村人ですが何か?

村人ですが何か?

「村人」として異世界に転生した男が、転生者特典のチートスキルを駆使し、村人のままステータスを上げて最強を目指す異世界転生ファンタジー作品。白石新によってWEB上で発表された同名の小説作品が原作。

正式名称
村人ですが何か?
ふりがな
むらびとですがなにか
原作者
白石 新
作画
ジャンル
転生
レーベル
ドラゴンコミックスエイジ(KADOKAWA)
巻数
既刊14巻
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あらすじ

第1巻

現代日本で交通事故に遭い、異世界へと転生したリュート=マクレーン。あらゆる能力が職業適性によって制約される異世界において、リュートはほとんどのステータスが低い「村人」の職業適性を持ち、貧農の家に転生していた。リュートの転生と同時期に、近所の家に「勇者」の職業適性を持つコーデリア=オールストンと、「賢者」の職業適性を持つモーゼズが誕生し、三人は仲のいい幼なじみとして成長する。しかし、三人が15歳になったある日、リュートは、彼を内心で見下し、憎んでいたモーゼズによって罠にはめられて川に流され、赤龍との遭遇後に命を落としてしまう。ところが、リュートは転生特典スキルの「死に戻り」を使い、転生直前の状態に戻る事に成功。前回とは別の転生特典スキルを選び直したリュートは、2度目の転生を行ない、「村人」のまま最強になってコーデリアを守るため、入念に構築していた最適解を実践。転生直後から転生特典スキルを活用してステータスを徹底的に鍛え始めていく。前回の転生で「叡智」の転生特典スキルを駆使し、世界中の書物を脳内で閲覧していたリュートは、膨大な知識を活かして赤ん坊の頃から魔力拡張に励み、6歳になる頃にはMP(魔力)が1万を超えるほどになるまで成長を遂げる。さらにリュートは、伝説の「オーク=キラー」であるバーナード=アラバスターに師事し、6年をかけてステータス基礎値を高める「鋼体術」のスキルをマスター。父母やコーデリアに知られる事なく、人外ともいえる域へと到達する。そして4月3日、ゴブリンの軍勢の襲撃を受けた村を守るため、勇者として神託を受けたコーデリアは決死の覚悟で戦っていた。前回の転生で、あとで現場に現れる赤龍がゴブリンを一掃する事を知っていたリュートだったが、傷つくコーデリアを見過ごす事ができず、ゴブリンを己の拳で粉砕する。勇者を上回る強さを見せるリュートに、現場に現れた赤龍は困惑するが、彼の心を読み、前回の転生時にした約束のすべてを察する。別れを悲しむコーデリアに、数年後の再会を約束したリュートは、赤龍と共に龍の里へと向かい、そこを総べる龍王に謁見する。

第2巻 

龍王との謁見を果たしたリュート=マクレーンは、世界に四人しかいない「神託の勇者」であるコーデリア=オールストンを「村人」に過ぎないリュートが救った事で歴史が狂ってしまい、世界が破滅を迎えつつある事を指摘される。リュートは、いずれ来る邪龍との戦いで、勇者として覚醒できなかったコーデリアが必ず敗北すると告げられ、自分がコーデリアを上回る強さの「ドラゴンキラー」になると宣言し、龍王からレベルアップ時のステータス補正を龍人並にする「龍王の加護」をもらう事に成功する。その後、リュートは龍の里の郊外にある地下迷宮で、奴隷の少女であるリリスとレベルアップ活動を始める。正面からの力押しを極力避け、知恵と工夫をこらして迷宮の試練を思いもよらぬ方法で次々と突破し、レベルを100以上に上げたリュートは、最終試練であるドラゴンゾンビとの戦いに挑む。しかし、その試練の相手は、リリスの育ての親である土龍であった。土龍の破壊的な攻撃の前に苦戦を強いられるリュートだったが、二つのスキルを同時に使う事で瞬間的に土龍を上回る力を引き出し、見事に土龍を撃破。スキル「神龍の祝福」を得たリュートは、リリスと龍の里を離れ、さらなる修行の場を求めて新天地へと旅立つ。一方、リュートと別れたあとに勇者として各地で活動し、選りすぐりの騎士団と遠征に出ていたコーデリアは、とある森で邪龍、アマンタに遭遇。本来の歴史では倒せたはずのアマンタの攻撃の前に、騎士団はあえなく壊滅。コーデリアも敗北寸前にまで追い詰められてしまう。しかし、そこにたくましく成長したリュートが現れ、コーデリアを救出。異常なほど腕の立つリュートの正体を訝しがるアマンタに対し、リュートはあくまで自分が一介の村人である事を主張するのだった。

