概要・あらすじ
日本政府によって作られた超法規的な隠密組織・超忍組織には、公儀隠密の恐車一族と反公儀隠密の神魔一族という二派があった。ある日、神魔派の大首領・神魔魔太郎は、政府が作った終末兵器の設計図を奪って反乱を起こす。朝霧弾が所属する恐車一族の実行部隊・巡回処刑人に、魔太郎の抹殺と終末兵器奪還の命令が下る。
こうして、恐車対神魔の超忍戦争の幕が切って落とされたのである。
登場人物・キャラクター
朝霧 弾 (あさぎり だん)
忍者組織・恐車一族に所属する超忍(スーパー忍者)。神魔一族の超忍を倒すために、恐車七角が編成した巡回処刑人部隊の一員で下忍。水影珠理に惚れている。女好きで、男たらしのマミが朝霧弾の性格を調査した時に機械の画面に表示されたのは、1.ドスケベ、2.オンナズキ、3.テガハヤイ、4.オンナニウエテイル!という結果であった。 武器はナギナタが仕込まれた如意棒。
玄 (げん)
忍者組織・恐車一族に所属する超忍(スーパー忍者)。朝霧弾(ダン)の仲間。ダンとともに神魔魔太郎を追い詰めるが、神魔一族・土グモ衆からダンをかばったところ、神魔の忍びミサイルを受けて命を落とした。
神魔 魔太郎 (じんま またろう)
神魔一族の大首領。政府から終末兵器の設計図を奪って反乱を起こした。右目に眼帯をし、顎鬚を伸ばした男性。朝霧弾との間には秘密がある。
恐車 七角 (きょうしゃ しちかく)
忍者組織・恐車一族の頭領。角刈りの中年男性。朝霧弾たち巡回処刑人部隊に、終末兵器の設計図を奪って反乱を起こした神魔一族の大首領・神魔魔太郎の抹殺と、終末兵器奪還を命じる。目的のためなら部下の命など、なんとも思わない非情な人物。
立岡 精一 (たておか せいいち)
忍者組織・恐車一族に所属する超忍(スーパー忍者)。左目にキズを負った中忍の男性。頭領である恐車七角の指揮のもと、仲間たちをまとめる隊長。出世欲が強く、ヒラに格下げされることを異常に恐れている。
水影 珠理 (みずかげ じゅり)
忍者組織・恐車一族に所属する超忍(スーパー忍者)の紅一点。下忍の女性。朝霧弾からしょっちゅうセクハラまがいのことをされている。
小猿 半吉 (こざる はんきち)
忍者組織・恐車一族に所属する超忍(スーパー忍者)。大きな耳と小さな体が特徴の下忍の男性。動物が好きで、多数の忍犬や忍猫を育て上げている。犬と猫以外にもパンダやトンビ、コウモリ、ネズミも操る。
鉄木戸 大六 (てつきど だいろく)
忍者組織・恐車一族に所属する超忍(スーパー忍者)。大柄な下忍の男性。大食いで任務中も懐からハンバーガーを次々と取り出して食べている。
刃室 彪 (はむろ ひょう)
忍者組織・恐車一族に所属する超忍(スーパー忍者)。白い髪のクールな下忍の男性。朝霧弾を落ちこぼれ呼ばわりしており、仲が悪い。
権吸 堂三 (ごんずい どうざ)
神魔四天王の一。左目にキズを持つスキンヘッドの大男。神魔四天王の中で最高の実力の持ち主。背中に仕込んだ多数の剣を使う「背剣斬り」が秘密兵器。
いさお
神魔一族の一員。神魔一族と恐車一族が仲間だった頃の水影珠理の初恋の相手であり、恋人。下忍のリーダーとして巡回処刑人を抹殺する使命を受け、朝霧弾(ダン)と珠理をワナに誘い込むが、ダンと刃室彪によって倒された。
暗公 砂持 (あんこう すなもち)
神魔四天王の二。パーマ頭の男性。朝霧弾(ダン)と死闘を繰り広げるが、ミキを殺されたダンの怒りの一撃を受けて倒れた。「神魔四天王の中で一番気色の悪い顔」とされている。
海蛇 牙造 (うみへび きばぞう)
