あらすじ
第1巻
木ノ葉隠れの里を震撼させた忍界大戦が終結してから、10年以上の月日が流れた。七代目火影に就任したうずまきナルトを父親に持つうずまきボルトは、うちはサラダをはじめとした同期の忍者達と共に、修行に励む日々を過ごしていた。しかし多忙であるため、家族との時間を取れずにいるナルトに強い不満を抱いており、ボルトはナルトの前で皮肉を言ったり、火影になりたくないと公言するなど、反抗的な態度を随所で示していた。そんな中、五つの里合同による中忍選抜試験が、木ノ葉隠れの里で行われる事が決まり、ボルトもまた参加するよう勧められる。ボルトは父親への反抗心から参加を渋っていたが、サラダに父親を見返すいいチャンスだと助言され、参加する事を決める。さらにボルトは、大切な妹であるうずまきヒマワリの誕生日にも、影分身の術で作った分身を寄越すナルトに、改めて憤りを見せる。ナルトの人となりをよく知る、母親のうずまきヒナタの言葉も届かず、ナルトを越えるべき壁と判断したボルトは、サラダの父親であり、ナルトの親友にしてライバルのうちはサスケに弟子入りを志願するのだった。
第2巻
木ノ葉隠れの里には、中忍選抜試験開催に際して、ほかの四つの里から続々と受験希望者が集いつつあった。木ノ葉隠れの里でも、うずまきボルトやうちはサラダ、ミツキのほかに、奈良シカマルの息子である奈良シカダイや、ロック・リーの息子であるメタル・リーなど、精鋭と目される忍者達が中忍を目指して試験会場に集い、かくして中忍選抜試験は幕を開ける。ボルト、サラダ、ミツキのチームは、第一試験、第二試験を順調に突破し、忍術を駆使した1対1の勝負を行う第三試験に臨む。ボルトは、一回戦で雲隠れの里出身のユルイと対決。爆発するシャボン玉を多数展開するユルイに対して、出だしをくじかれるが、うずまきナルトに認められたい一心で奮起したボルトは、うちはサスケとの修行で修得した手裏剣投法で勝利を収める。一方、サラダやミツキも得意とする術を用いる事でそれぞれ勝ち進んでいた。しかし、二回戦でシカダイと対戦したボルトは、相手の影をあやつる忍術に苦戦を強いられてしまう。それを打開するために、密かに袖に忍ばせていた化学忍具を放ち、それを触媒に影分身を作り出す事でシカダイのギブアップを誘った。しかし、その様子を見逃さなかったナルトの手によって、ボルトが科学忍具を使用していた事が暴かれ、中忍選抜試験の失格を言い渡されてしまう。
第3巻
うずまきナルトは、大筒木モモシキに捕らえられ、その身に眠る九喇嘛のチャクラを吸い上げられようとしていた。しかしそこにうずまきボルトとうちはサスケ、そして五影のメンバーが現れ、ナルトの拘束を解除する。モモシキは、この事態に際しても動じる事はなく、なおもナルト達を下等種呼ばわりし、彼らを一掃しようと敵意を向け、さらに大筒木キンシキも参戦する。しかし、大勢の民衆がいた中忍選抜試験会場とは異なり、サスケや五影は持ち前の力をフルに発揮する事ができたため、キンシキはたちまちのうちに追い詰められる。モモシキはこの危機に対応すべく、キンシキの身体を丹に変えて体内に取り込み、パワーアップを果たす。強化されたモモシキの強さは先ほどとは桁違いで、そのパワーの前にナルト以外の五影が次々に倒れていき、ナルトとサスケもまた、モモシキの忍術、犬飼健命を受ける事で劣勢に立たされる。ナルトはこれを覆すべく、九喇嘛のチャクラを解放。さらにサスケからもチャクラを受け取る事で、新たな形態へと変化する。そしてモモシキを圧倒するが、モモシキはそこに現れた遠野カタスケの術を吸収し、戦闘力を取り戻して形勢を逆転させてしまう。
第4巻