第3巻

邪龍、アマンタを挑発し、1対1の戦いに持ち込んだリュート=マクレーンは、すべての面でアマンタを上回る力を発揮し、盤石な戦いぶりでアマンタを圧倒する。窮地に追い込まれたアマンタは、対象を魅了する複数の「魔眼」を切り札として発動するが通じず、リュートの渾身の一撃で完全に滅されるのだった。コーデリア=オールストンと数年ぶりの再会を果たし、喜びをひとしきり味わったリュートは、待ち受ける過酷な運命からコーデリアを救うため、リリスと共に再び修行へと旅立つ。港町ターレスへ立ち寄ったリュート一行は、リリスの奴隷紋を消滅させるために奴隷商会に足を運ぶが、手続きに金貨10枚という大金が必要なうえ、残り1か月で奴隷紋を消去しなければ、リリスが命を落としてしまうという衝撃の事実を知る。残された時間が少ない事を悟った二人は森へ向かい、工夫をこらして希少な果実を大量に採取したり、強大な魔物「水馬の変異体」を倒して、金稼ぎとレベルアップを同時に図っていく。その翌日、リュート達の噂を聞きつけた魔法大学院の主任教授を名乗る女性から、多額の報酬と引き換えに人面薬草(マンドラゴラ)の採取を依頼された二人は、Aランクの実力を持つパーティーと組み、採取の現地へと赴く。苦労の末、人面薬草の群生地にたどり着いたものの、そこは草木も生えない荒野と化していた。リュートは辛うじて種を見つけ出し、転生特典スキル「農作物栽培」を活用して必要数の人面薬草を確保して街に引き返し、謎の女性に人面薬草を売却。金貨100枚以上という値がつけられるものの、巨額なため支払いが遅れる事になってしまった。しかし、リュートが「水馬の変異体」を倒した事で金貨15枚という高額の報酬を得られたため、リリスを晴れて自由の身にする事に成功する。同じ頃、人間界と魔界の境にあるカジノ都市、ヴィシュメールの闘技場で王者の称号を得ていたエスリン=マクベスは、旧知の間柄である魔術師のマーリン=オニキスから、最近見つけたという面白い「村人」の存在を知らされる。

登場人物・キャラクター

リュート=マクレーン (りゅーとまくれーん)

現代日本で交通事故に遭って命を落とし、異世界に転生して来た男性。職業適性は、どんなに訓練を積んでも初級魔法しか使えないなど、能力に多くの制約がある「村人」。1度目の転生後、15歳の時にコーデリア=オールストンとの仲のよさを嫉妬したモーゼズの策略によって死へと追い込まれる。しかし、転生者に与えられた転生特典スキルの「死に戻り」と「叡智」のうち、「死に戻り」を使用する事により、同じ状況下で1度目の記憶を保持したまま2度目の転生を果たす。2度目の転生特典スキルに「不屈」と「農作物栽培」を選び、「不屈」を利用して幼少期から魔力(MP)拡張に励んで莫大なMP上限値を獲得。それを足掛かりにして人知れず修行を重ね続け、単なる「村人」を超えたたくましい戦士へと成長していく。そうまでして強くなりたいと願う動機のすべてがコーデリアにあり、期せずして「神託の勇者」に選ばれてしまった彼女の運命を自らの手で背負い、守ろうとしている。苦難に遭っても決してめげる事はなく、何人にも屈しない鋼の精神の持ち主。なお、日本人だった頃の本名は「飯島竜人」。

コーデリア=オールストン (こーでりあおーるすとん)

