孤独な女子高校生と青年書道家の不思議な同居生活
お嬢様の鷹司輝が唯一の肉親だった父親を亡くし、親戚の書道家、葛霧清水に引き取られるところから物語が始まる。保護者となった清水と鷹司家の別邸で二人暮らしをすることになった輝は、幼少期からあこがれを抱いていた彼の書道だけでなく、人柄にも触れたことで彼に思いを寄せるようになる。しかしそれは切ない片思いではなく、マイペースすぎるお嫁さん宣言に加えて素直に感情をぶつけてくる、予想以上に重過ぎる愛だった。そんな二人のカオスな同棲生活の日常が、ギャグを交えながら展開される。
年上へたれツンデレ×無表情な残念美少女
ヒロインの鷹司輝は実家からほとんど出たことのない、天然気味の箱入り娘だった。輝の父親は書道の名家を継がず画商となったため、その娘である彼女は微妙な立場で周囲から浮いていた。そんな輝は、幼い頃に父宛の年賀状を通して書道家の葛霧清水を知り、彼の書く美しい文字に興味を持つようになる。一方の清水は、外面こそ好青年のように取り繕っているものの、その本性は豆腐メンタルの陰キャラで、クマのぬいぐるみに癒しを求めていた。一見輝に冷たく振る舞っているが、時に彼女を気遣って優しく接することもあり、輝に対する態度はツンデレそのものである。
増えていく友人と微妙な三角関係
あらゆる手段で強引なアピールを繰り返す鷹司輝に対し、世間体や年の差を気にする葛霧清水は「自分はあくまで輝の保護者」という立場を崩そうとせず、一方的なプロポーズも受け入れることはなかった。その一方で輝は新しい学校の友人も増え、鷹司家別邸だけではなく学校や書道教室など行動範囲も広がっていく。また、同じクラスに転入して来たばかりの華頂寺柊の言動や、奇行に振り回されるうちに柊に思いを寄せるようになり、複雑な三角関係やすれ違いが生じるようになる。
登場人物・キャラクター
鷹司 輝 (たかつかさ ひかる)
書道家・葛切清水といっしょに暮らしている女子高校生で、黒髪をロングヘアにしている。年齢は16歳。唯一の肉親だった父親が他界して天涯孤独となり、親戚の葛霧に引き取られることになった。自他共に認める美少女ながら、基本的には無表情で淡々としゃべる。父親が死んだ時も涙一つ見せずに気丈に振る舞った。達観した性格で箱入り娘だったことから、世間知らずの一面があり、他人との距離感をつかめずにいる。葛霧に対しては出会う前から作品を通して好感を抱いており、同居を始めて実際の人となりを知り、「葛霧のお嫁さん」宣言する。
葛霧 清水 (くずきり きよみず)
書道家の男性で、年齢は23歳。父親を亡くした鷹司輝を引き取り、自宅に住まわせている。長身で眼鏡をかけ、着物を普段着にしている。書道家としての自負を持っているが、体裁を気にするあまり強気な発言をしては、後悔することが多い。押しに弱く輝からの猛アタックを受けてオロオロした様子を見せるが、輝がピンチに陥った時には助け舟を出したり、大人として貴重なアドバイスを送ることもある。
書誌情報
末永くよろしくお願いします 12巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉
第1巻
(2020-08-05発行、 978-4592220510)
第6巻
(2022-07-05発行、 978-4592221166)
第7巻
(2022-11-04発行、 978-4592221173)
第8巻
(2023-05-02発行、 978-4592221180)
第9巻
(2023-09-05発行、 978-4592221197)
第10巻
(2024-01-04発行、 978-4592221203)
第11巻
(2024-06-05発行、 978-4592221760)
第12巻
(2024-09-05発行、 978-4592221777)