うずまきボルトは、「火の国」の大名であるまどかイッキュウの息子、まどかテントウの護衛を任されるが、有力者のお坊ちゃまの相手をするという事に気乗りできずにいた。しかし、出会うなりボルトを友達だと言い切り、なおかつトレーディングカードゲームであるゲマキをいっしょにやりたいと語るテントウに、逆に毒気を抜かれてしまう。さらにテントウもまた、父親であるイッキュウに認められたいという意識を持つ事を知り、二人はすぐに打ち解ける。さらにテントウは、ゲマキのカードをあげる代わりに忍術を教えてほしいと頼み込む。その理由が、父親との関係改善だと聞いたボルトはこれを快諾し、手裏剣の投げ方などの手ほどきを行う。その中でボルトは、火影を支える忍になりたいと自らの夢を語り、テントウは改めて、ボルトに信頼とあこがれを向けるのだった。そして、本来の任務である護衛任務も滞りなく終了したボルトは、猿飛木ノ葉丸から、「ランクB」に相当する重要任務を言い渡される。しかしそんな矢先、ボルトはイッキュウと側近が話しているところを陰で立ち聞きし、テントウが何者かに誘拐されてしまった事を知る。さらに二人の話から取引場所の情報をつかんだボルトは、サラダに任務に参加できなくなった事を告げると、テントウを救出すべく、単身で取引場所へと向かうのだった。
第5巻
科学忍具を輸送する任務を受けたうずまきボルト、うちはサラダ、ミツキのチームは、たどり着いた先端技術研究所で、ボルトのかつての同級生であったという筧スミレ、および遠野カタスケの助手であるという犬塚アキタと出会う。そこで三人は、手渡された科学忍具を使い、実戦形式でその性能を体感していく。その中で、ボルトの科学忍具に対する不信感も氷解していき、テストは滞りなく進むかに見えた。しかしそんな中、うずまきナルトから、任務で国境付近に向かった猿飛木ノ葉丸が音信不通になってしまった事を告げられる。三人はテストを中断して、同行を申し出たカタスケを伴って、国境へと向かうが、そこで墜落した飛行船を発見する。カタスケはその中で、箱のような物質を発見するが、その直後、一行は人形のような軍勢から襲撃を受ける。彼らは自律型の科学忍具で、ボルト達は頑丈な身体を持つ彼らに苦戦を強いられる。しかしカタスケが、忍術を吸収する科学忍具を持ち出し、自律型にあえて攻撃させる事でオーバーヒートを誘発し、行動不能にさせる。さらに、同行していた茶丸が木の葉丸の場所を突き止め、ボルト達は合流に成功する。木の葉丸は、飛行船の中にあった箱のデータを吸い出しており、一行はその解析を行うため里に戻ろうとするが、その矢先に青の襲撃を受ける。
登場人物・キャラクター
うずまき ボルト
木ノ葉隠れの里出身の忍の少年。うずまきナルトとうずまきヒナタの息子。その容貌は父親の若い頃に似ており、元気でイタズラ好きな性格も共通している。七代目火影であるナルトと時折比較される事があり、さらに、多忙であるためなかなか家族のところに帰って来ない父親に対して、対抗心やコンプレックスを抱いていた。そのため、中忍選抜試験を受ける事を渋ったり、仲間であるうちはサラダやミツキに対して火影になりたくないと公言するなど、反抗心から選抜試験において使用禁止となっている科学忍具を使い、失格になってしまった事もあった。 しかし内心では、ナルトに認めてほしいという強い思いを秘めており、強くなるためなら努力を惜しまない。 また、サラダの父親で、ナルトの相棒であるうちはサスケを強く尊敬しており、のちに彼の弟子となっている。九喇嘛の力を体内に封じているナルトと異なり、身体に眠るチャクラの量はほかの忍と変わらないが、戦闘や忍術のセンスは目を見張るものがあり、サスケからも、将来はナルトすら超える可能性を認められている。ナルトとの関係も、大筒木モモシキとの戦いなどを通じて次第に改善されていく。
うちは サラダ
木ノ葉隠れの里出身の忍の少女。うちはサスケとうちはサクラの娘。うずまきボルト、およびミツキとチームを組んでおり、時折からかったりつっこみを入れたりしながらも、二人を信頼している。また、父親であるサスケや七代目火影であるうずまきナルトを尊敬しており、ボルトがナルトを悪く言った際は窘(たしな)める事もある。 ボーイッシュな容姿で、母親であるサクラに似て勝ち気な性格をしており、彼女の「しゃーっ、んなろー」という口癖も継承している。忍としてのスペックはボルトを上回っており、忍術のみならず格闘術も得意としている。口もうまく、時折意地を張るボルトをうまく言いくるめたり、なだめたりしている。将来の夢は火影になる事。
ミツキ
