異世界チートサバイバル飯

異世界チートサバイバル飯

赤石赫々の小説『異世界チートサバイバル飯 食べて、強くなって、また食べる』のコミカライズ作品。異世界に転生し、特殊なスキルを得た上総悠のサバイバル生活や冒険を描くグルメファンタジー。「ComicWalker」で2018年9月から配信の作品。

正式名称
異世界チートサバイバル飯
ふりがな
いせかいちーとさばいばるめし
原作者
赤石 赫々
作者
ジャンル
ファンタジー
 
転生
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
既刊12巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

食とアウトドアを愛する以外はふつうの高校生である上総悠は、楽しみにしていたキャンプの前日に交通事故に遭って命を落とす。悠が目覚めたのは見知らぬ異世界「ヴィエール」の山の中で、そこには知らない植物や動物が生きる不思議な光景が広がっていた。異世界に転生したことを自覚した悠は、周囲の探索を開始し、持ち前のサバイバル知識を生かしながら、一人でも生活ができるように食べ物や水を確保しようとする。その中で、自分が毒を感知する能力を得ていたことに気づいた悠は、雨風をしのぐためのテントや調理のための小道具を作り、本格的なサバイバル生活を開始する。ヴィエールに転生してから数日後、探索中に崖から落ちた悠は死を覚悟するが、落ちてもなぜか軽いケガだけで無事だった。体が異様に硬くなっていることから、先日食べたエビが持つ硬質化の能力が自分に宿っていると気づいた悠は、毒の感知だけでなく「食べた対象の能力を得られる」チートスキルに目覚めていたことを悟る。これらのスキルを生かしてさらに探索を進める悠は、周囲の動植物の特徴や自分が持つスキルの詳細を探っていく。そんな中、人の悲鳴を聞いた悠は気になって様子を見に行くが、そこには銀髪の少女が倒れていた。目を覚ました少女は魔法使いのクララを名乗り、足をケガしていた彼女は、魔法での治癒が終わるまで悠といっしょに行動することになる。悠はクララからヴィエールのことを教えてもらいながら、彼女と共に新しい生活を楽しんでいく。

第2巻

異世界「ヴィエール」でのサバイバル生活を楽しむ上総悠は、新しく騎士の少女カティア=フィロワを仲間に迎える。キャンプ知識やサバイバル知識、ヴィエールで得たスキルを生かしながら、悠は次々と不思議な能力を獲得していく。獰猛(どうもう)なモンスターがはびこる危険な秘境も悠たちにとっては食材の宝庫で、彼らはバトルだけでなく料理や食事も楽しみながら、知識や経験を積んでいった。そんな悠たちが次に狙うのは、美しい海を泳ぐ未知の魚介類であった。クララに留守番を任せてカティアと共に素潜りを始めた悠は見たこともない魚に遭遇するが、巨大な音を放たれたことで捕獲には失敗。カティアのアドバイスを受けながら気を取り直して別の魚に挑んだ悠は、慎重に攻撃を仕掛けることで捕獲に成功する。さらに、カティアからこの世界のどこかにある「極圏」の存在を聞いた悠は、強大な力を持つ未知のモンスターとの出合いを求め、極圏に強い興味を抱く。キャンプに戻ってクララと合流した悠たちは、海で捕獲したバブリンで料理を始める。バブリンの一般的な調理法を聞いた悠は、寄生虫を慎重に取り除いたうえで、ヴィエールではなじみのないつみれ汁とカルパッチョに挑戦。調理は成功し、クララとカティアは見知らぬ料理と食べたこともない味に感動する。悠は食後の会話の中で、ヴィエールでは生魚を食べる習慣がなく、さらに栄養学もあまり発展していないことを知る。悠は疑問を抱いたクララたちに、栄養バランスの重要性について語り始める。

