暗号名はBF

暗号名はBF

中学生とスパイ、2つの顔を持つ少年が、変身能力などを駆使してテロリストや秘密組織などの謀略に立ち向かっていく。「週刊少年サンデー」2004年7号から37号にかけて連載された作品。

正式名称
暗号名はBF
ふりがな
こーどねーむはべいびーふぇいす
作者
ジャンル
その他サスペンス・ミステリー・ギャンブル
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作風

スパイアクションが題材。主人公の七海団が特殊能力を使い、女性から情報を引き出し、その情報をもとにテロリストと戦うというのが主な流れとなっている。また、ギャグ要素として、団の中学生とスパイの二重生活におけるジレンマなども描かれており、大人の格好良さと、子供の純粋さの双方を楽しめるようになっている。

あらすじ

ギャンビットに所属する諜報員という裏の顔を持つ七海団。彼はひとたび世界に危機が迫ると、SOMAを打つことで大人の姿に変身し、秘密裏に事件を解決する。今回の標的は、化学者の沢本冬美。彼女は、恋人の相田憂が国際テロリストであることを知らずに、彼の要請に応じて薬品の横流しをしていたのである。団は相田の所在と、彼を逮捕するための証拠を聞き出すべく、冬美と接触する。

登場人物・キャラクター

七海 団 (ななみ だん)

諜報組織ギャンビットの特務養成課に所属する中学生の少年。コードネームは「BF」。日本人であるパパと、クリプト王国出身である七海・アン・クリプテン・ローズマリーⅣ世の間に生まれたハーフ。SOMAを体内に取り込むと、77分7秒の間、大人の姿に変身できる。この間は身体能力が大幅に向上するほか、誘う目と呼ばれる特殊能力を使用できる。 七海団はこの能力を用いて、犯罪者や企業と関与していると思しき女性から、情報を入手することを主な任務としている。ただし、団本人は、身体が大人になっても精神は子供のままであるため、大人の女性には微塵も興味はなく、あくまで仕事という形で接している。逆に、そのクールな仕草が、余計に女性たちの心を掴む結果となっている。 スパイであることは、学校や家族には内密。平時は中学校に通っているが、スパイ活動における疲労がたたり、学校の成績は芳しくない。注射が嫌いで、SOMAを注射される時は、いつも悲鳴を上げている。

マジョラム

諜報組織ギャンビットに所属している女性。七海団の助手を務めている。マジョラムはコードネームで、「丸条」と呼ばれることもあるが、本名は不明。看護師としての資格を所有しており、SOMAの管理や注射、機密文書の解読、団の素性を隠すための工作など、団のサポートに従事する。しかし常にテンションが高いうえに、団をからかって楽しむところがある。 さらに注射をするのが好きで、SOMAを打つ時は極めて上機嫌になる。このため、団からはむちゃくちゃな女と評されているが、能力の高さから仕事においては信頼を置かれている。

オリバー

諜報組織ギャンビットの極東支部の局長を務めている老年男性。レン・クリプテンの弟で、七海団の大叔父。七海・アン・クリプテン・ローズマリーⅣ世の叔父でもある。七海家では好々爺として振る舞っているが、公私混同をよしとしておらず、ギャンビットでは団を厳しく指導している。このため、団とは口喧嘩をすることも多いが、内心では強く信頼し合っている。

八角・ボガード・クリプテン (やすみぼがーどくりぷてん)

諜報組織ギャンビットの特務養成課に所属する少年。コードネームはGD(ガーディアン)。かつては痩せていたたようだが、現在は太り気味の体型をしている。しかし、SOMAを注射すると、66.6秒の間、大人の姿を取ることができ、この時はスマートな体型を維持できる。また、見切る目と呼ばれる特殊能力が使用可能で、相手のあらゆる攻撃を瞬時に分析し、完全にガードすることができる。 そのため、ギャンビットでも有数の戦闘能力を誇り、アマルガンの工作員を易々と無力化することも可能。七海団、およびプティ・クリプテン・なつめとは、普段は馬が合わないが、任務においては足りない部分を補い合うことも多い。