木ノ葉隠れの里でうずまきボルト、およびうちはサラダとチームを組んでいる忍の少年。腕を伸ばし、蛇のように自在にあやつる忍術を使いこなす。温厚な性格の持ち主で、サラダと共にボルトの抑え役に回る事も少なくない。ただし、素性に不明瞭なところがあり、ボルトやサラダですらミツキの家族関係を知らない。ある時二人に対して、大蛇丸が親である事をほのめかす発言をしているが、実際は大蛇丸によって作られた人造人間である。 闇の中を生きるしかなかった大蛇丸から、闇を照らす月になってほしいという意味で、「巳月」と名付けられた。現在は大蛇丸のもとを離れて活動しているが、忍として順調に成長しており、ボルト達からは仲間の一人として頼られている。
うずまき ナルト
うずまきボルトの父親。七代目の火影に抜擢された忍の青年。歳を重ねた事で落ち着きと貫禄が出て来ており、陽気で楽天的な性格はあまり変わっていないが、思慮深い様子を見せる事も多々ある。体内に九喇嘛と呼ばれるキツネの姿をした獣を宿しているため、通常の人間を遥かに上回る量のチャクラを宿している。また、忍術の腕にも磨きがかかっており、得意とする影分身の術で、1000人分以上の分身を作り上げる事ができる。 火影としての役割によって多忙な毎日を過ごしており、妻であるうずまきヒナタや、子供であるボルト、うずまきヒマワリのための時間を捻出できず、ヒマワリの誕生日の際にも影分身にお祝いをさせるなどして、ボルトからの反感を買っていた。 しかし、内心では家族を非常に大切に思っており、ボルトの成長を誰よりも強く願っている。また、親友かつライバルであり、一度は宿敵として相対したうちはサスケに対しては、子供の頃以上に信頼を向けている。火影という大役に加えて、その特異体質から、大筒木モモシキをはじめとした悪人達に付け狙われる事も少なくない。
九喇嘛 (くらま)
うずまきナルトの体内に封印されている、キツネの姿をした獣。九つの尾を持つ事から「九尾」と呼ばれており、九喇嘛のほかにも、尾の数が異なる「尾獣」と呼ばれる同種が存在する。かつては狂暴かつ冷徹な性格で、封印を解放させようとして、子供の頃のナルトを利用しようとした事もあった。しかし、現在は良好な関係を築いており、緊急事態などに際してはナルトの要請を受けて、力を貸し与える事もある。 一方、尾獣が封印されている人間は、並ならぬ量のチャクラが内包されているため、それを狙って暗躍する存在も多い。
うずまき ヒナタ
うずまきナルトの妻で、うずまきボルトとうずまきヒマワリの母親。旧名は「日向ヒナタ」で、木ノ葉隠れの里でもエリートとして知られる日向一族の、宗家の出身。ただし、うずまきヒナタ自身は当主の座についておらず、現在は2児の母として、滅多に家に帰れない夫の代わりに家を守っている。かつては引っ込み思案だったが、現在は落ち着いた性格をしており、子供達に対する愛情も強い。 また、ナルトが家族を思っている事も理解しているため、反感を募らせていたボルトに対して、何とかナルトを理解してほしいと思っていた。忍としての腕前は健在で、大筒木モモシキが襲撃して来た際には、ナルトが捕らわれた際に立ち向かうが、返り討ちに遭う事で負傷してしまう。 しかし、ボルトがナルトを助け出す事を宣言すると、息子の成長と確執の解消を喜ぶと共に、ナルトと共に無事に帰って来るように言いつけた。
うずまき ヒマワリ
うずまきボルトの妹で、うずまきナルトとうずまきヒナタの娘。外見はヒナタに似ており、その性格も、子供の頃のヒナタほどではないにしても、やや内向的。ただし家族の事は大好きで、ボルトに対しても慕っているような様子を見せる事が多い。誕生日を迎えた時は、ナルトが帰って来てお祝いとしてケーキを持って来てくれたため、喜ぶ様子を見せた。 しかし、それは影分身の術で作られた分身の一つだったため、ボルトのように憤ってはいなかったものの、若干寂しい様子を見せていた。中忍選抜試験では、ヒナタと共にボルトの応援をしていた。その際中、大筒木モモシキ、および大筒木キンシキの襲撃に遭遇するが、難を逃れている。
うちは サスケ
うちはサラダの父親で、うちはサクラの夫。輪廻眼と呼ばれる特殊な目を持ち、うずまきナルトとは親友にしてよきライバルだが、出自が複雑で、その影響から一時は木ノ葉隠れの里の敵に回った事もある。現在も七代目火影であるナルトの補佐をしているものの、表立って動くよりは、裏で悪事を企むような組織を探り出し、先んじてその芽を摘むような任務に就く事が多い。 そのため大筒木モモシキ、大筒木キンシキのたくらみに関しても、かなり早いうちから察知していた。里では七代目火影に唯一対抗できる人物として知られており、ナルトの息子であるうずまきボルトからも強いあこがれを向けられている。のちにボルトの師になり、彼が大きく成長する契機を作った。 その際に、ボルトがナルトすら超えられる資質を秘めている事を、ボルト本人に対して告げている。
