シャーマンキングFLOWERS

シャーマンキングFLOWERS

武井宏之の代表作『シャーマンキング』の続編で、前作のメインキャラクターの子どもたちを中心に描いている。ふんばり温泉で暮らす少年麻倉花は、侍の霊阿弥陀丸を召喚できるシャーマン。名門麻倉家の次期当主だが、日々やることがなく、何もかもつまらないと思って暮らしていた。ある日、彼のもとに「裏・麻倉家」を名乗る2人の刺客が訪れ、自らの在り方を考え直し始める。初出は2009年のファンブック『マンタリテ』の『フラワーズ~花の時代~』。2012年から正式に連載が始まる。連載していた雑誌「ジャンプ改」が2014年に休刊し、これに伴い実質的な連載は終了。最終号では「『シャーマンキング』シリーズの今後は続報をお待ち下さい」と書かれていた。

正式名称
シャーマンキングFLOWERS
ふりがな
しゃーまんきんぐふらわーず
作者
ジャンル
バトル
レーベル
マガジンエッジKC(講談社)
巻数
既刊6巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

現シャーマンキングである麻倉ハオの甥であり、シャーマンとしての才能にも優れる中学生の少年、麻倉花は、シャーマンの名家、麻倉家を継ぐ次期当主として育てられていた。だが、育て親の玉村たまおの言いつけで霊を使ったケンカは禁じられており、戦いの相手もおらず、シャーマンとしての才能を持て余した、つまらない日々を送っていた。そんなある日、花は持霊の阿弥陀丸を連れて郊外の墓地にいたところで、町の不良達にケンカを売られてしまう。オーバーソウルで阿弥陀丸と共に応戦し、不良達を返り討ちにした花だったが、家に帰るとその事実はたまおに知られており、いつものように厳しく叱られるのだった。これにより気落ちした花の前に、「裏・麻倉家」を名乗る謎の少年、麻倉葉羽が現れる。たまお達の心配をよそに、花は葉羽をあっさり撃退するものの、次に葉羽の姉、麻倉路菓が現れる。葉羽と路菓は、闇に消えたはずのもう一つの麻倉家の運命を背負った姉弟でもあった。花は彼らとの出会いや戦いをきっかけに退屈な日常を抜け出すものの、シャーマン同士の新たな戦いに巻き込まれていく。

第2巻

麻倉葉羽麻倉路菓の襲撃を受けた麻倉花はケガを負うが、間一髪でアルミ・ニウムバーチに命を救われる。後日、病院で目を覚ました花の前に現れたアルミは、「3代目イタコのアンナ」を名乗り、花の許婚であると告げるのだった。彼女の登場は、新たなシャーマンの戦いである「フラワーオブメイズ」の幕開けを意味していた。梅宮竜之介を通してアルミの話を聞いた花は、玉村たまおからシャーマンとしての戦いを禁じられていた本当の理由を知る。その頃、たまおは裏・麻倉家の本拠地である京都を訪れていた。いきなり敵の本拠地に向かったたまおは、大天狗のオーバーソウルで屋敷を襲撃。当主の麻倉葉虚を圧倒したたまおは、裏・麻倉家のバックについている黒幕を探ろうとする。一方、退院した花はいつも通りやる気なく学校へ行くが、そこに葉羽が転入生としてやって来る。花と葉羽は、フラワーオブメイズが開催されるまでは一時休戦し、友人関係を築くのだった。さらにアルミも同じクラスに転入し、花は彼女に振り回される事になる。

第3巻

麻倉葉羽と共にショッピングモールへ向かった麻倉花は、麻倉路菓とその手下となった一原竜次に襲われてしまう。花は阿弥陀丸で対抗しようとするが、すでに阿弥陀丸は路菓の手により、人魂の姿で石化され、無力化されていた。葉羽は追い詰められた花を助けようとするが、負傷して意識を失った花は謎の力を目覚めさせる。花は室内の塵や埃を媒介に子鬼のオーバーソウルを作り出し、さらには闇に覆われた真っ黒な巨鬼「闇鬼」も出現させる。そんな花の暴走を止めるべく現れたアルミ・ニウムバーチの活躍により、ひとまず事態は収束するのだった。その後、葉羽は路菓をあやつって花を襲わせた、天照山車の本体の捜索を開始するが、その本体は何らかの手段により、石化した阿弥陀丸もろとも鴨川羊介に回収されてしまう。これにより路菓は正気を取り戻す。同時に目を覚ました花は、阿弥陀丸を失った現在の状況に意気消沈し逆上するが、アルミに一喝される。そこに現れた玉村たまおは、路菓達を夕食に招き、彼女から黒幕の詳細を聞き出すのだった。

