概要・あらすじ
国家が統一され、地球国として国が成立している30世紀。その地球国の姫である朱臣響古は、普通の生活を送りたいと毎日身分を隠して高校に通っていた。しかし誕生日に行われる式典で、響古は姫として表舞台に立たざるをえなくなってしまう。それを回避する条件として国王が提示したのは、妹の朱臣憂姫を眠りから目覚めさせ、憂姫に公務をやらせることだった。
平穏な日々を続けるため、響古は憂姫を眠りから目覚めさせるために奔走することになる。
登場人物・キャラクター
朱臣 響古 (すおみ きょうこ)
地球国第一王女で、16歳。朗らかな性格で、ボケからノリ突っ込みまでも見事にこなす。身分を隠して高校に通っていたが、誕生日の式典に出席すると身分がばれるため、仕方なく高校を辞めようと考えていた。しかし、妹の朱臣憂姫を眠りから目覚めさせれば、式典に出席しなくてもいいという約束を国王と交わしたことで、憂姫を目覚めさせるために、異邦人たちを探し始める。 神逆滝と神氷月は朱臣響古のボディガードとしていつも一緒にいて、響古は逆滝に想いを寄せている。響古は国王から渡された時空石が反応し、時空異邦人となる。
神 逆滝 (じん さかたき)
朱臣響古のボディガードを務める、ちょっと堅物な18歳の少年。響古が高校に通っていた時は、年を誤魔化して響古と同じクラスに通っていた。普段は寝る時もお風呂に入る時も響古と一緒。神氷月は兄にあたるが、血は繋がっていない。竜族のキリトであり、かつて魔族によって一族が皆滅ぼされている。過去へ飛んだ際に、竜族が滅ぶ前に幼い神逆滝が持っていた水晶が反応し、水晶異邦人となる。
神 氷月 (じん ひづき)
朱臣響古のボディガードを務める、たれ目の22歳の青年。響古が高校に通っていたときは教員免許を取り、教師として学校に潜入していた。普段は寝る時もお風呂に入る時も響古と一緒。神逆滝は弟にあたるが、血は繋がっていない。実は魔族で、持っていたリ＝ナイトが反応し、魔氷異邦人となる。
ウィドシーク
盗賊一団「木端微塵」の首領の青年。キリトである桃人華蓮を286番目の彼女にしようとした。世界中に数多の彼女がいると公言しているが、本当かどうかは明らかにされていない。朱臣響古に好意を抱いており、何かにつけて付きまとう。木耳満が主催する闇オークションから華蓮を助けるために、響古のファーストキスを奪った。 実は黄西砂来の実の兄で、蛇族を出奔した身。
朱臣 憂姫 (すおみ ういひめ)
朱臣響古の妹で地球国第二王女。生まれてからずっと眠り続けており、朱臣憂姫を起こすためには、12人の異邦人を集め、憂姫に力を送る必要がある。食欲旺盛で、花より団子な性質。実は響古の体は憂姫のもので、眠り続けていた姿は立体映像だった。
国王 (こくおう)
朱臣響古と朱臣憂姫の父親。のんびりした人柄で、アンドロイドのちょこらと常に一緒にいる。ちょこらと一緒にいる理由は、亡くなった妻の季結に似ているから。響古に異邦人を集めて憂姫を眠りから目覚めさせるように指示した。
桃人 華蓮 (ももひと かれん)
華族のキリトの長で、16歳の少女。華族のキリトは宮廷専属の踊り手として、首都内に保護されている。男性恐怖症で、男性に触れるとじんましんや涙が出てしまうが、木耳満にはその症状が出なかったため、運命の人だと思い込む。しかし、木耳が桃人華蓮を闇オークションで売ろうとしていたことを知り、彼と別れる。代々華族の体に受け継がれる天界の華「セント・ラヴァーズ」の実に反応し、桃華異邦人となる。
黄西 砂来 (おにし さらい)
蛇族のキリトの長で、19歳の少年。蒼波水乃に惚れていて、何度も「付き合ってほしい」と告白しているがすげなく断られている。さばさばした性格で、初めて出会った朱臣響古のことを悪気なく「ちんちくりん」と揶揄した。6年前に雨ごいをするために封印を解いてしまった雷鳴石に反応し、雷鳴異邦人となる。
蒼波 水乃 (あおなみ みずの)
魚族のキリトの長、18歳の少女。黄西砂来に「付き合ってくれ」と何度もせがまれており、そのすべてを断っている。魚族の長としてはまだ未熟な部分もあり、その大半をラルツォーネに頼っている。流水石を得て、流水異邦人となってからは、長としての自覚に目覚める。
銀牙 (ぎんが)
蒼波水乃の兄。ウィドシークが首領を務める盗賊一団「木端微塵」の主治医で、炊事全般も担当している。ウィドシークが蛇族にいた頃から、ウィドシークの体にある呪いのことを心配しており、何かにつけて彼の世話を焼く。
木耳 満 (きくらげ みつる)
桃人華蓮を好きになり、半同棲していた青年。実は闇オークションの常連で、華蓮に近づいたのも、華族のキリトの長としての価値がある華蓮を売り飛ばそうとしていたためだった。華蓮を助けにきた朱臣響古たちによって闇オークションも潰されてしまう。