うちは サクラ
うちはサラダの母親で、うちはサスケの妻。旧姓は「春野サクラ」。下忍の頃はサスケ、およびうずまきナルトとチームを組んでおり、さまざまな問題を解決し、その経験から忍として大きな成長を遂げていた。現在もその腕は衰えておらず、大筒木モモシキと大筒木キンシキが襲撃して来た際には、ナルトを守るために負傷したうずまきヒナタの傷を手当するなどの活躍を見せている。 なお、サラダとはあまり外見が似ていないが、「しゃーっ、んなろー」という口癖は、しっかりと娘に継承されている。
奈良 シカダイ (なら しかだい)
木ノ葉隠れの里出身の忍の少年。奈良シカマルの息子。山中いのじん、および秋道チョウチョウとチームを組んでいる。外見は父親であるシカマルに似ており、影をあやつる忍術を得意としている点も共通している。シカマルが自慢するほどの腕を誇る実力者で、中忍選抜試験ではうずまきボルトと対戦し、影を鞭のようにしならせる事で足元を薙ぎ払うなどの技を見せた。 さらに、会場全域に影を広げて、ボルトの動きを封じようとするが、ボルトが先んじて袖の中に忍ばせていた科学忍具を使い、多数の影分身を展開したと見せかけられた事で、力の差を実感して降参する。
奈良 シカマル (なら しかまる)
木ノ葉隠れの里出身の忍の男性。奈良シカダイの父親。七代目火影であるうずまきナルトとは旧知の間柄で、現在でも軽口を言い合うなどの、良好な関係を築いている。息子であるシカダイの力に信頼を置いており、中忍選抜試験ではシカダイの応援に終始していた。影を使った忍術を得意としており、その系統は息子であるシカダイにも受け継がれている。
山中 いのじん (やまなか いのじん)
木ノ葉隠れの里出身の忍の少年。奈良シカダイ、および秋道チョウチョウとチームを組んでいる。やや細身の体型で、まじめな性格の持ち主。それゆえに仲間達が手を抜くとイライラしてしまう事も多く、チョウチョウに対して「デブ」と言い放つなど、時には辛辣な言動を向ける事もある。しかし彼らに向ける信頼は本物で、中忍選抜試験においても、共に出場している。
秋道 チョウチョウ (あきみち ちょうちょう)
木ノ葉隠れの里出身の忍の少女。奈良シカダイ、および山中いのじんとチームを組んでいる。いつもお菓子を持ち歩いており、やや太った体格をしている。つねに気だるげな様子を見せており、真面目な性格のいのじんを度々苛立たせる事がある。
メタル・リー (めたるりー)
木ノ葉隠れの里出身の忍の少年。真っ直ぐな性格の努力家で、ヒマを惜しんでは修行に精を出している。しかしながら現時点においては努力が結果に結びついておらず、中忍選抜試験においては、第二試験でシンキ率いる砂隠れの里のチームに敗北してしまう。
シンキ
砂隠れの里出身の忍の少年。四代目風影である我愛羅の養子で、いずれは彼のあとを継いで風影に就任するとみられている。我愛羅らと木ノ葉隠れの里を訪れ、仲間の忍と共に中忍選抜試験に参加。第二試験においては、自らの身体の一部を砂に変えて、それをオトリとして引き付ける事で、メタル・リーを下している。しかし大筒木モモシキ、および大筒木キンシキの襲来によって中忍選抜試験が中止なったため、この時点では中忍に昇格する事ができなかった。
我愛羅 (があら)
砂隠れの里出身の忍の青年。四代目にして現時点における風影であり、砂隠れの里における忍の頂点に立つ人物。養子であるシンキ達が中忍選抜試験を受ける事になり、彼らに付き添う形で開催地である木ノ葉隠れの里を訪れる。しかし、試験の最中に大筒木モモシキと大筒木キンシキが襲来し、七代目火影であり、友人でもあるうずまきナルトが捕らわれてしまい、彼を救出するために、ダルイや長十郎といったほかの五影やうちはサスケ、うずまきボルトと共にモモシキに挑んだ。
ユルイ