第3巻

山中に家を作ってサバイバル生活を続けながら料理を楽しんでいた上総悠たちだったが、強力な火炎ドラゴンが出現したことにより、避難のためにキャンプを離れることになる。まだ治癒が完了していないクララを支えながら山を下り、彼女の故郷を目指すことになった悠は、未知の村の文化や食事に興味を抱きながらわくわくしていた。だが、村を目指す道中で火炎ドラゴンに再び遭遇してしまい、三人は退路を断たれてしまう。逃げずに立ち向かう決意をした悠は、カティア=フィロワと連携しながら、次々と繰り出される攻撃をかわしていく。しかし、高い知能を持つ火炎ドラゴンは二人の攻撃を予想して動くようになり、それを察知した悠は裏をかいて反撃しようと、カティアにある作戦を提案。危険だと知りながらも作戦に乗ったカティアの協力を得て、悠はこれまで修得してきた数々の能力を活用しながら反撃を開始する。だが、火炎ドラゴンの吐いた高熱ブレスの直撃を悠が受けた瞬間、目の前で彼が焼かれるのを見たカティアとクララは強いショックを受ける。しかし次の瞬間、以前獲得していた泡のスキルを駆使して無数の泡をまとった悠は炎熱に耐え、カティアの援護を受けながら火炎ドラゴンに強力な一撃を放つ。ピンチからみごと逆転し、泡の鎧に守られて軽傷で勝利した喜びをクララたちと分かち合いながら、悠はさっそく火炎ドラゴンの芳醇な肉で調理を開始する。

第4巻

強力なモンスターが住む秘境「極圏」にあこがれを抱く上総悠は、いつか極圏に行くことを夢見ながら、再びクララと旅立つ。いったん別行動を取ることになったカティア=フィロワに再会するため、巨大都市「モイラス」を訪れた悠たちは、街の探索も兼ねて腹ごしらえをすることになる。その前に希少なドラゴンの爪をもとに金を用意することにした悠たちは、換金屋のヘンリーを訪ねる。2本あった爪のうち1本はヘンリーに換金してもらえることになり、残りの1本は彼が紹介した加工屋に、強力なナイフに加工してもらうことになる。腕が立つと評判の加工屋に爪を預けた悠たちは、再び街に戻ってあちこちの屋台を回りながら、未知の料理や食材に感動する。その中で芋煮の屋台を訪れた悠は懐かしい味に感動するものの、屋台は繁盛しておらず、店主は今日中に店を畳むと寂しそうに語る。このままではせっかくの芋煮がもったいないと思った悠は、余った芋を使ったサイドメニューを提案。悠が作ったのは芋を薄切りにして揚げただけのシンプルなポテトチップスだったが、異世界「ヴィエール」では知られていない料理で、店主やクララにとってはまったく新しい味だった。芋煮といっしょにポテトチップスを売るようになった店主の屋台が繁盛したのを見届けながら、悠たちはカティアが待つザオ教の神殿に向かう。数週間ぶりに会ったカティアとの再会もつかの間、悠に興味を抱くディミトリアス=ランドールに会うように頼まれた悠たちは、彼女の案内を受けて神殿の奥へ向かう。

関連作品

小説

本作『異世界チートサバイバル飯』は、赤石赫々の小説『異世界チートサバイバル飯 食べて、強くなって、また食べる』を原作としている。原作は本作と同様に異世界を舞台にしたグルメファンタジーで、特殊なスキルを得た上総悠のサバイバル生活や冒険が描かれている。ファンタジア文庫から刊行されており、イラストは東西が担当している。

登場人物・キャラクター

上総 悠 (かずさ ゆう)