プティ・クリプテン・なつめ (ぷてぃくりぷてんなつめ)

諜報組織ギャンビットの特務養成課に所属する少女。コードネームは記憶屋(ネモニック)。SOMAに反応が出ていないため、大人になることはできないが、写す目を活かした瞬間記憶能力により、組織の情報戦に大きく貢献している。七海団とは幼なじみで、密かに想いを寄せているが、彼が年上好みと誤解をしている。そのため、団がBFとしての任務で女性と接触すると、途端に不機嫌になってしまう。

獅童 クルト (しどう くると)

諜報組織ギャンビットに所属する少年。コードネームはWZ(ウィザード)。面倒見のいい性格で、運動神経が優れており、3つ年下の七海団からは教官と呼ばれて慕われている。反面、適当な一面があり、面倒なことは部下のリカリスに丸投げすることもある。SOMAを注射すると大人になることができ、その際に用いられる統べる目の力と、先読みの鋭さで敵を欺き、退けることを得意としている。 しかし、世界に恒久的な平和が訪れると、スパイの居場所がなくなることに内心恐れを抱いており、そこを突かれる形で、アマルガンに寝返ってしまう。

リカリス

諜報組織ギャンビットに所属している女性。獅童クルトの助手を務めている。佐世保出身の日本人だが、本名は不明。マジョラムと似たような立場にある。有能である点は共通しているが、性格の方は見事なまでに正反対で、適当な性格のクルトのフォローに回されることもある。クルトがアマルガンに寝返った際も馳せ参じており、ともにギャンビットと敵対する姿勢を見せた。

七海・アン・クリプテン・ローズマリーⅣ世 (ななみあんくりぷてんろーずまりーよんせい)

七海団の母親。レン・クリプテンの娘で、オリバーの姪でもある。過剰なまでに家族想いで、クリプト王国の流儀に則って、月に一度結婚記念日を祝っている。特に団に対しては過保護そのもの。彼に何かあるたびに泣いたり喜んだりと、感情をわかりやすすぎるほどに露にする。なお、団がギャンビットに所属していることは知らない。

パパ

七海団の父親で、温厚で家族思いな日本人の男性。妻である七海・アン・クリプテン・ローズマリーⅣ世の過剰な家族愛に振り回されることも多いが、夫婦仲は極めて良好。なお、団がギャンビットに所属していることは知らない。

七海 蘭 (ななみ らん)

七海団の妹で、小学生の女の子。無邪気ながらもしっかりとした性格。二重生活で朝に弱くなっている団を起こしてあげたり、母親である七海・アン・クリプテン・ローズマリーⅣ世が暴走するたびにフォローしている。団がギャンビットに所属していることは知らないが、何かを隠しているのではないか、と疑いの目を見せることがある。

西島 星佳 (にしじま せいか)

七海団が通う中学校で教師を務めている女性。団がギャンビットに所属していることを知らず、二重生活で疲れているため授業に身が入らない彼を、だらけていると考えている。しかし、団が本庄あすかに想いを寄せていることを知っており、彼女が園芸部で作業するのを手伝わせたりするなど、生徒想いの一面もある。

本庄 あすか (ほんじょう あすか)

七海団のクラスメイトの少女。団から想いを寄せられているが、まったく気づいていない。おっとりとした心優しい性格で、スパイとの二重生活で疲れた団の癒しとなっている。学校では園芸部に所属しており、団とともに花壇の世話をした時は、そのおっとりした様子からは想像しづらい、逞しい一面を見せた。

沢本 冬美 (さわもと ふゆみ)