第4巻

持霊の阿弥陀丸を奪われてしまった麻倉花は、一人でいつもの墓地にいた。そこで次々と降りかかって来る事態に一人悩みながら、阿弥陀丸の事を考えていた花の前に、謎の少年、伊吹ガッコが現れる。ガッコにケンカを売られた花は、阿弥陀丸がいない無防備な状態で、彼と戦う事になる。花は子鬼を繰り出すが、そのまま闇鬼に取り込まれた状態となって、再び我を失ってしまう。「チームハオ」を名乗ったガッコは、新たなオーバーソウルオーガハンター」で全身を鎧に包まれた状態になる。オーバーソウル同士の激しいぶつかり合いは大バトルに発展し、鬼花となって暴走した花は、ガッコの「鬼斬り包丁」によって斬られ、そのまま気を失う。しかしガッコとナマハを見て、再び鬼を使おうとした花は、そこに現れたアルミ・ニウムバーチの制裁を受ける。そして、ガッコが神々の争い「フラワーオブメイズ」の参加者であり、花はチームハオのボスである事、さらにはアルミがチームの総監督を務める事が判明する。一方、横茶基地にはシャーマンの少年、道黽が到着していた。

第5巻

河原で闇鬼を使い死亡してしまった麻倉花、精霊王「グレートスピリッツ」の内部で、現王の麻倉ハオと再会する。ハオは花を現世に戻す前に、花と14歳の麻倉葉を戦わせようとする。父親の昔の姿と戦う事になった花は、自信満々で葉に攻撃を仕掛けるが、葉のオーバーソウルで攻撃を受け流され、あっさりと返り討ちにされてしまう。この戦いを通し、葉から「決定的に足りないもの」について指摘された花は、そのまま敗北して気を失ってしまう。花が目覚めた先はプチ修羅地獄で、そこには謎の男、桜井がいた。一方、花が死亡したあとのふんばり温泉では新たな事件が発生し、ルドセブセイラームがゴーレムと共に現れていた。うろたえる伊吹ガッコ達だったが、そこに謎の少女、ブラックメイデンが現れる。ブラックメイデンは道黽の母親の仇であり、黽は彼女に襲いかかるが、彼女の凶悪なオーバーソウルの前に敗れ、重傷を負って倒れてしまう。玉村たまおの力により事態は一旦収まるが、そんな中、ルドセブ達もチームヤービスの一員であった事が判明する。

第6巻

プチ修羅地獄に送られた麻倉花は、そこで戦闘機、零式乗りの日本兵である桜井と出会う。桜井は花に自分の生きた時代について語り出す。一方、麻倉ハオはすでに戦死している桜井を、花の新たな持ち霊にしようと目論んでいたが、そんなハオの策略を止めるべくチームヤービスの大将、鴨川羊介が花の前に立ちはだかる。洋介との戦いの中で、花は過去に彼と出会っていた事を思い出すが、羊介の圧倒的なヤービスの持つ読心やコピーの力になすすべもなく敗北し、さらに新たな世界へと移る事となった。そこは零式が並ぶ日本軍基地であり、花はそこで終戦間際の桜井と出会い、彼の仲間達とも知り合う。やがて基地は敵軍の襲撃に遭い、花は桜井に連れられて彼の零式に搭乗する。戦況が不利になっていく中、花は国のために自分達の命を投げ出して戦おうとする桜井達の姿から、麻倉葉に指摘された「自分に足りないもの」を見い出すのだった。

登場人物・キャラクター

麻倉 花 (あさくら はな)

森羅学園に通う中学2年生の少年。麻倉葉と麻倉アンナの息子。現シャーマンキングの麻倉ハオの甥でもある。両親とは離れ、ふんばりが丘にあるふんばり温泉で暮らしながら、麻倉家次期当主として育てられた。持霊の阿弥陀丸を連れ、あらゆる攻撃を受け流すオーバーソウル「鬼兜」の媒介として、葉から引き継いだフツノミタマノツルギを持つ。梅宮竜之介から稽古を受け、優れたシャーマンとしての実力を持つが、玉村たまおから「霊禁止」を言いつけられているため、シャーマン同士の戦いはほとんどできず、力を持て余して退屈な日々を送っている。赤ん坊時代に両親に連れられて中東に行った際に、一度死亡しているが、あの世で出会ったハオに命を救われ蘇った。蘇らせる条件としてハオに闇鬼を埋め込まれているため、瀕死の状態になるたびに闇鬼が出現する。闇鬼は花自身には制御できない事もあり、意識を失って暴走した状態は「節分状態」と呼ばれる。麻倉葉羽や麻倉路菓との戦い、アルミ・ニウムバーチとの出会いをきっかけにフラワーオブメイズを知り、チームハオの大将として参戦する事になる。

