朱月事変

朱月事変

壱原ちぐさの初連載作品。中世の中国に似た異世界が舞台。神獣から人々を守る、霊術師(シャーマン)の名家・朱鶴家。霊術の才能がある少年、望月は将来を期待されていたが、霊力がない妹の初月は存在を消され、家に幽閉されていた。妹が自由に生きられる世界を作るため、朱鶴家当主を目指して戦う望月を描いた中華風ファンタジー。小学館「週刊少年サンデー」2022年第43号から2023年42号まで連載。

正式名称
朱月事変
ふりがな
あかつきじへん
作者
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊5巻
関連商品
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霊術師の名家に生まれた兄妹

本作の舞台は、神獣と呼ばれる存在が天災を起こし、800万人の領民を脅かしている中世の中国に似た異世界。天災から人々を守るのが、霊術師(シャーマン)と呼ばれる能力者であり、中でも朱鶴家は霊術師の名家である。朱鶴家は北家、南家、東家、西家、中家に分かれており、各家の家長のうち一番強い者が当主(一族の長)となる。主人公、望月の父、暁天は、十七代目の朱鶴家当主である。朱鶴家では7歳になると霊術の才能を測る儀式が行われるが、望月の妹、初月には霊術の能力がまったくなかった。「霊術師でなければ朱鶴の子ではない」という古いしきたりから、初月は家系図から名前を消され、人との関わりも家の奥から出ることも禁じられた。それから7年後、愛する妹を解放するために、15歳の望月が立ち上がる。

神獣と戦う霊術者の組織「空中楼閣」

望月と初月は、7年をかけて朱鶴家からの脱出計画を練っていた。そしてある夜、いよいよ計画を実行するが、父の暁天に仕える刺客に阻まれる。どうしても家を脱出することができないことを悟った望月は、考えを改めた。それは、自分が現当主である父を超え、古いしきたりを壊すことだった。そのためには、まず「空中楼閣(楼閣)」に所属する必要がある。空中楼閣とは霊術者の組織であり、神獣と戦う唯一の公的機関である。厳しい試験を突破し、楼閣入りを果たした者だけが、一人前の霊術者として認められるのだ。望月は何とか試験を突破し、楼閣に所属することになるが、そこで待ち受けていたのは、暗殺や謀略が渦巻く朱鶴家の当主争いだった。

神獣と霊術者の能力

神獣とは自然そのものであり、霊力が高まると具現化し、世界に害や恵みをもたらす高位の存在である。普通の神獣は意志を持たないが、中には人と深く関わることによって意志を持つものもいる。彼らは本当の名前を人間に教えることから「真名持ち」と呼ばれており、使役している霊術者もいる。神獣を倒すと「神珠」という珠が採れるが、これが霊術者が使用する数珠になる。神珠から霊力を抽出して技を放つ霊術は、多くの神珠を使うほど強力になり、それに比例して霊力も削られることになる。なお、霊術には「雷神」「雨神」「風神」などがあり、霊術者によって様々な属性がある。

登場人物・キャラクター

望月 (むつき)

霊術師の名家である朱鶴東家の次男。15歳。異母兄の長男が亡くなっているため、朱鶴東家の世継ぎとして将来を期待されている。霊力がない妹の初月が、家のしきたりで「存在しないもの」として扱われていることに不満を抱く。妹を解放するため、朱鶴家の次期当主を目指す。優れた霊力を持ち、「雷神」の霊術を使う。

初月 (うづき)

望月の妹。14歳。霊術師の名家である朱鶴東家に生まれるが、霊力がないため、家のしきたりで幽閉されている。望月と一緒に7年をかけて家からの脱出計画を練り、実行するが失敗に終わる。その後、父と対等に渡り合うため、書庫に忍び込み、未来を予見できる「星読み」の技術を学ぶ。

書誌情報

朱月事変 5巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2023-01-18発行、978-4098514830)

第2巻

(2023-04-18発行、978-4098520343)

第3巻

(2023-07-18発行、978-4098526178)

第4巻

(2023-10-18発行、978-4098528592)

第5巻

(2023-11-17発行、978-4098530175)

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