東京卍リベンジャーズ

タイムリープ能力を得た26歳のフリーターが主人公。昔つきあっていた彼女の命を救うため、過去に戻って未来を変えようとする男の姿を描く。へたれな性格ゆえにどん底の生活を送る主人公が、人生にリベンジする成長物語でもある。「週刊少年マガジン」2017年13号から連載。第44回講談社漫画賞少年部門受賞作

正式名称
東京卍リベンジャーズ
ふりがな
とうきょう りべんじゃーず
作者
ジャンル
タイムトラベル
レーベル
講談社コミックス(講談社)
関連商品
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あらすじ

Reborn

うだつの上がらない26歳の独身フリーター男性の花垣武道は、日々をただ無為に過ごしていた。そんなある日、ニュースで中学時代の元カノ、橘日向の訃報を聞いた武道は、自分の人生の意味のなさを嘆きながら駅のホームを歩いていたところ、何者かに背中を押され、電車にひき殺されてしまう。しかし次に気づくと、武道は12年前の中学2年生に戻っていた。当時、不良だった武道は不良グループの東京卍會にケンカを売りにいってボコボコにされるところだった。武道はそこで、未来の日向が東京卍會の者たちに殺されるのを思い出すも、今の状況が走馬灯だと思っている武道は自分にはどうすることもできないと、すぐさまあきらめてしまう。失意のまま日向に会いに行った帰り、武道は偶然、日向の弟である橘直人と出会う。不良に絡まれていた直人を助け、気まぐれに今の状況を直人に伝えた武道は、12年後の7月1日に死ぬ日向を助けて欲しいと彼にお願いする。そして直人と握手した瞬間、武道は現在に戻る。現在では死んだはずの武道であったが、彼は死の直前に直人に助けられ、九死に一生を得ていた。実は過去で武道と直人が出会ったことで未来が変わり、本来であれば日向と共に死んでいたはずの直人は生き残り、武道を助けることができたのだ。しかし直人の健闘むなしく、日向の死ぬ運命は変えられなかった。この一件から、直人は武道がタイムリープ能力を持つと確信し、二人は力を合わせて過去を変え、日向を死の運命から救うことを決意する。

Return

橘日向の死に東京卍會が深くかかわっていると考えた橘直人は、その結成を阻むべく、花垣武道タイムリープをしてもらい、のちに東京卍會の中核を成す佐野万次郎(過去)と稀咲鉄太(過去)の出会いを過去で阻むことを提案する。武道はその提案に乗り、タイムリープするものの、そこは過去の東京卍會による喧嘩賭博の真っ最中で、暴力にさらされあっさりと心が折れてしまう。未来に逃げ帰ろうとする武道であったが、日向や仲間たちとの触れ合いで奮起し、喧嘩賭博を主催する清水将貴とタイマンを張り、己の意地を貫き通す。過去でも未来でも逃げ続けてきた武道は、初めて自分を変えたいと考え、自らの力で願いをつかみ取ろうとする。武道は清水には敵わなかったものの、その奮闘は東京卍會の総長である万次郎と副総長の龍宮寺堅の目に留まることとなり、彼は当初の目的の一つであった万次郎との接触を果たすことに成功する。万次郎に気に入られた武道は彼の友人となるが、未来の情報では恐ろしい人物とされていた万次郎は予想外にいい奴で、未来の彼の変貌に何があったのか疑問に思うようになる。

Reply

現代に帰って来た花垣武道は、橘直人と相談し、佐野万次郎(現在)にコンタクトを取ることを提案する。しかし東京卍會は、現在では極悪非道な犯罪組織へと変貌しており、そのトップである万次郎は手の届かない存在となっていた。武道は旧友である千堂敦(現在)の伝(つて)をたどり、万次郎に接触を図ろうとする。敦とはすんなり会うことができ、旧交を懐かしみ、彼も武道を温かく迎え入れてくれたものの、そこで彼が告白したのは、自分こそが武道を線路に突き落とした実行犯という衝撃の事実だった。罪を懺悔した敦は、そのまま武道の目の前で自殺する。武道は強いショックを受けるものの、敦が死の間際に残した「龍宮寺堅の死によってすべてが変わった」というメッセージを受け取り、その阻止のためにタイムリープをすることを決意する。龍宮寺が死ぬのは12年前の8月3日、のちに「8・3抗争」と呼ばれる日だった。過去に戻った武道は2週間の猶予を使い、彼の死を阻止するために動き出す。未来の情報では龍宮寺の死は東京卍會の内部抗争で起きたとされていたが、その兆候はなく、その代わりに武道は暴走族の愛美愛主との抗争が8月3日に起きることを知る。矛盾した情報を整理するため、武道は一度現在に戻る。そして武道はかつての愛美愛主の総長、長内信高から、愛美愛主との抗争は仕組まれたもので、何者かが抗争を利用して東京卍會の内部分裂を企ていたという話を聞く。

Reel

過去になんらかの陰謀があったことを知った花垣武道は、その陰謀を阻止すべく、東京卍會愛美愛主の抗争を防ごうとする。タイムリープをして佐野万次郎(過去)を説得しようとするも、時すでに遅く、説得の最中に愛美愛主に奇襲され、抗争が始まる。愛美愛主の総長である長内信高は、東京卍會の林田春樹とタイマンを張る。春樹は長内にいたぶられた親友の仇討ちのため、ナイフで長内を刺してしまう。幸い命に別状はなかったものの、警察沙汰にまで発展し、春樹はそのまま自首をする。春樹を助けたかった万次郎と、自首をするという本人の意思を尊重する龍宮寺堅は、意見を対立させ、抗争をきっかけに二人は一触即発の雰囲気となる。武道を巻き込んで、目の前で大ゲンカを始める万次郎と龍宮寺だったが、武道は思いの丈をぶつけることで二人を和解させることに成功する。これで未来は変わったと安堵する武道は、束の間の平和な時間を、橘日向と夏祭りデートで楽しむ。しかしその最中、東京卍會で内部抗争が勃発。首謀者は武道にとっても因縁深い清水将貴で、彼が龍宮寺を殺そうとしているのを偶然目撃してしまう。一時は清水に心を折られ、自暴自棄になる武道だったが、日向の励ましで再び闘志を燃え上がらせる。東京卍會の内部分裂は愛美愛主を新たに率いる半間修二が企てたもので、春樹の件をダシに、内部でくすぶっていた不満を爆発させたのだ。敵味方入り交わる乱闘が始り、龍宮寺は不意打ちを受けて大ケガを負う。武道は龍宮寺を助けるため清水に立ち向かい、辛くも勝利する。そして武道は龍宮寺を助けることで、また一つ過去を変えることに成功する。

Rebuild

現在に戻った花垣武道は、過去を変えたことで、現代が大きく様変わりしているのを実感する。改変前の現代では武道の目の前で死んだ千堂敦(現在)は美容師の卵となり、初めての客に武道を指名する。また橘日向も生き残っており、武道は大人となった日向と遂に再会する。武道は日向と車でデートに出かけるが、そこで告げられたのは、過去の武道が日向を振ったという事実だった。混乱する武道に追い打ちをかけるように、武道が席を離れたスキに暴走した車が日向の乗った車につっこみ、大事故を引き起こしてしまう。暴走した車に乗っていたのは敦で、彼はまたしても東京卍會の言いなりとなって悲劇をもたらしたのだ。日向が目の前で死んでいくのを目の当たりにした武道は、タイムリープしてこの悲劇を必ず変えると誓う。橘直人と思いを一致させた武道は、現在の龍宮寺堅と再会する。龍宮寺は死刑囚となっており、東京卍會を激変させたのは稀咲鉄太(過去)であるいうことを教えられる。武道と直人は稀咲こそがすべての元凶だと考え、過去で武道自らが東京卍會のトップとなり、稀咲が力を得ることを防ごうと考える。

Double cross

5回目のタイムリープで過去に戻った花垣武道は過去を変えようとするも、すでに稀咲鉄太(過去)は東京卍會に入り、新たな参番隊隊長に任命されたあとだった。武道は佐野万次郎(過去)に直談判して、東京卍會を抜けた壱番隊隊長の場地圭介を連れ戻せば稀咲を追い出すという約束を取り付ける。場地は半間修二が新たに結成した暴走族、芭流覇羅に合流しており、打倒万次郎に気炎を上げていた。武道は、場地の幼なじみで東京卍會の創始者の一人でもある羽宮一虎に連れられ、場地の話を聞いて場地、羽宮、万次郎の三人を取り巻く複雑な因縁を知る。万次郎の兄、佐野真一郎の死の原因となった羽宮と、羽宮を憎悪する万次郎、羽宮に力を貸すことを決めた場地の関係は、他人が立ち入る領域ではなく、武道は途方に暮れてしまう。しかし、そこで武道は場地の腹心の部下である松野千冬から、場地が稀咲を怪しみ、その尻尾をつかむため、あえて仲たがいして芭流覇羅に潜り込んだという真意を知らされる。そして武道は、松野に稀咲に詳しい人物として紹介された長内信高と再会する。武道は長内から、東京卍會と愛美愛主の抗争は稀咲が仕組んだもので、彼はその裏で状況をすべてコントロールし、万次郎に取り入ったことを教えられる。そして武道は、錯綜した情報を整理するため、一度現代に戻ることを決める。

Last Wishes

現代に戻った花垣武道は、再び現在の龍宮寺堅と面会をする。そして彼から12年前の10月31日、のちに「血のハロウィン」と呼ばれる事件で、羽宮一虎場地圭介を殺害し、憎悪に駆られた佐野万次郎(過去)が羽宮を殺したという話を聞く。これによって万次郎は豹変し、稀咲鉄太(過去)の手によって芭流覇羅のトップに据えられる。そして芭流覇羅は、東京卍會すら吸収して成長し、巨大な犯罪組織となって現代に君臨していた。武道は血のハロウィンの悲劇を食い止めるため、6回目のタイムリープを行う。そして武道は場地の説得を続けるも、場地の意思を翻させることはできず、遂に決戦の日を迎えてしまう。倍以上のメンバーがいる芭流覇羅に苦戦する東京卍會であったが、武道たちの奮闘もあり善戦していた。そんな中、万次郎が危機に陥るも、そこに稀咲が応援に駆け付け場は一気に盛り返す。しかしそれこそが稀咲の目論みどおりで、彼は抗争で活躍することで、自らの立場を確固としたものにしたのだ。勝っても負けても抗争を最大限に利用するつもりの稀咲に武道は焦りを感じるが、そこに場地が現れ、稀咲を強襲する。武道と松野千冬は場地を止めようとするも、その混乱をついて羽宮が場地をナイフで刺してしまう。混迷する状況の中、場地は重症を負うものの辛うじて一命を取り留めるが、憎悪に染まった万次郎は執拗に羽宮を殺そうとする。最早悲劇は誰にも止められないと思われたが、場地は自ら命を絶ち、己の意思を訴える。なおも戦いをやめようとしない万次郎だったが、場地の遺志を受け継いだ武道の慟哭(どうこく)に心動かされ、抗争は終わりを告げる。