リュート=マクレーンと3日違いで生まれた美少女。職業適性は「勇者」であり、10代にして国の決戦兵器になりうるほどの戦闘能力を持っている。幼なじみとして育ったリュートに好意を抱いており、物心ついた時からリュートを兄のように慕っていた。心優しい性格で、好きなものは花。そのため、神託を受けて勇者の道を歩む事になったあとも、一人の女の子として平穏に暮らしたい本心と、課せられた使命の重さの狭間で苦悩を続けていた。本来の運命では、村を襲ったゴブリンとの戦いで深手を負い、勇者としての力を覚醒させるはずだったが、リュートが2度目の転生時に彼女を助けた事で、結果的に覚醒を妨げられてしまう。リュートが龍の里へ行ったあとに騎士団預かりとなり、国のために戦う身となる。数年後、騎士団と遠征に出た際に邪龍、アマンタと遭遇し、敗勢に追い込まれるが、たくましく成長したリュートによって救出される。

モーゼズ

眼鏡をかけた長髪の青年。リュート=マクレーンと同時期に生まれた。職業適性は「賢者」であり、高いステータスと一騎当千の戦闘能力を持つ。リュート達とは幼なじみであり、仲のいい友人として育った。コーデリア=オールストンに崇拝に近い恋愛感情を抱いていたが、彼女がリュートに好意を抱いている事に激しく嫉妬し、1度目の転生だったリュートを罠にはめ、川に落として殺害を試みる。

バーナード=アラバスター (ばーなーどあらばすたー)

ボロボロの姿をした世捨て人のような男性。リュート=マクレーンの住む村の外れに住んでいる。かつて王都最強と称された剣豪だったが、今は隠遁生活を送っている。職業適性は「村人」で、平凡ながら幸せな家庭を築き、静かに暮らしていたが、オークに家族を殺されてすべてを失い、村から姿を消す。その十数年後、王都騎士団の団長に襲名してオークの討伐に心血を注ぎ、「オーク=キラー」の異名をとっていた異色の経歴の持ち主。2度目の転生を送っていたリュートに懇願されて師匠となり、「村人」の職業適性であってもステータスを大きく上げる事ができる「鋼体術」のスキルを伝授する。

その他キーワード

転生特典スキル (てんせいとくてんすきる)

現実世界で死亡し、異世界に転生する人間に与えられるスキル。転生時には何種類かあるスキルのうち、2つまでを付与することができる。また、スキルは一度しか選ぶことができない。転生前にはスキルの大雑把な概要しか教えられないが、使い方次第で強力なものもある。

死に戻り (しにもどり)

転生特典スキルのひとつ。概要は「転生後一定期間中に死亡した場合、転生直前の状態に戻る」というもの。ほかにはない復活系のスキルで、同じ状況、同じ職業適性のもとに転生をやり直すことができる。期間は少なくとも15年以上。転生者に対するチュートリアル機能という側面がある。

叡智 (えいち)

転生特典スキルのひとつ。概要は「脳内でBランク以下の書物を検索・閲覧できる」というもの。リュート=マクレーンは一度目の転生時に選択し、二度目の転生でステータスを効率的に上げるプランを構築することに利用した。

不屈 (ふくつ)

転生特典スキルのひとつ。概要は「肉体負荷と精神負荷によるステータス低下の影響を減少させる代わりに心疲労大」というもの。リュート=マクレーンは二度目の転生で選択し、幼少期に最大効率で魔力(MP)を拡張する訓練に利用した。

農作物栽培 (のうさくもつさいばい)

転生特典スキルのひとつ。概要は「栽培する植物の質と生産量を増加させる」というもの。リュート=マクレーンは二度目の転生で選択。効率的にステータスを上げるプランとはとくに関係なく、「コーデリア=オールストンは花が好きだから」という理由から選ばれた。

クレジット

原作

白石 新

キャラクター原案

白蘇 ふぁみ

書誌情報

村人ですが何か? 14巻 KADOKAWA〈ドラゴンコミックスエイジ〉

第1巻

(2017-06-30発行、 978-4040723174)

第11巻

(2022-10-07発行、 978-4040747163)

第12巻

(2023-06-09発行、 978-4040749839)

第13巻

(2023-12-08発行、 978-4040752464)

第14巻

(2024-09-09発行、 978-4040755892)

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