概要・あらすじ
ユリウス・フォン・ヴィレマー(ユーリ)は300年を生きる吸血鬼。彼は新たな体を求めており、そのターゲットとして有島恭を狙っていた。ユーリは恭が過ごす家に客人として忍び込み、彼を邪眼で自分の言いなりにしてから体を乗っ取ろうと考えるが、恭には邪眼が通用しなかった。そこでユーリは、別の手段を使って恭を自分のものにしようと画策する。
登場人物・キャラクター
ユリウス・フォン・ヴィレマー (ゆりうすふぉんゔぃれまー)
300年を生きる吸血鬼。色白で手は氷のように冷たく、一見すると美少年である。しかし、自分の持つ邪眼の力以外で人を引き寄せた経験がないため、邪眼の利かない有島恭に苦戦すると共に興味を惹かれるようになる。性格は無邪気そのもので、それゆえに思い通りにいかないとどんな手を使ってでも望みを叶えようとする。
有島 恭 (ありしま きょう)
政治家の父親を持つ青年。自分の家柄や父親に反発することが多い反面、妹の美夜子や友人を大事にしている。基本的に人に対して優しい性格だが、有島恭自身はどこか暗い影を持っており、ユリウス・フォン・ヴィレマーもその部分に惹かれていく。
美夜子 (みやこ)
有島恭の妹。病弱で外に出ることも少なく、いつも恭を困らせている。性格は非常に明るく、周りが考えているほど悲観的ではない。ユリウス・フォン・ヴィレマーが恭の体を手に入れるための手段として、邪眼の餌食となって魅了されてしまう。
橘 公彦 (たちばな きみひこ)
有島恭が通う学校の学友。恭のことを慕っており、彼もまた橘公彦のことを一番の親友であると考えている。聡明で勘が鋭く、ユリウス・フォン・ヴィレマーの正体が吸血鬼とまでは分かっていないが、危険な存在であることを察知する。茶目っ気も持ち合わせており、恭相手には軽口を叩くこともままある。
ルードヴィッヒ・フォン・マン (るーどゔぃっひふぉんまん)
ドイツの軍隊に所属する少佐。ユリウス・フォン・ヴィレマー(ユーリ)が吸血鬼であることを知っており、彼を軍事利用しようと日本まで追いかけてくる。「軍事利用」と言いながら、ユーリを追い求める異常さはある種の恋心に似たものさえ感じさせ、ルードヴィッヒ・フォン・マン自身も魅了されている人間の一人と言える。
その他キーワード
吸血鬼 (ゔぁんぴーる)
人を食べ、血を吸い、300年は生きることのできる存在。300年経つと体が朽ちてしまうため、新たな体を手に入れる必要がある。ユリウス・フォン・ヴィレマーは吸血鬼として300年が経過したため、次の体として有島恭を選んだ。なお、次の体を手に入れるためには、その体の持ち主に自分を愛してもらう必要がある。
邪眼 (でびるあい)
吸血鬼が使える能力。自分の意のままに人間を従わせることが可能で、操られた人間は自分が死ぬことになっても命令に従い続ける。吸血鬼はこの能力を使って人間を従わせ、次の体を乗っ取ることも簡単にこなしてしまう。