化学研究所に勤務している女性。テロリストの疑いをかけられている相田憂と関係を持っているとして、ギャンビットからの捜査対象とされる。相田を本気で愛しており、七海団の誘う目を受けても、情報を漏らすことはなかった。しかし、相田の部下に拉致されるところを団に助けられ、自分は利用されていただけだ、ということに気づいてしまう。

相田 憂 (あいだ ゆう)

国際指名手配犯の男性。爆弾や細菌兵器などを用いてテロ行為を繰り返してきた。沢本冬美と愛人関係にある。ギャンビットからは、彼女の研究データを奪って、新たな毒ガスを開発しようとしている、と疑われている。手下に冬美を拉致させ、彼女とともに海外へ逃亡しようとする。冬美に対しては、利用するために近づいていたが、ともに過ごすうちに多少の情が移ってしまった様子。

ジャンヌ・ペラン (じゃんぬぺらん)

フランス人の女性科学者。核開発の主任を務めていた。彼女の持つ情報を求めた組織によって誘拐され、日本に停泊している船に監禁されていると思われていた。ギャンビットは、彼女を救出するために七海団を派遣した。しかし実際は、祖国の扱いをよしとせず、自由を求めて他国の情報部と結託して行った狂言誘拐を演じており、救出に訪れた団を陥れようとする。

ルサルカ

本名、性別、年齢の一切が不明とされているロシア人の凄腕狙撃手。ザミビア共和国の内務大臣暗殺や、チルギスタン自治区の分離独立派活動家暗殺などの実行犯とされている。ギャンビットからも要注意人物として警戒されている。また、ターゲットの付近を銃撃して「狙撃予告」を残す、といった奇妙な癖を持つ。

ボリス・ゴリツェン (ぼりすごりつぇん)

元情報部高官のロシア人男性。日本に亡命した。ゴルフが趣味で、特に高額の賭けゴルフを好んでいる。亡命後の処遇を巡って日本政府と折衝中だったが、暗殺者であるルサルカに命を狙われていることが、ギャンビットの調査で判明する。その結果、七海団は、諜報員であることを明かさぬまま、ゴルフをしながらボリス・ゴリツェンをルサルカから守るという、困難なミッションを課せられてしまう。

ビアンカ・ロゼッティ (びあんかろぜってぃ)

シチリア人の女性。ジョゼフ・ガリアーニのもとで生活していたが、彼の横暴な振る舞いに嫌気がさし、FBIに身柄の保護を求めた。しかし、FBIからはガリアーニの悪事を洗いざらい証言することを求められ、こちらでも身の危険を感じてしまう。そのため、半ば自暴自棄になっており、ボディガードとしての任務に就いた七海団、および八角・ボガード・クリプテンを、終始邪険に扱っていた。 しかし、ビアンカ・ロゼッティの身を守るため命を懸ける彼らに希望を見出し、FBIの申し出を引き受けた。

ジョゼフ・ガリアーニ (じょぜふがりあーに)

シチリア人の男性。ビアンカ・ロゼッティを愛人として囲っていた。ニューヨークのマフィアを統べる頭目で、ギャンビットからも要注意人物とされている。粗暴かつ執念深い性格の持ち主で、愛人であるはずのビアンカに日常的に暴力を振るっていた。さらには彼女がジョゼフ・ガリアーニのもとから逃げ出すと、暗器使いを暗殺者として差し向け、確実に抹殺しようとする。

暗器使い (あんきつかい)

ビアンカ・ロゼッティを抹殺するため、ジョゼフ・ガリアーニに雇われた暗殺者。老齢の域に達している男性ながら、戦闘能力はマフィアのチンピラたちとは比較にならず、八角・ボガード・クリプテンすら苦戦させるほど。「ブレード・グラブ」と呼ばれる、刃が仕込まれたグローブを身に着けており、拳の一撃で相手を死に至らしめることすら可能。 そのためボガードには暗器使いと呼ばれているが、本名は不明。

新解 誠 (しんかい まこと)