Gotta go

場地圭介の死によって血のハロウィンは終局を迎える。羽宮一虎も己の罪を懺悔し、警察に出頭。場地の遺志を知った佐野万次郎(過去)も、羽宮のことを許し、彼らの因縁に決着をつける。東京卍會は血のハロウィンの抗争を戦い抜いたことで、芭流覇羅を傘下に置き、強大な力を持つようになる。未来と同じ流れに危機感を覚える花垣武道だったが、場地の件で奮闘した武道は、松野千冬たちに認められ、場地の後を継いで壱番隊隊長に任命される。武道は稀咲鉄太(過去)を追放するため、東京卍會のトップになる希望は潰(つい)えていないと考え、一度現代に戻る。そして武道が目にしたのは、自分が巨大犯罪組織となった現代の東京卍會の最高幹部になったという事実だった。かつての仲間たちも和気あいあいとし、現代の稀咲とも和解していることで、今までで一番いい未来になったと考えるが、実はこの現代の武道は組織と同じく腐りはてた大人となっており、かつての東京卍會を知る者たちからは見限られていた。現代の松野はそんな東京卍會を潰すべく、警察に情報を流していたが、それがバレて稀咲に殺されてしまう。武道も殺されかけるが、現代では出所していた羽宮に辛うじて助けられ、九死に一生を得る。そして羽宮から、この世界でも橘日向は千堂敦(現代)に殺されており、万次郎の豹変には稀咲と暴走族、黒龍が深くかかわっていることを教えられる。そして武道は橘直人と再会するも、彼から告げられたのは、この世界で日向を殺すよう敦に命じたのは武道本人で、それが松野の死の遠因になっていたという事実だった。あまりに残酷な真実に心が折れかける武道であったが、直人の励ましによって奮起し、7回目のタイムリープを行う。

Stand alone

花垣武道は過去に戻ってすぐ、偶然にも現代では黒龍に所属していた柴八戒と出会う。八戒は過去では東京卍會に弐番隊副隊長に就いており、意外と気のいい性格の持ち主だった。八戒の姉の柴柚葉とも打ち解ける武道だったが、彼らの兄である柴大寿は黒龍の総長で、暴力によって弟たちを支配していた。そして未来の情報から遠からず八戒が大寿を殺すことを知った武道は、その未来を阻止するために行動することを決める。また陰に日向に自分を支えてくれる松野千冬に、思わず自分のタイムリープのことを打ち明け、彼の全面的な協力を得る。そんな中、八戒は大寿の暴力には逆らえず、彼に言われるまま黒龍に戻ろうとしていた。二人は協力して八戒の東京卍會脱退を阻止しようとするも失敗。その代わり弐番隊隊長の三ツ谷隆が大寿と話をつけ、東京卍會と黒龍のわだかまりを解消する。しかし大寿の暴力に怯える八戒は、同じく大寿の暴力にさらされる姉の柚葉を守るため、大寿の殺害を決意する。八戒の決意宣言を聞いた武道は、黒龍の情報収集を始めるが、そこで意外にも稀咲鉄太(過去)が武道たちに力を貸すと言い出す。武道はみんなを守るため、苦渋の判断で稀咲の力を借り、稀咲からの情報で大寿が12月25日のクリスマスのみ一人で行動することを知る。八戒が大寿を襲撃するのはその日だと当たりを付けた武道たちは、力を合わせて八戒の凶行を止めることを誓う。

Christmas night

クリスマスが近づくにつれ、花垣武道は過去の自分が橘日向を振ったという話を思い出す。日向といっしょに過ごすうち、そこで稀咲鉄太(過去)と日向は幼なじみで、知り合い同士だったという意外な事実を知る。日向と束の間、平穏な時間をいっしょに過ごしたことで、日向への気持ちを一層強固なものにする武道であったが、そこで日向の父親である橘正人と出会う。正人から日向を暴力に巻き込まないため、別れて欲しいとお願いされた武道は、自分の今までの行いを振り返り、日向に別れを切り出す。そして迎えるクリスマスの日。武道は不退転の覚悟で、柴八戒の凶行を止めに向かう。稀咲たちが柴大寿を足止めしているあいだに、武道が八戒を説得する手はずだったが、土壇場で稀咲は裏切り、大寿を説得の場にけしかける。さらに稀咲は柴柚葉にまで一連の出来事を伝え、柚葉が大寿を殺すように差し向ける。ここでようやく武道は、未来で八戒が大寿を殺したという話は、柚葉をかばってついたウソだったと思い至る。柚葉は大寿をナイフで刺すが、間一髪、武道が柚葉の存在にいち早く気づいたことで、致命傷を避けることに成功する。しかし怒り狂った大寿は暴れ出し、誰にも手がつけられなくなってしまう。三ツ谷隆松野千冬が駆け付けるものの、武道たちは個人的に乗り込んできたため、東京卍會の仲間たちの助けも期待できず孤立無援状態となる。敗北必死と思われたが、武道は殴られても殴られても大寿に立ち向かい、その姿が八戒の心を動かし、奇跡を起こす。佐野万次郎(過去)が亡き兄と仲間たちの声に導かれて、偶然、武道たちのいる教会に現れる。そして万次郎は一撃で大寿を打ち倒し、八戒と柚葉も家族の因縁に決着をつける。

Last order

柴大寿との戦いの決着のあと、花垣武道は佐野万次郎(過去)の計らいで橘日向と会う。そこで、父親に何か言われたことを察した日向は、両親を説得して武道と仲直りを果たす。一方の武道は、万次郎との絆を確固としたものにするのだった。そして黒龍との抗争の総決算として、黒龍は東京卍會の傘下に入り、東京卍會はますます巨大組織となる。しかし、そこで万次郎がクリスマスに稀咲鉄太(過去)が行った卑劣な裏切りを告発し、彼の追放を宣言することで、事態は急転直下する。武道はあまりにあっけない目的達成に拍子抜けしつつ、現代に戻る。すると武道が現代で初めに目にしたのは、三ツ谷隆の葬式場だった。橘直人はすぐに武道が現代に戻ってきたことを察し、武道にここが今までで「最悪の現代」だということを告げる。日向が死亡することも変わらず、それどころか東京卍會の主要メンバーはほとんど惨殺されていたのである。しかもその犯人とされているのは、佐野万次郎(現代)だった。武道は万次郎から手紙を受け取り、彼のもとを訪れる。万次郎は武道の手にかかって死ぬことを望んでいたが、武道はこれを拒否。ところが、武道が襲われていると勘違いした直人によって射たれ、万次郎は息を引き取る。万次郎のあまりに悲惨な死に際を見た武道は、この最悪な結末を変えることを誓い、新たにタイムリープを行う。

Pep party

花垣武道は過去に舞い戻るも、今までと違い佐野万次郎(過去)が変貌した理由がわからず、早速行き詰まってしまう。松野千冬に相談するも、やる気だけが空回りし、ぐだぐだと過ごしていたそんなある日、武道と仲間たちは横浜の暴走族、天竺の襲撃を受ける。東京卍會を追放された稀咲鉄太(過去)は天竺に入り、東京卍會との抗争を始めたのだ。稀咲は何度その野望を挫(くじ)かれても、不屈の意思で立ち上がり、武道の前に立ちふさがる。そんな稀咲の姿を見て、武道は彼もタイムリープをして、そのたびに自分にとって都合のいい東京卍會を作っているのではないかと疑問を抱く。武道は肆番隊の河田兄弟に天竺の襲撃から助けてもらい、彼らと共に天竺の拠点を襲撃した際に、天竺四天王の一人である鶴蝶と出会う。実は武道の幼い頃の友人であった鶴蝶から、武道は天竺のリーダーである黒川イザナを救って欲しいと頼まれるのだった。鶴蝶によればイザナも稀咲に利用されているらしく、すべての鍵を握るのは稀咲だと判断した武道は、現代に戻り、情報収集をすることを決める。武道は橘直人と情報を整理している中で偶然に柴大寿と再会し、彼から黒龍の成り立ちや稀咲の企み、そしてそれらの鍵を握るのはイザナだということを教えられる。しかしそこに稀咲たちの襲撃を受け、直人と大寿が瀕死の重傷を負ってしまう。そして死にゆく中、二人はタイムリープに希望を託し、武道を過去に送る。

Even I can

辛うじてタイムリープを成功させた花垣武道だったが、過去で橘直人と会い、何度現代に戻ろうとしても戻れないことから、現代の直人が死んでしまったと確信。これまでに何度も失敗した経験と、もうやり直せない事実から、武道は絶望してしまう。そして自分の中の思いをすべて吐き出してしまうが、それを偶然、橘日向に聞かれ、彼女に未来からきていることがバレてしまう。しかし日向は深く追求せず、彼にそっと寄り添って、武道を立ち直らせることに成功する。日向の思いを受け取った武道は、今度こそ黒川イザナを打倒し、稀咲鉄太(過去)と決着をつけることを決意する。そのための第一歩としてイザナについて調べ始めた武道は、イザナが佐野万次郎(過去)の妹、佐野エマの兄で、万次郎にとって異母兄にあたるという衝撃の事実に行き当たる。そしてイザナは自分にとって唯一の家族といえる佐野真一郎を慕っており、その弟の万次郎に強烈な嫉妬と対抗心を抱いていたのだ。武道はイザナと万次郎の戦いを止めようとするが、その最中、東京卍會の伍番隊隊長、武藤泰宏にスパイと疑われ、捕まってしまう。実は武藤はすでに天竺に寝返っており、武道の部下である九井一を引き抜こうとしていたのだ。九井は乾青宗の命令しか聞かないが、黒龍が東京卍會の傘下に入った際、青宗は武道の部下になることを選んだ。そのため武藤は九井の目の前で二人をいたぶり、彼を屈服させることに成功する。九井の献身的な働きで解放された武道と青宗は、天竺から九井を救うことを誓う。そして武道は青宗に請われ、黒龍の11代目総長に就任し、天竺との戦いに臨む。

Meet his fate

2月22日は佐野真一郎の誕生日で、真一郎を特別視する黒川イザナはその日に仕掛けてくると乾青宗は予測する。そして迎える決戦の日、花垣武道も未来を変えるために決意を新たにするが、その矢先に目の前で佐野エマを稀咲鉄太(過去)に殺されてしまう。そして武道は佐野万次郎(現代)が豹変したのは、エマの死が原因だと遅まきながら理解し、変わらない未来に絶望する。天竺の抗争が始まるも、佐野万次郎(過去)や龍宮寺堅も悲嘆に暮れ、最早ここまでと思われたが、武道はそれでも立ち上がる。万次郎もいない中、東京卍會は空中分解寸前となるが、武道の声によって一つにまとまり、武道はみんなから総長代理に認められる。50対400の圧倒的な戦力差があるものの、東京卍會は善戦し、武道は稀咲鉄太(過去)に肉薄する。稀咲が和解を申し出るも、武道はこれを一蹴。だが、武道はイザナの手によってボロボロにされてしまう。それでもあきらめない武道のもとに、万次郎が駆け付ける。失意の底に暮れていた万次郎だったが、橘日向の拙いながらもまっすぐな言葉に心動かされ、立ち上がったのだ。イザナと万次郎の頂上決戦は、誰もが立ち入ることのできない戦いとなるが、多くの人の絆で立ち向かった万次郎にイザナは敗北。しかしイザナは敗北を受け入れず、万次郎を銃で殺そうとするも、鶴蝶に制止させられる。稀咲はそんな鶴蝶を邪魔と考えて殺そうとするが、イザナが鶴蝶をかばって銃で撃たれるのだった。イザナの死によって抗争は終局を迎えるも、そのどさくさに紛れて稀咲が逃走。武道は長きにわたる戦いに決着をつけるべく、稀咲を追う。稀咲の歪んだ信念を知った武道は彼を殺そうとするものの、日向の声で我に返る。その一瞬のスキをついて稀咲は逃げ出すも、折り悪くそこは車道で、稀咲は車に轢かれて死亡してしまう。こうしてのちに「関東事変」と呼ばれる抗争は幕を閉じるのだった。

