機動戦士ガンダム FAR EAST JAPAN

機動戦士ガンダム FAR EAST JAPAN

TVアニメ『機動戦士ガンダム』を題材に、「ニホン」と呼ばれる場所で起こった戦いを描いた作品。アニメでは敵であったジオン軍側の視点となっており、ランディ・メネンデスのゴードン・レノックスに対する気持ちの変化や、ゴードンの真意など心理描写を細かく描いている。コミックス2巻目にあたる『機動戦士ガンダム FAR EAST JAPAN 下』の巻末には、『機動戦士ガンダム』をモチーフにしたカクテルレシピを掲載している。「週刊少年サンデーS増刊」2013年7月号から2014年3月号にかけて連載された。

正式名称
機動戦士ガンダム FAR EAST JAPAN
ふりがな
きどうせんしがんだむ ふぁー いーすと じゃぱん
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

宇宙世紀0079年11月、地球上の中央ヨーロッパへ降下して、オデッサ防衛戦で後方支援を行う任務を受けたランディ・メネンデスリンゼイ・シミズ。この任務内容は表向きのもので、本当の目的は、降下中にトラブルを装って小隊長のゴードン・レノックスを比較的安全なユーラシアに降下させ、名家出身のゴードンを戦闘に参加させないようにすることにあった。

作戦開始時間を迎え、地球への降下は順調に進むように思えたが、突然連邦軍が中隊規模で襲撃。この時の戦闘でゴードン、ランディ、リンゼイが乗ったコムサイは制御不能となり、本来の目的地よりはるか東に不時着する。そこは北緯35'2616°、東経138'4840°の「ニホン」というエリア。救援を待つゴードンたちだったが、直後にコムサイが連邦軍に襲われてしまう。

コムサイから離れていたおかげで難を逃れたが、襲って来たのが鹵獲(ろかく)されたジオン軍のモビルスーツ・旧ザクだったため、ゴードンたちは旧ザク破壊と情報収集の行動を起こす。

登場人物・キャラクター

ゴードン・レノックス (ごーどんれのっくす)

ジオン軍の男性軍人。階級は少尉。実家は名家で代々軍に属しており、父親は宣伝省トップのハーラン・レノックスというエリート。士官学校を座学トップで卒業したが、実戦の経験はない。戦地を知らずに命令することはできないと考え、父親を説得して今回の地球降下作戦に参加。部下にランディ・メネンデスとリンゼイ・シミズを指名する。 2人には敬語で話すような穏やか性格ながら、男兄弟の中で育ったため、殴り合いの喧嘩もする荒々しい一面もある。地球のニホンに降下した後、リンゼイの思いつきで3人の小隊を「ギムレット小隊」と名付けると、「ジン」というコードネームで呼ばれるようになる。

ランディ・メネンデス (らんでぃめねんです)

ジオン軍の男性軍人。階級は准尉。幼なじみのウィルからは「アニキ」と呼ばれている。ルウムでの戦いで、連邦軍の戦艦であるサラミス級とコロンブス級を、合計3隻撃沈したほど腕のいいモビルスーツパイロット。人を殺した証を誇示する必要はないと考え、搭乗機には撃墜マークを入れていない。地球降下作戦での本当の任務を子守と思い、子守対象のゴードン・レノックスのことを現実を知らない青二才だと、最初は嫌っていた。 しかし、地球のニホンに降下して一緒に行動するようになると、少しずつゴードンを認めるようになる。同僚のリンゼイ・シミズの思いつきで、3人の小隊を「ギムレット小隊」と名付けると、「シュガー」というコードネームで呼ばれるようになる。

リンゼイ・シミズ (りんぜいしみず)

ジオン軍の女性軍人。階級は軍曹。祖父から教わった射撃の腕は非常に高く、搭乗機のザクⅡも、スナイパー仕様にカスタマイズしている。祖父からは「引き金を引いて奪った命は、美味い酒で弔わなくてはいけない」とも教わっており、カクテルを作る材料や道具を常備している。夢はサイド3でBARを開店すること。冷静な性格で、同僚のランディ・メネンデスに注意することが多い。 地球降下作戦での本当の任務を最初は渋っていたが、任務完了後にBARの開業資金の援助してもらう約束を、ハーラン・レノックスと取り付けて、ゴードン・レノックスの指揮下に入る。地球降下作戦の最中で死んでしまったウィルを偲ぶためにギムレットを作っていた時に、材料に「ゴードン」というジンを使っていることに気づき、自分たち3人の小隊を「ギムレット小隊」と名付けた。 自分に「ライム」というコードネームを付ける。