神魔四天王の三。逆立った髪と鋭い目、髭が特徴の男性。強力な毒を持つ多数のアフリカマダラウミヘビを使って敵を攻撃する。実は鉄木戸大六のおじで、両親のいない大六を拾って超忍に育て上げた人物。
鮫川 深 (さめかわ しん)
神魔四天王の四。白髪で骸骨のような顔をした男性。残忍な性格で、獲物を一太刀では殺さず、動けぬようにしてからゆっくり苦しませながら殺す主義。恐車一族の巡回処刑人部隊をピンチに追い込むが、小猿半吉の仲間であるパンダ忍者「ルンルン」の捨て身の攻撃で倒された。
ミキ
神魔一族のくの一。神魔一族から抜け忍として逃走しているところを朝霧弾(ダン)たちに助けられ、その美貌でダンをとりこにした。しかし、すべては神魔四天王の二・暗公砂持を恐車一族のアジトへ案内するための罠だった。
鉈割 八作 (なたわり はっさく)
忍者組織・恐車一族に所属する武器職人のじいさん。眼鏡をかけた背の小さな老人。超忍の使う武器を制作する。朝霧弾からは「八作のじっちゃん」と呼ばれ、頼まれたナギナタにもなる如意棒を作り届けた。
百面相 (ひゃくめんそう)
神魔一族の超忍で、権吸堂三の部下。その名のとおり百面相の達人で、どんな人間にも見た目そっくりに化けることができる。朝霧弾に化けて水影珠理を惑わせたが、裸を見せた珠理に紳士的な態度を取ってしまったために偽物と見破られて斬られた。
黒騎士 (くろきし)
神魔一族の超忍で、権吸堂三の部下。全身を黒い西洋甲冑で固めており、忍剣も忍銃もまったく効かない。甲冑も乗るバイクも特殊合金でできており、バズーカによる攻撃さえものともしない。巨大なオノを使って攻撃する。
神原 重一 (かんばら じゅういち)
神魔一族の元殺し屋。右目にキズを持つ壮年の男性。殺し屋として100人以上の人間を殺してきたが、ルミというたった1人の妹の命まで犠牲にしてしまったことから、神魔魔太郎の許しを得て、殺し屋から足を洗った。現在は教会の牧師になっているが、命の恩人である権吸堂三から頼まれて、恐車一族の巡回処刑人部隊を始末するために再び銃を取る。
星川 秀男 (ほしかわ ひでお)
神魔一族に雇われている科学者。白髪で口髭を生やし、メガネをかけた初老の男性。神魔魔太郎の命令を受けて、娘の星川さと子とともに終末兵器の実用化に向けて研究をしている。
星川 さと子 (ほしかわ さとこ)
神魔一族に雇われている天才生物物理学者。星川秀男の娘で、黒髪にメガネをかけた若い女性。父親とともに終末兵器の実用化に向けて研究をしている。神魔魔太郎からは、研究が終われば留学して自分の好きな研究を自由にやらせてもらえることを約束されている。
男たらしのマミ (おとこたらしのまみ)
神魔一族のくの一。黒髪の美人。胸元を大きくはだけた、ミニスカートの衣装を着用している。殺し屋の影ボーイとコンビを組み、男たらしのマミがターゲットの男をたぶらかした隙に、影ボーイが仕留める。忍剣の腕も確か。
影ボーイ (かげぼーい)
神魔一族の殺し屋。背の小さな男性。銃の使い手で、コンビを組む男たらしのマミがターゲットの男をたぶらかした隙に、影ボーイが仕留めるという戦法をとる。
蚊トンボ三太 (かとんぼさんた)
神魔一族の科学研究員。メガネをかけた少年のような風貌な男性。コンピュータや人工頭脳の分野では天才的だが、神魔一族の関係者からは弱虫といじめられている。その恨みを晴らすため、自らが作った戦闘ロボットで神魔一族の施設を破壊する。
ガイン
蚊トンボ三太が作った戦闘ロボット。三太からは「ロボ公」と呼ばれている。三太の命令で動き、神魔一族の施設を破壊した。燃料電池で動き、レーザービームも射出できる。移動はガシャンガシャンと大きな音を立てて走る。三太とともに朝霧弾たちの仲間になる。