単行本の装丁

本作『東京卍リベンジャーズ』の表紙は、当初は黒バックに複数のキャラクターが描かれたデザインだったが、第5巻からはイメージを一新し、白バックにポージングさせたキャラクターを配置するという装丁へと変更されている。これは当初のデザインがヤンキー漫画っぽかったため、「爽やかさ」をウリにしたデザインに変更したという経緯がある。これによって多くの層にアピールできるようになり、第7巻以降の売り上げが伸びたと販売部は語っている。この結果、第1巻から第4巻も新デザインとなった新装版が刊行されることとなった。また、本作のエピソードタイトルはもともと「Re-」を頭文字にした英単語を採用していたが、第5巻以降は特にそういった決まりのない英文タイトルを使うようになっている。

コラボレーション

2020年1月に春場ねぎ原作の『五等分の花嫁』13巻発売を記念して、「週刊少年マガジン」で連載中の『ダイヤのA actⅡ』『ランウェイで笑って』『炎炎ノ消防隊』『ブルーロック』『東京卍リベンジャーズ』の五作品とコラボレーションを行った。コラボレーションは『五等分の花嫁』のヒロインの5つ子がそれぞれ他作品の衣装を身にまとうというもので、本作とのコラボレーションでは中野五月が東京卍會の特攻服を身にまとった姿が、春場ねぎによって書き下ろされた(https://twitter.com/negi_haruba/status/1208598865777020928)。このイラストは2020年1月17日に発売された『五等分の花嫁』13巻のとらのあなと三洋堂書店の店舗特典として配布されている。

メディア化情報

実写映画

タイトル:東京リベンジャーズ

2021年7月9日公開。当初、2020年10月9日公開予定であったが新型コロナの影響で延期された。

キャスト:北村匠海、吉沢亮、山田裕貴、間宮祥太朗 ほか

TVアニメ

2021年4月から、本作『東京卍リベンジャーズ』のTVアニメ版『東京卍リベンジャーズ』が毎日放送、テレビ東京ほかで放送された。アニメーション制作はライデンフィルムが担当した。キャストは、花垣武道を新祐樹、橘日向を和氣あず未、橘直人を逢坂良太が演じている。

評価・受賞歴

本作『東京卍リベンジャーズ』は第44回講談社漫画賞・少年部門を受賞している。

登場人物・キャラクター

花垣 武道 (はながき たけみち)

フリーターの青年。年齢は26歳。レンタルビデオショップでアルバイトしているが、物覚えが悪く、やる気もないため、年下の店長にいつも叱責されて、うだつの上がらない生活を送っている。自分がダメ人間だと自覚しているが、根が臆病であるため、自分を変えようとせずに辛いことから逃げ続けて生きてきた。これまでの交際経験は中学時代に付き合った橘日向のみで、ある日、元カノの日向が死んだことをニュースで知る。その後、自らも何者かに駅のホームにつき落とされ死亡する。死の間際にタイムリープ能力に目覚め、過去を改変したことで、橘直人の運命を変え、現代でも直人が生存するようになる。そして日向を助けるため、タイムリープ能力を駆使して、過去を変えていく。中学時代の花垣武道は人生の全盛期で、当時は怖いもの知らずだったことから、東京卍會の清水将貴たちにケンカを売りにいくが返り討ちに遭う。その後、清水のパシリとなるも、中学卒業をきっかけに逃げ出し、今現在に至るまで逃げ続ける人生を送ってきた。このため清水の存在は、武道の最大のトラウマとなっている。当初は臆病な性格を変えられず、何においても基本的に逃げの姿勢を取っていたが、過去で日向の優しさや多くの仲間たちの絆を得たことで、ダメな自分を変えることを決心し、仲間のためには決して折れない不屈の精神を宿すようになる。過去改変前は佐野万次郎(過去)ともなんの接点もなかったが、改変していくうちに彼らからも一目置かれるようになる。万次郎からは「タケミっち」のあだ名で呼ばれており、東京卍會のメンバーからもそのあだ名で呼ばれる。そして「血のハロウィン」以降は、松野千冬に指名され、場地圭介の後釜として東京卍會の壱番隊隊長に就任する。血のハロウィンで奮闘したため、松野からは強く信頼されており、のちにタイムリープ能力を松野に打ち明けたことで、相棒ともいえる関係となる。天竺との抗争では、乾青宗の思いを汲み、壱番隊隊長と兼任して黒龍の11代目総長に就任する。

橘 日向 (たちばな ひなた)

花垣武道の元カノ。年齢は26歳。中学時代に武道と付き合っていたが、武道が中学卒業を機に逃げ出したため、現在は疎遠になっている。現在(2017年)の7月1日、弟の橘直人といっしょに東京卍會の抗争に巻き込まれて死亡したが、その後、武道がタイムリープをした際に過去を改変したことで直人が生存することとなり、少しずつ橘日向を取り巻く運命も変わっていく。中学時代の日向は小柄な体型だったが、気が強く優しい性格で、いつも明るく振る舞って武道を励ましていた。一人称は「ヒナ」。その死には謎が多く、佐野万次郎(過去)とは直接的なつながりはないにもかかわらず、武道が何度、過去改変をしても必ず死亡している。8・3抗争の改変後の世界では小学校の先生となって生活を送っており、武道と現代で初めて再会するが、その後に武道の目の前で最も悲惨な死を遂げている。8・3抗争後に武道から四つ葉のペンダントをもらっており、それを現在でも肌身離さず大切に持っているなど、別れはしたものの今も武道への思いを引きずっていた。クリスマスに武道から別れを切り出されたが、それが父親、橘正人の言葉が原因だと察し、年明けに初詣に行くことを条件に仲直りし、再び付き合い始める。天竺との抗争の際には、心身を疲弊させた武道が、直人と勘違いして話しかけてきたことで、彼がタイムリープをしていることを知る。しかし深くは聞かず、優しく彼を包み込み、励ました。佐野エマとは仲がよく、彼女が死んだ際には深くショックを受けたが、佐野万次郎(過去)に自分の思いをぶつけ、彼を再起させるのに一役買っている。実は稀咲鉄太(過去)とは小学校時代、いっしょの塾に通っており、当初、暗い子供だった稀咲にも分け隔てなく接していた。そのことで稀咲から一方的な恋心を抱かれていたが、小学6年生の夏休み、不良に絡まれているのを武道に助けられたことで、彼と恋に落ちる。稀咲はその一部始終を目の当たりにしており、武道に対して歪んだ対抗心と嫉妬を抱き、一連の出来事を引き起こす原動力となっていた。

橘 直人 (たちばな なおと)

橘日向の弟。年齢は25歳。現在(2017年)の7月1日、日向といっしょに東京卍會の抗争に巻き込まれて死亡したが、タイムリープした花垣武道と過去で出会ったことで死の運命を免れ、生存することとなった。オカルト好きなことから当初は武道の話をなんとなく信じ、現代で駅のホームに落ちた武道を救う。また過去の武道との出会いがきっかけで、現代では警察官となり、姉の死にかかわる東京卍會を追っている。過去ではおとなしい性格だったが、現代では冷静で合理的な性格となっており、武道に対しても気安く接する。現代の橘直人は直感的に武道のタイムリープ能力を理解し、自分と武道の握手が能力のトリガーになっていることを見出した。そのため過去では、東京卍會の出来事にはいっさいかかわりがないにもかかわらず、たびたび握手をするためだけに武道に呼び出されることとなる。現代では警察官という立場を活かして情報収集を行い、過去で何をすべきか武道といっしょに思案している。二つの時代を行き来する武道にとって、過去では松野千冬が、現代では直人が相棒といえる関係になっている。クリスマス改変後の現代で、佐野万次郎(現代)が武道を殺そうとしていると誤解し、彼を撃ち殺してしまうが、もともと死にたがっていた万次郎からは、感謝されることとなった。その後、紫大寿と出会った際に、稀咲鉄太(現代)の襲撃を受け、重症を負う。死の間際に、武道を過去に送るため手をつなぎ、彼に希望を託して死亡する。

佐野 万次郎(過去) (さの まんじろう)

「東京卍會」の総長を務める少年。小柄な体型で、髪を金色に染めている。愛称は「マイキー」。その圧倒的な強さとカリスマ性から「無敵のマイキー」の異名を持つ。マイペースな性格ながら女性は殴らないなど一本芯が通っており、花垣武道に対しては、未来で犯罪組織を率いていたとは思えないほど「いい奴」と思っている。改変前の世界では武道と何の接点もなかったが、武道が喧嘩賭博で清水将貴とタイマンを張り、それを偶然目にしたことで武道を気に入り、ダチになる。自由奔放に振る舞い過ぎて、時おり行き過ぎた行動も取るが、相棒の龍宮寺堅にそれを忠告された際には素直に認め、龍宮寺とはお互いに足りないものを補い合う関係となっている。亡き兄の佐野真一郎にあこがれを抱き、彼のように「不良の時代」を作ることを夢見ている。愛車も真一郎がフィリピンの廃墟で拾ってきたエンジンを基に修理した「CB250T(バブ)」。実は真一郎が拾ってきたバブのエンジンはもう1基あり、それをコツコツ修理している。のちに修理が完了したバブは、武道に贈られている。祖父が空手道場の師範を務めており、幼くして空手を教わる。しなやかで柔らかいバネのような体をしており、万次郎の蹴りは必殺の威力を誇る。人を惹きつけてやまないカリスマ性と、無敵とも言われる腕っぷしを持つが、根本には今も無邪気に兄を慕う年相応の一面もあり、非常にアンバランスな精神状態にある。未来で万次郎が豹変しているのも、このアンバランスさゆえで、悪に染まりやすいからだとされている。この部分は異母妹の佐野エマにも察せられており、エマは万次郎が道を間違えたら自分が正すのを役目としている。万次郎を悪のカリスマとして覚醒させようと考えた稀咲鉄太(過去)に周囲の人間を排除されていき、関東事変でエマも殺されてしまう。これにより一度は失意に暮れるものの、橘日向の説得で立ち直り、黒川イザナとの戦いに決着をつける。武道がタイムリープしてきたことを日向に教えられ、彼から事情を聞いたあとは、武道のことを自分の「ヒーロー」と評するようになる。

龍宮寺 堅 (りゅうぐうじ けん)