阿弥陀丸 (あみだまる)

麻倉花がいつも連れている侍の霊。元は麻倉葉の持霊だった。現在は花の持霊となっており、教育係も兼ねている。やる気がなかったり、ケンカっ早い花に手を焼いており、連帯責任で玉村たまおに怒られる事もある苦労人。しかし、日常を退屈に感じて魂が満たされていない花の事を心配しており、忠誠心も厚い。普段は人魂の姿で、花のそばにいる。かつて葉の持霊だった頃に人間霊から刀の精霊へと進化しており、フツノミタマノツルギを媒介に、オーバーソウル「鬼兜」に変身できる。刀にすべてを懸けた強力な力を持った霊で、同じく侍の霊でもある朧大凶にも圧勝した過去を持つ。しかし何者かにあやつられた麻倉路菓との戦いにおいて、人魂のままで石化され無力化してしまい、鴨川羊介に連れ去られた。

玉村 たまお (たまむら たまお)

前作『シャーマンキング』から登場する、伝説のコックリ使い。麻倉花が住むふんばり温泉を切り盛りしている女将。麻倉葉と麻倉アンナ(旧姓・恐山)が留守の間、息子の麻倉花を預かっている育ての親。元はおとなしい少女だったが、成長するにつれて麻倉花や彼の持霊阿弥陀丸、シャーマンファイトに出ていた実力の持ち主花組らから恐れられる気迫の女性になった。 麻倉花には「霊禁止」を強く言っているが、彼が言うことを聞かないため手を焼いている。持霊はたぬきのポンチときつねのコンチと大天狗。麻倉花を叱りつける際にも容赦なく大天狗を召喚している。

梅宮 竜之介 (うめみや りゅうのすけ)

前作『シャーマンキング』では「木刀の竜」という二つ名を持っていた、地元を仕切っていた不良。玉村たまおが切り盛りするふんばり温泉の板前長。髪を巨大なリーゼントにしている。持霊は盗賊の蜥蜴郎で、今は麻倉花の持霊阿弥陀丸とも親しい。

花組 (はなぐみ)

エクトプラズムを操るカンナ・ビスマルク、ジャックランタンを操るマチルダ・マティス、人形使いのマリオン・ファウナの3人組。今は玉村たまおの元で働く、ふんばり温泉の仲居。温泉を立ち上げた麻倉アンナ(旧姓・恐山)に、シャーマンファイト後行き場がなかったところを、客寄せのためにスカウトされた。 魔女の末裔で、前作『シャーマンキング』では麻倉ハオのチームにいた。

麻倉 葉羽 (あさくら よはね)

メガネをかけた、京都裏・麻倉家の次期当主の少年。学校に通わず、他人との接触を持ったことのない世間知らずで、麻倉花を殺すことだけを考えるよう教育されていた。虚弱体質で、修行に明け暮れてシャーマンとしての力は身に着けているものの、戦闘時は全力を発揮できないことがある。 一時は姉の麻倉路菓との波状攻撃で麻倉花の腹を貫くも、アルミ・ニウムバーチの乱入で戦闘を止められる。後日、麻倉花の通う森羅学園2年A組に転入、麻倉花と友人関係になる。持霊は幕末新撰組の侍の霊朧大凶。傘を媒介として、巨大な鉾のオーバーソウル(O.S)月詠鉾を具現化する。 姉の教えでしゃべる言葉が浮世離れしているため、麻倉花からは「中2」と揶揄されている。チームハオの親衛隊長。

麻倉 路菓 (あさくら るか)

黒髪ロングヘアで長身に長いスカートを履いた少女。裏・麻倉家として、弟の麻倉葉羽をサポートしている。表の麻倉家次期当主である麻倉花を倒すために育てられ続けて、他の人間との接点がなかったため、世間知らず。尊大で上から目線の言葉が多い。ふんばり温泉にいる麻倉花に、麻倉葉羽との波状攻撃で襲いかかるも、戦闘の最中に現れたアルミ・ニウムバーチによって戦いを諌められた。 後に万象高校3年2組に通うようになる。鴨川羊介に隙を突かれて意識を操られ、麻倉花の持霊阿弥陀丸を石に変えてしまった。持霊は2頭の獅子震電と雷電。星のステッキを媒介とした山車のオーバーソウル(O.S)天照山車(アマテラス)、麻倉葉羽のオーバーソウルと合体した明星山鉾(ビグザレム)など、多様な攻撃方法を持つ。