ウィル

ジオン軍の男性軍人。ジオン軍の戦艦・ムサイで整備兵を務める。ランディ・メネンデスとは6バンチコロニーで育った幼なじみで、家族ぐるみの付き合いがある間柄。ランディを「アニキ」と呼んで慕っている。ゴードン・レノックス、ランディ、リンゼイ・シミズが乗るコムサイが敵のボールに襲われた時に、リック・ドムに搭乗して救出。 そのまま敵の乗るボールを排除するものの、地球の重力に引かれて大気圏の摩擦熱で焼かれ、ランディに生き残って欲しいと伝えて死亡した。

ハーラン・レノックス (はーらんれのっくす)

ジオン軍の男性軍人。階級は准将。宣伝省トップを務めており、ゴードン・レノックスの父親でもある。ゴードンが戦地に向かうことに反対し続けたが、ゴードンが頑なため仕方がなく承認する。しかし、ゴードンが最前線ではなく安全な場所に降下するように裏で手を回す。

ヴェルマ

連邦軍の女性軍人。中隊「DeathWitch」の隊長を務める。任務で離れている間に、ジオン軍のコロニー落としにより、最愛の子供と夫、さらに故郷を同時に失い、ジオンという国を強く憎んでいる。独自の目的のため、本隊から中隊ごと離脱して行動している。

アン

連邦軍の女性軍人。中隊「DeathWitch」の一員で、隊長のヴェルマのサポートを行う。鹵獲した旧ザクのパイロットや、司令塔となるブラッドハウンドのオペレーターを務めている。

ランドール

連邦軍の男性軍人。中隊「DeathWitch」の一員で、モビルスーツのパイロットを務める。小太りの体形をした横暴な性格の持ち主。逗留している街で給仕する子供を怒鳴りつけようとして、ヴェルマに手を撃たれる。

ナルティ

連邦軍の男性軍人。中隊「DeathWitch」の一員で、モビルスーツのパイロットを務める。鹵獲された旧ザクを破壊するために潜入したランディ・メネンデスを捕らえるものの、後方支援で待機していたリンゼイ・シミズにコクピットを撃ち抜かれて死亡した。

ムース

連邦軍の男性軍人。中隊「DeathWitch」の副隊長で、ナイトストーカーのパイロットを務める。移動中どころか、モビルスーツに搭乗中でもタバコを吸い続けるヘビースモーカー。得物を追い込むように狩りを楽しむ残虐な性格。

ロジャー

ランディ・メネンデスの弟。ジオン軍の軍人だったが、宇宙世紀0079年1月の積荷移送任務の時に、積荷から漏れたGGガスという致死性の高い神経ガスを吸って植物人間状態となる。今は軍の病院に入院している。

ドロレス

ジオン軍の軍人だった少女。ロジャーの同僚で、モビルスーツのパイロットを目指している。宇宙世紀0079年1月の積荷移送任務の時に、積荷から漏れたGGガスという致死性の高い神経ガスを吸って死亡した。

集団・組織

ギムレット小隊 (ぎむれっとしょうたい)

ゴードン・レノックス、ランディ・メネンデス、リンゼイ・シミズの小隊名。地球降下作戦の最中で死んでしまったウィルを偲ぶために、リンゼイが作ったギムレットの材料に「ゴードン」というジンを使っていたことからリンゼイが命名。ギムレットにはジン、ライム、砂糖が使われているため、ゴードンにジン、ランディにシュガー、リンゼイにライムというコードネームが付けられた。

その他キーワード

ザクⅡ

ジオン軍が運用する量産型モビルスーツ。地球に降下したゴードン・レノックス、ランディ・メネンデス、リンゼイ・シミズの搭乗機。ゴードン機とランディ機は地上用のザクⅡだが、リンゼイ機はリンゼイが使いやすいように狙撃に特化したカスタマイズ機。主兵装はマゼラトップの搭載砲をベースにした、リンゼイオリジナルのスナイパーライフル。 頭部を偵察用のE型ヘッドユニットに変えてスコープとの連動性を上昇させ、射撃時にブレが生じないように、右胸に銃床を接合することも可能。さらに電子制御式のものにレバー式のトリガーを追加して、生身に近い感覚で撃てるようにしている。

ナイトストーカー

連邦軍が運用するモビルスーツ。連邦軍の量産型モビルスーツのジムをベースにして作られた夜間強襲の実験機。通称「ナイトストーカー」。全身を真っ黒に塗られており、暗闇で真価を発揮する。ヴェルマ率いる中隊「DeathWitch」が本隊から離脱する際に持ち出し、ムースが搭乗している。

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