東京大学物語

東京大学物語

異常な性欲と妄想癖、そして優秀な頭脳を併せ持つ村上直樹と、彼が思いを寄せる美少女水野遥を中心に繰り広げられる人間関係を濃密な脳内描写とエロティックなタッチで描く。衝撃のラストが話題になった。

正式名称
東京大学物語
ふりがな
とうきょうだいがくものがたり
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

成績優秀でスポーツもこなす村上直樹は同級生の水野遥と出会い一目ぼれ。その後交際を始めた二人は東大現役合格を目指すも村上は受験に失敗、仮面浪人の末に翌年合格する。在学中の司法試験合格と、卒業後に高級官僚になるべくエリート街道をひた走ろうとする村上だが、性欲に流されやすく多くの女性たちと関係を持つ。しかし、高校時代に出会った水野遥への思いを捨てきれなかった。

登場人物・キャラクター

村上 直樹 (むらかみ なおき)

函館向陽高校時代はサッカー部に所属していたが、2年生の夏で退部し受験に専念する。学校での成績も良く運動神経も抜群だが、情欲に流されやすい。頭の回転が速く、一瞬で先々の事を想像してしまう強力な妄想癖がある。負けず嫌いで意地っ張り、格好付けで傷つきやすく根性無し。エリートとして生きてきたために人を見下すところがある。 水野遥に一目ぼれし、付き合い始めるが東大受験に失敗。一年間早稲田大学で仮面浪人をした後に、東大文Ⅰに合格。早稲田時代の同級生、小泉真紀と交際を続ける一方、遥とは付かず離れずの関係が続くが、山崎守に仕組まれた手錠の旅の後同棲して別れる。その後1573万円の借金を返済するためにバイトで学習塾の講師をしていたが、キャバクラのスカウトに転向。 キャバ嬢のレイコ、涼子、のり子の三人に加え、初体験の相手である鈴木英里とも関係を持つ。そんなハーレム状態の末に、同じ東大生の谷口瞳に一目ぼれ。過去の女性関係を断ち切り谷口一筋を誓うが振られ、再び遥の元へ返ってゆく。 遥と結ばれ子供を授かった後は様々な資格を修得、大蔵官僚や医者、サッカー選手、F1レーサー、研究者、実業家、ミュージシャンなど職業を転々とし一生を全うする……という妄想をする。

水野 遥 (みずの はるか)

函館向陽高校時代はテニス部に所属。村上直樹が高校時代に一目ぼれした相手。幼少時代から集団から浮きがちで、変人扱いされてきたことから、自分の魅力に気付いていない。欲が少なく、何事も楽しんでやるタイプ。純粋な心の持ち主で、村上を信じ、愛し続けている。 村上が常に予想外の行動を取ることで、遥の心の中で大きな部分を占めている。 将来の目標は小学校の先生。当初は東大受験は考えていなかったが、村上と同じ大学に行こうとして奮闘。落ちた村上とは対称的に東大文Ⅰに現役で合格した。村上の入学を待ちながら大学をおもしろくする会を結成、仲間を集める。一時期山崎守に惚れるが、手錠の旅から戻り村上と同棲。 その後吉野博彰と大人から子供までを育児するスペースを運営する。村上が他の女と関係しても意に介さない包容力の持ち主。再び村上が遥の元に戻ってきた後は子供を出産、ひたすら勉強を続ける村上を支える。

佐野 義昭 (さの よしあき)

函館向陽高校で村上直樹と同じくサッカー部所属。稀代のナンパ師。当初水野遥を狙っていたは佐野。高校在学中に車の免許を取る。早稲田大学にサッカーの推薦枠で入学。その後も数多くの女性と関係している。遥の誘いで「大学をおもしろくする会」に入会。虎視眈眈と 遥の処女を狙っている。

矢野 哲郎 (やの てつろう)

函館向陽高校の数学教師。毎回緊張感のある授業をする。最後の授業で「本当に人生に役立つ学問は数学だけである」と言い切る。生徒たちからも恐れられる鉄面皮。

鈴木 英里 (すずき えり)

函館向陽高校出身。おとなしく控えめな性格。水野遥と同じクラスだった。村上直樹のことが好きで、遥と付き合っている事は知っていても諦めることが出来なかった。慶應義塾大学文学部入学。「大学をおもしろくする会」に入会。大学入学後は性格も打って変って明るくなり、男性経験も豊富にこなすが、村上とのセックスが忘れられない。

朝倉 晃一 (あさくら こういち)

函館向陽高校出身。体格は大柄で色黒、関西弁を喋る。3年間水野遥と同じクラスだった。演劇に興味があり、シェイクスピアを翻訳した和田島隆志先生の授業を聞こうと東大を受験するも不合格。その後は大道芸人をしながら劇団で活動している。和田島先生の授業はこっそりと忍びこんで聴講している。 かつて遥が好きだった男。

池之幡 由貴 (いけのはた ゆき)

東大文Ⅲ。プライドが高く、他人を見下すところがある。入学式で水野遥と出会い、以降親友となる。吉野博彰の息子の家庭教師をしており、吉野とは肉体関係がある。後に吉野の子供を妊娠し出産。