麻倉 葉虚 (あさくら ようきょ)

麻倉路菓、麻倉葉羽の父親で、裏・麻倉家の当主。京都の山中に引きこもっている。表の麻倉家を倒すためだけに麻倉路菓、麻倉葉羽を育ててきた。直接彼の元に殴りこみにきた玉村たまおに、為す術もなくボコボコにされる。持霊は式神の祇園傀(ぎおんぐ)。

アルミ・ニウムバーチ (あるみにうむばーち)

「3代目イタコのアンナ」を名乗るイタコの少女。シャーマンファイトを運営していたパッチ族十祭司の一人、シルバを父親に持ち、彼の持霊である精霊達を受け継いでいる。実は麻倉葉と麻倉アンナに認められた麻倉花の許婚であり、ニューヨークに住む初代「イタコのアンナ」の弟子でもある。表面的には明るく振る舞っているが、これはあくまで世渡りのためであり、その実力も含めて謎が多い。麻倉路菓に襲撃された花を助け、のちに花のクラスにも転入する。現在はルドセブとセイラームの花屋に下宿しているが、ルドセブ達の事は信用していない。許婚の花に対しては厳しく接する事も多いが、何かと狙われる彼のピンチに駆けつけては救っている。また花が闇鬼で暴走した際は、鬼を止められる力を持つ高級福豆「ゴルドバ」を打ち込んで、動きを止めている。強気な性格で率直な物言いをする事が多く、年齢に対して大人っぽいところがある。シャーマンとしての実力に優れており、5匹の動物精霊「シルバーアームズ」を使ったオーバーソウル「パッチガール」を使用する。フラワーオブメイズではチームハオの総監督を務める。幼少期に花に救われた過去を持つが、花自身はその事を覚えていない。

伊吹 ガッコ (いぶき がっこ)

秋田県からやってきた、ヤンキー風の少年。口が悪く、喧嘩好き。「世界最強の男」になるため、シャーマンたちの戦い「フラワーオブメイズ」(F.O.M)に参加。チームハオの対鬼師団長になる。持霊はNAMA-HAGEのナマハで、オーバーソウル(O.S)ですることで、鎧のような形状のオーガハンターを身にまとうことができる。 武器として巨大な出刃包丁の「DIVA」を用いる。

ナマハ

秋田県からやってきた、チームハオの一員伊吹ガッコの持霊。普段はNAMA-HAGEの名で、巨大な出刃包丁と蓑と桶を持った鬼の姿をしている。本体は幼い少女で、チームハオの総監督アルミ・ニウムバーチの大ファン。普段は標準語で、緊張すると訛りが出る。

道 黽 (たお めん)

髪の毛がとぐろを巻いている、7歳の少年。前作『シャーマンキング』の登場人物道蓮とアイアンメイデン・ジャンヌの息子。優れた才能を持ち、シャーマン相手には一切容赦しない冷酷さを持っている。前作でアイアンメイデン・ジャンヌに殺されたナイルズの息子が敵討ちにきた際、二度は受け入れたものの、三度目に圧倒的な力で返り討ちにした。 両親の言いつけで、誰も殺すことはできず、気絶どまりにとどめている。持霊は中国の武将馬孫と、太陽神シャマシュ。

麻倉 ハオ (あさくら はお)

現在のシャーマンキング。麻倉葉の兄で、麻倉花の伯父。神となった存在で、グレートスピリッツ(G.S)の中に住んでいる。麻倉花が幼くして死んだ時、彼を救うために鬼を封じ込め、禁断の法で蘇生させた。

タリム

無数の魂で構成されるグレートスピリッツの中にあるプチ修羅地獄のペリリュー島で、「パッチズカフェ\"豆\"」を営んでいる。前作『シャーマンキング』におけるシャーマンファイト十祭司の一人で、今は旧十祭司は全員死亡し、グレートスピリッツの中でハオに仕えている。 ハオの話になると、冷や汗をかいて動揺する。

鴨川 羊介 (かもがわ ようすけ)

20代の外見の男性だが、13才で麻倉花と同じ年だと自称している。シャーマンとしての力も霊視能力も一切ない。三角形に眼のついたマークのカード・YVSカードをお金で購入し、ピラミッド型の存在ヤービスに使用することで、この世界で考えられるあらゆる神の力を網羅することができる。 YVSカードの値段は、日本円で500円から数兆円で、値段に応じた能力が得られる。チームヤービスの大将で、麻倉花を仲間に入れたがっている。彼がチームとして従っている先代シャーマンキングのヤービスは資本主義社会を作った神で、現在のシャーマンキングであるハオに敵対している。元は作者の読み切り作品『ヤハべえ』の登場人物。