オサム
恐車一族の超忍。朝霧弾(ダン)の親友で、超忍中学での同級生。さわやかな青年で、ダンのことは昔から勇気があって男らしくて強い、と評価している。神魔一族から奪還した終末兵器である人食いカビの輸送作戦にダン、水影珠理とともに参加する。
ヒプノポフ
神魔一族と手を組む国家・インペリアル連邦の秘密工作部に所属する暗殺専門家。催眠術と日本語が得意で、その催眠術を使って世界中で数百人を殺害した。恐車一族の巡回処刑人部隊抹殺の命令を受け、朝霧弾たちの前に現れる。
龍蔵 (りゅうぞう)
恐車一族の超忍OB。額にキズを持つ老人で、鉈割八作の将棋友達。八作に将棋の一手を戻してもらう条件として、朝霧弾にとっておきの必殺技「下り飛龍の術」を教えることになる。
ヒポポノフ
ヒプノポフの兄。鎖とドーベルマンを使いこなし、鎖で動けなくなった相手を複数のドーベルマンに襲わせる。鎖台風(チェーンタイフーン)、鎖吹雪(チェーンブリザード)といった技を使う。弟の仇を討つため、朝霧弾たちの前に現れる。
ミスター・モグ (みすたーもぐ)
朝霧弾(ダン)の任務に助っ人して現れた、サングラスをかけたモグラ。穴掘りの名人。ダンの穴掘りの技術を認め、妹を紹介してあげようとした。
鈴村 真理男 (すずむら まりお)
終末兵器である人食いカビを生産する神魔一族の秘密工場で守備隊長を務める人物。神魔一族の上忍である鈴村衆本家に生まれた女性で、ほかに子供が生まれなかったため男として育てられ、現在も男の恰好をして任務についている。内心では普通の女の子として暮らし、ボーイフレンドを欲しいと思っている。本名は「鈴村真理子」。
貝旗 誉介 (かいばた よすけ)
元超忍高校の超忍実技担当教官で、現在は神魔一族の工場守備隊隊長を務める男性。禿げ頭にサングラス、顎鬚を生やした体の大きい人物。かつての教え子である朝霧弾、刃室彪と敵として再会する。
滝村 秀一 (たきむら しゅういち)
元超忍高校の生徒会長。クールで二枚目の男性。水影珠理、小猿半吉、鉄木戸大六、刃室彪の高校時代の知られたくない秘密を握っている。貝旗誉介の仇を討つために朝霧弾たちの前に現れ、真の悪は神魔一族ではなく、日本政府だと告げる。
牧原 絵里 (まきはら えり)
恐車一族の巡回処刑人見習いとしてやって来た少女。刃室彪の高校時代のアイススケート部の後輩で、彪に憧れて巡回処刑人を志願した。滝村秀一の実の妹だが、幼くして両親を失い、兄と別々に引き取られたため姓が異なる。
ムカデブラザーズ
インペリアル連邦から神魔一族に派遣された助っ人。1ダース(12人)でセットとなっており、12人がムカデのように連なって行動する。敵を素早く感知する超能力を持っている。牧原絵里のプロレス技によってあっけなく倒された。
梨原 典一 (なしはら のりかず)
神魔一族の終末兵器研究所技師。終末兵器の研究に嫌気がさし、終末兵器の秘密を教えることと引き換えに神魔とインペリアル連邦の力のおよばない外国に逃がしてほしいと、恐車一族に取引を持ち掛けてきた。
城崎 準一 (しろさき じゅんいち)
神魔一族のニューリーダーの1人。年齢は18歳の男性。終末兵器である人食いカビの母菌を守るという使命感に燃え、必殺技粉砕切りを振るうが、朝霧弾の必殺技「下り飛龍の術」に敗れる。
広目 万児 (ひろめ まんじ)
神魔一族のニューリーダーの1人。口髭と分厚い唇が特徴の大男。「あんだがだらじないからごんなごとになっだんだよっ」と濁点まじりの喋り方をする。インペリアル連邦に寝返ろうとした権吸堂三によって倒される。
