月のお気に召すまま

基本情報

木内ラムネの代表作。

要旨と舞台設定

ごく普通の高校を舞台に、先輩女子・亀井歩と後輩男子・滝島月の恋愛を描いた物語。中学時代から続く二人の関係性を基に、高校生活での新たな出会いや成長が描かれる。

ストーリー展開

物語は、歩の高校に月が入学してくることから始まる。中学時代、月にからかわれ続けていた歩は、今度こそ先輩として振る舞おうとするが、逆に月から意地悪されてしまう。その後、爽やかイケメン・進堂の登場によって三角関係が形成され、物語は新たな展開を見せる。

ジャンル的特徴と位置づけ

ポンコツな先輩と生意気な後輩の恋愛を描いた学園ラブコメディ。現代の高校生の日常を舞台に、スマホの検索履歴を見せ合うといった「あるあるネタ」など、リアルな笑いを取り入れている。

作品固有の表現技法と特徴

作者自身の経験を漫画に落とし込むことで、登場人物たちの親近感あふれる会話劇や、身近に感じる恋愛を描いている点が特徴となっている。

連載状況

集英社「別冊マーガレット」2018年12月号から2024年12月号まで連載。

新学期、高2女子の亀井歩が通う高校に、中学時代の後輩男子、滝島月が入学してくる。中学時代、歩は月にからかわれ続けていた。月は、世界一可愛くない後輩で、歩の悩みのタネだったのだ。何か企んでいるのかと警戒する歩に、月は素直に頭を下げる。あの頃は困らせてばっかりだったけど、また仲良くしてほしいというのだ。高校でこそは先輩面してやる。そう意気込んだ歩は、わからないことがあれば教えてあげると答えた。すると月は、どうしたらモテるか、と歩に尋ねる。歩は、彼氏いない歴=年齢の非モテ女子。一瞬焦るが気を取り直してモテ女子のフリをする。そんなわけでモテテクを練習することになった二人だが、月に「壁ドン」なんかされたら、歩は赤面してしまい、男子に免疫がないことがバレてしまう。困った果てに、とっさに歩の口から出たモテテクは「顔ドン」だった。すると、こうですかと言いながら、月は歩の頭を引き寄せ、自分の頭を軽くぶつけた。思わぬ攻撃に胸キュンしてしまい赤面する歩。正面からですかと追い打ちをかけてくる月に、あたふたしていると、不意に月が笑い出した。彼は歩をからかっていたのだ。中学時代から月は全く変わっていなかったのだ。こうして歩の悩ましい高校生活が始まることになった。