ルドセブ

ふんばりが丘で妹のセイラームと花屋「FLOWER SHOP MUNTZER」を営んでいる青年。アルミ・ニウムバーチを「二代目さんから預かった大切なゲスト」と呼んで、住まわせている。ただしアルミ・ニウムバーチには怪しまれている。ブラックメイデンと共にチームヤービスに所属し、ゴーレムを操る。 前作『シャーマンキング』では、麻倉家の養子になっていたため、ふんばり温泉を切り盛りする玉村たまおから、麻倉家には恩がある旨を指摘され、たしなめられた。

セイラーム

兄のルドセブと共に花屋「FLOWER SHOP MUNTZER」を営んでいる女性。アルミ・ニウムバーチを家に居候させているが、本人には疑われている。ブラックメイデンと共にチームヤービスに所属している。前作『シャーマンキング』では、幼少期に父親を殺害されたショックで感情を失っており、兄と一緒にゴーレムを動かしていた。 後に麻倉家の養女になっている。

ブラックメイデン

黒髪にそばかすの少女。目つきが悪く、ゴスロリ風の衣装を着ている。口調は荒く、一人称は「オレ」。歯に矯正器具をつけている。前作『シャーマンキング』で麻倉家の養子になった、ルドセブ、セイラームと共に行動する。持霊は道黽の母親であるアイアンメイデン・ジャンヌで、アイアンメイデンのマスク「アイアンメイ面」を媒介としたオーバーソウル(O.S)ジャンヌシュヴァルツを使用する。

一原 竜次 (いちはら りゅうじ)

髪を巨大なリーゼントにしている、万象高校3年2組の不良学生。二つ名は「二代目」木刀の竜。麻倉花に常日頃喧嘩を売っているが、ことごとく返り討ちにされている。同じクラスに転入してきた麻倉路菓に一目惚れをした時に、操られていた彼女に従って、仲間と共に麻倉花をショッピングモールで襲撃した。 その際、霊視能力に目覚める。後日、正気に戻った麻倉路菓たちと共にふんばり温泉に呼ばれ、尊敬している玉村たまお、梅宮竜之介に出会う。

桜井 (さくらい)

麻倉花が死後、プチ修羅地獄で出会った軍人。日本海軍第309海軍航空隊所属、戦闘801飛行隊少尉。軍用飛行機のエースパイロットで、死後に受け入れることができず、グレートスピリッツ(G.S)の中を彷徨っていた。ストイックな男性で、相手を殺すためなら手段を選ばない。 ただし戦闘が続くと次第に敵も味方も見境なしになってしまう。生前は特攻隊に志願している。作者の読みきり作品『デスゼロ』の主人公。

麻倉 葉 (あさくら よう)

麻倉花の父親。前作『シャーマンキング』の主人公。麻倉ハオとは双子の兄弟でもある。前回のシャーマンファイトに参加して活躍した、伝説級のシャーマン。妻の麻倉アンナと共に世界中を旅しながら平和活動を行っていたが、現在は消息不明。中東の紛争地域にいた頃に幼い花を亡くすが、神となったハオと再会し、条件付きで花を蘇生して貰った。息子の花の世話は玉村たまお達に任せており、ほとんど会っていないため、花からは恨みに近い感情を抱かれている。花が河原で死亡した際は、ハオの計らいにより14歳の姿で登場し、花と戦った。持霊は五大精霊の一つ「スピリット・オブ・アース」で、オーバーソウル「白鵠(ビャッコウ)」を使用する。シャーマンファイトの中で受けたさまざまな試練や戦いを経て精神面も成長し、精神の強さに左右されやすいシャーマンとしての実力も高い。非常にのんびり屋で飄々とした性格。

蜥蜴郎 (とかげろう)

梅宮竜之介の持霊。元盗賊の男性の霊。麻倉花の事を「花坊」と呼んでいる。かつてのライバルでもある阿弥陀丸とはよき友人で、時おり花の事で悩む阿弥陀丸の相談相手にもなっている。かつての荒くれ者だった性格は落ち着いており、おとなしくなっている。

朧 大凶 (おぼろ だいきょう)

麻倉葉羽の持霊。右目に眼帯をつけた侍の霊。「不幸を呼ぶ流浪の剣士」とも呼ばれ、不気味な雰囲気をまとった男性。元は人間霊だったが精霊化している。生前は新撰組隊士だった。すでに刀が廃れて銃に移った時代を生きていたが、かつての戦友に射殺されてしまう。阿弥陀丸よりも新しい時代の剣術を使って戦う。鍛練を重ね実力も高いが、実戦経験の少なさが災いし、阿弥陀丸との戦いには敗れてしまう。本来おとなしい性格の葉羽とは反対に、挑発的で好戦的な性格。

