の家の方角へと落ちる一筋の怪しい光を目撃する。ヒカリキンにまたがって、光が落ちた方向へと駆けつけた幸次郎は、何やら不思議な物体の中から出てきた小さな男の子と遭遇するのだった。

登場人物・キャラクター

丹嶺 幸次郎 (たんね こうじろう)

私立暁高校の1年雪組に入学した北海道出身の男子高校生。自宅付近の道端で出会ったレル・ボーゲンに「ミラクルベルト」を授けられ、力が増幅したり、物が透けて見えたりするなどの不思議な効果を目の当たりにすることになる。後先のことを深く考えない脳天気な性格で、一目惚れをした一の瀬雪華のパンツを見るためだけにひたすら血の滲むような無駄な努力をあれこれと続けている。

ヒカリキン

丹嶺幸次郎が生まれた時からともに生活しているオスの馬。「競馬界のいぶし銀」と呼ばれたタマヒカルと「天下のサラブレッド」オーロラの血を引く名馬である。人間の言葉は話せないが幸次郎とは意志の疎通ができており、レル・ボーゲンとはなぜか言葉まで通じ合っている。得意技は料理で、幸次郎の食生活を陰ながら支える。

斑尾 歩 (まだらお あゆむ)

薬師丸ひろ子をこよなく愛し、私立暁高校1年雪組の担任として世界史を教える男性教師。一番嫌いなものは、薬師丸ひろ子の良さが分からない人間の心だと豪語している。薬師丸ひろ子によく似た妻がいたがすでに死去しており、彼女の忘れ形見である娘の斑尾菜々子を1人で育てている。菜々子のことはとてもかわいがっているが、鈍感なため複雑な女心を理解できずに悩むことも多い。

奥志賀 道成 (おくしが みちなり)

丹嶺幸次郎と同じ私立暁高校1年雪組の男子で、私立暁高校にはトップの成績で入学した。入学後、すぐに一目惚れした一の瀬雪華のことをいつも気にかけては優しく接しており、それがクラスの女子たちの間でも好印象に映っている。ところが、キザすぎる性格のためか、肝心の雪華からはあまり相手にされていない。オカルト好きのユニークな両親とともに、時代がかったお化け屋敷のような洋館に住んでいる。

一の瀬 雪華 (いちのせ ゆか)

丹嶺幸次郎と同じ私立暁高校1年雪組所属で、男子生徒たちから非常に人気がある女子生徒。美しく清楚な見た目で丹嶺幸次郎や奥志賀道成にたちまち一目惚れされており、クラスでもマドンナのような存在。実はプロレスラーの父親を持ち、幼い頃から続けてきたレスリングで数々の実績を持つ肉体派だが、学校ではか弱い女子を演出しており、過去の経歴はひた隠しにしている。

レル・ボーゲン (れるぼーげん)

宇宙の彼方にあるウェーデルン星の王子様。年齢は4歳で、シュテム幼稚園に通っている男の子。ウェーデルン星人特有の「だに」を語尾に付けた口調が特徴。とある宿題をやるために地球へやって来たところ、道端で偶然にも丹嶺幸次郎と出会う。幸次郎のもとで居候をさせてもらう代わりとして、さまざまな不思議な効果をもたらす「ミラクルベルト」を授けた。 幼稚園児で年が近い斑尾菜々子のことを気に入り、次第に想いを寄せるようになる。

篝川 瑠璃 (かがりがわ るり)

私立暁高校3年風組の女子生徒で、毎年、「ミス暁」に選ばれている美女。大勢の親衛隊や応援団がファンとしてついており、圧倒的な人気を誇る。一の瀬雪華が入学して来たことで「ミス暁」の座が危うくなり、死守するために雪華との対決を繰り広げる。「石橋タカアキ」という名の男子生徒と交際中。

斑尾 菜々子 (まだらお ななこ)

