極東事変

極東事変

第二次世界大戦終戦直後の東京を舞台に、GHQ治安衛生局に所属する近衛勘九郎が、「変異体」と呼ばれる生体兵器の少女、砕花と共に生き残りをかけて、変異体だけで構成された組織、奇兵隊との戦いに挑む姿を描いたバトルアクション。「ハルタ」60号から掲載の作品で、大上明久利のデビュー作にあたる。

正式名称
極東事変
ふりがな
きょくとうじへん
作者
ジャンル
アクション
 
第二次世界大戦
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あらすじ

第1巻

1975年9月。第二次世界大戦が終結し、焼け野原の中に闇市が立つ東京で、復員兵である近衛勘九郎は、心臓を撃ち抜いても死なない変異体の組織、奇兵隊に命を狙われる。その際、助けにやってきた幼い少女の砕花を、反対に助けたことで砕花に気に入られた勘九郎は、そのまま彼女の口利きで、戦後処理の一環で変異体の殲滅を任務とする組織、GHQ治安衛生局に所属することになる。

登場人物・キャラクター

近衛 勘九郎 (このえ かんくろう)

復員兵の男性。短い黒髪をしている。戦時中は南方戦線に参戦しており、衛生兵ながらも89人の敵兵を殺害し、両軍から「死神」と称されていた。銃火器の指南をまともに受けたことはないが、ロケットランチャーを含む銃火器の扱いに長けており、狙撃も得意としている。闇市で変異体の集団に襲われたところを砕花に助けられ、その際に砕花の命を助けたことで気に入られ、部下になるよう勧誘された。ジュリア・H・マードックからもその実力を認められている兵士だが、玉砕覚悟の突進命令を下した上官を殺害したことで、脱走兵となった。出兵中の空襲によって、家族とは死別している。

砕花 (さいか)

GHQ治安衛生局に雇われている変異体の幼い少女。外ハネした金髪で、中性的な容姿をしている。変異体の中でも傑作とされており、手榴弾の直撃を受けても死なないほどの頑強さを持つ。満洲にいた頃、玄森人見から銃火器の扱いや戦闘方法を教わったが、今は玄森を目にすると激昂するほど険悪な仲になっている。岸本御風と共にGHQ治安衛生局に務めており、同族である変異体の処理を担うことで砕花自身の殺処分を免れている。変異体としてのシリアルナンバーとして、ジュリア・H・マードックには「358号」と呼ばれている。

一ノ瀬 亜矢 (いちのせ あや)

GHQ治安衛生局の医療課で主任医師を務めている女性。ボサボサの黒髪に看護服を身につけている。ヘビースモーカーで、弾丸の摘出手術の際にも喫煙をやめず、手術の際は患者にモルヒネなどを投与しない。口ぶりは粗暴ながら、東京都内の金持ちの娘で、家ではお嬢様として大事にされている。

岸本 御風 (きしもと ぎょふう)

GHQ治安衛生局の局長を務める初老の男性。禿頭で丸眼鏡をかけている。かつて731部隊の責任者の一角を担っており、変異体を作り出した一人でもある。近衛勘九郎を気に入っており、ジュリア・H・マードックに断りもなく採用した。

ジュリア・H・マードック (じゅりあへんりーまーどっく)

GHQ治安衛生局の特別参謀を務める女性。背中まで伸びた金髪ロングヘアにしている。砕花をはじめとして変異体を人一倍憎んでおり、砕花のことも決して名前で呼ぼうとはしない。また、砕花がジュリア・H・マードック自身に反抗的な態度を見せることがあれば、躾と称して銃撃する。当初、近衛勘九郎のことは浮浪者同然の敗残兵と吐き捨てていたが、勘九郎が一人で奇兵隊の拠点を壊滅させたことを機にその実力を認め、ゲリラ部隊として採用した。

玄森 人見 (くろもり ひとみ)

奇兵隊を率いている青年。金髪を長く伸ばしており、満洲での撤退戦の際に左腕を欠損している。三浦実篤から近衛勘九郎の噂話を聞いた瞬間から、玉砕命令に反発して上官を殺害するような卑劣な兵士だと評価しており、実篤から奇兵隊への勧誘を提案された際にも渋々了承している。しかし、受勲してもおかしくないほどの功績を挙げながら、GHQ治安衛生局に身を落ち着けた勘九郎のことを心底嫌っており、差し違えても殺害する覚悟を決めている。

柳 巴菜 (やなぎ はな)

奇兵隊の女性幹部。奇兵隊の一般兵からは「中尉」と呼ばれている。長い黒髪をポニーテールにまとめて眼鏡をかけている。GHQに対し数々のテロ行為を成功させている戦闘狂で、GHQの物資略奪なども行い、その管理拠点の統括も任されていた。近衛勘九郎の戦闘能力の高さに魅力を感じており、好意を持っている素振りを見せる。

三浦 実篤 (みうら さねあつ)

奇兵隊を指示している元陸軍中将の男性。かつて両軍から「死神」と称された近衛勘九郎の噂を知っており、奇兵隊へ勧誘してはどうかと玄森人見に提案した。しかし、勘九郎本人との交渉が決裂したと知ると、生かしておく理由はないとして、玄森に処分を命じている。

集団・組織

GHQ治安衛生局 (じーえいちきゅーちあんえいせいきょく)

岸本御風が局長を、ジュリア・H・マードックが特別参謀を務める組織。戦後処理の一環として、変異体の殲滅を任務としている。その一方で、変異体や医療の研究も行っており、一ノ瀬亜矢を主任とする医療課も存在している。近衛勘九郎と砕花は規則により正規部隊には入隊しておらず、ゲリラ部隊として採用された。

奇兵隊 (きへいたい)

戦争末期に、731部隊によって作られた本土決戦部隊。全員が変異体で編成されており、進駐軍や裏切り者である岸本御風が所属するGHQ治安衛生局を憎んでいる。終戦によって解体命令が出されたが、ポツダム宣言内に変異体の殺処分が盛り込まれている点に反発し、戦闘行為を続けている。その目的は旧体制の政治家や軍人を排斥し、奇兵隊主導の新しい軍事政権を築きあげることとしている。731部隊にちなみ、「ユニット731」とも名乗っている。

731部隊 (ななさんいちぶたい)

満洲の関東軍防疫給水部にあった実験部隊の名称。軍医たちによって人間が人体実験されており、連合国軍が計画していた本土上陸作戦に対する決戦兵器として、多くの変異体が生まれた。岸本御風が責任者の一角を担っていたことから、GHQ治安衛生局は岸本を局長として迎え入れ、変異体の情報を受け取っている。

その他キーワード

変異体 (ゔぁりあんと)

731部隊が行った人体実験の結果生まれた存在。不死ではないが不死身といって差し支えないほどの耐久力を誇り、殺害するにはロケット弾での襲撃や頭部を蜂の巣のように銃撃するなど、大きなダメージを与えるしかない。そのため、ジュリア・H・マードックには「ドイツの重戦車並みに頑丈な兵隊ども」と評されている。多くが奇兵隊に所属し、GHQ治安衛生局との戦闘行為を続けているが、その理由はポツダム宣言の中に盛り込まれた、変異体の殺処分に関する事項に反発しているためである。

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