概要・あらすじ
徴学令が施かれ、義務教育課程が高校まで延長された近未来の日本。問題を起こしエリート校を退学になった平賀信号は、不登校児や問題児を集める社会から隔離された学校・五色台学園に編入する。一度入学すると外に出られないといういわくつきの学校だが、そこで外の世界では見られなかった自由を感じ取った平賀信号は、むしろその環境を楽しむかのように学園生活を謳歌していく。
登場人物・キャラクター
平賀 信号 (ひらが しんご)
2年甲組の転校生。入学早々、学園を取り仕切るボス木戸信長が企画した学食争奪戦に巻き込まれることになり、2年の大将を務めることになる。五色台学園転校前には極東最難関の高城高校に通っていた。義理の父である平賀白線のことを馬鹿にされると、自分を抑えきれず、破壊衝動が出てしまう。
羽根田 黒子 (はねだ くろこ)
2年甲組所属。万引きの常習により五色台学園に入学した。岸和田廉のために万引きしているところを平賀信号に見つかった。五色台学園の理事長との会見を、学食争奪戦の条件に付け加えさせた。
武藤 利一 (むとう りいち)
アルコール依存症によって五色台学園に入学した2年甲組のリーダー格。世界的な油絵の大家であった母と水墨画の大家である祖父を持ち、自身も芸術的才能を持つ。学園では、趣味で抽象画を描いている。
山金 仁 (やまがね じん)
2年甲組所属。薬物中毒で五色台学園に入学した。父は、大企業である山金物産の社長で厄介払いで放り込まれた。拒食症に悩む岸和田廉に興味を持ち、後に好意を抱くようになる。
高津 勘助 (たかつ かんすけ)
2年甲組所属。すぐに手が出る性格で、五色台学園に入学したのも粗暴の常習が原因。鷲尾定子に好意をよせている。
岸和田 廉 (きしわだ れん)
2年甲組所属。クラスでは平賀信号に継ぐ秀才。入学以前は太っていたが、エリート校である高城高校への進学に失敗し、その精神的ストレスやこれまでの反動から拒食症となった。山金仁に対し、心を許しているところがある。
鷲尾 定子 (わしお さだこ)
2年甲組所属。売春により五色台学園に入学した。母親も娼婦で、幼いころは馬鹿にされていた。木戸信長に好意をよせる。
武者小路 是清 (むしゃのこうじ これきよ)
2年甲組所属。いじめを受けたことが原因で五色台学園に入学。卑屈な性格で、人に対してつい悪口を言ってしまう。漫画を描くことを趣味としているが、周囲の目を気にして隠している。
円谷 樹里 (つぶらや じゅり)
2年甲組所属。いじめが原因で五色台学園に入学した。ギャル風のメイクをしているのが特徴で、常にお菓子を食べている。
木戸 信長 (きど のぶなが)
3年乙組所属、学食争奪戦において3年の大将を務めた。常にゴーグルをかけており、自由奔放な性格で暇つぶしを本気でやる男。間宮潤のことを親友と呼ぶ。かつて起きた超難関校の入試問題・解答流出事件の主犯で、三年乙組の大半がこの事件の関係者。多趣味で、校内で酒の密造なども行っている。
東海林 シゲル
学食争奪戦における1年丙組の大将。褐色の肌にパーマの髪をしている。ボクシングをかじっており、動体視力がよい。
間宮 潤 (まみや じゅん)
五色台学園の学長にして3年乙組生徒。全身に包帯を巻いており、職員棟の温室の世話をしている。五色台学園の自由な校風は学長である彼の方針による。姉である間宮透子が五色台学園の創設者。
国分寺 シマ (こくぶんじ しま)
極東最高教育委員会から監査員として派遣されてきた教師。五色台学園の素行不良学生を監視し、委員会に報告する役割を担っている。木戸信長の実姉で、平賀白線ともつながりがある。
平賀 白線
高城高校の教授。平賀信号の義理の父で、施設にいた12歳の彼を引き取り育てた。高城高校を退学になった平賀信号に五色台学園への転入を勧めた。
場所
五色台学園 (ごしきだいがくえん)
私立高校で、主に不登校児や問題児など、一般の学校生活に不適合な生徒のための学校。超全寮制で、一度校内に入ると卒業するまで外に出られない。