雲隠れの里出身の忍の少年。一網打尽を「ダジる」と縮めるなど、独自の略語を使う癖がある。やや面倒くさがりな性格だが忍としての腕は確かで、中忍選抜試験では第二試験までを勝ち上がり、第三試験の第一試合でうずまきボルトと対戦する。試合においては、膨らませたガムを球状にして口からリングの上にばらまき、それを爆発させるという戦術でボルトを追い詰める。 しかし、ボルトが遠野カタスケから受け取っていた科学忍具を使い、手裏剣の軌道をあやつる事で自爆を誘われ、敗北した。なお、ボルトからは正式な名前を覚えられておらず、「チャライ」と呼ばれていた。
ダルイ
雲隠れの里出身の忍の男性。現時点における雷影であり、ダルイは五代目にあたる。名前の通り、やや気だるげな様子を見せる事が多いが、その実力は高い。中忍選抜試験に参加したユルイらに付き添い、大筒木モモシキがうずまきナルトを拉致した際には、我愛羅や長十郎など、ほかの五影やうちはサスケ、うずまきボルトと共に、ナルトの救出に向かった。
長十郎 (ちょうじゅうろう)
霧隠れの里出身の忍びの男性。現在の水影で、丸刈りの髪形とゴーグルが特徴。中忍選抜試験を見学するため、木の葉隠れの里を訪れた際に、大筒木モモシキらの襲撃に巻き込まれ、うずまきナルトが拉致された際には、我愛羅やダルイなど、ほかの五影やうちはサスケ、うずまきボルトと共に、ナルトの救出に向かった。 武器として使用している二振りの片刃剣は、重ね合わせる事で岩すら切断する両刃の剣となる。また、それを用いて大筒木キンシキを真っ向から切り伏せようとするなど、戦闘能力は非常に高い。
大蛇丸 (おろちまる)
かつて木ノ葉隠れの里と因縁を持っていた忍の男性。齢70を超えているが、そうとは思えないほど若々しい姿をしている。巨大な蛇を呼び出してそれを自在に使役するなど、忍術の腕も卓越している。ミツキの親を名乗り、彼に対して記憶を奪った存在をほのめかす。のちにこれが芝居であった事が判明するが、ミツキに期待をかけている事自体は事実で、彼の活躍を見守っている。
猿飛 木ノ葉丸 (さるとび このはまる)
木ノ葉隠れの里出身の忍の男性。うずまきボルトやうちはサラダ、ミツキの教官を務めている。里の中でもベテランとして知られており、七代目火影であるうずまきナルトからの信頼も厚い。物腰は柔らかいが掟には厳しく、一人のスタンドプレーが周囲に迷惑を及ぼす事をたびたび懸念し、教え子に対してもそれを徹底させている。 ただし融通が利かないわけではなく、つねに三人の適正に応じた任務を下している。国境付近で謎の飛行船が落ちた際に調査に向かったが、そこで殻の差し向けた傀儡に襲撃を受け、危機に晒されてしまう。
遠野 カタスケ (とおの かたすけ)
木ノ葉隠れの里の先端技術研究所に勤めている科学者の男性。科学忍具と呼ばれる道具を開発しており、うずまきボルトが中忍選抜試験を受ける際には、彼に対して密かに科学忍具を提供し、不正行為をほのめかすなど腹黒い性格と思われていた。しかし実際は、何者かから精神操作を受けており、本来は誠実な性格の持ち主。 それだけに暗示が解けた際には、ボルトに対する行いのほか、知らず知らずのうちに利敵行為に加担してしまっていた事に深いショックを受けていたが、やがて立ち直る。のちにボルトが先端技術研究所を訪れた際には不信感を向けられていたが、科学忍具を正しく扱おうとする意志を見せ、彼の信頼を取り戻した。また、殻の差し向けた傀儡と戦った際には、電気を発する科学忍具を使い、彼らの戦力を半減させる事にも成功している。
大筒木 モモシキ (おおつつき ももしき)
木ノ葉隠れの里と深い因縁を持つ、大筒木の一族に連なる男性。仲間である大筒木キンシキより小柄だが、内に秘めたチャクラは彼を上回っている。また、敵の放つ術を吸収する能力を持つ。うずまきナルトの身体に秘められたチャクラを狙っており、中忍選抜試験の最中に、キンシキと共に木ノ葉隠れの里を襲撃する。選抜試験の観客などを巻き込む攻撃を仕掛けたり、「丹」と呼ばれる薬を使って自分の力を大幅に高めるなど、目的のためには手段を選ばず、一度はナルトを捕らえる事に成功する。 そこでナルトのチャクラを抽出しようとするが、駆けつけたうずまきボルトやうちはサスケにナルトを奪還され、劣勢に陥る。しかし、先んじて倒されたキンシキを丹に変えて取り込む事で大幅な強化を果たし、その力をもってボルト達を圧倒するに至る。