七海団のクラスメイトの男性。陰謀論が大好きで、世界情勢に目を光らせつつ、その裏にある陰謀を暴こうとしている。外国の通販サイトを利用するなど、知識は豊富。しかし、興味のないことはすべて聞き流してしまうため、学校の成績は極めて悪い。なお、スパイに対する関心も人一倍。ギャンビットの存在こそ知らないものの、将来はスパイを統括する組織に携わりたいと言って、団を驚かせている。

エル・ポト (えるぽと)

民主化以前のオニキス共和国で、軍政指導者を務めていた老年の男性。かつては「近代化の父」と呼ばれていたが、軍政時代に敷いていた恐怖政治を問題視され、現在は政治の世界から遠ざかっている。狭心症を患っており、治療のためにサイファたちSPを連れて来日。現在は小石川大学附属病院に入院している。

サイファ

エル・ポトの側近、およびSPを務めている男装の麗人。常にエル・ポトの側に控えており、身の回りの世話を一手に引き受けている。SPとしても一流で、エル・ポトからも絶大な信頼を置かれている。しかし実際は、オニキス共和国の現政権の指令でエル・ポトを謀殺しようとしており、それに感づいた七海団と水面下で争うことになる。

新出教授 (にいできょうじゅ)

小石川大学附属病院で循環器内科を担当している中年の男性。オニキス共和国から訪れたエル・ポトの担当をしている。サイファを始めとしたSPたちの圧力に翻弄されており、気の休まらない日が続いている。しかし実際はサイファの協力者で、エル・ポトを謀殺するための舞台を整えるべく、秘かに協力していた。

マックス・シャルニエ (まっくすしゃるにえ)

ギャレット社のオーナーを務めている男性。愛人である阮玲玉にギャレット社の経営を任せており、マックス・シャルニエ本人は、テロリストのバックアップや、ネットワークの構築などのため、世界各地を飛び回っている。玲玉に対しては重苦しいといえるほどの愛情を注いでおり、彼女が男性と親しくしているところを見るだけで、人目もはばからず滂沱と涙してしまう。

阮 玲玉 (くぁんりんゆい)

マックス・シャルニエの愛人で、ギャレット社の社長を務めている女性。自己顕示欲が強く、潜入した七海団の誘う目を受けて、彼を大いに気に入り、プティ・クリプテン・なつめの嫉妬を買うことになる。マックスを愛してはいるが、彼の重い愛情表現には、時折ついていけないといった様子を見せる。

エマ・ガーネット (えまがーねっと)

表向きは、ボルジア公国の大使館で一等書記官を務めている女性。しかし実際は、国の情報部に所属している工作員。優秀な身体能力と美貌のため、本国では「浮気女」のコードネームで呼ばれている。日本の防衛省の幹部職員に色仕掛けで近づき、大陸弾道ミサイルのデータを入手。しかし、密かにボルジアをマークしていたギャンビットにより七海団が派遣され、彼の誘う目を受けて、逆に虜にされてしまう。

アニス

諜報組織ギャンビットに所属している女性。オリバーの秘書官を務めており、報告や車の運転などを一手に引き受けている。冷静沈着な性格で、七海団とマジョラムが独断で動き出したことを報告した際も、狼狽えるオリバーをよそに、自然体のまま対策を求めた。

ドクター・ミント (どくたーみんと)

諜報組織ギャンビットの医療部門に所属している女性。構成員の体調管理や、彼らの持つ特殊能力の調査、SOMAの管理などを担当している。七海団が獅童クルトに統べる目をかけられた際は、その暗示を説く手助けをする。また、オリバーやマジョラムに対して、クルトの持つ能力についての見解を述べている。

官房副長官 (かんぼうふくちょうかん)

日本政府で官房副長官を務めている中年の男性。ギャンビットの極東支部と行動をともにしている。脅しに屈しやすく、獅童クルトのハッタリにあっさりと屈して、アマルガンに金を支払うよう、内閣総理大臣に掛け合ってしまう。

