東島丹三郎は仮面ライダーになりたい

東島丹三郎は仮面ライダーになりたい

齢40歳にして真剣に仮面ライダーになる事を夢見ていた中年男性が、ショッカー強盗との戦いを経て、いつしか本物のショッカーと戦う事になる過程を描いた、悲哀と信念、そして愛にあふれた抱腹絶倒の痛快アクション作品。「月刊ヒーローズ」で2018年6月号から連載された。

正式名称
東島丹三郎は仮面ライダーになりたい
ふりがな
とうじまたんざぶろうはかめんらいだーになりたい
作者
ジャンル
スーパーヒーロー
関連商品
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あらすじ

第1巻

中年男性の東島丹三郎は、40歳を越えた今でも、幼少の頃から見ていた仮面ライダーになるという夢を捨てきれず、仮面ライダーになるために、日々山籠もりを続け、熊に勝利するほどの実力を身につけていた。結婚もせず、アルバイトで食いつなぐ自分の未来図に「孤独死」というワードが浮かんでいた丹三郎はある日、趣味の縁日巡りの最中に、世間を騒がせているショッカー強盗と遭遇。仮面ライダーのお面をかぶり、ショッカー強盗を撃退した丹三郎は、ネットで有名人となる。その情報を知った電波人間タックルに心酔する高校教師の岡田ユリコは、自分がショッカー強盗を倒すはずだったと憤慨。あくる日、丹三郎とユリコはコンビニ強盗をしようとしていたショッカー強盗に遭遇した現場に偶然居合わせる。手製のコスチュームで電波人間タックルに変身したユリコは丹三郎を殴って昏倒させ、そのあいだにショッカー強盗を得意の電波投げで撃破。そしてユリコもまた、ネットで有名人となる。さらにあくる日、ネットのライブ中継でコンビニ強盗をしているショッカー強盗の情報を得た丹三郎とユリコは、現場へと駆けつけるが、そこには「本物」を自称するショッカー戦闘員がおり、ショッカー強盗を叩きのめしていた。その強さを見て、彼が本物のショッカーである事を確信した丹三郎とユリコは、協力してショッカー戦闘員を撃破。直後に現れた怪人が、ショッカー戦闘員を始末する姿を目撃する。ファミレスで互いの素性を語り合っていた丹三郎とユリコは、そこでショッカーは実在すると熱弁するファミレスの店長と知り合う。翌日ユリコは勤務先の学校で、昨日ファミレスで見た、店長の彼女に体育倉庫まで連行される。彼女がショッカーの女戦闘員である事を告げられたユリコは、そのまま殺害されそうになるが、必殺の電波投げで撃退。丹三郎に連絡を取り、気絶した女戦闘員を店長のもとへ連れて行くのだった。

登場人物・キャラクター

東島 丹三郎 (とうじま たんざぶろう)

冴えない風貌をした短髪の中年男性。年齢は40歳で独身。幼少の頃から仮面ライダーにあこがれており、本物の仮面ライダーになる事を目指して生きて来た。そのため、この歳になるまで独身のままアルバイトで食いつなぎ、今も定期的に山籠もりをして心身を鍛えている強い信念の持ち主。引き締まった体をしており、その強さは素手で熊を撃退できるほど。悪の組織、ショッカーに改造人間にされる事をつねに願っている。得意技は「ライダーキック」。近年は「孤独死」という単語が脳裏に浮かぶようになり、長年にわたって収集を続けていた大量の仮面ライダーグッズをすべて売り払うなど、自身の生き方に迷いが生じている。趣味は子供の頃から好きだったお祭りや縁日巡り。小学生の頃、縁日に遊びに行った際にいっしょにいた父親が失踪している。ある日、縁日を楽しんでいた際に遭遇したショッカー強盗を仮面ライダーのお面をかぶって撃退した事から、ネットを中心に謎の仮面ライダーとして一躍有名人となる。その後はお面をかぶって仮面ライダーになり切り、ショッカー強盗を打倒するために現場へ駆けつけるようになる。その過程で特撮番組のキャラクターである電波人間タックルにあこがれる高校教師の岡田ユリコと知り合い、いつしか実在した本物のショッカーと対峙する事になる。

岡田 ユリコ (おかだ ゆりこ)

高校教師を務める女性。巨乳の美女。年齢は24歳。特撮番組の「仮面ライダーストロンガー」が大好きだった父親の影響で、社会人となった今でも作中のキャラクターである電波人間タックルにあこがれを抱いている。幼少の頃、父親の部屋にあったビデオを観て、電波人間タックルが作中で死んでいる事実を知り、小学校を1週間休むほどの大きなショックを受けてしまう。その後、父親から言われた「タックルはここにいるだろ」という言葉を真正面から受けとめ、自分が電波人間タックルになるために厳しい特訓を繰り返す。成人してからは、一高校教師として過ごしていたが、ある日、自前のコスチュームに身を包んで電波人間タックルになり切り、巷を騒がせていたショッカー強盗を叩きのめす。それを境にSNSを中心に有名人となり、電波人間タックルとしてショッカー強盗を狙うようになる。自分より先にショッカー強盗を倒した東島丹三郎に対しては、いい歳して仮面ライダーのお面をかぶるなど恥ずかしくないのかと、自分の事を棚にあげて説教していた。相手を投げ捨てる、通称「電波投げ」を得意技としている。名乗り口上の時に「電波人間タック」という、「ル」をあえて省略する通好みの表現を好む。