大筒木 キンシキ (おおつつき きんしき)
木ノ葉隠れの里と深い因縁を持つ大筒木の一族に連なる男性。うちはサスケの術を耐えきるほどの、大柄で頑丈な体軀を誇り、それに見合った強大な腕力を誇る。仲間である大筒木モモシキと木ノ葉隠れの里を襲撃し、大きな被害を与えると共にうずまきナルトを拉致する事に成功。本拠地に戻るが、のちにナルト救出のために現れた五影の急襲を受ける。 長十郎との戦いにおいては、その巨体からは想像できないほどのスピードを発揮して戦況を有利に運ぶが、そのスキを突かれて我愛羅やダルイの攻撃を立て続けに受け、敗北する。しかし最期に、自らの命を投げ打ってモモシキに力を与え、満足げに散っていった。
まどか テントウ
火ノ国の大名であるまどかイッキュウの息子。長者の子息らしく歯に衣を着せない発言が目立つ少年だが、素直な性格で悪気はいっさいない。父親から誕生日プレゼントとして、ほしいものを何でも買えるようにカードを手渡されたが、それに対して寂しさを覚えている。イッキュウが公務のために木ノ葉隠れの里を訪れた時は、執事のヤマオカと共に同行し、そこで護衛の任についたうずまきボルトと出会う。 出会い頭にボルトの父親であるうずまきナルトと比較した事でボルトの不興を買うが、ゲマキの話題で意気投合したうえで忍術を教えるように求めた。そして、手裏剣の投げ方などの手ほどきを受けうちに、次第に打ち解けていく。のちに同行していた執事のヤマオカに化けていた貉強盗団の首領、ショジョジに誘拐されて窮地に陥るが、駆けつけたボルトによって救出された。
ショジョジ
木ノ葉隠れの里で暗躍している貉強盗団の首領を務める男性。見た目は肥満体だが動きは非常に俊敏で、並みの忍を一蹴するほどの腕力を誇る。また、相手の脳を生きたまま食らいつくす事で、その姿に変化する「屍分身」の術や風を発生させる事で、手裏剣や忍術などによる攻撃を無効化する「風遁・風伯楯」などの術を使いこなす。自らの目的のために平然と他者を犠牲にする非道な性格の持ち主で、あらかじめ殺害した、執事のヤマオカに扮してまどかテントウに近づく事で拉致に成功し、彼を人質にまどかイッキュウに多額の身代金と凶悪犯の釈放を求めた。 さらに、テントウの危機を察して現れたうずまきボルトと戦闘状態に陥る。風遁・風伯楯を駆使してボルトを追い詰めるものの、テントウとのチームプレーによって出し抜かれ、ボルトの所在を感知して駆けつけたうちはサラダとミツキによって捕らえられた。 その際、ボルトの手に刻まれた刻印を知っているようなそぶりを見せるほか、殻ともなんらかのかかわりがある事が判明している。
青 (あお)
うずまきボルトとその仲間達が先端技術研究所に向かう際、列車の中で出会った男性。かつては霧隠れの里において忍として活躍していたが、以前の大戦の折に左腕と左足、右目に重傷を負った。現在は遠野カタスケが開発した科学忍具で、その欠損を補っている。科学忍具を嫌うボルトに対して、道具に善悪はなく、使う人次第で役立てられる事を説いた。 その正体は殻に所属する「外陣」で、ボルト達が猿飛木ノ葉の救援に赴いた際に現れ、その本性を現した。
筧 スミレ (かけい すみれ)
木ノ葉隠れの里の先端技術研究所に勤めている少女。かつてうずまきボルトと共に学んでおり、現在も彼が気になっているような様子を見せる。普段は礼儀正しく、遠野カタスケからもその性格を高く評価されているが、ボルトに対してはくだけた態度を取る事も多い。また、ボルトとうちはサラダの関係を気にしているのか、彼女に対しては直接、ボルトに好意を抱いている旨を伝えていた。
犬塚 アキタ (いぬづか あきた)
木ノ葉隠れの里の先端技術研究所に勤めている女性。遠野カタスケとは公私にわたるパートナーで、彼の科学忍具に対する熱意を誰よりも理解している。犬塚アキタ自身も優秀な開発者で、筧スミレからも尊敬されている。ジャンクフードが好物で、特にカップラーメンと天玉そばを好んで食べているが、なぜかカップ焼きそばを嫌っている。
集団・組織
五影 (ごかげ)
それぞれの隠れ里において、忍の長を務める人達。里の忍からの信頼と尊敬を一身に受けており、その立場にふさわしい能力を持ち合わせている。うずまきボルトの父親であるうずまきナルトは、木ノ葉隠れの里における長である「火影」に就任しており、うちはサラダも、火影を襲名する事を将来の夢としている。
