概要・あらすじ
かつての人気漫画家・納戸理人は、才能の輝きをすっかり失い、今では連載が1本も無いという状況に陥っていた。再起を願い、出版社主催のゴルフコンペに参加するが、ホールインワンを出したショックで心臓発作を起こし倒れてしまう。昏睡状態から目覚めると、そこは20年前の納戸が住んでいたアパートで、しかも記憶も身体も20年前のものに戻っていた。
デジャブのような違和感を感じつつも再び同じ20年を送る納戸だったが、ゴルフ場で心臓発作を起こす5か月前のある日、自動車にはねられたショックから、自分が何度も同じ20年を繰り返していたことを思い出す。その運命のいたずらに憤る納戸だったが、心臓発作を起こすまでの残り時間5か月を使って20年分の記憶を強化し、次回の人生へその記憶を持ち越し、運命に抵抗しようと決意する。
登場人物・キャラクター
納戸 理人 (なんど りひと)
作者である藤子・F・不二雄の自画像イラストにそっくりな見た目をしている。漫画家を目指して20年前に山梨から上京。児童漫画『ざしきボーイ』で一躍人気漫画家となるが、次第に落ち目に。ゴルフコンペで出したホールインワンのショックによる心臓麻痺で死亡。そしてなぜか再び20年前から人生をやり直すことになる。 デジャブを感じつつ再び同じ人生を送るが、心臓麻痺を起こすまで5か月というある日、自動車にはねられたショックから、自分の人生がループしていることに気付く。運命のいたずらに憤った納戸は、記憶を強化し、次回の人生に持ち越すことを計画。そして見事成功する。しかし、人生を軌道修正しようとすると、激しい頭痛が襲ってくるのだった。
水谷 晶子 (みずたに あきこ)
北海道函館市出身。女優を目指している若い女性。納戸理人との偶然の出会いが重なり親密な関係になるが、ある日突然姿を消す。後に発見された手紙から、実家の工場の倒産、父親の自殺等、数々の不運により、北海道へ帰っていたことが分かる。そして不幸はさらに続き、ノイローゼになった母親の放火により、晶子自身も命を落としてしまう。 この事は納戸をひどく落ち込ませるが、自分の人生がループしていることに気付いてからは、彼女を死なせないことが彼の新たな人生の目標の一つとなる。
郷 カオリ (ごう かおり)
納戸理人のペンフレンド・沢井登に紹介された漫画家志望の女性。不動産業を営む親のスネをかじりながら執筆活動を続けている。納戸理人のやり直す前の人生では、彼の妻になっている。
矢吾 団平 (やご だんぺい)
納戸理人のファンで、アシスタントになるため彼の事務所に押しかけて来た青年。絵の上手さと情熱から即採用され、事務所に無くてはならない存在にまで成長する。その後、事務所の作業と並行して自身の作品『やぶれハッポー』を連載するようになる。その作品が好評で、依頼が増え、独立することになる。その後も『やぶれハッポー』の人気は上がり続け、遂に矢吾は、師匠である納戸を追い抜くまでの人気作家となる。