パズス

アマルガンのメンバーで、自らを代理人と名乗る青年。ギャンビットを裏切った獅童クルトとリカリスの前に現れ、その際に一瞬であるが、七海団とも顔を合わせている。のちに、クリプト王国と永劫王の会談の場である客船にも現れ、その際はタンクレディ次官と名乗り、永劫王に潜伏していた。しかし、先んじて潜入していたアマルガンの構成員たちと結託し、客船を占拠。 クリプト王国と永劫王の上層部を人質に、ギャンビットの持つスパイリストを強奪しようとした。

ショコラン・ファルマ (しょこらんふぁるま)

アリシュ王国大使の娘で、中学生の少女。アリシュ大使館におけるギャンビットの任務のため、先んじてプティ・クリプテン・なつめが同級生として接触し、友人関係となっている。惚れっぽい性格で、大人になった七海団に対し、誘う目を使われることなく夢中になってしまう。

アフラン・ファルマ (あふらんふぁるま)

アリシュ王国大使夫人で、ショコラン・ファルマの母親。アリシュ大使館におけるギャンビットの任務のため、七海団の誘う目を受けて彼の虜となり、すり替え任務の対象となる茶碗がある収蔵室への道案内をさせられる。このため、ショコランとともども、団に想いを寄せているようになるが、お互いにそれは気づかないまま終わった。

ワヘッド

アリシュ王国大使館に勤務しているSP。大使の収蔵室の警備をしている男性。アフラン・ファルマに近づいて、ともに収蔵室へ赴く七海団を不審に思い、近づかないよう、団に忠告を残した。団や八角・ボガード・クリプテンが認めるほどの実力者で、収蔵室に近づくものは女子供でも容赦しない、本物の「プロ」である。

パティ・パフューム (ぱてぃぱふゅーむ)

クリプト王国の王室官房長を務めている女性。コードネームは「アムネジア」。クリプト王家の血を引いており、裁く目と呼ばれる特殊能力を持つ。既に大人であるため、SOMAを使用する必要はない。SOMAを使える特務養成課のメンバーと比較すると、戦闘能力は劣っている。アマルガンの計画を阻止した七海団に興味を抱いており、彼をクリプト国王と引き合わせ、さらにクリプト王国と永劫王の会談の場となる客船に乗り込む。 そこでパズス率いるアマルガンと一戦を交えることとなる。

クリプト国王 (くりぷとこくおう)

クリプト王国の国王。諜報組織ギャンビットのトップも務めている老年の男性。千耳千眼を持ち、あらゆる噓を見抜くと言われているため、クリプト国王の前で噓をつくことはご法度とされている。また、長く諜報の世界に身を晒してきたため、自らの目で見て、耳で聞いたものしか信じない。東京でアマルガンの計画を阻止した七海団に興味を抱き、パティ・パフュームに命じて自らのもとまで招き寄せた。

サリーナ公爵 (さりーなこうしゃく)

永劫王の長官を務めている男性。ギャンビットを擁するクリプト王国との会談のため、部下を伴って来日する。しかし、副官であったタンクレディ次官が、実はアマルガンのパズスであったことが判明。彼の反乱により部下のほとんどを失い、サリーナ公爵自身も拘束されて、取引のための人質とされてしまう。

レン・クリプテン (れんくりぷてん)

七海団の祖父で、オリバーの兄。団同様、幼い頃からギャンビットに所属しており、先代マジョラムとともに諜報員として活動している。退屈を嫌う性格で、第2次世界大戦中は、敵対する軍の潜入工作や情報収集などの危険な任務を独断でこなしていた。そのため、「危険を買う男」と呼ばれ、命令によって後方支援に回されていた。 その際中、日本帝国陸軍の葵と出会い、彼女が持って来たSOMAの試作品を巡ってテロリストと交戦。彼らを欺くために振りまいたガス状のSOMAを吸い、偶然ながら大人の姿に変身した。この結果、レン・クリプテンは世界初のSOMA被験者として、ギャンビットに知られることとなった。

