魔法と言語が密接な関係にある世界
セイカ・ランプローグが生まれた世界は人間と魔族が敵対関係にあり、月が二つある。四属性魔法という独自の魔法体系が存在しており、言語と密接な関係にあるため、言葉もままならない幼児が魔法を使うのはありえないとされている。そんな世界で、セイカは1歳の頃に陰陽術を使用し、陰陽術を知らないランプローグ伯爵はこれを魔法だと誤解したため、セイカには魔族の血が流れているのではないかと疑われる。
狡猾に生きることを目標に他者を利用
セイカの前世である玖峨晴嘉は、狡猾(こうかつ)に生きることができずに謀殺された。その経験を踏まえ、セイカは他者を利用して狡猾に立ち回り、他者の影で甘い汁を吸う人生を送ろうと考えている。そのため、アミュをはじめとする有能な少女たちを陰から支えて育てる側に回るが、いつ彼女たちを切り捨ててもいいように、情を移さないように気を配っている様子がうかがえる。
敵は魔王を探しながら勇者殺害を目論む魔族たち
ほとんどの人間には勇者と魔王は、おとぎ話の中の存在だと思われているが、双方が戦った歴史は史実である。魔族たちは勇者の誕生を察知し、いち早く勇者を殺害しようと動き始めているが、魔王の存在は魔族にも察知できていないらしい。勇者の影に隠れて悠々自適な生活を送ろうとしているセイカにとって、魔族は邪魔な存在でもある。生来の人間だが私欲のために魔族に与して諜報(ちょうほう)活動を行う者もおり、セイカは人間同士でも信用できないという緊張感を持ち続けている。
登場人物・キャラクター
セイカ・ランプローグ
ランプローグ伯爵家の三男で、魔力を持たない少年。非常にめずらしい漆黒の髪と目をしている。最強の陰陽師として名を馳せた玖峨晴嘉が転生した姿。ランプローグ伯爵の妾の子として育てられたが、実際は魔族領で消息を絶った伯爵の弟の子であり、伯爵はセイカ・ランプローグが魔族の血を引いているのではないかと恐れていた。最強の存在として妬まれながら生きることを忌避しており、自分の代わりに最強の存在として君臨してくれる相手を探していた。陰陽術を駆使して帝立ロドネア魔法学園に入学してからは、勇者と目されるアミュと親しくなって隠れ蓑(みの)にし、目立つことなく甘い汁を吸う人生を送ろうとしている。
アミュ
伝説の勇者と目される少女。深紅のセミロングヘアをしている。年齢はセイカ・ランプローグと同い年。平民出身だが全属性に適性がある上に魔力量も多く、帝立ロドネア魔法学園に入学する際の実技テストでは満点を叩き出した。両親も冒険者だが、両親の目から見ても戦闘狂と称されるほど戦いそのものに喜びを感じている。ロドネア魔法学園ではセイカと同学年で、学年主席の成績を誇っている。猥談(わいだん)になると饒舌(じょうぜつ)になるが、アミュ自身は猥談が好きなわけではないと否定している。
クレジット
- 原作
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小鈴 危一
- キャラクター原案
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柚希 きひろ
書誌情報
最強陰陽師の異世界転生記~下僕の妖怪どもに比べてモンスターが弱すぎるんだが~ 9巻 双葉社〈モンスターコミックス〉
第1巻
(2020-07-29発行、 978-4575411379)
第5巻
(2022-07-29発行、 978-4575414646)
第6巻
(2023-01-30発行、 978-4575415780)
第7巻
(2023-07-28発行、 978-4575416954)
第9巻
(2024-11-15発行、 978-4575420180)