日本に住む男子高校生で、食とアウトドアを愛すること以外はごくふつうの少年。明るく活発で食べることが大好き。サバイバルや探検に強い関心を持ち、未知の動植物や食材に対して好奇心旺盛な一面もある。キャンプの前日に交通事故で命を落とし、見知らぬ異世界「ヴィエール」に転生する。異世界に転生したと悟ったあとは、周囲を探索しながら水や食料の確保を優先し、ペットボトルやカッターナイフなど持っていた道具の一部を使いながら、一人でサバイバル生活を始める。元々アウトドアが趣味なためにサバイバル知識が豊富で、料理も器用にこなす。ヴィエールに転生したことでいくつかのスキルを得ており、毒や寄生虫を感知するスキルと、食べた対象が持つ能力や特徴を得るという、特殊なスキルを持っている。これらのスキルを生かし、最初に食べたエビのような生き物が持っていた「硬質化」の能力や、酸味の強い木の実が持つ「誘引」の能力を新たに獲得する。その後も海で獲った魚や退治したモンスターの肉を使った料理を食べることで身体能力が強化されていき、生活はもちろん戦闘でも役立つさまざまな能力を得ていった。当初は一人だけで自給自足の生活を送っていたが、探索中に救出したクララと、ディアルクとの戦闘で出会ったカティア=フィロワを仲間に加え、共にキャンプで暮らすようになる。カティアに聞いた極圏にあこがれを抱き、クララの故郷に到着したあとは極圏に行くことを目指しながら、再びクララ、カティアと共に旅立つ。山を下りてモイラスに来てからは、「ユウ=カズサ」を名乗っている。

クララ

異世界「ヴィエール」の住人で、魔法使いの少女。銀髪で明るくまじめな性格の美少女で、食べることが大好き。魔法だけでなく、食材の知識も豊富。ケガをして倒れていたところを、山を探索していた上総悠に助けられ、彼に手料理を振る舞われたことで親しくなる。それからは、ケガの治癒が終わるまで悠のキャンプに置いてもらうことになり、彼と共に山でサバイバル生活を始める。元は山の麓にある村に住む村娘だが、言いつけを破って山を探索していた。悠のことは恩人として慕っており、世話になる代わりにヴィエールの知識や、魔法の基礎を彼に教えている。悠にとってはヴィエールで初めて出会った人間であり、見知らぬ世界で不安や孤独を感じていた彼の心の支えとなった。ヴィエールにおいて希少な治癒魔法を使いこなし、自力で骨折を治せるほどの高等な魔法も使える。このため魔法には自信があるが、ケガで自由に歩けないうちは悠とカティア=フィロワの足手まといになっていることに負い目を感じ、火炎ドラゴンが現れた時は自らを犠牲にして二人を守ろうとしていた。それでも見捨てなかった悠とカティアの協力を得て無事に村に戻り、父親のロージィと母親のレシタに再会する。実は拾われた子で、ロージィたちは本当の親ではなく育ての親であり、元はマオル族の末裔。悠が極圏を目指す決意をしてからは、彼の旅を支えるためとクララの同胞を探すために同行を決意し、村を旅立った。その後は悠と共にモイラスに赴き、カティアと再会後は白の砂漠の調査に同行することになる。

カティア=フィロワ

異世界「ヴィエール」の住人で、モイラスで神殿騎士を務める金髪の少女。山での任務中に出会った上総悠とクララの仲間になる。小柄な少女に見えるが、実年齢は19歳。神殿騎士は18歳以上の者しかなれないため、幼い見た目から騎士と思われないことが多い。生まじめで義理堅く、勇敢な性格をしている。騎士団の命を受けてドラゴン調査のために山に来ていたが、都会っ子のためにサバイバル慣れしておらず、遭難していたところで悠がディアルクに苦戦している場面に遭遇。愛用の大剣を悠に貸し、彼を勝利に導いた。飢え死にしかけていたが、悠が作ったディアルクの焼き肉を食べて回復し、任務を終えるまで彼のキャンプに置いてもらうことになる。これ以来、悠とクララと共にサバイバル生活を始め、食材調達やモンスターとの戦闘などをサポートするようになる。悠とクララのことは友人として大切に思い、窮地を救ってくれた恩人だと感謝している。剣術を中心に高い戦闘力を持つが、実は極度の虫嫌いで、虫を見ると幼子のように泣きじゃくることもある。この虫嫌いが災いし、虫の多い自然の中では十分な睡眠を取ることができず、体調不良を起こすこともあった。不調の原因を知った悠の提案で虫の侵入を阻むための家と寝台が作られ、睡眠不足が解消された。その後は悠たちと共に火炎ドラゴンを撃破して任務を完了し、クララの故郷に到着後は悠たちに別れを告げ、任務の報告のためにモイラスに戻る。悠たちと再会後はディミトリアス=ランドールから新たな任務を命じられ、再び悠たちのパーティーに加入し、白の砂漠の調査に出る。