女戦闘員 (おんなせんとういん)

ツインテールの髪型をした美少女。ショッカーに所属している。岡田ユリコの高校に通っている女子高校生で、彼氏である店長が勤めているファミレスでアルバイトをしている。ユリコとはファミレスで一度会っているが、学校では地味な服装をしているため、気づかれなかった。通常の人間を遥かに上回るパワーを誇る。かなり凶暴な性格で、店長を愛するあまり、彼に近づく女性を目の敵にして片っ端からボコボコにしている。店長と会話をしたユリコの事を憎み、体育倉庫に連れ込んで殺害しようとしていたが、返り討ちに遭う。他人を見下しているが、店長だけは別。なお、ユリコを上回る巨乳の持ち主。

店長 (てんちょう)

ファミレスに勤めている若いイケメンの男性。子供の時に兄とショッカーを目撃した事がきっかけとなり、ショッカーの実在を確信している。ショッカーへの思い入れが強く、一度語り出すと話が止まらない。店を訪れた東島丹三郎と岡田ユリコを一目見て自分の同類だと悟り、ショッカーの実在について二人に熱く語っていた。アルバイトの女戦闘員と付き合っているが、彼女がショッカーの一員である事はまったく気が付いていない。

ショッカー好きのヤクザ (しょっかーずきのやくざ)

ヤクザの男性。子供の頃から仮面ライダーより敵組織のショッカーが大好きだった事から、ヤクザの道に入ったとうそぶく変わり者。三人の子分に目出し帽をかぶせ、ショッカー強盗としてコンビニ強盗などを繰り返していた。東島丹三郎と岡田ユリコの妨害を受けた事がきっかけとなり、自前のマスクを作って「怪人ヤクザ」となり、強盗団に参加するようになる。すでに武闘派の自分は、ヤクザの世界でも居場所がないと自覚している。子分からは「アニキ」と呼ばれていた。

アサノ

眼鏡をかけた純情そうな男子高校生。岡田ユリコを慕っており、下校したユリコを追いかけて街中で告白する。しかし、その場にショッカー強盗が現れ、目の前で彼女が電波人間タックルへ変身する姿を目撃してしまう。ユリコからは正体の口止めをお願いされているが、それをネタにユリコを意のままにするという、ダークサイドな妄想で頭がいっぱいになってしまう。

戦闘員 (せんとういん)

ショッカーの一員。戦闘員を務める男性で、全員を黒色の戦闘服で包んでいる。コンビニ強盗をしていたショッカー強盗の前に立ちはだかり、「迷惑」という理由で全員を叩きのめしていた。容姿は人間そのものだが、人間より遥かに強靭。彼を初めて見た東島丹三郎は、戦闘員が実在する事実を嚙みしめ、「抱きしめたい」と感涙していた。

怪人 (かいじん)

怪人の男性。ショッカーの一員。一見するとごくふつうの若者だが、片手でスマートフォンを粉々に砕くなど、人間を遥かに上回る怪力の持ち主。コンビニ強盗をしていたショッカー強盗の前に姿を現し、ネットのライブ中継をしていた青年をドロドロに溶かして皮だけにしていた。東島丹三郎と岡田ユリコに敗北した戦闘員も、口から吐き出した針を突き刺し、ドロドロに溶かして始末している。

電波人間タックル (でんぱにんげんたっくる)

テントウ虫をモチーフにしたコスチュームを着ているヒロイン。「仮面ライダーストロンガー」に登場する。「電波投げ」などの強力な投げ技を使いこなす。美しくもあり、かわいくもある最強のヒロインで、幼少の頃から岡田ユリコのあこがれの存在。作中で電波人間タックルが死ぬ事を知ったユリコに多大なショックを与え、ユリコ自身が電波人間タックルを目指すという「タックル道」を歩ませる要因となった。

集団・組織

ショッカー強盗 (しょっかーごうとう)

ショッカー好きのヤクザの意向により、その子分三人で構成された強盗団。「仮面ライダー」に登場する敵組織のショッカーを真似ており、目出し帽をかぶり、右腕を上げながら「イーッ」という奇声を発するのが特徴。その奇抜な手口により、模倣犯が現れるほど全国的に有名になる。深夜のコンビニや縁日をゲリラ的に襲撃していた。実行役の子分達はあまり乗り気ではない。

ショッカー

特撮番組の「仮面ライダー」に登場する全国的に有名な敵組織。ショッカー好きのヤクザがこれを真似て強盗団を結成し、コンビニ強盗などをして暴れていた。あくまで架空の存在だったが、明らかに人間離れした、並外れたパワーを持つ戦闘員と怪人が現れた事により、実在の組織である事が明らかになる。

その他キーワード

仮面ライダー (かめんらいだー)

変身能力を持つ改造人間が、悪の組織、ショッカーの怪人と戦う子供向けの特撮番組。東島丹三郎は子供の頃から「仮面ライダー」が大好きで、「ごっこ遊び」ではなく、本物の仮面ライダーになりたいと願っていた。

仮面ライダーストロンガー (かめんらいだーすとろんがー)

子供向けの特撮番組である仮面ライダーシリーズの一作品。岡田ユリコの父親が大好きな作品だったため、その影響でユリコ自身も「仮面ライダーストロンガー」が大のお気に入りとなる。幼少の頃のユリコは、父親と「仮面ライダーストロンガー」のビデオを鑑賞するのがなによりの楽しみだった。

クレジット

協力

石森プロ , 東映

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