「東京卍會」の副総長を務める少年。中学生にして身長185センチの長身で、髪を金色に染めて辮髪にセットし、左側頭部に龍の刺青を彫っている。愛称は「ドラケン」だが、佐野万次郎(過去)のみ龍宮寺堅を「ケンチン」と呼んでいる。母親は渋谷の風俗嬢で、父親は不明。その母親も2歳の時に蒸発したため、天涯孤独な身の上で、ファッションヘルスの店に拾われ、生活している。小学5年生の時点でふつうの中学生よりも体が大きく、同年代では敵なしの状態だった。しかし、自分より体が小さいにもかかわらず、敵なしの強さを誇る万次郎に魅せられ、彼と行動を共にするようになる。腕っぷしが強いだけではなく、周囲への気配りと面倒見のよさを持つ兄貴肌で、万次郎が道を踏み外さないように、内外で彼を支えている。改変前の世界では愛美愛主との抗争をきっかけに万次郎と仲違いし、東京卍會の内部分裂を機に起きた8・3抗争の際に死亡している。しかし、タイムリープした武道が介入したことで、万次郎と仲直りし、8・3抗争で清水将貴に刺され、重症を負ったものの生存している。生存したことで万次郎との関係は続いたが、稀咲鉄太(過去)の暗躍で最終的に殺人を犯し、改変後の現代では死刑囚となって収監されている。自分が捕まったのは納得済みで、罪を償うつもりだが、稀咲には強い殺意を抱き続けている。クリスマス改変後の現代では万次郎に殺されている。佐野エマとは相思相愛の関係だが、それをお互いに伝え合っていないため、片思い同士の関係となっている。周囲からはいつか付き合うと思われていたが、関東事変でエマを殺されてしまう。このことで、エマを守り切れなかった万次郎に怒りをぶつけ、彼と共に失意に暮れていたが、橘日向の説得で立ち直り、万次郎と共に戦いの場に駆け付ける。体の大きさに見合ったパワーを誇り、雑兵程度であれば100人相手にしても戦い抜くほど強い。

清水 将貴 (きよみず まさたか)

「東京卍會」の参番隊に所属する少年。渋谷三中の3年生だが、中学生とは思えない大柄な体型をしており、躊躇(ためら)わず他者に暴力を振るう超不良。愛称は「キヨマサ」。中学時代の花垣武道たちにケンカを売られた際、返り討ちにして彼らをパシリとして使い潰した。武道が現在の逃げ続ける人生を選ぶに至った最大の元凶で、改変前の世界では武道は清水将貴らの横暴から逃げるため中学卒業を機に地元から逃げ出し、千堂敦(過去)は16歳の時に耐えかねてナイフで清水を刺す傷害事件を引き起こした。東京卍會の名を使い喧嘩賭博を開いて荒稼ぎをしており、武道たちに無理やりケンカを強要していた。タイムリープした武道にタイマンを指名され、彼と戦う。恵まれた体格を活かした強力な攻撃で武道を圧倒するも、倒れても立ち上がる武道を倒し切ることはできず、その奮闘が結果的に佐野万次郎(過去)と武道が出会うきっかけとなった。その後、勝手に東京卍會の名前を使って喧嘩賭博をしていたことを万次郎に見咎められ、粛清される。それを恨みに思っており、稀咲鉄太(過去)に唆(そそのか)され、8・3抗争の際には龍宮寺堅を殺すため襲撃する。現在の武道にとって清水の存在そのものがトラウマとなり、8・3抗争の際にも一度は武道の心を折り、彼を捕まえて龍宮寺殺害の罪を着せるつもりだった。しかしトラウマを乗り越えた武道との再戦で、関節技を決められて失神し敗北する。

千堂 敦(過去) (せんどう あつし)

中学時代の花垣武道の友人の少年。髪を赤く染め、リーゼントスタイルに整えている。武道たちと「溝中五人衆」という不良グループを結成し、彼らからは「アッくん」と呼ばれている。グループのリーダー格で、仲間たちといっしょに清水将貴にケンカを売りにいって返り討ちに遭い、彼の使い走りをしていた。しかしあまりの横暴に耐え兼ねて、16歳の時にナイフで彼を刺す傷害事件を引き起こして逮捕された。出所後はチンピラとなっていたが、武道が喧嘩賭博で清水とタイマンを張ったことで未来が大きく変わり、変わらず過去の武道たちと行動を共にするようになる。武道のピンチにはいつも駆け付けており、武道が壱番隊隊長に就任したあと、彼に頼まれ東京卍會に所属する。

半間 修二 (はんま しゅうじ)

「愛美愛主」の総長代理を務める少年。黒髪のソフトモヒカンで、真ん中部分だけを金髪に染めている。左手に「罪」、右手に「罰」の刺青を入れている。長身痩躯の体型で、龍宮寺堅と渡り合えるほど腕っぷしが強い。8・3抗争で清水将貴や林良平をそそのかした黒幕でもある。実は稀咲鉄太(過去)の相棒とも言うべき存在で、彼の意を受けて暗躍している。8・3抗争後は新たに結成された芭流覇羅に合流し、副総長となる。血のハロウィンで東京卍會に敗北したが、それも稀咲にとっては織り込み済みで、東京卍會の傘下に入り、新たに作られた陸番隊隊長に就任する。聖夜決戦では稀咲と共に、一時期は花垣武道に力を貸すが、土壇場で裏切って彼らを窮地に陥れる。しかし、それが佐野万次郎(過去)にバレて稀咲は追放。半間修二も稀咲についていき、東京卍會を脱退する。その後は稀咲と共に天竺に入り、幹部となる。味方を利用しては切り捨てる稀咲にとって、唯一、最初から最後まで味方でいた存在で、関東事変終局後も、孤立した稀咲の窮地を助けている。稀咲の死亡後は彼が犯した殺人の共犯者として警察に指名手配され、逃亡生活を送るようになる。

山本 タクヤ (やまもと たくや)

中学時代の花垣武道の友人の少年。金色に染めたロングヘアで線が細く、おとなしい性格をしている。武道とは幼なじみの関係。体が弱いものの、武道のピンチには必ず仲間たちと駆け付けている。武道が壱番隊隊長に就任したあと、彼に頼まれて仲間たちと共に東京卍會に入る。

河田 ナホヤ (かわた なほや)

「東京卍會」の肆番隊隊長を務める少年。赤く染めた髪をパンチパーマにしている。いつも笑顔を浮かべていることから、「スマイリー」の愛称で呼ばれている。いつもニコニコしているが、笑顔で物騒なことをよく口走る。肆番隊副隊長の河田ソウヤは双子の弟で、二人そろって「目黒のツインデビル」とも呼ばれる。かつては弟と「双悪(すごあく)」というチームを組んでいた。「勝てる喧嘩はしない」主義で、勝てそうにない相手にも立ち向かう花垣武道には親近感を抱いている。関東事変では天竺の不意打ちを受けて重症を負い、戦闘不能となる。

三ツ谷 隆 (みつや たかし)

「東京卍會」の弐番隊隊長を務める少年。髪を白く染め、短髪に刈り上げている。東京卍會創設メンバーの一人で、面倒見がよく、みんなのまとめ役を担っている。ヤンキーには珍しく、学業とヤンキーを両立させており、学校では手芸部の部長を務め、部員からも慕われている。母子家庭で妹のルナとマナの世話を一手に任されているため、若くしてかなり多忙な身の上にある。あまりの忙しさに一度、ストレスから家出をしたことがあり、夜の街で壁にラクガキをしてストレス発散していた際に龍宮寺堅と出会う。親のいない龍宮寺たちとの触れ合いで、あらためて家族の大切さを実感し、「家族を大切にする不良」になることを龍宮寺に誓う。その時に、二人が出会うきっかけとなった自分のラクガキを基に、龍の刺青を右側頭部に入れるものの、龍宮寺が同じ刺青を左側頭部に入れていたため、彼に言われて髪を伸ばして刺青を隠している。しかし、二人の絆として刺青はまだ残っており、東京卍會の「双龍」としてつるんでいる。柴八戒とは腐れ縁の関係で、彼にとっては兄貴分ともいえる存在。彼を実の弟のようにかわいがっており、八戒の東京卍會脱退によって黒龍との抗争が起きかけた際には、黒龍に乗り込み、柴大寿と話をつけて和平を締結した。聖夜決戦の際にも教会に乗り込み、花垣武道に加勢して柴柚葉と八戒を助ける。稀咲鉄太(過去)の参番隊隊長任命式で、佐野万次郎(過去)と武道の話を盗み聞きしてしまい、それをきっかけに一時期、万次郎の命令で武道を部下にしていた。このため何かと武道を気に掛けており、血のハロウィンで彼の活躍を見て、認めるようになる。武道の壱番隊隊長任命の際には、手製の特攻服を作り、彼に手渡している。

羽宮 一虎 (はねみや かずとら)

「芭流覇羅」のNo.3のポジションにある少年。黒髪に金のメッシュを入れ、鈴の付いたピアスをつけ、首に虎の入れ墨を彫っている。実は東京卍會創設メンバーの一人で、場地圭介とは幼なじみの関係。かつては佐野万次郎(過去)を慕っており、当時、原付で走り回っていた万次郎のため、彼の誕生日にバイクを盗んでプレゼントしようとした。場地と共にバイク屋へ盗みに入るものの、バイク屋の店員に見つかったため、思わずその店員を殴り殺してしまう。実はその店員は万次郎の兄の佐野真一郎で、「万次郎のために盗みに入ったせいで罪を犯した」と無理やりに自己を正当化し、万次郎に対して理不尽な恨みを抱くようになる。この身勝手な性格は、もともと母親にDVを受けて育ったためで、世の中を敵か味方かでしか考えられない故に生まれた羽宮一虎自身の歪みだった。事件後は少年院に送致され、出所後も万次郎とはお互いに決別していたが、場地はそんな羽宮を見捨てられず、万次郎の説得と芭流覇羅の鞍替えを行う。だがそんな場地だからこそ、羽宮は場地を心のよりどころにしており、稀咲鉄太(過去)に場地が裏切ろうとしていると吹き込まれ、血のハロウィンで疑念を爆発させて彼を殺してしまう。その後、羽宮自身も万次郎に殺され、万次郎を豹変させるきっかけとなる。花垣武道の改変によって場地が自ら命を絶ったため、そこでようやく自分の罪を受け入れ、万次郎にも謝罪している。その後は打って変わって自罰的な性格となり、警察に捕まったあとは、10年出られないと聞いても「短いくらい」と考えており、一時期は自殺しようとするものの龍宮寺堅の言葉で思いとどまる。血のハロウィン後の現代では出所し、髪を伸ばして場地そっくりな姿となっている。犯罪組織となった東京卍會と、変わってしまった武道に失望していたが、稀咲に捕まった武道を救い出し、二人で稀咲の悪行を暴こうとする。

佐野 万次郎(現代) (さの まんじろう)

「東京卍會」の総長を務める青年。賭博、詐欺、強姦、殺人あらゆる悪事に手を染めた犯罪組織のトップで、そのカリスマ性と腕っぷしの強さで組織をまとめている。非常に慎重な性格で、警察にすらその悪事が露見しないように手腕を発揮している。花垣武道がタイムリープしたあとに出会った佐野万次郎(過去)は悪事を嫌っていたため、その変貌にはなんらかの要因があるとされる。武道が何度もタイムリープをして過去を変えても、最終的には犯罪組織のトップに君臨している。実は犯罪界のトップに君臨するという野望を抱く稀咲鉄太(過去)の企みによって悪のカリスマに仕立て上げられ、身近な人間を次々と稀咲の手で不幸にされ、死を見せつけられている。過去改変によって稀咲を東京卍會から追放することで、犯罪組織のトップではなくなるが、稀咲の手による変貌は避けられず、東京卍會の幹部殺害の容疑者となっていた。万次郎の変貌は孤独による絶望と苦悩からきており、武道に自分を終わらせてほしいと願っている。万次郎が殺人犯となった世界で初めて武道と現代で再会する。その際には髪を黒く染め直し、短く刈りそろえた細身の青年の姿をしていた。フィリピンの思い出の場所に武道を呼び寄せ、彼を脅して銃で殺してもらおうとするが、武道が襲われているとカンちがいした橘直人に殺される。最期は武道の代わりに手をくだした直人に感謝を伝え、武道の腕の中で息を引き取った。