ディミトリアス=ランドール

ザオ教の大司教で、カティア=フィロワの上司にあたる男性。眼鏡を掛けた穏やかで理知的な性格で、若くしてザオ教の大司教としてモイラスの神殿をまとめている。部下のカティアを助け、火炎ドラゴンの討伐に協力した上総悠の特別なスキルに興味を持ち、彼女を通して神殿に呼び寄せる。悠たちにスキルについて解説し、彼が求める極圏行きを全面的にバックアップするようになる。旅のサポート役として、以前から保護していたアリシア=ウェアリーを悠たちに託し、白の砂漠の調査を依頼する。ふだんは温厚だが、探求に燃える知的好奇心旺盛な一面があり、スキルをはじめとする未知の力に強いロマンを感じている。悪人は罰し、罪なき人々には迷いなく救いの手を差し伸べる慈悲深い人物でもあり、カティアからの信頼も厚い。

アリシア=ウェアリー

モイラスの神殿に住む少女で、上総悠と同じく後天的にスキルを得たスキルホルダー。セミロングを三つ編みにまとめており、スキルの影響からつねに眠たそうにしている。おとなしく冷静な性格だが、子供扱いされるのを嫌っている。対象の眠気を誘ったり興奮状態を鎮めたりできる「まどろみ」という不思議なスキルと、高い魔力を持つ。ザオ教の一部の者が古くから行ってきたスキルの人体実験を受け、5歳の頃から人為的に長時間眠らされ続けたことにより、まどろみのスキルに目覚めた。これらの事情を知るディミトリアス=ランドールによって保護され、彼に紹介される形で悠のパーティーにサポート役として加わる。ディミトリアスの依頼により、悠たちと共に白の砂漠の調査をすることになる。一見冷淡だが、実験のために酷い目に遭わされた過去はトラウマとなっており、優しく接してくれる悠たちには安らぎを感じている。

ディアルク

上総悠のキャンプに出現した山の主で、凶暴な獣のモンスター。強靱な脚力と巨大な2本のツノを持つトナカイのような姿をしており、猟師を何人も葬ってきた。突進を中心とする強力な攻撃で悠とクララを追い詰めるが、カティア=フィロワに武器を借りた悠に反撃されて敗れる。芳醇な肉は悠によって調理され、ほんのりとした甘味のある理想の焼き肉に仕上がった。また、残ったツノ部分は悠によって両刃剣に加工され、火炎ドラゴンとの戦いでも活用された。

バブリン

異世界「ヴィエール」の海に住む魚で、食用としても一般的。口が細長く、頭部にアンテナのような1本のツノが生えている。大きな肺に空気をためることができ、開閉できる無数の孔から泡を発して身を守る習性がある。この孔が油を吸ってしまうために揚げ物には向かず、焼いたり蒸したりして調理するのが主流となっている。ヴィエールでは生魚を食べる文化がないために知られていなかったが、寄生虫を取り除けば生食と相性がよく、上総悠によってカルパッチョに調理された。シャリッとした爽やかで軽快な食感があり、酸味のある調味料とよく合う。バブリンを食べた悠は、全身に泡をまとって防御力を上げる能力を身につけた。

火炎ドラゴン (かえんどらごん)

