横浜線ドッペルゲンガー

横浜線ドッペルゲンガー

玉木ヴァネッサ千尋の連載デビュー作。現代の日本が舞台。彫刻家を生業とする剣崎マコトが「横浜線彫刻家連続殺人事件」の犯人として死刑執行と同時にタイムスリップし、過去の自分と共に事件の真相を追求する姿を描いたSFミステリー。集英社「週刊ヤングジャンプ」2014年11号から2015年1号にかけて連載の作品。

正式名称
横浜線ドッペルゲンガー
ふりがな
よこはませんどっぺるげんがー
作者
ジャンル
推理・ミステリー
 
タイムパラドックス
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
全4巻完結
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「横浜線彫刻家連続殺人事件」とは?

2003年、夏。JR横浜線にて四人の他殺体が発見される。被害者が彫刻家として活動していた共通点と状況証拠から、四人の美大時代の同期である彫刻家の剣崎が逮捕される。事件発生から、11年後に死刑が執行された剣崎が過去にタイムスリップし、事件を未然に防ぐために奔走するクライムサスペンス。本作の特徴は、バディとなる人物が同一人物だという意外性にあり、真犯人を探すために剣崎は過去の自分とバディを組む。そして未来の情報から犯人を推理し、さまざまな可能性を模索していく。

自分の相棒は自分

新進気鋭の彫刻家・剣崎は「横浜線彫刻家連続殺人事件」の犯人として逮捕され、冤罪を訴えるものの死刑の判決を下される。そして剣崎は死刑が執行されて絶命するが、その直後に事件が起こる25日前にタイムスリップする。最初は信じられなかった剣崎だったが、犯人を突き止めて殺害するために過去の自分である「マコト」に接触し、事件の概要と自分が未来から来たことを彼に説明して協力を求める。

真犯人の動機と目的が謎

事件発生当時、剣崎は自宅兼アトリエに閉じこもり、彫刻制作に明け暮れていた。また、美大時代の同期である被害者たちとは2年間まったく会っておらず、連絡も取っていない状況だった。しかし、警察の捜索時に被害者たちのデスマスクや毛髪がアトリエで発見されている。真犯人がなぜマコトに罪を着せようとしたのか、そしてどうやってデスマスクや毛髪をアトリエに置くことができたのかが、事件の最大の謎となっている。

登場人物・キャラクター

剣崎 マコト (けんざき まこと)

彫刻家を生業とする男性。自分の作品がテレビドラマに使用されたことで、一躍売れっ子彫刻家となる。実直な性格で、ウソをつくことができない。美大生時代に夏木光らとグループ展を開催したが、その時に起こった火災によって教授が焼死したのを機に、グループ展メンバーとは疎遠になっている。2003年に起こった「横浜線彫刻家連続殺人」の犯人として11年間収監され、冤罪を叫び続けてきたが死刑が執行される。そして絶命が確認されるも、気づくと事件発生の25日前にタイムスリップしており、過去の自分と協力しながら事件の真相を解明しようと行動を開始する。二人は同一人物のため、未来の自分は「剣崎」、過去の自分は「マコト」と呼んで区別している。剣崎は犯人を突き止めて殺害しようと復讐心を持っているが、マコトは事件を未然に防ぐ目的のために真犯人を突き止めようとしている。

夏木 光 (なつき ひかり)

剣崎マコトと美大時代に同期だった女性。彫刻家を生業としている。華やかな金髪と可憐な容姿で、マコトの片思いの相手でもある。当初は他人から恨みを買うような覚えはないと語っていたが、グループ展で起こった火災事故で重傷を負った教授の鞄持ちだった鷺沼が、自分たちを恨んでいるのではないかと証言している。マコトと再会してからは、グループ展メンバーの鬼怒川慶治や氷山レイ、比与優柔に声をかけ、同窓会を開くなどして親交を深めようとしていた。また、タイムスリップしてきた未来の「剣崎」を、マコトの兄だと思っている。

書誌情報

横浜線ドッペルゲンガー 全4巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2014-07-18発行、 978-4088798714)

第4巻

(2015-01-19発行、 978-4088901626)

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