斑目 獅音 (まだらめ しおん)

「天竺」の四天王を務める少年。左のこめかみにライオンの刺青を入れている。黒川イザナの意思を継いで、黒龍の九代目総長となった。イザナと斑目獅音が黒龍を堕落させたことが、東京卍會結成のきっかけとなっている。S62世代の一人だが、彼らの中では最弱とされている。関東事変の際には「魁戦(さきがけせん)」で勝利し、勢いをつけようとするものの、林良平に一撃で敗北する。

灰谷 竜胆 (はいたに りんどう)

「天竺」の幹部を務める少年。灰谷竜胆の弟で、二人そろって「灰谷兄弟」の異名で恐れられている。S62世代の一人で、特定の暴走族をつくらず、二人で六本木を縄張りにして活動している。顔が広く、灰谷兄弟が声を掛ければ100人のヤンキーが集まるとされ、カリスマ兄弟として有名。凶暴な性格で、関東事変の際には柴八戒と河田ソウヤを、兄とタッグを組んで迎え撃ち、敗北寸前まで追い込んだ。しかし、八戒をいたぶったことでソウヤが本気となり、ソウヤに叩きのめされる。

佐野 真一郎 (さの しんいちろう)

佐野万次郎(過去)の10歳年上の兄。黒龍の初代総長で、町中の不良が尊敬する伝説的なヤンキー。腕っぷしは弱いが、カリスマ性があり、人望も厚い。ヤンキー引退後は、バイク屋で働いていた。フィリピンの廃墟で「CB250T(バブ)」のエンジンを2基拾い、その内の1基を復元して愛車としていた。このバブは現在、万次郎に受け継がれている。万次郎にはいつか黒龍を継いでほしいと思っていたが、2003年の8月、場地圭介と羽宮一虎がバイクを盗みに入った店が偶然、佐野真一郎の店で、真一郎に見つかったことで気が動転した一虎から殴り殺されてしまう。万次郎は兄を慕っていたため、この出来事が万次郎と一虎の深い因縁となっている。黒川イザナのことも気に掛けており、少年院に送致された彼とも文通をしていた。そのため、彼からもその存在を特別視されている。

黒川 イザナ (くろかわ いざな)

「天竺」の初代総長を務める少年。佐野エマの兄で、佐野万次郎(過去)の母親違いの兄。褐色の肌を持ち、色素の薄い髪をしている。エマが佐野家に引き取られたが、黒川イザナは施設行きとなり、孤独を味わうこととなる。その後、暴走族のリンチを受け、入院するほどの大ケガを負うが、退院後に主犯格の少年を襲撃し、自殺にまで追い込んでしまう。更生のため、少年院に送致されるものの、そこで悪のカリスマ性を発揮するようになり、のちにS62世代と呼ばれる仲間たちをつくる。孤独に苛まれていたが、少年院に面会に来てくれた佐野真一郎にだけは強い愛情を感じており、彼と文通をして絆を感じていた。出所後は真一郎のつくった黒龍を継ぎ、八代目総長となる。しかし、真一郎が万次郎の話をするたびに彼への嫉妬を募らせ、黒龍を万次郎に継がせるつもりだということを知り、遂には万次郎への悪意を爆発させてしまう。これによって黒龍はあらゆる悪事に手を染めた犯罪組織となる。真一郎への歪んだ独占欲から、彼が愛したすべてを破壊したいと考えている。真一郎の死後、失意から一度は一線を退いて浮浪者のような生活をしていたが、稀咲鉄太(過去)にそそのかされて天竺を結成。稀咲が天竺に合流したのをきっかけに、東京卍會との抗争を巻き起こす。稀咲が自分を利用しようとしているのは理解しているが興味はなく、ただ万次郎にのみ執着している。力ですべてを支配し、仲間も都合のよい駒としか考えていない。実はエマの母親とは血がつながっておらず、彼女の前の夫がフィリピン人とのあいだにつくった子供。偶然、町でエマの母親を見つけ、そのことを聞き出して絶望する。真一郎に向ける愛憎も、血のつながりがあるからこその絆が失われたことが起因しており、さらに真一郎がそのことを知って黙っていたことで、彼に対して一層強い憎しみを抱くようになった。圧倒的な戦闘センスを持ち、関東事変では味方すら恐れる絶対者として君臨していたが、万次郎との激闘の果てに敗北する。その後、稀咲が鶴蝶を殺そうとしたのを見て、反射的に彼をかばって銃に撃たれて死亡する。

長内 信高 (おさない のぶたか)

「愛美愛主」の八代目総長を務める少年で、ボクシング経験者。その腕っぷしの強さで、愛美愛主の総長にのぼり詰めた。凶暴な性格で、林田春樹の親友は彼女を目の前で長内信高にレイプされ、家族にまで危害を加えられた。その後は林田から憎悪され、愛美愛主と東京卍會との抗争の際にナイフで刺され、大ケガを負う。過去では覇気に満ち満ちていたが、現代ではくたびれた工場作業員として働いている。実はただの乱暴者で、長内が総長までのぼり詰めたのは稀咲鉄太(過去)の手腕あってこそのものだった。林田の親友の彼女がレイプされた件も長内はかかわっておらず、東京卍會との抗争を引き起こすため、稀咲に濡れ衣を着せられたというのが真相だった。稀咲にこけにされたものの、彼を心底恐れており、ケガから復帰後は引退して大工に弟子入りし、稀咲とはかかわらずに生きていきたいと考えている。のちに訪ねてきた花垣武道に、稀咲の恐ろしさについて語った。

千堂 敦(現代) (せんどう あつし)

東京卍會の幹部を務める男性。現代では過去の姿とはまったく印象の違う丸刈りで、両腕に入れ墨を入れた強面の青年となっている。改変前の世界では傷害事件で逮捕後、チンピラとなっていたが、花垣武道が清水将貴とタイマンを張ったことで過去が改変され、傷害事件を引き起こさず、現代で東京卍會の幹部となっていた。仲間思いな性格は現在も変わっていないが、実は武道を駅のホームに突き落とした実行犯である。逃げることすらできず、東京卍會と稀咲鉄太(現代)の言いなりになる現状に絶望し、武道が生き残って自分に会いに来た際に、己の罪を告白して自殺する。武道が生存していたことで、彼が過去に戻れるのではないかと考え、死の直前に過去の情報と激励を彼に伝えている。8・3抗争改変後の世界では美容師として働いており、初めての客として武道の髪を切っている。改変後の世界では、かなり容姿が変わっているが、過去と同じく赤く染めたリーゼントで、柔和な顔立ちとなっている。結婚して子供もいるため、平和に暮らしていると思われたが、この世界では橘日向殺害の実行犯となっている。妻と子供を人質に取られて稀咲の言いなりになっていたようで、武道と日向の二人を殺すために車を暴走させて突っ込むが、直前に武道がトイレに行っていたため、日向だけが犠牲となった。死の間際、武道に改変前の世界と同じ言葉を伝えて、車の爆発に巻き込まれて死亡する。改変する世界の中で、つねに誰かの命令で人を殺す立場にあり、血のハロウィン改変後の世界では、稀咲に騙された武道の命令で日向を殺すという最悪の悲劇を引き起こしている。

橘 正人 (たちばな まさと)

橘日向の父親。きちっとしたスーツ姿で、誠実な人柄をしている。中学時代の花垣武道のことも不良という色眼鏡で見ず、日向と橘直人が武道とかかわって明るくなったことを嬉しく思っており、彼に感謝している。一方で、娘が不良と付き合っているのを心配し、武道に失礼を承知で頭を下げて娘と別れてほしいと頼み込んでいる。武道も橘正人の言い分は理解できるとして、正人の言葉に従って日向に別れを切り出すこととなった。のちにこのことを日向に悟られ、彼女から説得されて武道との仲を認めることとなる。

佐野 エマ (さの えま)

佐野万次郎(過去)の妹。万次郎とは母親違いで、よく行動を共にする龍宮寺堅に恋心を抱いている。龍宮寺とはまだ恋人関係になっていないこともあり、彼に嫉妬してもらいたいがために、花垣武道に下着姿でせまったりしている。複雑な家庭環境で、3歳の時に佐野家に引き取られた。それ以前は兄の黒川イザナと暮らしており、旧姓も「黒川」となっているが、幼すぎて当時の記憶はほとんどない。明るく溌剌とした性格で、家族の万次郎を誰よりも理解し、無敵といわれている彼の弱い部分を助けてあげたいと考えている。そのため、万次郎を悪に落とすのに利用され、関東事変で稀咲鉄太(過去)に殺害された。武道は現代で佐野エマの姿を一度も見ておらず、エマが死んだあと、エマの死こそが万次郎が豹変した最大の要因だと遅まきながら理解することとなった。

稀咲 鉄太(過去) (きさき てった)

「愛美愛主」で幹部を務める少年。金髪を短く刈り上げ、眼鏡を掛けている。長内信高を利用して愛美愛主で成り上がるものの、長内を切り捨て、林田春樹の出所を取り引き材料に佐野万次郎(過去)に取り入る。8・3抗争後は、東京卍會の参番隊隊長に就任する。腕っぷしは弱いが、半間修二を右腕にするなど、人を使うことが非常にうまい。また、状況をコントロールする能力に長けており、勝っても負けても己に利益のある状況を作り出している。自分の力の限界を悟り、自分を「月」に例え、一人では輝けないと考えている。そのため、強い輝きを持つ万次郎に執着している。しかしそれも、自分がより輝くための必要不可欠な道具として考えているだけで、万次郎を自分にとって都合のよい傀儡に仕立て上げるのをもくろんでいる。人を殺すことをなんとも思っておらず、万次郎の傀儡化と東京卍會での成り上がりに邪魔な存在の龍宮寺堅、場地圭介の殺害を企てる。しかし、花垣武道のタイムリープによって阻止され、クリスマスの柴大寿との戦いで裏切っていたのが万次郎にバレ、東京卍會を追放される。追放後は天竺に入り、総参謀に就任する。そこで黒川イザナの万次郎への執着を利用して抗争を引き起こし、佐野エマを殺害する。東京卍會との抗争では邪魔な鶴蝶を殺すために銃を使うものの、イザナがかばったため、彼を殺してしまう。その後、見苦しく逃げるが、追ってきた武道との戦いに敗北。それでも逃げようとするが、武道の言葉で車道に急に立ち止まったため、そのまま車に轢かれて死亡する。

鶴蝶 (かくちょー)

「天竺」四天王の一人で、No.3のポジションにある少年。花垣武道の小学校時代の幼なじみで、引っ越しを機に武道とは音信不通となっていたが、天竺と東京卍會の抗争で敵味方として再会する。天竺のメンバーの中では比較的穏健派で、武道にわざと負けて場を丸くおさめ、彼に黒川イザナを救ってほしいと依頼している。過去に両親が事故で死亡し、鶴蝶も顔に傷を負った。悲しみと絶望のあまり、両親の墓を作って自分も死のうと考えていたが、そこでイザナと出会い、自分の下僕となって生きろと言われたことで生きる意味を見つける。イザナを「王」として忠誠を誓っているが、どんどん思想を歪ませていくイザナを救いたいとも思っている。クリスマス改変後の現代では、イザナを救うこともできず、彼の言いなりとなって動くうちに完全に洗脳され、機械的に人を殺すだけの存在へと成り果てる。現代で柴大寿と情報交換していた武道の目の前に現れ、武道と橘直人を顔色一つ変えず射殺している。関東事変では四天王筆頭で、ほかの幹部を凌駕する戦闘能力を発揮して武道たちを圧倒する。しかし、イザナの言いなりになっていいかずっと悩んでおり、佐野万次郎(過去)との戦いに負けたイザナを諭そうとする。稀咲鉄太(過去)にその存在を邪魔と思われ、銃で撃たれて重症を負うが、途中でイザナがかばったことで致命傷を受けるものの、抗争終了後は辛うじて生き残る。