山に潜む炎のドラゴンで、元は極圏に住んでいた。危険なドラゴンとしてカティア=フィロワの調査対象となっていたが、上総悠のキャンプに姿を現し、彼らに襲いかかる。鋭い爪や牙だけでなく、炎熱のブレスなど強力な攻撃力を持つ。また、ほかのモンスターよりも高い知能を持ち、悠とカティアの攻撃パターンをすぐに学習して追い詰める。その学習能力を逆手に取った悠の反撃を受け、炎熱ブレスで対抗するものの、バブリンの泡をまとって耐えた悠によって逆転された。退治されたあとは悠によって最高級のステーキに調理され、それを食べた悠は強力な咆哮とブレスを放つ能力を手に入れた。また、残ったツメ部分はモイラスで換金され、一部は上等なナイフに加工された。

ヘンリー

モイラスの街中で換金所を営んでいる男性。穏やかな性格の糸目の老人で、店に訪れた上総悠たちが持ち寄った火炎ドラゴンの爪を高額で買い取る。加工屋とは知り合いで、よく客を紹介している。悠たちに加工屋を紹介し、残ったドラゴンの爪を上質なナイフに加工するように勧めた。

加工屋 (かこうや)

モイラスの街はずれで加工屋を営んでいる中年男性で、ヘンリーの知り合い。やる気がなさそうに見えるが、モンスターの素材などを武器や道具に変えることを得意とする、腕ききの職人。ヘンリーの紹介で訪問した上総悠から、火炎ドラゴンの爪の加工を依頼される。強力なドラゴンを倒した悠たちに興味を持ち、久しぶりの大仕事に職人魂を燃やす。悠の頼みで特別な機能を施したうえで、上質なナイフに仕上げた。

場所

ヴィエール

上総悠が転生した異世界。魔力や魔法が存在し、山や森林にはモンスターが住んでいる。中世ヨーロッパ風の風景が広がり、同等の文化が築かれている。あらゆる食材には魔力の源である「マナ」が含まれており、その量は食材の種類や質によって異なる。このため、健全な食生活を送っている者ほど魔力の回復が早くなるが、生まれ持った魔力の絶対量は特別な訓練を重ねなければ、自然に増えることはない。また、食性などを問わず魔力を豊富に持つ強いモンスターの肉ほど、上質でおいしい傾向にある。ただし、強いモンスターの大半は極圏など人間にとって危険な地域に住んでいる。魔法使いや魔術師を中心に魔法技術が発達しているため、悠のように別世界から来た人間にも、翻訳魔法を使えば言葉が通じる。ただし、体力を戻すだけの回復は簡単でもケガや病気などを治療する治癒魔法はとても希少で、これらの高等魔法を使える者は少ない。食材は豊富にあるものの衛生学や栄養学はあまり発達しておらず、生魚を食べる習慣はない。冒険や探検に関する文化が早くから発達しており、ファイアスターターをはじめとするサバイバルグッズも最新レベルの品が開発されている。

極圏 (きょくけん)

異世界「ヴィエール」のどこかにある秘境。天候や環境が厳しいため、人が住むのには適していない。その一方で過酷な環境に耐えるために進化した、強力なモンスターが多数潜んでいる。ドラゴンなどの強力なモンスターは、元々極圏に住んでいたものが多く、まれに極圏から出て人の住む地域に現れることがある。つねに濃いマナで覆われた森や天空に浮かぶ島などその種類はさまざまだが、調査が行き届かず詳細がわかっていない場所が多い。強いモンスターを求めて冒険者たちがこぞって探索に出ているが、その大半は過酷な環境に耐えられず命を落としたり、行方不明になったりしている。危険地帯でもあることから、二次被害を防ぐために神殿騎士でも渡航許可はめったに下りず、行方不明者は死亡扱いになっている。ただし、行方不明者が重要人物であった場合は特例で許可が下り、神殿騎士によって捜索が行われる。

白の砂漠 (しろのさばく)