貉強盗団 (むじなごうとうだん)
木ノ葉隠れの里を荒らしまわっているとされる悪名高い強盗団。狡猾なやり口で恐れられており、里の忍達がこぞって捕縛に乗り出した時も、首領であるショジョジにたどり着く事はできずにいた。しかし、ショジョジ自身がまどかテントウを誘拐した際に、テントウを助けに来たうずまきボルトと仲間達に捕縛されたため、首領を失った貉強盗団はそのまま瓦解した。
殻 (から)
世界各地で暗躍しているとされる謎の組織。何らかの目的を持っており、そのために必要となる「器」と呼ばれる存在を求めている。組織図は、運営に携わる「内陣」(インナー)と、普段は別の顔を持ちながら「内陣」の依頼によって活動を行う「外陣」(アウター)に大別されており、かつて霧隠れの里の忍として活躍していた青も、密かに「外陣」としての活動を続けている。
場所
木ノ葉隠れの里 (このはがくれのさと)
「火の国」に所属する忍達による隠れ里。五影の一角である「火影」によって治められており、現在は七代目火影であるうずまきナルトがその任についている。戦乱に巻き込まれる事が多く、7年前は「忍界大戦」の舞台となった事もあった。しかし現在は、ナルトやうちはサスケをはじめとする忍達の尽力によって繁栄を極めている。
先端技術研究所 (せんたんぎじゅつけんきゅうじょ)
木ノ葉隠れの里に存在する、科学忍具などを研究するための施設。里の中心部から離れており、移動する際には列車を用いる必要がある。遠野カタスケや筧スミレ、犬塚アキタなどが勤務しており、忍術の精度を上げるための科学忍具や義手、義足などが開発されている。里に住む人々の生活向上が主な目的となっており、中忍選抜試験における経験から科学忍具を嫌っていたうずまきボルトは、実際に先端技術研究所を訪れ、そこでの経験から不信感を払しょくした。
イベント・出来事
中忍選抜試験 (ちゅうにんせんばつしけん)
下忍から中忍を選抜するための試験。忍術の腕と応用力をテストする三つの予選をクリアし、さらに本選としてトーナメント形式による1対1の対戦を勝ち抜く事で、中忍に昇格できる。うずまきボルトが参加した中忍選抜試験は木ノ葉隠れの里で執り行われ、彼の父親であるうずまきナルトをはじめとした五影やうちはサスケ、うずまきヒナタらが観戦にあたっていた。 しかし大会の最中、大筒木モモシキと大筒木キンシキがナルトの身柄を奪うため乱入し、里に大きな被害が及んだ事から試験は中止となってしまう。
その他キーワード
科学忍具 (かがくにんぐ)
先端技術研究所などで開発されている科学的な道具の総称。忍術の精度を高めたり、身体が不自由な人を支えるための義手と義足、さらにチャクラを光の刃に変換するものや、空を飛行できるものまで存在する。遠野カタスケは、これを木ノ葉隠れの里に住む人々のために役立てたいと考えており、その思想はうずまきナルトをはじめ、多くの忍に受け入れられている。 一方、何者かにあやつられたカタスケの甘言の影響で苦い経験をしたうずまきボルトは、一時期科学忍具そのものを嫌っていた。
チャクラ
人の身体を巡っているエネルギーの一種。主に忍術を使用する際に用いられ、チャクラの消費量が多ければ多いほど、強力な術となる事が多い。一人の人間が持つチャクラの量には大きな差はないとされているが、うずまきナルトは体内に九喇嘛のチャクラを宿しているため、ほかの人間を大きく上回る量のチャクラを練り上げる事ができる。 また、大筒木モモシキは、敵の放った術を吸収して自らのチャクラに変換できるほか、他者のチャクラを「丹」と呼ばれる薬に作り替え、自らに投与する事で強力な術を使用できるようになる。
ゲマキ
木ノ葉隠れの里で流行しているトレーディングカードゲーム。正式名称を「激・忍絵巻」というが、プレイヤーからはもっぱら、「ゲマキ」の略称で呼ばれている。カードに記載されているキャラクターは、実在する忍から直接取られているため、特に子供の忍から絶大な人気を誇る。うずまきボルトもまたゲマキのファンの一人で、あこがれの忍であるうちはサスケのカードを切望してが、まったく当たる気配がないため意気消沈している。 ただし、ほしいものは自分の手で手に入れる事を求めているため、まどかテントウから譲渡を持ちかけられた時は断っている。
