『魔入りました!入間くん』の登場人物がマフィアとして活躍
原作となる『魔入りました!入間くん』は、秋田書店「週刊少年チャンピオン」で2017年14号から連載された西修の人気作品。テレビアニメや舞台など、さまざまなメディアミックスが展開されたほか、複数のスピンオフ作品や公式アンソロジーが発表されている。本作は原作の登場人物たちがマフィアの役どころで、イルマのお人好しな性格やサリバンの孫煩悩ぶりが、原作さながらのコメディタッチで描かれる。
お人好しなイルマのサクセスストーリー
ストリートチルドレンのイルマは、頼まれると断れない心の優しさから、周囲のチンピラたちからいいように使われ、たかられる日々を過ごしていた。そんなある日、道で倒れていたサリバンを介抱したところ、彼から半ば強引に孫として迎えられ、サリバンが首領を務めるマフィア「バビル」で英才教育を受けることになる。やがてイルマが14歳になると、自分が知らないままに若頭に就任し、バビルの事業の一部を任される。当初はイルマの相手を思いやる姿勢は、マフィアらしからぬものだと問題視されていたが、バビルの結束をより強固なものとし、周囲の住民からもさらなる支持を得るなど、成果をあげていく。
マフィア「バビル」の個性的な面々
原作では、主人公の鈴木入間以外の主要登場人物は悪魔だが、本作ではイルマをはじめとする主要登場人物は人間の設定になっている。ただし、バビルの構成員は凄(すさ)まじい身体能力と邪悪な性格の者ばかりで、中でもイルマの護衛を務めるオペラは、ふだんは口数が少ないが暴れ出すと手が付けられなくなることから、「悪魔のような人間」と揶揄(やゆ)されている。イルマの指導役であるナベリウス・カルエゴは、表向きは組織の意向に従順に従いながらも、金庫番という立場を悪用して私腹を肥やしている。そんな彼らも、イルマのお人好しながら一生懸命な姿に感化され、やがてバビルにとってイルマはなくてはならない存在となる。
登場人物・キャラクター
イルマ
バビルの若頭を務めている少年。年齢は14歳。極度のお人好しで、頼みごとをこれまで断ったことがない。一方で数々の修羅場を経験しているため、危機回避能力が異常なまでに高い。幼い頃からストリートチルドレンとして一人で生活していた。そんな中、5歳の時に瀕死(ひんし)の状態だったサリバンを家で介抱したことから、恩義を感じた彼からマフィア「バビル」に迎え入れられる。そして、9年に渡る英才教育の末に、サリバンの指名により若頭に就任する。就任当初は、マフィアに不釣り合いな心の優しさから、イルマの指導役のナベリウス・カルエゴをはじめ、一部の手下からは快く思われていなかった。しかし、マフィアの活動を実際に目の当たりにしたことで、多くの人々を幸せにするために全力を尽して奔走し、やがて多くの関係者から一目置かれるようになる。
サリバン
バビルの首領を務める老年の男性。フィンチ型眼鏡にカイゼル髭(ひげ)を蓄えている。マフィア「バビル」のメンバーからは「ドン・サリバン」の敬称で呼ばれている。巨大組織の首領にふさわしい威厳と迫力を兼ね備えているが、マイペースすぎる一面があり、金庫番のナベリウス・カルエゴからは苦言を呈されている。孫を溺愛したいという願望を長らく抱いていたが、結婚していないためその願いが叶うことはなかった。そんな中、スラム街で瀕死の重傷を負った際に偶然通りがかったイルマに助けられ、その献身的な姿に心を打たれ、彼を孫として引き取ることを決意しバビルに迎える。そしてイルマを厚遇して英才教育を施し、彼が14歳の時に若頭に任命する。
クレジット
- 原案
ベース
魔入りました!入間くん (まいりました いるまくん)
作者・西修の2作目の連載作品にして代表作。鬼畜な両親によって、お金目的で悪魔に売り渡されてしまった少年・鈴木入間が主人公。悪魔の孫になって、悪魔学校に通うはめになった入間が、魔物たちのなかでハチャメチ... 関連ページ:魔入りました!入間くん
書誌情報
魔入りました!入間くん if Episode of 魔フィア 3巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉
第1巻
(2023-12-07発行、 978-4253280464)
第2巻
(2024-06-07発行、 978-4253280471)
第3巻
(2024-09-06発行、 978-4253280488)