異世界「ヴィエール」の極圏の一つ。名前のとおり延々と白い砂漠が広がっている乾燥地帯で、一部で水が発見されており、長期の探検や調査から帰還した者もわずかながら存在する。人が住めない理由としては、水の少なさや空気の乾燥、寒さなどがある。それでも過酷な環境が多い極圏の中では比較的環境が穏やかで、強いモンスターもあまり住んでいない。

その他キーワード

マナハーブ

異世界「ヴィエール」の山などに自生する希少なハーブ。魔力の源である「マナ」を多く含んでいる。見た目はふつうの葉っぱだが数枚あれば家族で半年暮らせるほどの高級品で、香りもよく甘酸っぱい味がする。マナを多く含むために魔法使いにとっては希少な植物だが、人が近づくと色を変える性質を持つため、見つけ出すのは困難。

グラスタイラップ

異世界「ヴィエール」の山などに自生する植物で、葉の部分は食用にも使われる。葉の部分が踏まれると地中から複数の根を出し、獲物の小動物などを絡め取って絞め殺すことで栄養素を吸収している。根は強靱だが葉は繊細で柔らかく、葉の先端に生えている細いツルのような部分はセンサーになっている。梅干しに似た爽やかな香りや酸味があり、肉や魚介類などの臭みなどを取り除くのにも向いている。これらの特徴を活用しながら、上総悠によってスパイクタートルの天ぷらに調理された。これを食べた悠は、獲物を捕縛するグラスタイラップの性質とスパイクタートルのトゲを合体させる形で、地中から鋭いトゲを出して敵を貫く能力を手に入れた。

魔除けの根 (まよけのね)

異世界「ヴィエール」において魔除けの効果があるとされるアイテム。ザビィという植物を基に作られている。いつまでも腐らないため、魔を払う効果があると信じられている。神殿騎士のあいだでも、極圏の旅の無事を祈るお守りとして流行していた。食べ物ではないが、ワサビのような刺激臭がある。

神殿騎士 (しんでんきし)

神に仕えて戦う騎士で、カティア=フィロワが就いている職業。男女問わず志願できるが、18歳以上でなければ神殿騎士にはなれない。部隊は男女に分かれて活動している。主に騎士団や神殿に所属し、各地の人々を助ける仕事をしており、人々からの信頼が厚く、「神殿騎士様」などと呼ばれて尊敬されている。たまに極圏から流れてくる危険なモンスターを退治するほか、極圏で重要人物が行方不明になった際に捜索に出ることも、重要な任務となっている。

スキルホルダー

異世界「ヴィエール」において、魔法でも再現できない「スキル」という摩訶不思議な力を身につけた者のこと。その種類はさまざまで、ふだんの生活や冒険に役立つ力から戦闘に役立つ力まで幅広くある。生まれつき持っている者もいれば、ある日突然目覚める者もいるが、スキルを持つ者は少ない。モンスターが持つ能力と似たような部分があるが、解明されていない部分も多く、未知の力となっている。ザオ教の一部では、アリシア=ウェアリーのように才能ある者を無理やりスキルホルダーに目覚めさせる危険な人体実験が、昔から秘密裏に行われている。

マオル族 (まおるぞく)

異世界「ヴィエール」に存在する魔法使いの古い種族。かなり昔に滅んだとされているため、人々にとってはおとぎ話や伝説のような存在。ヴィエールではかなり珍しいとされる銀色の髪を持ち、治癒魔法を中心に高度な魔法を使える。とある国の王が不老不死を求めてマオル族の人々を攫ったため、一般的には絶滅したことになっているが、極圏に逃れた者が生きているという説もある。

クレジット

原作

赤石 赫々

キャラクター原案

東西

書誌情報

異世界チートサバイバル飯 12巻 KADOKAWA〈MFC〉

第9巻

(2022-09-22発行、 978-4046817020)

第10巻

(2023-02-22発行、 978-4046821638)

第11巻

(2023-08-23発行、 978-4046827104)

第12巻

(2024-02-22発行、 978-4046832825)

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