乾 青宗 (いぬい せいしゅう)

「黒龍」の十代目特攻隊長を務める少年。髪を金髪に染め、顔の左部分にヤケド痕がある。愛称は「イヌピー」。冷静沈着な性格で、現総長の柴大寿に忠誠を誓い、彼の言葉には忠実に従っている。聖夜決戦後は、花垣武道の下に就くのを条件に、東京卍會の傘下に入る。実は佐野真一郎に強いあこがれを抱いており、彼が率いていた初代黒龍を復活させたいと思っている。黒川イザナが八代目総長だった頃に黒龍に所属するが、当時の黒龍はあらゆる犯罪を行う犯罪組織で、いつしか自分も犯罪に手を染め、少年院に送致される。少年院から戻ってきた頃には九代目総長が東京卍會との抗争に敗れ、黒龍は消滅する寸前だった。黒龍を立て直すため、圧倒的な力を持つ大寿を十代目総長として迎え入れるものの、聖夜決戦で再び東京卍會に敗れる。武道の部下となった以降もお互いになかなか歩み寄れずにいたが、関東事変で九井一が武藤泰宏に捕まったのをきっかけに、武道と腹を割って話し合い、仲間としてお互いを認め合うようになる。弱くても、ひたむきにがんばる武道に真一郎の姿を重ねて見ており、彼に黒龍十一代目総長になってほしいと頼み込む。実は乾赤音という5歳年上の姉がいたが、小学生の頃、火事によって死別している。幼なじみの九井が姉に恋をしており、よく似た顔立ちの自分に姉の面影を見ているのを知ったうえで、彼といっしょにいる。関東事変では九井と対決し、思いをぶつけ合ったことで、お互いに過去を乗り越える。関東事変終局後は、九井とお互い別々の道を歩むと言葉を交わして別れた。

林 良平 (はやし りょうへい)

「東京卍會」の参番隊副隊長を務める少年。金色に染めた髪を丸刈りにし、ドスの聞いたダミ声が特徴。愛称は「ペーやん」。林田春樹のことを慕っており、それだけに愛美愛主との抗争で、彼が逮捕されたことに強いショックを受ける。金を払ってでも出所させようとする佐野万次郎(過去)に賛同していたが、龍宮寺堅がそれに反対し、その後二人が和解してこの案が廃されたことに激怒する。8・3抗争では愛美愛主に合流し、龍宮寺を襲うことで恨みを晴らそうとする。万次郎の体を張った説得によって考えを改め、のちに龍宮寺が林田の面会に毎日行っていることを知り、自分のやったことを後悔する。その後、参番隊は新たに参番隊隊長に任命された稀咲鉄太(過去)の兵隊がやって来たため、同じ中学校に通う三ツ谷隆の弐番隊に籍を置いている。花垣武道のことは当初は認めずにぞんざいな扱いをしていたが、彼の奮闘を見て次第に認めるようになる。関東事変では気炎を上げた武道を総長代理として支持し、「魁戦(さきがけせん)」で先陣を切った。

林田 春樹 (はやしだ はるき)

「東京卍會」の参番隊隊長を務める少年。金色に染めた髪をモヒカンにしている。愛称は「パーちん」。ガッチリとした体型で、見た目どおりの凶暴な性格ながら、友人を傷つけられると怒り狂うなど仲間思いな一面を持つ。愛美愛主が林田春樹の親友と、その家族と彼女を徹底的にいたぶった際には怒り狂い、愛美愛主総長の長内信高をナイフで刺す凶行を引き起こす。すべてを覚悟のうえで長内を刺し、その後は自ら警察に捕まっている。佐野万次郎(過去)と共に東京卍會を作った創設メンバーの一人で、万次郎とは長い付き合いがある。そのため、万次郎は林田の意思に反すると知りつつ、林田が逮捕されないように逃がそうとしたり、金を積んで釈放させようとしたりしたことで、林田の意思を尊重しようとする龍宮寺堅との意見の対立を招くこととなる。実はすべて稀咲鉄太(過去)が仕組んだことで、長内に濡れ衣を着せ、林田に彼を憎むように仕向けられていた。林田が捕まったのも稀咲の計画どおりで、林田の出所をチラつかせて万次郎から条件を引き出し、東京卍會で成り上がっていた。

武藤 泰宏 (むとう やすひろ)

「東京卍會」の伍番隊隊長を務める少年。かなりの巨体で、髪を金色に染めてGIカットに整えている。愛称は「ムーチョ」。伍番隊は東京卍會の風紀委員ともいえる役割を担い、スパイや裏切者を捕まえるため、唯一、東京卍會内で内輪もめが許されている。実はS62世代の一人で、少年院に入所していた際に黒川イザナと出会い、彼に心酔している。天竺の創設メンバーの一人でもあったが、イザナが一線を退いたのをきっかけに、東京卍會に入った。関東事変でイザナが一線に戻ってきたことで、東京卍會を裏切り、天竺幹部として動き出す。裏切りはしたものの佐野万次郎(過去)に対する思いは本物で、イザナに出会う前に万次郎に出会っていれば、彼について行っただろうと語っている。天竺の資金調達のため、九井一を確保したいと考えており、伍番隊の権限を使って花垣武道、乾青宗、九井を捕える。その後、九井の目の前で武道と青宗を拷問し、彼らの身の安全と引き換えに、九井を天竺に引き入れることに成功する。天竺に合流後は、イザナの求めるままに東京卍會と戦う。しかし仲間を利用し、人殺しすら強要するイザナに徐々に不快感を覚え、同時に仲間を信じて戦う武道たちの姿を見て、次第に自分たちの進む先に何があるのか疑問を抱くようになる。イザナの死を見届けたあとは、警察が駆け付ける中、万次郎に自分たちが後始末をすると申し出て、彼らを逃がした。

河田 ソウヤ (かわた そうや)

「東京卍會」の肆番隊副隊長を務める少年。青く染めた髪をパンチパーマにしている。いつも怒った顔をしていることから、「アングリー」の愛称で呼ばれている。いつも怒った顔をしているが、「天使の心」を持っているとされ、気遣い上手で言葉づかいも非常に柔らかい。肆番隊隊長の河田ナホヤは双子の兄で、二人そろって「目黒のツインデビル」とも呼ばれる。かつては兄と「双悪(すごあく)」というチームを組んでいた。双子ならではのコンビネーションを得意とするが、ほかの人間と組むのが苦手。関東事変では柴八戒と組んで戦うものの、お互い足を引っ張り合っていた。しかし八戒とは末っ子という共通点があり、「末っ子同盟」を結成して共に戦った。なんだかんだで八戒とは意気投合しており、彼が目の前でリンチを受けた際には大泣きし、本気で激怒した。実は優しい性格で、人を本気で殴ることができないが、大泣きをするとそのリミッターがはずれ、「鬼」と呼ばれるほど凶暴な力を発揮する。小学4年生の際にナホヤが中学生の不良の集団にリンチにされた際には、数十人の不良全員を病院送りにするほどの惨状を引き起こした。それ以降、兄と絶対泣かないと約束を交わしていたが、八戒を守るためにその約束を破って大泣きする。鬼となった際は、右腕左脚の骨が折れているにもかかわらず怪力を発揮し、天竺の四天王をたった一人で半壊させた。

九井 一 (ここのい はじめ)

「黒龍」の十代目親衛隊長を務める少年。愛称は「ココ」。落ち着いた性格で頭がよく、金儲けの天才。その手腕は、現在の東京卍會においても重要視されており、東京卍會が巨大な犯罪組織となったのは稀咲鉄太(過去)の頭脳と、佐野万次郎(過去)のカリスマ性、九井一の金儲けの才能があったからとされている。聖夜決戦では稀咲に10万円で柴大寿の情報を売るものの、それを利用してワナを仕掛けていた。クリスマス後は、花垣武道の部下になることを決めた乾青宗についていき、東京卍會の傘下に入る。基本的に青宗の言うことしか聞かず、彼のためだけに力を振るう。その手腕を欲した武藤泰宏が、青宗と武道を捕まえて拷問したため、彼らの身の安全を条件に、天竺に入る。青宗とは幼なじみの関係で、実は彼の5歳年上の姉である乾赤音に恋をしていた。幼いながら真っすぐ好意を伝えてきた九井に、赤音も満更でもない様子だったが、火事で赤音は瀕死のヤケドを負う。完治のためには4000万円が必要だったが、乾家にそんなお金はなく、愛する人を救うために九井はあらゆる手段で金を稼ぐことを決める。九井の金儲けの才能は愛する人を助けようとする一心で開花し、犯罪にまで手を染めて大金を稼ぐようになる。しかし、その最中に赤音は亡くなってしまう。赤音の面影を色濃く持つ青宗に対して依存ともいえる感情を抱いている。東京卍會との抗争で、青宗を天竺に誘うものの、武道に思いを託した青宗はこれを拒否。赤音への思いを指摘されたことで、青宗と対決することとなるが、抗争終結後はお互いの過去に区切りをつけ、別々の道を歩むことを決める。

松野 千冬 (まつの ちふゆ)

「東京卍會」の壱番隊副隊長を務める少年。頭頂部のみ金髪に染めたヘアスタイルにしている。中学に入学して早々、周囲の不良から恐れられる存在となり、中学生にもかかわらず留年した場地圭介の話を聞き、彼に会いに行く。漢字をまちがえてばかりいた場地に、漢字を教えたのをきっかけになかよくなる。その後、暴走族に囲まれてピンチに陥っていたところを場地に助けられ、彼を慕うようになる。場地が芭流覇羅に鞍替えした際にも、その真意をいち早く見抜いており、場地にリンチに遭ってもその意思を尊重し、自分にできる範囲で場地を手助けしている。場地とペヤングを半分コにして食べたのが大事な思い出となっており、カップラーメンなどを友人と半分コにして食べるのが好き。花垣武道が血のハロウィンで奮闘したのを目の当たりにし、場地の死後は、佐野万次郎(過去)と話し合い、武道を壱番隊隊長に指名している。のちに武道からタイムリープのことを打ち明けられ、名実ともに相棒として彼を支える。冷静沈着なように見えて、実はおバカキャラ。松野千冬が立てた作戦書に「気合」としか書いておらず、武道を絶句させたほどに頭が悪い。血のハロウィン改変後の現代では、東京卍會最高幹部となった武道の片腕となっている。現代では黒髪の落ち着いた大人となっており、稀咲鉄太(現代)の悪事の証拠を集めていたため、稀咲に殺される。稀咲をあと一歩まで追い詰めていたが、悪事の証拠には武道まで葬り去る危険があったためにためらい、そのスキをつかれて殺されてしまう。クリスマス改変後の現代では、佐野万次郎(現代)に殺されるものの、万次郎に武道の話を聞いてほしいと遺言を残している。

稀咲 鉄太(現代) (きさき てった)