丹嶺幸次郎の担任の斑尾歩の娘で、あかつき幼稚園に通う幼稚園児の女の子。早くに母親を亡くし、現在は歩と2人で暮らしている。父子家庭環境で育っていることもあって性格はとてもしっかりしており、幼稚園児にしてすでにアンニュイな雰囲気を漂わせる大人っぽい一面がある。レル・ボーゲンと仲良くなり、ピンチが起こった際には何かと助けてもらっている。

パラ・ボーゲン (ぱらぼーげん)

宇宙の彼方にあるウェーデルン星の王子様で、レル・ボーゲンの兄。スキンヘッドで、男性とは思えない中性的な美しさを醸しているが、ウェーデルン星始まって以来の変わり者と言われている。実は著名な科学者で、色々な実験に精を出している。レルが持っていた「ミラクルベルト」の開発者でもある。

石打 ワタル (いしうち わたる)

丹嶺幸次郎と同じ私立暁高校1年雪組の男子。私立暁高校きっての秀才と言われている。自分以外の家族は全員が国立T大学にストレートで合格したというエリート家庭に育ち、非常に厳格な祖父・石打渡之介の言いつけによって、試験では常に高得点を取ることを義務づけられている。勉強のストレスから逃れようと、ある事件を起こす。

石打 萌子 (いしうち もえこ)

石打ワタルの姉。名門女子高校を首席で卒業し、現在は国立T大学に通っている女子大生。厳格な祖父・石打渡之介が絶賛するほど清楚で可憐な姿は、どんな男性もたちまち釘付けにしてしまう。非の打ちどころがないほどの要領の良さを誇り、外での顔と家での顔を完璧に使い分けている。

石打 響 (いしうち ひびき)

石打ワタルの兄。国立T大学3回生の男子。ホストクラブ「DAC」にホストとして勤務しており、アルバイトながら店ではナンバーワンの売れっ子。石打萌子と同様に要領が良く、世渡りも相当に上手い。今一つ要領が悪く、祖父の石打渡之介に振り回されているワタルを小ばかにしている。

石打 渡之介 (いしうち わたのすけ)

石打家を取り仕切る男性で、石打ワタルたちの祖父。非常に厳格な性格で、孫といえども容赦せずに厳しく接している。優秀な孫として振る舞っている石打萌子と石打響においては何も言うことはないが、まだ高校生のワタルには特に厳しく接し、時には座敷牢に閉じ込めてしまうこともある。

丹嶺 萬 (たんね まん)

丹嶺幸次郎の祖母で、かわいい物や派手な服装が大好きな女性。高齢ながらフリルを多用したガーリーファッションに身を包み、誰にも真似できない個性的なセンスを持っている。不治の病に侵され先が長くないと言われているが、相当な長生きである。幸次郎のことをいつも気にかけており、ガールフレンドとして紹介された一の瀬雪華を一目見てすぐに気に入った。

プリム

レル・ボーゲンの同級生で、宇宙の彼方にあるウェーデルン星のシュテム幼稚園に通っている女の子。レルよりも一足早く、4歳で小学生になった。ひねくれ者で性格も素直ではないが、本当は女の子っぽくいじらしい一面も持っている。地球にやって来た際、レルと仲が良い斑尾菜々子に小さな嫉妬心を抱く。

野沢 静香 (のざわ しずか)

丹嶺幸次郎と同じ私立暁高校1年雪組の女子で、非常におとなしく物静か。弁当を届けるため、足しげく私立暁高校に通うヒカリキンをかわいがっており、人知れずにんじんを食べさせている。テニス部のエースである穂高に片想い中だが、自分にはとても釣り合わない相手だと思い込んで積極的になれずにいる。

穂高 (ほだか)

私立暁高校の2年生で、テニス部のエースとして女子の間でとても人気がある男子生徒。「軽井沢直美」という幼なじみと公認の仲だが、実は密かに野沢静香に好意を抱いている。ヒカリキンと無邪気に触れ合う静香を、いつも陰ながら見つめていた。