コンチ

玉村たまおの持霊。ふんどしを身につけたキツネの精霊。相棒のポンチとコンビで行動している。昔は下品で口の悪い動物霊だったが、現在はおとなしくなっている。たまおの言いつけで麻倉花をこっそり護衛していた。

麻倉 アンナ (あさくら あんな)

麻倉花の母親で、麻倉葉の妻。旧姓は「恐山」。息子の花もその詳細をよく知らず、玉村たまおに育てられた花は「リアル母ちゃん」と呼んでいる。ふんばり温泉の元の女将でもあり、かつてのシャーマンファイトでは葉を追ってムー大陸に乗り込んだ。神器とも呼ばれる数珠(ユルシ道具)「1080」をあやつり、女性でありながら強力な鬼を使役する伝説級のシャーマンであり、「2代目イタコのアンナ」とも呼ばれる。高い実力だけでなく「恐妻」と呼ばれる非常に強気で恐ろしい性格をしているため、裏・麻倉家には恐れられている。アルミ・ニウムバーチとも面識があり、その恐ろしい性格はアルミに引き継がれている。現在は葉と共に海外で行動しているが、消息不明となっている。

ヤービス

ピラミッド型の謎の生物。中央に一つ目があり、手足が生ており、鴨川羊介とつねにいっしょにいる。読み切り作品『ヤハべえ』の登場キャラクターでもある。「YVSカード」と呼ばれるカードを、対価を支払ったうえで使用する事で、読心からコピー能力まであらゆる神の力を使用する事ができる。また対貨として支払う金銭もYVSカードによって得られるため、使用者の洋介の金銭が尽きる事もない。表向きは洋介の持霊となっているが、実際は霊ではなくゴーレムのような存在。

ポンチ

玉村たまおの持霊。ふんどしを身につけたタヌキの精霊。相棒のコンチとコンビで行動している。昔は下品で口の悪い動物霊だったが、現在は大人しくなっている。たまおの言いつけで麻倉花をこっそり護衛していた。

闇鬼 (やみおに)

麻倉花が瀕死状態になると、花のオーバーソウルとなって出現する謎の大鬼。全身を闇に包まれたような不気味な風貌で、花を取り込み暴走する事もある。実は赤ん坊の花が死亡した際に、麻倉ハオによって仕込まれた鬼であり、ハオはこれを仕込む事によってフラワーオブメイズに供えていた。以来、花が瀕死状態になるたびに、花を守るために出現するようになっている。鬼となる前は「大太郎」という名の人間で、ハオとは同門の兄弟子であり友人でもあった。しかし、ハオ達の師匠によって「式神大太郎法師」に生まれ変わる。真の姿は「イケオニ」や「ダイダラ」とも呼ばれ、その状態になると花自身はおろかハオでも制御ができなくなる。

集団・組織

裏・麻倉家 (うらあさくらけ)

麻倉ハオ(麻倉葉王)の正当な末裔、さらに「神の直系」を名乗っている謎の一族。京都を拠点としており、麻倉葉虚が現当主を務める。麻倉家本家とは対立している。かつて葉王を忌まわしき者として闇に葬った麻倉家を恨んでおり、本家を滅ぼし、葉王を蘇らせるために暗躍し続けている。1000年にわたって続いている恨みによって、次期当主である麻倉葉羽をはじめとした一族のシャーマンは、高い巫力を持っている。次期当主麻倉花や現当主麻倉葉をはじめ、麻倉家の者の命を狙っている。

チームハオ

フラワーオブメイズ参加チームの一つ。現王の麻倉ハオによって選ばれたチームで、麻倉花が大将、アルミ・ニウムバーチが総監督、麻倉葉羽が親衛隊長を務める。のちに伊吹ガッコ、道黽もメンバーとなる。

チームヤービス

フラワーオブメイズ参加チームの一つ。先代シャーマンキング「フラ・ヤービス」に従う。フラ・ヤービスと敵対している麻倉ハオのチームであるチームハオとも敵対関係。鴨川羊介が大将を務める。のちにルドセブ、セイラーム、ブラックメイデンもメンバーとなっている。

G8 (じーえいと)

神々の組織。現王の麻倉ハオを含む歴代シャーマンキングのうち直近の8名で構成される。「GOD8」の略。先代の七人のうち三人が反対すると、それぞれが地上から代理人を選び、代理人同士を戦わせるフラワーオブメイズが開催される決まりとなっている。

