概要・あらすじ
AD2020、東京は女性への性犯罪が多発するような狂都市(クレイジーパラダイス)となり、紅月司は危険回避のために女であるが男として育てられた。ヤクザである白神竜二の父親が殺された現場に居合わせたことで、警察官であった紅月司の両親は殺されてしまう。両親を亡くし住む場所を失った紅月司たち兄弟は、白神竜二の父親を殺した犯人を知っていると噓をつき、食事をたかりに白神竜二が三代目を務める九竜組を訪ねるのだった。
そして九竜組からトンズラしようとするがつかまり、犯人を見つけるため、また借金を返済するために紅月司は白神竜二のボディガードをする事になる。紅月司はヤクザ同士の抗争に関わっていくうちに、自分の出生に秘密があることを知るのだった。
登場人物・キャラクター
紅月 司 (こうづき つかさ)
私立鹿王南中学校2年生で白神竜二とは同じクラス。風紀委員。髪型は黒髪のショートカット。警官だった両親は、凶悪犯罪が多発する街で生き残るために、紅月司の胸にプロテクターを付けさせて男として育てる。3年前、おぼれかけた事から水が嫌いで泳げない。正義感が人一倍強い。先端に短剣のようなものがついている鎖を身につけ、それを武器に戦う。 借金返済のために白神竜二のボディーガードとして働くことになり、彼と行動を共にしていくうちに次第に惹かれていく。
白神 竜二 (しろがみ りゅうじ)
私立鹿王南中学校2年生。紅月司とは小学校1年生から中2まで同じ学校、同じクラスで隣の席。しかし白神竜二が暗いからという理由で一度も話をしたことはなかった。関東で名を馳せる極道組織九竜組の三代目組長を務める。すらりとした長身に中学生とは思えないほど大人びた外見をしていて、タバコも吸う。 空手、剣道、柔道、合気道の有段者。
守門 朝来 (すもん あさご)
九竜組の分家頭、守門組組長の娘。14歳。白神竜二と婚約予定。私立鹿王北中学校に通う。幼い頃から白神竜二にふさわしい組長の妻、聖妻になるために教育されてきた。聖妻になる気満々であったが、次第に完璧な聖妻にならなければいけないというプレッシャーに押しつぶされそうになる。 紅月司が女であることを知り、白神竜二と紅月司の関係を気にして牽制する行動をとる。銃の腕前はかなりのもの。ある事件で右腕を失い、その後人工生体の治療で義手にしている。
紅月 詫間 (こうづき たくま)
紅月司の兄。4人兄弟の長男。16歳。高校を中退して、昼間は再生技師としてリサイクルセンターで働き、夜はカジノのディーラーとして働いている。ディーラーの腕はかなりのもので、ルーレットの狙った場所に玉を入れる事ができる。紅月司が白神竜二と関わる事に反対している。兄弟の中で、紅月司が本当の兄弟でないことを一人だけ知っている。
紅月 季之 (こうづき としゆき)
紅月司の双子の弟。14歳。昼間は紅月司と同じ中学校に通っているが、夜は銀座ゲイクラブ「ルネス」ジュニアの部で売れっ子ホストとして働いている。
紅月 昭平 (こうづき しょうへい)
紅月司の弟。4人兄弟の末っ子。13歳。昼間は紅月司と同じ中学校に通っているが、夜は銀座ゲイクラブ「ルネス」ジュニアの部で売れっ子ホストとして働いている。
鴨島 俊之 (かもじま としゆき)
白神竜二の側近。白神竜二が生まれた頃から世話をしている。白神竜二が紅月司に好意を抱いている事を知り、白神竜二と紅月司をくっつけようと画策している。白神竜二の幸せが第一で、紅月司や守門朝来の幸せはあまり考えていない。たいてい同じ側近の渋谷良行と一緒に行動している。 白神竜二が小学生のときに、父の日のプレゼントとしてくれた、自作のおまるの様なみかけの灰皿をだいじにしている。
生水 加悦 (しょうず かや)
髪の長い優しそうな女性。紅月司たち兄弟が白神竜二の家から借金を苦に逃げ出し、どこにも行くところが無く困っていたところを助けてくれた(実は裏で白神竜二が動いていた)。拳法が原因で妹を亡くしており、紅月司がケンカすることを、できればやめて欲しいと思っている。
紀勢 全 (きせ あきら)
24歳。警官。総合犯罪取締特殊班、通称GRAVEに所属している。国立子供共栄館という親のいない子供を養育する施設で育った。その施設は刑務所のようで、名前は数字で呼ばれ、何をするにも時間が決められていた。どこでも監視ロボットがいるようなところで、通称競寄場といわれていた。そんなところで育ったため、世の中が全て無意味に思え、みんな消えて無くなればいいと思っていたが、紅月司の父親を尊敬しており、彼に出会ったことで前向きに生きていけるようになった。
宗像 嵬 (むなかた かい)
紀勢全の同僚。24歳。警官。短髪で、前髪をツンツンにあげた髪型をしている。犯人が凶悪であればあるほど、自らも凶悪になる人物。右の額から頬にかけて縦に傷がある。心に傷を負って病院を抜け出した守門朝来を拾い、彼女が立ち直るきっかけを与えた。
集団・組織
九竜組 (くりゅうぐみ)
『東京クレイジーパラダイス』に登場する組織。白神竜二が三代目組長を務める。関東極道会の頂点。銀竜会・赤竜会・紫竜会・緑竜会・白竜会・黒竜会・青竜会・金竜会の分家がある。家は和洋折衷でからくり屋敷。絵画の隠されたスイッチを押さないといけない部屋などがある。
総合犯罪取締特殊班 (そうごうはんざいとりしまりとくしゅはん)
『東京クレイジーパラダイス』の登場する組織。通称GRAVE。犯罪が増え続ける世の中に並行して設けられた特別機関。所轄も専門課もなく全ての犯罪に対処できる能力を持ち、あげられる犯罪検挙率は№1。それゆえ危険で死も伴う仕事である事から、彼らはGRAVE(墓)と呼ばれている。紀勢全や紅月司の両親が所属していた。
その他キーワード
聖妻 (せいさい)
『東京クレイジーパラダイス』に登場する用語。組長の妻のことをいい、いざとなったら組長の盾になる存在。戦いと母性の女神。聖妻の中でも宝豪の影の聖妻に憧れている者が多く、守門朝来もその一人。