先代マジョラム (せんだいまじょらむ)

第2次世界大戦中に、諜報組織ギャンビットに所属していた女性。レン・クリプテンの助手を務めている。七海団の助手である現代のマジョラムとは当然ながら別人。彼女が団を振り回しているのに対し、先代マジョラムはレンの行動に振り回されがちである。ただし、看護師としての技量は卓越しており、重傷を負っていた葵を、わずかな時間で治療する腕前を見せている。

(あおい)

第2次世界大戦中に、大日本帝国陸軍の参謀本部に所属していた女性。ギャンビットから委託されて開発していたSOMAの試作品を持ってドイツを訪れた。それを聞きつけたギャンビットの敵対組織から急襲を受け、重傷を負っていたところをレン・クリプテンと先代マジョラムに助けられた。彼女の持っていたSOMAはガス状のもので、成功する確証はなかった。 しかし、レン自身が大人に変身したことにより、偶然ながらも効果が実証されている。

集団・組織

ギャンビット

七海団らが所属している諜報組織。世界の平和を目的として、クリプト王国で設立された。戦争やテロの阻止や、国際犯罪者やテロリストの捕縛などが主な任務となっている。構成員は、子供であってもSOMAを使うと、一定時間の間大人の姿を取ることができる。そのうえに、誘う目などの特殊能力を使って、戦闘や諜報を有利に行うことができる。 そのため、多くの国家機関がギャンビットに一目置いている。

特務養成課 (えんぶりお)

ギャンビット内の1部隊。クリプト王国の王家の血を引く少年少女によって構成されている。彼らは幼い頃から王家の血統の生んだ特殊能力を持つ。「養成」は言葉のうえでだけで、実際は訓練のほかに、特殊能力を活かしたミッションにも当たっている。組織の中でもエリートとして扱われることが多い。

アマルガン

ギャンビットと敵対関係にある新興のスパイ組織。ギャンビットとは反対に、世界の混乱を望んでいる節があり、さまざまな国家の情報を盗み出しては、テロ組織などに提供している。現在の世界に不満を持つものが主に在籍しており、ギャンビットの構成員に対しても、水面下で積極的な引き抜きを行っている。

永劫王 (あぶらくさす)

ギャンビットと交流を持つ国連直属の情報部。各国に被害を及ぼしているアマルガンを危険視しており、対策のために、横浜に停泊している客船で会談を持つ予定だった。しかし、次官として潜入していたアマルガンのパズスによって、長官のサリーナ公爵が囚われの身とされてしまう。

場所

クリプト王国 (くりぷとおうこく)

ヨーロッパで最も小さく、最も古い歴史を持っているという王国。この国に生まれた人間は、SOMAを用いて大人の姿に変身したり、また、特殊な能力を宿した目を持って生まれてくる者もいる。そのため、これらの能力を利用して諜報活動を行うスパイを多く輩出しており、ギャンビットと呼ばれる諜報組織を設立している。

オニキス共和国 (おにきすきょうわこく)

近年になって民主化した共和国。それ以前は長らく軍政が敷かれており、最後の軍政指導者であるエル・ポトの手により、目覚ましい発展を遂げた。しかし一方で、エル・ポトの政策は恐怖政治とも言われており、民主化した現在の指導者や国民からは、暗部として認識されている。

小石川大学附属病院 (こいしかわだいがくふぞくびょういん)

かつてオニキス共和国の指導者だった、エル・ポトが療養している病院。狭心症を治療するために訪れたとされていたが、実際は現政権による謀殺のための舞台として利用されていた。七海団の活躍によって計画は露見し、主犯格であるサイファが観念して計画を中断。エル・ポトは無事に回復し、事件は解決した。だが、その最中に団は虫垂炎を患ってしまい、小石川大学附属病院にしばらく入院する羽目になった。