螺旋丸 (らせんがん)
うずまきナルトやうちはサスケ、猿飛木ノ葉丸などが得意としている忍術。螺旋状に回転させたチャクラを手のひらに収束し、具現化した球体を敵に向かって放つ。球体は絶えず回転しており、これを受けた相手は衝撃と斬撃の両方によるダメージを被る事になる。また、シンプルな性質から応用が利きやすく、うずまきボルトは特訓の末に、目に見えない「消える螺旋丸」を体得している。
クレジット
- 原作
- 脚本
-
小太刀 右京
ベース
NARUTO-ナルト- (なると)
おちこぼれ忍者だったうずまきナルトが、戦いの中で仲間との絆を深め、英雄へと成長していく姿を描く。集英社「週刊少年ジャンプ」1999年43号から2014年50号まで連載。海外での人気も高く、主人公のうず... 関連ページ:NARUTO-ナルト-
続編
BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX- (ぼると とぅー ぶるー ぼるてっくす)
岸本斉史の「NARUTO -ナルト-」シリーズ第3作にして、池本幹雄の『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』の直接的な続編。うずまきボルトが反逆者として木ノ葉隠... 関連ページ:BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX-
関連
NARUTO-ナルト-外伝~七代目火影と緋色の花つ月~ (なると がいでん ななだいめほかげとあかいろのはなつづき)
自分の生まれに疑問を抱いた忍者の少女・うちはサラダ。彼女は、現在の両親が、自分の本当の両親であって欲しいという願いを抱きつつ、疑心暗鬼に苛まれ、この疑問をハッキリさせるべく、父であるうちはサスケを捜し... 関連ページ:NARUTO-ナルト-外伝~七代目火影と緋色の花つ月~
NARUTO-ナルト- サスケ烈伝 (なると さすけれつでん)
木村慎吾の初連載作で、小説『NARUTO-ナルト- サスケ烈伝 うちはの末裔と天球の星屑』のコミカライズ作品。第四次忍界大戦終了後、火の国から離れた地域に位置する「烈陀(レダク)」と呼ばれる国を舞台に... 関連ページ:NARUTO-ナルト- サスケ烈伝
NARUTO-ナルト- 木ノ葉新伝 (なると このはしんでん)
岸本斉史の漫画『NARUTO-ナルト-』のスピンオフで、ひなたしょうの小説『NARUTO-ナルト- 木ノ葉新伝 湯煙忍法帖』のコミカライズ作品。漫画はテレビアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」... 関連ページ:NARUTO-ナルト- 木ノ葉新伝
ロック・リーの青春フルパワー忍伝 (ろっく りーのせいしゅんふるぱわーにんでん)
岸本斉史の代表作『NARUTO-ナルト-』の登場人物の一人、ロック・リーを主人公としたスピンオフ作品。登場するキャラクターは基本的に原作準拠だが、本作『ロック・リーの青春フルパワー忍伝』はギャグ漫画。... 関連ページ:ロック・リーの青春フルパワー忍伝
書誌情報
BORUTO―ボルト― ―NARUTO NEXT GENERATIONS― 20巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2016-08-04発行、 978-4088807560)
第2巻
(2016-12-02発行、 978-4088808277)
第3巻
(2017-05-02発行、 978-4088810782)
第4巻
(2017-11-02発行、 978-4088812274)
第5巻
(2018-05-02発行、 978-4088814131)
第16巻
(2022-01-04発行、 978-4088828930)
第18巻
(2022-09-02発行、 978-4088832470)
第19巻
(2023-02-03発行、 978-4088833828)
第20巻
(2023-06-02発行、 978-4088835327)