麻倉家 (あさくらけ)

当時「麻倉葉王」を名乗っていた麻倉ハオを始祖とするシャーマンの名家。出雲に本家があるが、シャーマン家業だけでは苦しくなっているためふんばり温泉を営んでいる。麻倉花が次期当主となる一族でもあり、現当主は麻倉葉。かつては始祖であるハオと敵対し、転生を続けてシャーマンキングになろうとするハオの野望を阻止するという、重要な使命を負っていた。結果的にハオがシャーマンキングとなる事自体は阻止できなかったものの、シャーマンファイトに参戦した葉とその仲間達の活躍により、ハオによる人類滅亡は阻止された。

場所

プチ修羅地獄 (ぷちしゅらじごく)

麻倉ハオが、死亡した麻倉花を強化して新たな持霊を手に入れさせるために、送り出した世界。精霊王「グレートスピリッツ」の中にあるため、魂同士のコミューンが形成されている。桜井をはじめとした、現世とは異なる時代と、その時代の人間の魂が存在する。

パッチズカフェ豆 (ぱっちずかふぇまめ)

タリムがプチ修羅地獄のペリリュー島で経営しているカフェ。あの世とこの世を結ぶコーヒーチェーン店。あの世のあちこちにも店舗があり、トーキョー店には麻倉ハオと麻倉葉が訪れた事もある。店長のタリムがいつもニコニコしているため、しばしば飲食代を踏み倒されている。麻倉花を狙った鴨川羊介の襲撃によって、店舗が崩壊する。

ふんばり温泉 (ふんばりおんせん)

西東京市「ふんばりが丘」にある温泉宿。玉村たまおが現女将を務め、麻倉花が住んでいる。ふんばりが丘の北にひっそりとただずむ隠れ家のような温泉宿で、田舎と都会の境界線に位置する、知る人ぞ知る名湯となっている。元は麻倉アンナが女将を務めていた。

イベント・出来事

シャーマンファイト

『シャーマンキング』に登場する大会。500年に一度開催される、シャーマンの王を決める大会。優勝者には全精霊の王と呼ばれるグレートスピリッツを持霊とすることが出来、世界を左右しうる力を手に入れられるとされている。過去には仏陀やイエス・キリストなどが優勝を果たしたと言い伝えられる。

その他キーワード

シャーマン

『シャーマンキング』に登場する職業。現世とあの世を結び、霊や精霊、神とまで交信しうる力を持つ人々のこと。霊を自らの体に憑依させ、その能力を得ることも出来る。また、口寄せの術を使うイタコ、霊魂を呼び出して使役する降霊術師など、様々な種類のシャーマンが存在する。特別な関係を結んで、パートナーとなった霊魂を持霊と呼ぶ。

オーバーソウル

『シャーマンキング』に登場する用語。熟練の腕を持つシャーマンが使用できる技で、 持霊を自身の肉体ではなく、道具に憑依させることで持霊の能力を具現化させることが出来る。憑依させる媒介は、持霊と関係が深かったり、その能力を象徴するものが使える。オーバーソウルをさらに別の媒介にオーバーソウルする二段媒介、二つの持霊を同時にオーバーソウルさせるダブルオーバーソウルなどのバリエーションもある。

フラワーオブメイズ

『シャーマンキングFLOWERS』に登場する用語。神々の争いのこと。過去の歴代8人のシャーマンキングからなるG8において、現行シャーマンキングに対し異議申し立てがある場合G8サミットが開かれ、その際に神々が争って地球が滅びるのを防ぐため、自らのシャーマンたちを地上で代理戦争させるようになった。アルミ・ニウムバーチや麻倉葉羽はチームハオとして麻倉ハオに駆りだされ、鴨川羊介やブラックメイデンはチームヤービスとして集まっている。

パッチガール

アルミ・ニウムバーチが使用するオーバーソウル。腕や顔など体の各部にまとった甲縛式オーバーソウル。持霊はかつてシルバと共にいた5体の動物精霊だが、再形成されており、シルバのオーバーソウルとは、部位や形状などが異なっている。また、装備箇所が変わった事で機動力や攻撃力もアップしている。媒介としてそれぞれの精霊と同じ動物達の骨を使用している。

中鬼花 (なかおにはな)

麻倉花が使用する甲縛式オーバーソウル。花の中に閉じ込められた闇鬼が、花の命の危機を察すると出現し、花の全身を覆う巨大な鎧型のオーバーソウルとなる。花を守るために攻撃態勢となるが、花の感情も反映されるため、やや暴走気味になる事が多い。強固に圧縮された「鬼花」に変形する事もでき、より攻守共に優れたオーバーソウルとなるが、術者である花の性格の凶悪さも増してしまう。