ギャレット社 (ぎゃれっとしゃ)

マックス・シャルニエがオーナーを、阮玲玉が社長を務めている会社。表向きは絵画を扱う商社とされているが、裏ではアヘンを密売しており、その売上金をテロリストに上納している。これに対してギャンビットは、七海団とプティ・クリプテン・なつめを潜入させ、密売の証拠をつかむことに成功。これをもとに官憲の一斉摘発を受け、あえなく消滅した。

ボルジア公国 (ぼるじあこうこく)

ギャンビットより、テロ支援国家の嫌疑がかけられている公国。日本の防衛庁が極秘に入手した長距離弾道ミサイルの設計図を盗み出し、テロ組織に売り渡そうとしていた。国直属の情報部が存在し、中でもエマ・ガーネットはいくつもの成果をあげて重宝されている。

アリシュ王国 (ありしゅおうこく)

日本と友好関係にある、エジプト系の王国。かつて日本の総理大臣から大使に向けて、友好の証として高価な茶碗を送られた。のちに、それがある組織によってもたらされた贋物と発覚。幸いアリシュ王国側には知られていないものの、このままでは友好関係に関わるとして、総理大臣はギャンビットに対し、大使館にある贋物と、改めて用意した本物のすり替えを依頼した。

その他キーワード

SOMA

ギャンビット内で流通している特殊な薬品。クリプト王国から委託された大日本帝国によって開発された。摂取した者の身体を一定時間、大人の大きさに変え、さらに身体能力を著しく向上させるという効果を持つ。主に特務養成課の子供たちが、任務の際に使用する。特に、子供の時は誘う目を使用できない七海団にとっては必需品。 しかし、SOMAは注射により投与されるため、注射嫌いの団にとっては悩みの種ともなっている。

誘う目 (ざるっく)

七海団の瞳に宿っている特殊能力。相手の目を見て念じることにより、女性を惚れさせることができる。団はこの能力を使うことにより、テロリストなどの関係者である女性から情報を得ることを得意としている。なお、誘う目は大人の状態でないと効果が現れないため、諜報活動を行う際にはSOMAを打ち、大人に変身している必要がある。

見切る目 (ぐれあー)

八角・ボガード・クリプテンの瞳に宿っている特殊能力。優れた動体視力と反射神経を発揮し、相手の動きを完全に見切ることができる。ボガードは相手の動きを見切ることで、次の動作を予測することができるため、防御能力においてはほぼ無敵とされている。ただし、子供の姿では、相手の動きを見切れても、それに対応することができない。そのため、対人制圧の際には七海団同様、予めSOMAを打って大人の姿になる必要がある。

写す目 (しゃたーど)

プティ・クリプテン・なつめの瞳に宿っている特殊能力。視界に写したものを記憶し、なおかつ、その視覚的記憶を完璧な複製図へと、自らの手で仕上げることができる。証拠を探すために重宝する能力で、分厚い帳簿であっても、1分とかけずにすべて記憶することが可能となっている。

統べる目 (ゔぃじょん)

獅童クルトの瞳に宿っている特殊能力。超強力な催眠術で、相手に前もって暗示をかけ、特定のキーワードを聞かせることによって、かけた暗示を再現させることができる。クルトは七海団に対して、前もって身体が硬直する暗示をかけており、団が独断でアマルガンに食いつこうとした際に、行動を停止させている。

裁く目 (あいりす)

パティ・パフューム(アムネジア)の瞳に宿っている特殊能力。相手の思考を読み取る能力。アムネジアからの質問に対し、相手にとってそれが正しければ瞳が輝いて見えて、逆に間違っていれば瞳が真っ黒に見える。相手の言葉を聞く必要はないため、噓をついたり黙秘をすることが一切できなくなる。ただし当然ながら、イエスかノーかで答えられる質問でなければ、効果は発揮されない。

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