現代で東京卍會の総長代理を務める男性。慎重な性格で、花垣武道たちと同年代であること以外、警察にも尻尾をつかませていない謎の人物。佐野万次郎(過去)を豹変させた元凶にして、現代で橘日向と武道を殺した黒幕でもある。武道が何度タイムリープしても、手段を変えて現代を地獄に変えて、己の目的を果たすことを決してあきらめない不屈の精神と、あらゆる手段を可能とする用意周到さを持つ。クリスマス改変後の現代では、佐野万次郎(現代)に殺されたとされていたが、実際は替え玉を使って生き延びており、現代でも武道たちを襲撃し、鶴蝶に橘直人を殺させている。子供の頃は頭のよさから神童と持てはやされていたが、周囲と協調性がない暗い子供だった。そんな中、明るく接してくれた日向に一方的な恋心を抱いていたが、小学6年生の夏休み、日向は自分を不良から助けてくれた武道に惚れてしまう。それに強いショックを受けた稀咲鉄太(過去)は、武道が中学生になって不良となり、日向と付き合い始めたのをきっかけに、自分は日本一の不良を目指すことを決めた。頭脳明晰なため、具体的かつ実現可能な作戦を考えて実行し、多くの人を利用して犠牲にしながらあらゆる困難を乗り越えていく。その用意周到ぶりから武道には一時期、稀咲鉄太(現代)にもタイムリープ能力があるのではないかと疑ったほどだが、稀咲は自らの力で成し遂げており、その執念と手腕は目を見張るものがある。現代で日本一の不良となったあと、日向にプロポーズするもののふられ、これが日向を殺すきっかけとなった。武道に対して歪んだ対抗心と嫉妬を抱いているが、一方で現代の自分を形作る根本にも武道の存在があり、彼を「オレのヒーロー」と評し、ある種の憧憬を抱いている。

鈴木 マコト (すずき まこと)

中学時代の花垣武道の友人の少年。肩まで伸ばした髪をオールバックにしている。性格や言動が下品で、ノリも軽く、いつもバカ騒ぎしている。武道が壱番隊隊長に就任したあと、彼に頼まれて仲間たちと共に東京卍會に入る。

灰谷 蘭 (はいたに らん)

「天竺」の四天王を務める少年。灰谷竜胆の兄で、二人そろって「灰谷兄弟」の異名で恐れられている。S62世代の一人で、特定の暴走族をつくらず、二人で六本木を縄張りにして活動している。顔が広く、灰谷兄弟が声を掛ければ100人のヤンキーが集まるとされ、カリスマ兄弟として有名。残虐な性格で、関東事変の際には柴八戒と河田ソウヤを、弟とタッグを組んで迎え撃ち、敗北寸前まで追い込んだ。しかし、八戒をいたぶったことでソウヤが本気となり、ソウヤに叩きのめされる。黒川イザナにはあこがれており、彼の死を残念がりつつも、死んだ彼の目を閉じさせて弔った。

場地 圭介 (ばじ けいすけ)

「東京卍會」の壱番隊隊長を務める少年。黒い髪を長く伸ばし、ワイルドな顔立ちをしている。佐野万次郎(過去)と共に東京卍會を作った創設メンバーの一人で、万次郎とは長い付き合いで、特別気に入られている。しかし、稀咲鉄太(過去)が新参番隊隊長に任命されたのをきっかけに東京卍會を離反。踏み絵として自分の片腕でもある松野千冬をリンチして、「芭流覇羅」に鞍替えする。行動が突拍子もなく、周囲からは「何を考えているのかわからない」とよく言われるが、実は人一倍仲間思いな性格をしている。芭流覇羅の羽宮一虎とは佐野真一郎の死にまつわる複雑な因縁があり、万次郎と羽宮を守るために陰で奔走している。芭流覇羅への鞍替えも、稀咲が暗躍しているのを誰よりも早く気づき、その尻尾をつかむためで、血のハロウィンの際には芭流覇羅にいるという利点を生かし、彼を倒そうとする。だが、稀咲に騙された羽宮に刺され、致命傷を負ってしまう。改変前の世界ではこれがきっかけで場地圭介が死亡し、それに激怒した万次郎が羽宮を殺害したことで、万次郎は悪に堕ちたとされる。花垣武道の介入によって過去は変わり、致命傷は負ったものの即座に死ぬことはなく、自ら命を投げ打つことで、羽宮と万次郎の目を覚まさせることに成功する。武道の奮闘によって心動かされ、二人のことを武道に託し、武道ものちに場地の大切なものを守るため、壱番隊隊長の座を受け継いでいる。中学時代はあまりの成績の悪さから留年する。その際はさすがに母親に悪いと思い、髪を七三分けにし、瓶底眼鏡を掛けるというガリ勉スタイルになっていた。ただ頭の悪さはそのままで、手紙を書く際も漢字をまちがえてばかりいる。漢字のまちがいを教えてもらったのが松野と知り合ったきっかけで、その後、教えてくれたお礼として彼が不良グループに囲まれた際には助けている。松野との出会いの際、一個しかなかったペヤングを半分にして食べたのを大切な思い出としている。そのため最期の言葉も「半分コな?」で、松野は彼のお墓に半分コにしたペヤングをお供えしている。

柴 大寿 (しば たいじゅ)

「黒龍」の十代目総長を務める少年。柴八戒と柴柚葉の兄。黒髪に白のメッシュを入れ、筋骨隆々とした体型をしている。見た目どおりの類いまれな腕力を誇る怪物ながら、人心掌握の力にも長け、その力を乾青宗に見込まれて黒龍十代目総長に就任する。家庭環境は複雑で、父子家庭なうえに父親はほとんど家を不在にしていた。そのため、父親代わりとして八戒を強い男に育てるのを自らの役目と考えており、「躾(しつけ)」と称して八戒と柚葉にDVを行っている。見た目に似合わず敬虔なクリスチャンで、12月25日は教会で一人、お祈りをするのを習慣としている。聖夜決戦ではその習慣を柚葉が利用して、柴大寿を殺そうとした。改変前の世界では死亡し、その罪は八戒がかぶったとされるが、改変後は花垣武道の声でいち早く柚葉の存在に気づいたため、致命傷を受けるが生存している。武道たちとの戦いでは、その怪物っぷりで彼らを追い詰めるものの一歩及ばずに、駆け付けた佐野万次郎(過去)に敗北。手下も全員が龍宮寺堅に倒され、完全敗北を喫す。八戒を変えた武道の奮闘には思うところがあり、決戦後は引退する。クリスマス改変後の世界では、八戒の死を独自に探っており、同じ目的を持つ武道と情報交換する。過去の武道の戦いぶりを恩に感じ、稀咲鉄太(現代)の襲撃を受けた際には、武道に重要な情報を渡し、殿(しんがり)を引き受けて武道を逃がす。

望月 莞爾 (もちづき かんじ)

「天竺」の四天王を務める少年。愛称は「モッチー」。S62世代の一人で、13歳の時に警察官を殴って捕まり、公務執行妨害の罪で少年院に送致される。また、過去に河田兄弟の「双悪(すごあく)」と敵対関係にあった暴走族「呪華武(じゅげむ)」の総長で、一度彼らと戦って勝利している。関東事変では、一度は戦って勝った河田ソウヤに余裕を見せるものの、泣いて本気を出したソウヤに一撃で沈められる。また東京卍會との戦いを見て、武藤泰宏と同じく感じ入るものがあったようで、武藤と共に後始末をするために殿(しんがり)として残り、佐野万次郎(過去)たちを逃がしている。

山岸 一司 (やまぎし かずし)

中学時代の花垣武道の友人の少年。「不良辞典」の異名を自称し、インテリぶって眼鏡を掛けているが、武道曰く中身はおバカさん。基本的に武道たちと同レベルの頭脳で、しかもミーハーなため、有名なヤンキーを見たら無駄にテンションが上がって騒ぎ出す。しかしその一方で、その異名に恥じないくらいの情報通で、各地の有名どころのヤンキーの情報が頭にインプットされている。また独自の情報網があり、各地の抗争勢力の内情にも詳しい。8・3抗争の際には龍宮寺堅の危機をいち早く察し、武道にその情報を伝えて彼を助けている。武道が壱番隊隊長に就任したあと、彼に頼まれて仲間たちと共に東京卍會に入る。

柴 八戒 (しば はっかい)

「東京卍會」の弐番隊副隊長を務める少年。花垣武道と同い年の中学2年生だが、身長は183センチとかなりの長身。黒い髪を坊主頭にし、口元に大きな傷痕がある。兄の柴大寿は黒龍の総長を務めており、現代では彼を殺して十一代目総長となり、東京卍會に合流している。そのため「黒龍組」と呼ばれ、東京卍會の古参組とは険悪な関係にある。中学時代の柴八戒は、気さくで人当たりもよく、武道ともすぐなかよくなった。また女子が苦手で、姉の柴柚葉以外の女性とは話せないという弱点もある。兄のDVに怯えており、黒龍の総長を継がせたい兄の言いなりとなって、東京卍會を辞めて黒龍に入る。姉の柚葉をDVから守るため、兄と「自分が二人分殴られる」という約束を交わしていたが、黒龍に入ったのをきっかけに兄への恐怖が爆発し、彼を殺害することを武道に伝えた。自分に家族愛を教えてくれた三ツ谷隆を強く尊敬している。実は根っからの末っ子気質で、甘えん坊で責任転嫁する一面がある。八戒自身が兄と交わした約束も、本当は姉の柚葉が兄と交わした約束で、自らは見ていることしかできずにいる。聖夜決戦で体を張って戦う武道に心動かされ、武道たちに伝えた話は見栄を張ってついたウソだと告白する。また現代で先代を殺したのも、実は柚葉が殺したのをかばっていると武道は推測している。弱い自分を受け入れたことで、怯えを克服して兄に反逆を開始。これによって柴三兄弟の関係も大きく変化する。河田ソウヤとは気が合わないながら同じ末っ子同士であるため、関東事変で「末っ子同盟」を結成して共に戦った。

柴 柚葉 (しば ゆずは)

柴八戒の姉で、柴大寿の妹。非常に気の強い性格の持ち主。身軽な身のこなしを生かし、ヤンキー同士のケンカにも参加するほどの腕っぷしの強さを誇る。弟を大事に思っており、弟の分までの暴力を受けることで、兄の暴力から弟を守っている。八戒が黒龍に入ったあと、稀咲鉄太(過去)から八戒が大寿殺害を企てているのを教えられ、弟を守るために大寿を自分の手で殺そうと決意する。改変前の世界では、柴柚葉が大寿を殺し、八戒がその罪をかぶったのではないかと、花垣武道は推測している。武道が過去改変したことで、聖夜決戦で大寿を刺そうとするが、直前で武道が柚葉の存在に気づいて名前を呼んだことで失敗し、大寿を刺すものの軽症で済んでいる。武道と三ツ谷隆の奮闘で八戒が変わったことで、柚葉を取りまく環境も変わっていく。聖夜決戦終了後は、男気を見せた武道に恋心を抱くが、武道には橘日向がいるために潔くあきらめている。なお、八戒には三ツ谷といい雰囲気になっていると思われていたが、三ツ谷のことは兄のように思っており、恋愛感情はないと断言している。

集団・組織

東京卍會 (とうきょうまんじかい)