ジャンヌシュヴァルツ

ブラックメイデンが使用するオーバーソウル。中世西洋の処刑道具「アイアンメイデン」の顔部分「アイアンメイ面」を媒介にした甲縛式のオーバーソウル。腕部分を中心に全身が棘で覆われた、刺々しく凶悪な見た目で、相手を棘に包み込む「ホールドオブデス」で攻撃する。ブラックメイデンの持霊であり、道黽の母親でもある「アイアン・メイデン・ジャンヌ」が使用されている。また媒介のアイアンメイ面も、元はジャンヌが使用していた媒介だった。

天照山車 (あまてらす)

麻倉路菓が使用するオーバーソウル。路菓の持霊である狛犬の精霊「震電」と「雷電」のほか、何者かが与えた正体不明の「本体」が使用されている。バイクのような姿の狛犬が、後ろの山車を牽引するような見た目になる。また「歩行天照山車(アルク・アマテラス)」に形状を変える事もでき、立ち上がった巨大ロボットのような姿になる。敵のオーバーソウルを強制解除させる光線「無無明怪光線」を撃てるが、これは「本体」の霊力による攻撃。見た目や名称などは麻倉葉虚が好むロボットアニメが影響している。

鬼兜 (おにかぶと)

麻倉花が使用するオーバーソウルの一つ。霊は阿弥陀丸で、媒介はフツノミタマノツルギ。鎧状にして術者がまとう形になる「甲縛式オーバーソウル」。すべての攻撃を受け流す「鎧(がい)」と、衝撃を吸収した事で変化する「剛(ごう)」の2形態がある。

明星山鉾 (びぐされむ)

月詠鉾と天照山車が合体したオーバーソウル。「歩行天照山車」の頭部に月詠鉾が装着されたような見た目になっている。実は月詠鉾と天照山車のもともとの姿であり、それぞれのオーバーソウルは明星山鉾を分離する形で生まれた。

月詠鉾 (つくよみ)

麻倉葉羽が使用するオーバーソウル。黒い傘を媒介に朧大凶を具現化し、祇園祭の山鉾の先端のような形になる。巨大な槍のような見た目で、先端で相手を突き刺すような攻撃が可能。

オーガハンター

伊吹ガッコが使用するオーバーソウル。ガッコの持霊のナマハを使った甲縛式オーバーソウルであり、術者の顔以外の全身部分をくまなく覆っている。なまはげのような見た目で、足部分はチームハオの証でもある「HAO」の文字が書かれた、ブロック型の靴で覆われている。右手には「DIVA」と書かれた巨大出刃包丁、左手には「男鹿半島」と書かれた巨大な桶。全身は藁で包まれている。出刃包丁を振り下ろす必殺技「鬼斬り包丁」には相手の「悪の部分」だけを斬る力があり、麻倉花の闇鬼を斬り、彼のオーバーソウルを強制解除させた。

前作

シャーマンキング

武井宏之の代表作。霊と交信しその力を行使するシャーマン達による、全知全能の力を手にするシャーマンキングを決める大会、シャーマンファイト。ゆるく生きることを目的として、シャーマンファイトに挑む少年、麻倉... 関連ページ:シャーマンキング

続編

SHAMAN KING THE SUPER STAR (しゃーまん きんぐ ざ すーぱー すたー)

武井宏之の代表作「シャーマンキング」シリーズ第3作で、『シャーマンキングFLOWERS』の続編。シャーマンの少年・麻倉花が、シャーマン同士の新たな戦いである「フラワーオブメイズ」に挑んでいく姿を描いた... 関連ページ:SHAMAN KING THE SUPER STAR

関連

シャーマンキング0 (しゃーまんきんぐぜろ)

武井宏之の『シャーマンキング』のスピンオフ作品。シャーマンファイト参加者が何を思い、なんのために参加を決めたのか、その原点を描いた本編の前日譚。本作はオムニバス形式となっており、シリーズファンはもちろ... 関連ページ:シャーマンキング0

書誌情報

シャーマンキングFLOWERS 6巻 講談社〈マガジンエッジKC〉

第1巻

(2021-07-15発行、 978-4065241561)

第2巻

(2021-07-15発行、 978-4065245668)

第3巻

(2021-08-17発行、 978-4065243015)

第4巻

(2021-08-17発行、 978-4065243022)

第5巻

(2021-09-16発行、 978-4065247730)

第6巻

(2021-09-16発行、 978-4065247761)

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