概要・あらすじ
医師を父に持つ最上義明は、ろくに高校にも行かないニートだったが、事故に遭った幼なじみ・伊達正宗を救ったことがきっかけで医師を志すようになる。幼なじみの伊達や釈紗英と共に医大へ入学した義明は、海外への研修や短期留学で壮絶な医療現場の現実に直面するが、持ち前の機転や閃き、人命を救おうとする熱意をもって克服していく。
登場人物・キャラクター
最上 義明 (もがみ よしあき)
不良の男子高校生でケンカに強いが、不登校で引きこもり期間も長い、いわゆるニート。医師の父を持つが高校もろくに通わず父を心配させていた。しかし引きこもり期間にゲーム・漫画・アニメ・映画等に没頭してきたため、医学も含め様々な雑学を蓄えており、それらを臨機応変に活用することができる。 傍若無人でズル賢いが、人命を救おうとする意志は人一倍で、弱者や心に傷を持つ者には強く共感する。その反面、他者から自分へ向けられる好意にはひどく鈍感。偏郷大学医学部に合格し、ケニア等への短期留学で過酷な医療現場の実態に直面していく。
伊達 正宗 (だて まさむね)
最上義明の幼なじみで、オールバックの髪とサングラスが特徴。サングラスは幼い頃の病気で目が光に弱いためだが、そのせいでいじめに遭っていたところを義明に救われた。中学・高校では不良だったが、根は生真面目な努力家。ひき逃げに遭い重傷を負ったところを義明の処置で救われ、共に医師を目指すことになる。 義明と同じく偏郷大学医学部に合格し、雀荘の住み込みバイトをしながら学業に勤しむ。
釈 紗英 (しゃく さえ)
裕福な家庭のお嬢様で、頭脳明晰な美少女。最上義明とは中学以来のつき合いで、彼には当時より秘かに思いを寄せていたが、意地を張ってしまい仲はほとんど進展しない。義明、伊達と共に偏郷大学医学部を受験し、優秀な成績で合格。お嬢様育ちの割に芯が強く、ケニアでの過酷な医療現場でも気丈に振舞う。 アラスカ以降の研修では義明と離れるが、その間、彼に好意を寄せる女性が次々と登場し、それを知って義明が向かうハワイへ急行。病に倒れた義明を救うことになる。
上杉 謙神 (うえすぎ けんしん)
偏郷大学病院の青年医師で、最上義明の才能を認め、目をかけるようになる。優秀な医師だが性格面では嗜虐性があり、偏郷大学内外に敵が多い。その性格ゆえ、どんな相手にも物怖じしない義明が珍しく天敵としている。義明をはじめ研修医たちをしばしば過酷な医療環境に追い込んで成長を促す。
西條 命 (さいじょう みこと)
前作にあたる『最上の命医』の主人公であった青年医師で、平聖病院グループの理事長を務めている。最上義明の資質をいち早く見抜いて、義明を含む若手医師たちにあえて厳しい長期滞在型臨床研修を命じる。
松前 慶花 (まつまえ きょうか)
北海道出身の女子医学生で、最上義明と平聖中央病院志願時に知り合う。貧しい家庭に育った苦学生で、生真面目な性格。アラスカ研修時に義明への好意を高めていくが、釈紗英の存在と彼女の義明に対する好意も知っており、積極的になれないでいる。 吉川妙玖のアドバイスを受けてのアプローチも概ね失敗に終わるが、最終的に義明に好意は通じる。
吉川 妙玖 (きっかわ みく)
最上義明とアラスカ研修などで同行した女子医学生。関西弁で話し、出身は兵庫。社交的で、知り合った人物にはあだ名をつけて呼ぶ。また、疑問に思った事は聞かずにおれない性格で、義明からは「質問女」と呼ばれる。義明には好意を抱いていたが、アラスカ研修時には同じく義明に好意を抱く松前慶花を後押し。 だが後の研修で義明への好意が深まり、本気でアタックするようになる。
竹中 繁治 (たけなか しげはる)
最上義明とアラスカ研修で同行した美貌の医学生。天才的な頭脳を持ち、あらゆる事を予見して先手を打つ。しかし自虐的な性格で、リスクを負ったり想定外の事態に見舞われることを喜ぶ。自分が好意を持つ女性が誰かに奪われていくことに興奮するという複雑な嗜好があり、義明に近づいて彼の周囲の人間関係を刺激して楽しむ。 アラスカ研修中に不測の事態で危篤状態になるが、義明によって命を取り留める。
豊臣 寧々 (とよとみ ねね)
偏郷大学の近所で雀荘を営む老婆で、豊臣淀の祖母。アルバイトで雇った最上義明と伊達正宗を居候させる。義明とは口ゲンカが絶えない。
豊臣 淀 (とよとみ よど)
偏郷大学の近所にある雀荘で、祖母の豊臣寧々と暮らす少女。初登場時は12歳。父親に育児放棄されたトラウマから心を閉ざし、異食症に陥っていたが、義明に救われる。以後、雀荘の住み込みバイトとなった義明と伊達正宗に心を開き、家族同然のつきあいとなる。 『最上の明医~ザ・キング・オブ・ニート~』では作中時間が数年経過することが多々あり、淀はそのたびに見違えるほど成長している。
エミリオ・ンゲンギ (えみりおんげんぎ)
ケニアの大統領。一人息子が急病で苦しんでいるところを研修中の最上義明らに救われ、以後、義明たちに便宜を図る。後にミランダを養子に迎え、彼女を看護師に育て上げる。
ミランダ
最上義明がケニア研修で出会った少女で、ケニア人の父親とアメリカ人の母親の間に生まれ育ったが、暴動で両親が死亡。親戚に引き取られていたが性的虐待を受け、売春をさせられていた。原因不明の病気に苦しんでいたが、義明に救われ、エミリオの養子となる。 義明に恋をするも相手にされなかったが、数年後に看護師となって成長した姿で来日。義明と再会する。
最上 一尊 (もがみ かずたか)
最上義明の父。帝王大学付属病院に勤務する外科医で、物腰の柔らかい温厚な性格から「帝王大の良心」と呼ばれる。外科医としての腕は高くなく、自らもそれを自覚しているが、患者に対する観察眼は鋭い。家庭内での立場は弱く、義明の理不尽さにも振り回されるが、その成長を喜び、見守っている。
田村 愛 (たむら めご)
偏郷大学医学部を最上義明らと共に受験した女子学生だったが、試験会場で突然心不全を起こす。義明の処置で一命を取り留め、偏郷大学に受かるも、病気がちで留年し義明たちの一学年下となる。後に伊達正宗と交際し、ケニア研修にも同行する。
クレジット
- 原作
前作
最上の命医 (さいじょうのめいい)
アメリカで医学を学んだ後、日本の大病院で小児外科を職場に選んだ天才外科医・西條命。患者軽視の病院経営、医局の派閥争いなどに立ち向かいながら、用意周到な行動力と医療への情熱で周囲の人々を変えていく。 関連ページ:最上の命医