佐野万次郎(過去)が結成した暴走族。「東卍」の通称でも呼ばれる。初代総長は万次郎が務めており、兄の佐野真一郎にあこがれた万次郎が、「不良の時代」を作るため活動している。名前の由来は「東京」に「万次郎」の名前をくっつけたもので、初期案は「東京万次郎會」だったが、メンバー全員に「ダサい」と却下された。内輪もめはご法度で、仲間がほかのチームにやられた際には、チーム総出で反撃を行なう。また女性に手を上げない、ケチな犯罪には手を染めないなど、独自のルールを掲げている。2005年ではふつうの暴走族であったが、2017年の現代では巨大な犯罪組織へと変貌しており、あらゆる悪事を働いているとされる。現代でのトップは佐野万次郎(現在)が務めているが、実質的に取り仕切っているのは稀咲鉄太(現代)だとされる。花垣武道がタイムリープして過去改変することで構成員が少しずつ変化し、血のハロウィン後の現代では武道が最高幹部となり、黒龍組と古参組のあいだで派閥争いが繰り広げられていた。聖夜決戦後の現代では、古参組はほとんど死亡。現代の稀咲も殺されたとされていたが、稀咲は替え玉を使って死んだフリをしていただけで、実際は稀咲と黒川イザナが組織を牛耳っている。

芭流覇羅 (ばるはら)

8・3抗争後、新たに生まれた暴走族。総長は不在で、半間修二がNo.2のポジションに就いている。新興勢力でありながら、愛美愛主の元メンバーと東京卍會に反感を持つ者が集結したため、総勢300人を超す大所帯となっている。稀咲鉄太(過去)が己が成り上がるために用意した手駒で、都合のよい東京卍會をつくるための母体としてつくり出した。佐野万次郎(過去)を総長に据えることを目的にしており、場地圭介と羽宮一虎を利用して、万次郎を傀儡に仕立て上げようとした。改変前の世界では羽宮が場地を殺害し、万次郎が羽宮を殺害することでこの目的は完遂している。過去改変によって羽宮と万次郎の因縁に決着が訪れたため、万次郎をトップに据えるという目的は頓挫するものの、半間がメンバーごと東京卍會の傘下に入ることで、内部での大きな発言権を得る。しかし聖夜決戦後、半間が東京卍會を離れた際に、元芭流覇羅メンバーも東京卍會を離れ、天竺に合流している。

黒龍 (ぶらっくどらごん)

柴大寿が十代目総長として率いる暴走族。暴力を振るって金を稼ぐ殺人集団で、大寿の圧倒的な力とカリスマ性で団結する恐怖の集団となっている。もとは佐野真一郎が結成したチームで、当時は伝説的なチームとして、町の不良からあこがれられる存在だった。しかし八代目の黒川イザナが、あらゆる悪行に手を染めた犯罪組織へと変貌させ、続く九代目の斑目獅音もイザナの意思を継いで、悪行を繰り返している。しかし斑目の横暴を見かねた佐野万次郎(過去)が、東京卍會を結成して対抗し、斑目を打ち倒して一躍有名となる。斑目が総長を退いたあとは、瓦解寸前状態だったが、組織の存続を願った乾青宗が大寿を総長に任命することで、辛うじて持ち直す。聖夜決戦後、大寿が総長を引退。残ったメンバーは青宗と共に、花垣武道の部下となる。

天竺 (てんじく)

黒川イザナが率いるチーム。イザナのカリスマ性によってS62世代の名のある猛者が集まっている。イザナという「王」を中心に、「下僕」が集まったチームで、構成メンバーは時には人殺しすら強要される。イザナへの恐怖とあこがれから、メンバーはその歪んだ思想に洗脳されており、幹部であっても、イザナに口答えすることは許されない。関東事変では300人にも及ぶ人数で、東京卍會を襲撃。不意打ちや凶器での攻撃など、卑怯な手段を使って東京卍會のメンバーを次々と戦闘不能にした。また、武藤泰宏も東京卍會を裏切って天竺に合流したため、東京卍會と天竺の戦力差は最終的に50対400まで開いた。この時、佐野万次郎(過去)とイザナが激闘を繰り広げたのちにイザナが敗北し、鶴蝶をかばったイザナが稀咲鉄太(過去)に撃ち殺されることとなった。残った幹部たちも花垣武道の戦いぶりを見て思うところがあったようで、後始末をするために警察に捕まり、事実上壊滅状態となる。

愛美愛主 (めびうす)

長内信高が八代目総長として率いる暴走族。犯罪にまで手を染めるならず者集団で、不良だけではなく、一般人にまで手を出し、甚大な被害をもたらしている。林田春樹の親友とその彼女をいたぶったため、林田に恨まれており、東京卍會との抗争を巻き起こす。8・3抗争後は長内が引退し、稀咲鉄太(過去)が手勢をまとめて東京卍會の傘下に入る。また、残ったメンバーも半間修二と共に芭流覇羅に合流したため、事実上解散状態となる。

イベント・出来事

関東事変 (かんとうじへん)

2006年2月22日に起きた東京卍會と天竺の抗争。2月22日は黒川イザナが執着する佐野真一郎の誕生日ということもあり、真一郎の大切にしていたものすべてを破壊するため、天竺が東京卍會を襲撃したことに端を発している。不意打ちで三ツ谷隆と河田ナホヤが戦闘不能となり、武藤泰宏が天竺に寝返ったことで、東京卍會の動ける隊長格は花垣武道以外いなくなった。それでも佐野万次郎(過去)のカリスマ性によって士気を保っていたが、佐野エマが稀咲鉄太(過去)に殺害されたことで、万次郎と龍宮寺堅も失意に暮れ、膝を屈してしまう。武道が総長代理として残ったメンバーを率いて天竺に戦いを挑むものの、この時点で、50対400と圧倒的な戦力差が開いていた。武道たちの奮闘によって、最終的に勝負は再起した万次郎とイザナの頂上決戦にもつれ込み、激戦の果てに万次郎が戦いを制す。それでも負けを認められなかったイザナは銃を出して万次郎を殺そうとするが、そのあまりの強硬姿勢に遂に腹心の部下である鶴蝶から諫言を受けることとなる。稀咲はイザナの邪魔をする鶴蝶を銃で殺そうとするものの、とっさにイザナが鶴蝶をかばって死亡。稀咲も逃亡中に死亡したため、最終的に死亡者三名、逮捕者五名を出して、抗争は終局を迎えることとなる。エマとイザナの殺害は主犯が稀咲で、共犯者は半間修二だと処理された。

血のハロウィン (ちのはろうぃん)

2005年10月31日に起きた東京卍會と芭流覇羅の抗争。羽宮一虎が場地圭介を殺害したため、佐野万次郎(過去)が憎悪に支配され、怒りのまま羽宮を殺害した。稀咲鉄太(過去)が身代わりを用意したため、万次郎は警察に逮捕されず、芭流覇羅は万次郎をトップに据えることで、事実上芭流覇羅を母体とした新たな東京卍會となり、巨大な犯罪組織へと成長する。花垣武道の過去改変によって、致命傷を負った場地は自ら命を絶ち、その命を持って万次郎と羽宮の心に訴えかける。武道の決死の説得もあり、万次郎と羽宮はお互い矛をおさめ、羽宮は罪を償うために自首した。抗争は東京卍會の勝利に終わったため、半間修二と芭流覇羅はそのまま東京卍會の傘下に入り、半間たちは結果的に大きな発言力を手にする。

聖夜決戦 (せいやけっせん)

2005年12月25日に起きた事件。柴八戒が兄の柴大寿を殺害し、黒龍の十一代目総長に就任。八戒が黒龍を継ぎ、黒龍が東京卍會の傘下に入ったことが、結果的に東京卍會を巨大犯罪組織へと急成長させる契機となった。花垣武道の過去改変によって、東京卍會主要メンバーと黒龍との抗争となる。実は大寿を殺害したのは八戒ではなく柴柚葉。弟を守るために柚葉は兄の大寿を殺害し、八戒は姉を守るために罪をかぶったのが真実ではないかと、武道は推測している。大寿は敬虔なクリスチャンで、クリスマスは一人でお祈りをするため、この日が大寿を殺害する実行日に選ばれた。武道は大寿殺害を止めるべく教会に乗り込むものの、この時、黒龍と東京卍會のあいだには和平が結ばれたため、武道たちはほとんどのメンバーに秘密にして、孤軍奮闘状態で大寿と戦う。武道たちの体を張ったがんばりで、八戒も柚葉も殺意をおさめることに成功する。また武道たちの奮闘によって、偶然、佐野万次郎(過去)と龍宮寺堅が教会にたどり着き、ほぼ二人で黒龍を壊滅させている。これによって聖夜決戦は終局を迎え、事件後に大寿は総長を引退している。

8・3抗争 (はちさんこうそう)

2005年8月3日に東京卍會で起きた内部抗争。佐野万次郎(過去)と龍宮寺堅の意見が対立したことで、東京卍會内部で「マイキー派」と「ドラケン派」の抗争へと発展。最終的にこの抗争で清水将貴が龍宮寺を刺し殺している。そもそもの抗争の原因は、愛美愛主との抗争で林田春樹が警察に逮捕されたことで、マイキー派は林田を金を使ってでも出所させたいと考え、ドラケン派は警察に自首した林田の意思を尊重したいと考えていた。花垣武道の過去改変により、万次郎と龍宮寺は話し合って和解したため、トップ同士の対立はなくなる。しかし内部には不満がくすぶっており、半間修二がそそのかしたせいで、林良平たちの不満が爆発し、結果的に内部抗争は起きてしまう。龍宮寺も結局は清水に刺されてしまうが、武道が体を張って龍宮寺を守ったため、重傷を負うものの一命を取り留める。

その他キーワード

タイムリープ

花垣武道の持つ特殊能力。時間を逆行し、12年前の中学時代に意識だけ戻すことができる。能力の発動トリガーは橘直人との握手で、最初の過去改変で直人の運命を変えて以降、彼と握手をすることで過去と未来を行き来している。過去での行動は、そのまま現在の結果を変えることにつながるが、武道本人は改変後の世界においても改変前の記憶しか保持しておらず、改変後の世界でどのように暮らしてきたかの記憶はない。唯一、直人のみ改変前と改変後の両方の記憶を保持しており、武道が現代に帰って来た際に、記憶が上書きされるように、改変前の記憶を思い出す。タイムリープ中、武道の体は仮死状態となり、彼が過去の直人と握手して戻ってこない限り、起きることはない。またタイムリープ能力は、同日の12年前にしか行くことはできず、自由に行く日を選ぶことはできない。すなわち、タイムリープした日が2017年の7月4日ならば、2005年の7月4日にしか行けず、過去で過ごした時間は、現在の時間でも同じ時間が過ぎるようになっている。タイムリープ能力は武道と直人の二人がそろうことで発動する能力で、1回目のタイムリープ以外は、二人そろわなければ発動しない。このため鶴蝶によって現在の直人が殺された際には、過去でいくら現在に戻ろうとしても発動せず、武道は過去に閉じ込められる状況となった。

S62世代 (えすろくじゅうにせだい)

黒川イザナを中心に、少年院で出会った望月莞爾、灰谷蘭、武藤泰宏、灰谷竜胆、斑目獅音ら、昭和62年生まれの少年六人を指す言葉。それぞれが札付きの悪であるため、「極悪の世代」とも呼ばれる。イザナを王として心酔しており、彼がつくる国を見たいと考えている。抗争をする際には「魁戦(さきがけせん)」というタイマンを好んで行っており、関東事変では斑目が魁戦をしている。

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