『東京卍リベンジャーズ』の世界観をもとにしたドタバタ劇
元ネタとなる『東京卍リベンジャーズ』は、講談社「週刊少年マガジン」2017年13号から2022年51号まで連載された和久井健の人気作品。全31巻の長寿作品で、スピンオフ作品として川口幸範の『東京卍リベンジャーズ~場地圭介からの手紙~』、テレビアニメや実写映画、ミュージカル、ソーシャルゲームなどのメディアミックスが展開され、高い人気を博している。本作は、東京卍リベンジャーズの登場人物の特徴が色濃く残ったパロディキャラたちの東京大学での生活が、ユーモアたっぷりに描かれている。なお、和久井健は本作を公認しておらず、あくまで容認であるため、「Special Thanks」としてクレジットされている。
タイムリープでトラウマを克服
東京大学を卒業していた井丁道武は、コミュニケーション能力が低いことからフリーター生活を余儀なくされており、思い人であった早瀬ユウキが慶應義塾大学卒の男性と結婚したことを知り、さらにコンプレックスを深めてしまう。そんなある日、アルバイト帰りに自転車事故に巻き込まれて生死の境をさまよった道武は、ヤリエルから「無念の死限定!人生やり直し満足プラン」を提示され、過去に戻って人生をやり直すことを決める。道武は、東京大学に入学したものの間違ってばかりの選択を後悔し、幸せを得るために意気揚々と7年前のオリエンテーション合宿の日にタイムスリップ。こうして、道武の2度目の東大生活が幕を開ける。
東京大学の奇妙な同級生たち
井丁道武を2度目の人生にいざなったヤリエルは、道武にだけ姿が見える状態で、彼の新たな東大生活を見守っている。当初、ヤリエルは道武の言動だけがおかしいと考えていたが、次第にほかの東大生の奇行を目の当たりにして、ことあるごとにツッコミを入れる羽目になる。道武以外にも、赤城門次郎や陀羅寺堅が所属する「東大卍會」など、タイムリープ後の東大生やその関係者は『東京卍リベンジャーズ』のキャラクターや組織がモデルとなっている。ただし、名前と容姿がそっくりなだけで、性格は似ても似つかない、ユニークなものとなっている。また、なぜか全員眼鏡をかけており、チェック柄のシャツをズボンにインしている特徴がある。
登場人物・キャラクター
井丁 ミチタケ (いちょう みちたけ)
東大卒の、フリーターの青年。年齢は19歳。2017年の世界で事故に遭い、瀕死(ひんし)の状態になっていたところをヤリエルに助けられ、彼女の力によって2010年の世界にタイムスリップする。思い込みが激しく、オリエンテーションに軍服を模した衣装を身につけるなど、若干感性がずれている。またコミュニケーションが苦手ながら、周りの東大生も同じ有様のため、欠点と認識していない。一方で東京大学に対する愛が深く、精神的に追い詰められた時は大学キャンパスの写真を見て落ち着くという癖を持つ。高校時代は成績優秀で、競争相手の早瀬ユウキと出会ってからはさらに勉強に集中するようになる。その過程からユウキを尊敬し、やがて思いを寄せるようになる。そして同じ東京大学に進学するものの、恋が実ることはなく、卒業後もフリーターを余儀なくされていた。タイムスリップ後はオリエンテーション合宿に参加し、ユウキを振り向かせるために自らをアピールしようとするが、失敗に終わる。それでもめげずに2度目のタイムスリップを敢行し、ユウキと同じ合唱サークルに入ろうと試みるが、大学のキャンパスで出会った陀羅寺堅と赤城門次郎にいいように丸め込まれ、「東大卍會」と呼ばれる怪しげなサークルに勧誘されてしまう。
ヤリエル
天使の少女。新人として人間の住む世界に配属された。「無念の死限定!人生やり直し満足プラン」と呼ばれる、死に瀕した人間の救済活動に従事しており、その対象者となった井丁道武と行動を共にする。手を握り合うことで、その相手を望んだ時間にまでタイムスリップさせる能力を持つ。タイムスリップの効果は、再び手を握り合うことで解除されるが、回数に制限はなく、ヤリエルと共にいれば自由に現代と過去を行き来することができる。人間の世界でも問題なく行動できるが、その姿は道武以外には認識されていない。基本的には生真面目な性格で、道武とユウキがうまくいくように応援している。しかし道武自身や、彼の周りに次から次へと現れる奇人変人たちの所業を見ては、頻繁にツッコミを入れ続ける生活を余儀なくされている。
クレジット
- その他
関連
東京卍リベンジャーズ (とうきょう りべんじゃーず)
タイムリープ能力を得た26歳のフリーターが主人公。昔つきあっていた彼女の命を救うため、過去に戻って未来を変えようとする男の姿を描く。へたれな性格ゆえにどん底の生活を送る主人公が、人生にリベンジする成長... 関連ページ:東京卍リベンジャーズ
東京卍リベンジャーズ~場地圭介からの手紙~ (とうきょうりべんじゃーず ばじけいすけからのてがみ)
和久井健の『東京卍リベンジャーズ』のスピンオフ作品。2005年の東京を舞台にしている。松野千冬と場地圭介の出会いから別れまでを、千冬の回想という形で描いたヤンキー抗争漫画。原作のようなタイムリープ要素... 関連ページ:東京卍リベンジャーズ~場地圭介からの手紙~
書誌情報
東大リベンジャーズ 6巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2022-02-17発行、 978-4065269022)
第2巻
(2022-05-17発行、 978-4065279144)
第3巻
(2022-08-17発行、 978-4065287453)
第4巻
(2022-11-17発行、 978-4065296325)
第5巻
(2023-01-17発行、 978-4065303450)
第6巻
(2023-05-17発行、 978-4065315729)