武田 賢太郎 (たけだ けんたろう)

東大文Ⅰ。選民思想が強く、野心家。東大卒業後は官僚となって優秀な人間たちのネットワークを作り、権力の中枢を手中に収めようと妄想している。

岩田 夏弥 (いわた なつや)

東京大学理Ⅱの二年生。東京大学新聞のマネージャー。過去には池之幡由紀の家庭教師をしていた。実在の人物で、作品中では顔に写真を貼り付けている。水野遥、由紀たちと共に「大学をおもしろくする会」を結成する。

小泉 真紀 (こいずみ まき)

早稲田大学政治経済学部。村上直樹の同級生で恋人。村上の東大合格後は、肉体関係のみのセックスフレンドとして関係を続ける。将来はニュースキャスターになるのが夢。

吉野 博彰 (よしの ひろあき)

やり手の中年実業家。高校中退で学歴は中卒と言っているが、実はアメリカの大学を16歳で卒業している。妻子がいるが、池之幡由貴や多数の女性と肉体関係にあり、SMなどの調教も行っている。息子の家庭教師として由貴が家庭教師をしていたが、水野遥に替わった際に一目惚れ。様々な罠を仕掛けて遥の処女を手中にせんと画策するが、遥の中に母性を見つけたようで、途中からはプラトニックな関係になる。 最後は遥と共にマンションの一室で、大人から子供までを年齢に関係なく子供として育児ケアするスペースを開設する。実は病気を患っており、あと二年の命。数多くの女性を虜にする村上直樹のことを評価している。

河野 正義 (こうの まさよし)

東大文Ⅰ。美少年で小麦色の肌。弁護士を目指している。後に「大学をおもしろくする会」に入会。水野遥の事が好きだが、交際を断られ続けている。

山崎 守 (やまざき まもる)

28歳。水野遥が惚れた年上の男性。居酒屋で働いているフリーター。元は映像プロデューサーで、面白い映画を撮りたいと思っている。村上直樹に遥をものにする最後のチャンスとして二人を手錠で結び遠く離れた場所まで旅をさせ、その過程を記録映像として撮影する。

桂木 南 (かつらぎ みなみ)

山崎守の元恋人。さびしがり屋の慶応大院生。多数の男性と交際し、分かれると再び山崎の元へ戻ってゆく。吉野博彰とも関係があった。村上直樹と水野遥が同棲した後は、吉野の指示で二人を監視している。後に吉野の子を妊娠。

佐藤 郁雄 (さとう いくお)

手錠で繋がれた村上直樹と水野遥が旅の途中で出会った少年。生意気でワガママなため、周囲からいじめられていた。村上の指導で学校の成績は上がるが、友達の輪には入って行けなかったが、年下の子供たちとは少しずつ交流を深めていった。山崎が仕込んだ役者で、実は小柄な中年男性が演じていた。

川島 弥生 (かわしま やよい)

村上直樹と水野遥が手錠の旅で出会った女性。クルーザーで自分の誕生パーティをしていたところ、船ごと漂流してしまう。危機的状況の中、女王様的に振舞い、残された水と食料を独占し高値で売り付け、最終的に村上は1千万円以上の借金を作る。実は山崎が仕込んだ役者。

北里 和秀 (きたざと かずひで)

東大理学部在学。借金返済のために塾の講師を始めた村上直樹の同僚。さらに割のいいバイトとして、六本木でスカウトの仕事を紹介する。実は吉野博彰の部下で涼子の彼氏。酔った勢いで危うく村上と肉体関係を持ちそうになる。

谷口 瞳 (たにぐち ひとみ)

村上直樹と同じく弁護士を目指し司法試験準備中。東大文Ⅰ。女性問題専門の弁護士になるのが夢。複数の女性と関係を持つ村上を女性の敵とみなし、激しく糾弾する。実は高畠隆の恋人だった。後に高畠の子を妊娠するが堕胎し別れる。

レイコ

六本木のキャバクラでホステスの仕事をしている。店でもトップクラスの人気を誇る。村上直樹が最初に世話をすることになった女性。性格はキツめ。

涼子 (りょうこ)

六本木のキャバクラでホステスの仕事をしている。タレ目の美女。店でもトップクラスの人気を誇る。村上直樹が世話をすることになった女性。北里和秀とは恋人同士だったが、村上に惚れてしまい北里とは別れる。

のり子 (のりこ)

六本木のキャバクラでホステスの仕事をしている。店でもトップクラスの人気を誇る。村上直樹が世話をすることになった女性。レイコや涼子の後輩にあたる。さみしがり屋。

高畠 隆 (たかばたけ たかし)

明治大学在学。村上直樹と同じく弁護士を目指し司法試験準備中。実は谷口瞳と交際していたが、堕胎後に不能となり、別れる。

集団・組織

函館向陽高校 (はこだてこうようこうこう)

『東京大学物語』に登場する学校。北海道函館にある村上直樹の母校。

大学をおもしろくする会 (だいがくをおもしろくするかい)

『東京大学物語』に登場する団体。マンガ連載中に実在した。代表は岩田夏弥。

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