月金 五介 (げつきん ごすけ)
神魔一族のニューリーダーの1人。見た目はカエル人間で、セリフの途中にも「ゲゲッ」「ゲコゲコッ」というカエルの鳴き声のようなものが混じる。インペリアル連邦に寝返ろうとした権吸堂三によって倒される。
槍平 研 (やりひら けん)
神魔一族のニューリーダーの1人。サングラスと大きな歯が特徴の男性。インペリアル連邦に寝返ろうとした権吸堂三によって倒される。
牙先 研 (きばざき けん)
神魔一族の兵器研究所長を務める男性。強力なマイクロ波をビーム状に照射して敵を殺す電磁波地獄という兵器を作った。
凶拳士グロッコ (きょうけんしぐろっこ)
神魔一族の殺し屋。サングラスをかけたマッチョな肉体派の男性。たくましい上半身と、人間を越えたスピードを持つ。実は筋肉を増殖し、運動能力を高める薬を飲んで、ドーピングして戦う危険な人物。
牛丸 (うしまる)
恐車一族の超忍の1人。刃室彪を兄貴と慕う、大柄な男性。手柄を立てて、彪と同じ巡回処刑人部隊の一員になることに憧れている。牛の角をあしらえたマスクをかぶっており、素顔は見えない。
コウモリ男 (こうもりおとこ)
神魔一族の殺し屋。人間の聞こえる限界の高音を大音量で出せるように品種改良した殺し屋コウモリを多数飛ばし、身動きができなくなった標的を網に捕らえ、針を突き刺して血を全部吸い取って始末する。日本の元総理大臣を次々と始末するが牛丸によって倒された。
矢錐 京一 (やぎり きょういち)
恐車一族の幹部候補生の超忍。スターズ&ストライプ帝国のCIAに留学していたが帰国し、抜け忍した朝霧弾と小猿半吉に代わって巡回処刑人の新メンバーとなり、立岡精一に代わって隊長となる。
火槍 争二 (ひやり そうじ)
恐車一族の幹部候補生の超忍。矢錐京一と同じくスターズ&ストライプ帝国に留学していた男性。矢錐が倒されたことで巡回処刑人の新隊長となり、朝霧弾ら抜け忍処刑の任を受ける。
集団・組織
超忍組織 (ちょうにんそしき)
百年前に明治新政府が過去に徳川家に仕えていた忍者集団を集めて作りあげた超法規的な隠密組織。第二次大戦後、CIA、KGBなどと対抗するために歴代政府が科学技術の粋を取り入れ、育成した超高度の闘争能力と情報収集能力を持つ。組織は恐車一族と神魔一族の二派に分かれており、互いにけん制させ合うことによって反乱をおこさぬように操っていたが、神魔一族が反乱を起こして離反し、組織には恐車一族が国家直属として残っている。
恐車一族 (きょうしゃいちぞく)
公儀隠密の超忍集団。恐車七角を頭領とする組織。朝霧弾が所属している。かつての仲間である裏切者・神魔一族の大首領・神魔魔太郎の抹殺および神魔一族の絶滅と終末兵器の奪還が使命。
神魔一族 (じんまいちぞく)
反公儀隠密の超忍集団。神魔魔太郎を大首領とする組織。恐車一族と同じ政府の組織した超忍組織の一派だったが、神魔魔太郎が終末兵器を奪って反乱を起こした。
その他キーワード
終末兵器 (しゅうまつへいき)
神魔一族の大首領・神魔魔太郎が政府から奪った設計図で作られる兵器。化学兵器と生物兵器を複合した、核以上の破壊力を持つ兵器で、人類と地球を絶滅させるだけの威力を持つ。
破滅兵器 (はめつへいき)
終末兵器に続いて日本政府が開発した新たな兵器。人間や動物に対して闘争本能をむき出しにさせ、死ぬまで戦いを続けるように仕向ける、ガス状の気体。
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