カーミュ

宇宙の彼方にあるステイブル星の王女で、「ステイブル小町」と呼ばれるかわいらしい女の子。ステイブル星人は16歳で成人し、外見が著しく変化するという特徴を持つ。野沢静香に外見がそっくりで、丹嶺幸次郎やヒカリキンを驚愕させた。ヒカリキンと妙に気が合い、お互いに意識し合いながら次第に惹かれていく。間もなく成人を迎えるため、次期王位を狙うブラックホース団に追われている。

タマヒカル

ヒカリキンの父で、ヒカリキンを立派な競馬馬(けいばうま)にするため、東京へ送り出したオスの馬。かつて、競馬界のいぶし銀と呼ばれた名馬中の名馬である。オーロラという妻がいたが、現在は北海道でやもめ暮らしをしている。競馬馬にはならず、丹嶺幸次郎の世話ばかり焼いているヒカリキンを情けなく思い、北海道へ連れ戻そうと画策する。

黒姫 大和 (くろひめ やまと)

丹嶺幸次郎と同じ私立暁高校1年雪組に、ニューヨークから転校して来た謎の男子生徒。アメリカナイズされた振る舞いで、クラスの女子生徒たちをあっという間に虜にした。転校初日に一の瀬雪華を一目見て気に入って何かと取り入ろうとしており、その大胆で強引な行動は、雪華の心もときめかせた。のちに、なぜか幸次郎の家に居候することになる。

紫藤 すみれ (しとう すみれ)

私立暁高校に数学の教師として赴任してきた美しい女性。あまりの美しさに男子生徒たち全員が見惚れてしまい、1年雪組ではほとんど授業が進まない。既婚者ではあるものの、妖艶な容姿で性別を問わず学校中の生徒や教師たちを骨抜きにし、洗脳することで意のままに操っては校内で不思議な植物を栽培させる。

菅平 涼子 (すがだいら りょうこ)

私立桃尻女子学院に通っている女子生徒。危うく交通事故に遭いそうになったところを丹嶺幸次郎に助けられ、それがきっかけで幸次郎のことをいたく気に入った。ロックが大好きで、学院の文化祭では魅力的な歌声を披露する。菅平涼子が大切にしているギターに幸次郎を思わせるイニシャルが入っていたため、一の瀬雪華を少しだけ苛立たせることとなる。

轟 響子 (とどろき ひびこ)

花園学院で音楽講師を務めている、知的な女性。知人の紹介で斑尾歩とお見合いをし、歩のことを一目で気に入った。異様なまでに思い込みが激しく、歩とはたった一度会っただけにもかかわらず、まるで妻のように振る舞っている。結婚前から斑尾菜々子の教育方針を勝手に決めてしまい、菜々子に押し付けようとする。

高天 星美 (たかま ほしみ)

斑尾菜々子が通うあかつき幼稚園で働く女性教諭。父兄や子供たちから人気があり、菜々子も信頼のおける大人の1人としてとても懐いている。密かに斑尾歩のことを想っているが、自分の立場や菜々子のことを考え、本当の気持ちを打ち明けることができずに思い悩んでいる。

丹嶺 雪美 (たんね ゆきみ)

丹嶺幸次郎と黒姫大和が、レル・ボーゲンのタイムマシンで未来へ行った時に出会った女の子。未来の私立暁学院に通い、幸次郎と同じ名字で、さらに一の瀬雪華と瓜二つだが、雪華や幸次郎と血縁関係があるかどうかは明らかにされていない。通俗ギャグマンガを描いた罪により、未来ではお尋ね者となっている。

篝川 ルンナ (かがりがわ るんな)

篝川瑠璃の孫にあたる女の子で、未来の私立暁学院に通っている。おしとやかで物静かだったが、クラスメイトにからかわれ、優等生としての立場からアホタリ族を撲滅するために一肌脱ぐことになる。これがきっかけとなり、未来の世界に大きな変化をもたらすことになる。

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