ラルツォーネ
魔族の女性。魚族の海の牢屋に閉じ込められ、長い年月そこから出たことがない。しかし、蒼波水乃の相談ごとには耳を貸し、彼女に牢屋を開けさせるためにあれこれ入れ知恵をしていた。牢屋が開いた途端に水乃にかみつくが、黄西砂来によって倒されて石にされる。
クロノス
朱臣響古の本当の父親。時の神で、精神体で過ごしている。本来は響古も精神体だが、クロノスが国王に頼んで朱臣憂姫の体を使わせてもらえるようにしたため、彼女は人間の体で生活している。ちょっと寂しがり屋で、響古と会えなくなると寂しがる。
集団・組織
キリト
地球上の生物のDNAを組み合わせた新種人間の総称。ほとんどのキリトは自分たちの村で生活しており、宮廷専属の踊り子の華族のキリトだけが例外。華族であれば、体の周囲に花びらが舞い、魚族であれば海の中で生活することができるなど、各キリトによって特徴や生活圏が違う。
魔族 (まぞく)
不死不滅といわれる種族。本来はこの時代にいる種族ではなく、500年後からやってきた生命体。500年後は魔族が人間を食べ尽くしたせいで人間が絶滅し、ラルツォーネたち魔族は時空のひずみから過去へ飛び、人間という食料を探しに来ていた。魔族は殺されそうになると石化し、その石は割ることができないため、不死不滅といわれている。
異邦人 (すとれんじゃー)
朱臣憂姫を助けるために必要な12人のメンバーのこと。憂姫の眠る床には時計が描かれており、それぞれに対応する異邦人が必要となっている。朱臣響古が探した異邦人の特徴は各キリトの長であることで、キリトの族長たちに集合をかけて集まった。12人の異邦人には「時空異邦人」「水晶異邦人」などの種類があり、それぞれの異邦人の名前に基づいた能力を持っている。 例えば、時空異邦人であれば、時を移動する、時を止める、など。
場所
地球国 (ちきゅうこく)
30世紀では地球は1つの国家として機能しており、地球国と名を変えた。現在の地球国には国王と双子の娘、朱臣響古と朱臣憂姫がいる。地球国ではキリトを積極的に保護している。特に華族は宮殿の舞姫として、首都に保護されている。
その他キーワード
時空石 (じくうせき)
国王が朱臣響古に朱臣憂姫を目覚めさせるアイテムとして渡したもの。響古は時空石の覚醒のため、色々な手段を試したが、どれも成功しなかった。最終的にウィドシークの魔の手から桃人華蓮を守るために発揮した、響古の気高さに反応し、タイム・スコーピオン・ケインとなる。
水晶 (すいしょう)
神逆滝が幼い頃に持たされていた竜族の宝。特に幼い頃は意味もなく持たされていたが、神氷月の手に渡っていた。竜族の滅ぶ過去に飛んだ朱臣響古の手によって、氷月の落とした水晶は拾われる。逆滝を水晶異邦人として覚醒させる道具になった。
桃華石 (とうかせき)
幻の天界の花「セント・ラヴァーズ」の中に入っている石。キリトである華族の長の体に代々受け継がれているもの。「セント・ラヴァーズ」の中心に入っている実は「桃華石」と呼ばれるもので、桃人華蓮を桃華異邦人として覚醒させる道具になった。
雷鳴石 (らいめいせき)
朱臣響古たちが異邦人を求めて黄西砂来のもとを訪れた際に、蒼波水乃によって奪われていた石。6年前の日照りの時に、蛇を生贄にして雨ごいの道具として使われて以来、雷鳴石には天候を変える力が宿った。砂来を雷鳴異邦人として覚醒させる道具になった。
流水石 (りゅうすいせき)
朱臣響古たちが異邦人を求めて蛇族の村へ来た時に、海の中の檻に閉じ込められたラルツォーネが所持していた石。ラルツォーネが黄西砂来の攻撃を受けて石になった後、蒼波水乃は響古と共に過去に遡り、銀牙から流水石を奪った。水乃を流水異邦人として覚醒させる道具になった。
タイム・スコーピオン・ケイン (たいむすこーぴおんけいん)
朱臣響古の手によって時空石が変化した姿。「杖ちょん」と呼ばれることの方が多い。響古の気高さに反応し力を引き出し、時を止めたり、タイムスリップすることができる。また、異邦人を覚醒させる呼び水となる。実は時を司る神、クロノスそのもの。
リ＝ナイト (りないと)
魔族を百人切り裂いて、その怨念を力に変えた剣。呪いの剣と言われており、本来殺すことのできない魔族を殺すことのできる唯一の剣。現在の所有者は神氷月。剣ではあるが石としても機能し、氷月を魔氷異邦人として覚醒させる道具になった。
愛・椎 (あいしい)
朱臣響古の好きな洋服ブランド。レースが独特で可愛らしく、そのすべてのレースの作成と管理を総括役のユミ先生が行っている。普段響古が着ている服はすべて愛・椎のもので、ウィドシークに結婚を申し込まれた時のウエディングドレスも愛・椎のものだった。
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